2016年03月09日

「相棒season14」第19話「神隠しの山の始末」(3月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season14」第19話「神隠しの山の始末」(3月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season14」第19話「神隠しの山の始末」(3月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

手配中の宝石強盗犯・斗ヶ沢(窪寺昭)が質屋に現れ逃亡する事件が発生。
夕霧岳へ逃げ込んだことが分かり、山狩りに右京(水谷豊)が駆り出された。
ところが、右京は山中で崖から転落し付近で工房を営む鉄朗(升毅)、喜久子(山口果林)夫妻に助けられる。
鉄朗たちは7年前に姿を消した作陶家・流雲の弟子であった。
その様子に挙動不審なものを感じた右京は彼らの秘密を突き止めようと行動し、行き合わせた電話回線業者の翔太(清水優)と共に捕まってしまう。

「相棒season14」第18話「神隠しの山」(3月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

こうして消えた右京。
彼を探すべく捜索隊が結成される中、冠城(反町隆史)は斗ヶ沢殺害事件を追う。
矢先、斗ヶ沢の遺体がキャンプ場で発見された。
米沢によれば犯人の足跡が2種類検出されており、複数犯の疑いがあるらしい。

一方、右京捜索は橘翔太も姿を消してしまったことで規模拡大の一途を辿っていた。

その夜、冠城は山中に捜索隊が足を踏み入れいてない地域があることに気付き足を運んでいた。
そう、流雲の工房だ。
冠城は鉄朗と喜久子と顔合わせを果たすが右京たちについて手掛かりを得ることなく後にすることに。

翌朝、役場に助役の前園を訪ねた冠城は流雲が殺害を疑われず失踪として処理されたことについて尋ねる。
前園によれば流雲が残した置手紙が決め手となったのだそうだ。
流雲は書家としても名を成しており、その筆跡はその書と一致したと言う。
「流雲招聘には町の命運がかかっていたのに裏切られた」と憤りを見せる前園。
其処に毎朝テレビが報道した夕霧岳の神隠しの噂も重なり踏んだり蹴ったりらしい。

同じ頃、右京は何者かの泣き声を聞き付け目を覚ましていた。
周囲を見渡せば蔵の中に閉じ込められている様子、傍らには拘束された翔太の姿が。
泣き声の主は翔太であった。
翔太を励ましつつ、脱出の途を探る右京。

翔太によれば4年ほど前からこの地区の担当になったらしい。
鉄朗夫妻とは余り親しいワケではないが、去年になって電話回線を光回線にする工事を行ったのだそうだ。
何でもゲームをする為と聞いたらしい。
鉄朗夫妻に似合わぬそれに翔太は違和感を覚えていたと言う。
これを聞くや右京の脳裏に斗ヶ沢が浮かぶ。
右京は真実を確かめるべく脱出を試みる。

一方、伊丹たちは斗ヶ沢と交際していた遠藤里美(岡本あずさ)に注目していた。
里美の夫・亮(川野直輝)が斗ヶ沢の遺体発見現場となったキャンプ場の管理人だったのだ。
2人が共謀し斗ヶ沢の所持していた宝石目的で殺害を行っていたと考えられたのである。
冠城は里美に接触し「斗ヶ沢の死」について揺さぶりをかける。

その頃、脱出に挑んでいた右京と翔太は蔵の中で壺に収められた白骨を発見。
さらに、右京は蔵の中でアルバムを目にし興味を抱く。

同時刻、里美はと言えば冠城の揺さぶりに動揺し亮のもとへ。
ところが、里美を監視していた冠城たちに現場を抑えられ取調を受けることに。
亮たちが取調を受けると知った前園が駆け付けた矢先、里美が隙を突き逃亡しトイレの窓から転落してしまう。

蔵の窓から格子を切断して脱出しようと決めた右京。
しかし、翔太は蔵の扉が開いていることに気付く。
先程、確認したときは閉まっていたのに……と不思議がる右京だが、こうして脱出路の確保に成功する。

転落した里美だが、一命を取り留めていた。
里美宅から斗ヶ沢の指紋が検出されたことで容疑が深まるのだが……。

斗ヶ沢殺害時刻に里美が産婦人科に居たことが判明。
里美は妊娠3ヶ月、子供の父親は斗ヶ沢であった。
一方、亮はキャンプ場で斗ヶ沢の遺体を発見し宝石を奪うと換金していたことを認めるが、殺害は否定する。

同じ頃、冠城は毎朝テレビに連絡を入れ、ある確認を行う。

斗ヶ沢が質屋から逃亡直後に公衆電話で連絡を入れていたことが明らかに。
その連絡先とは……。

翔太を脱出させた右京だが、足が悪化していた為にその場に残ることに。
右京が鉄朗に接触する中、麓へ辿り着いた翔太は冠城たちに助けを求める。

右京は鉄朗に蔵にあったアルバムについて指摘。
その写真には書に取り組む喜久子の姿があった。
流雲は書家として名が知られていたが、それも喜久子によるものだったのだ。
当然、失踪時に残された流雲の手紙も喜久子によるものだ。
右京は流雲が死亡し窯で焼かれたに違いないと述べる。
蔵から発見された白骨こそ流雲の遺骨だったのだろう。

3年前、斗ヶ沢はこの事実に気付いた。
脅迫された鉄朗たちは斗ヶ沢を匿わざるを得なくなった。

現在になって、里美は斗ヶ沢に妊娠を告げた。
其処で斗ヶ沢は金が必要になり質屋へ出向いた。
だが、宝石の換金に失敗し逃げ戻らざるを得なかった。
村に戻った斗ヶ沢は協力者に連絡を入れた。
とはいえ、此処での協力者は鉄朗たちではない。
あの時点では電話回線が通じていなかったからだ。
むしろ、鉄朗たちは情報に飢えていた。
右京を助けたのも斗ヶ沢の情報を聞き出す為だ。
つまり、斗ヶ沢殺害は鉄朗たちの犯行ではない。

右京には1つだけ大きな謎があった。
何故、鉄朗たちは右京を殺さなかったのか?
これに右京は鉄朗たちは誰も殺せない人々なのではないかと結論付ける。
斗ヶ沢も殺していない、流雲も死体処理こそ行ったが殺してはいない。

「うるせぇ!!」
鉄朗は鉈を手に右京に襲い掛かるが……その鉈はどうしても中空で止まってしまうのであった。
其処に冠城たちが駆け付け、鉄朗と喜久子は逮捕された。

「君ならもっと早く来ると思ったんですけどね」
「えぇ、それは……それよりも少々お話ししたいことが」
右京に調べた内容について伝える冠城だが。

その午後、右京と冠城は前園のもとを訪れていた。
冠城は毎朝テレビに確認し、夕霧岳の神隠し報道が前園発の情報であったと指摘する。

では、前園はどうしてそんなことを行ったのか?

此処で右京はどうして流雲が殺害されたかについて触れる。
鉄朗は夕霧岳ではなくわざわざ別の土地から粘土を運び入れていた。
おそらく、夕霧岳の粘土が作陶に向かないからだろう。
だが、流雲のスタイルは「その土地の土を用いる」ことだ。
つまり、流雲にとって夕霧岳は工房として相応しくない。

流雲の存在を村おこしに用いたい前園。
特に夕霧岳に拘る必要の無い流雲。
其処に何が起こったのか?

「この山じゃ作業出来ない」
流雲は前園を呼び出すと村おこしには協力出来ないと言い出した。
結果、逆上した前園が流雲を殺害したのである。

弟子の作品を奪っていた流雲に対して不満を抱えていた鉄朗と喜久子は事件の隠蔽に協力した。
これで自分の名前で勝負出来ると考えていたと言う。

だが、鉄朗たちの作品は評価されなかった。
確かに鉄朗たちの技術は優れていたが、流雲のアイデアがあって初めて高い評価を得られていたのだ。

3年前から目撃されていた白い幽霊の正体は斗ヶ沢であった。
斗ヶ沢は流雲のスーツを着用し、夜中に外を出歩いていたのだ。

ところが、これに飽きたらず里美と生活する為に宝石類の換金を目論んだ。
そして、失敗してしまった。
逃げ戻って来た斗ヶ沢は前園に助けを求めた。
だが、この状況下で斗ヶ沢を匿うことのリスクを考えた前園が口封じに殺害したのであった。
さらに前園は工房が捜索範囲に含まれないように密かに誘導していたのである。

「村の為だったんだ」
「村の名誉を汚したのは誰ですか!!」
正義を訴える前園に、当の前園こそが村を窮地に陥れていると弾劾する右京。

右京たちが脱出出来るように蔵の鍵を外したのは喜久子であった。
流雲に囚われて生きることに疲れ果てていたらしい。

その夜、右京と冠城は「花の里」で事件解決を祝していた。
そっと右京にゴルフコンペのお土産を手渡す冠城。
奇しくもそれは鉄朗が焼いた皿であった。

さらに、冠城は5年前に彼が目撃した白いスーツ姿の亡霊について話し出す。
冠城は「あれが斗ヶ沢だったんですね」と笑いながら頷くのだが。

「君、今なんと言いました」
「だから、5年前……」
「斗ヶ沢が夕霧岳に逃げ込んだのは3年前ですよ」

つまり、5年前に冠城が目撃したのは―――第19話了。

<感想>

シーズン14第19話。
脚本は池上純哉さん。

サブタイトルは「神隠しの山の始末」。
第18話「神隠しの山」に続く前後編の後編です。

「相棒season14」第18話「神隠しの山」(3月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

前園は村の為を唱えつつ、夕霧岳に幽霊の噂を流して貶め、夕霧岳の神隠しの噂でさらに貶め、今回の犯行という不祥事によりこれ以上ないほどに貶めた。
これでは、流雲とどちらが村の敵なのか分かったものではない。
当初こそ、村の為であった前園の行為も何時しか保身に変っていたのでしょう。
まさに本末転倒で、右京が窘めるのも分かりますね。

そして鉄朗と喜久子は罪の意識に囚われていたのでしょう。
右京は鉄朗たちが殺人者にはなれないと見抜いたからこそ煽っていたのか。

そう言えば鉄朗たちは「流雲の呪い」を口にしていましたが、これは実在したのかも。
5年前に冠城が目撃した正体不明の存在もそうでしょうし。
そもそも、慎重な右京が不用意に転落したのも不自然。
あれも流雲の導きだったのかも。
だからこそ、怪我も軽かったか。
さらに、ラストで右京の足があっさりと治っていたのも流雲の力だったりして。
斗ヶ沢が夕霧岳に逃げ込んで来たことさえ流雲の力だったら……どうしよう。

でもって、翔太による『走れメロス』的な展開もありましたね。

ただ、全体的に2時間サスペンスを前後編にしたようなエピソードだったかな。
手堅いと言えば手堅いが想定通り過ぎた気もする。
前回、予想した範囲内から大幅に外れることもなくオチもほぼ前回の予想通りだったし。
予想が的中したことが嬉しい反面、もう一捻りあればとの気持ちも拭えませんね。

さて、次回は最終回。
サブタイは「ラストケース」だそうです。
誰にとっての「ラストケース」なのか、かなり意味深長なサブタイ。

ゲストは高岡早紀さん、小野寺昭さん、国広富之さん、石橋蓮司さんほかとのこと。
豪華ゲストですね。

ちなみに皆さん、既に「相棒」には出演済みの方たち。

高岡早紀さんは「相棒3」7話「夢を喰う女」での辻村めぐみ役(犯人)。
小野寺昭さんは「相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」での片山擁一役(雛子の父、作中では故人)。
国広富之さんは「相棒7」15話「密愛」での榊敏郎役(被害者)。
石橋蓮司さんは「相棒4」2話「殺人講義」での春日秀平役(犯人)。

どうやら別の役での再登場となりそうです。
これだけの豪華キャストとなると冠城の去就も含めて省庁舞台の政治劇になりそうかな。
要注目!!

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「ビーストコンプレックス」第1話「ライオンとコウモリ」(板垣巴留作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「ビーストコンプレックス」第1話「ライオンとコウモリ」(板垣巴留作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
ラウル:ライオン型の獣人、高校生。生徒会長を務める優等生。
アズモ:コウモリ型の獣人、高校生。1週間前から不登校に。

<あらすじ>

此処は人に代わり獣人が闊歩する世界。
その世界の高校生でライオンの獣人であるラウルは退屈を感じていた。
彼は常に完璧を自負していた。

ラウルは学内では優等生で通っている。
生徒会長であり、成績優秀であり、スポーツも万能、人望も厚く、容姿端麗でもある。
まさに「百獣の王」に相応しい風格を備えていたのだ。
また、そうであるべきと彼自身考えていた。

そんなある日、ラウルは教師から不登校児を登校させるよう言い付かる。
不登校児の名はアズモ、オオコウモリらしいが1週間前から急に登校しなくなったのだそうだ。

面倒くさいと思いつつも内申と引き換えとの条件でこれを引き受けたラウル。
形だけでも果たせば良いかと思っていたのだが……。

アズモの自宅は廃ビルであった。
恐る恐る踏み込むとアズモは居た。

投げやりに説得を試みるラウル。
しかし、アズモは応じない。
それどころか、ラウルを揶揄するような言葉を投げつけた。
逆上したラウルはアズモに掴みかかる。

ところが、此処でアズモは「それがお前の本性だ」と冷たく言い放つ。
実はアズモは1週間ほど前にラウルと同じライオン型獣人に両親を惨殺されていたのだ。
以来、生きる気力を失くしてしまったらしい。

「お前も同じなんだろ。さぁ、やれ」
何度となく繰り返すアズモの言葉に錯乱したラウルはその場を逃げ出してしまう。

その夜、ラウルは自室で自身の野性に慄いていた。
あのとき、確かにラウルにはアズモへの殺意が渦巻いていたのだ。
自身が完璧ではないことを知ったラウルは……。

翌日、ラウルは再びアズモを訪ねた。
もはや、教師からの依頼は忘れていた。
ラウルはただひたすらアズモに謝罪した。
そんなラウルにアズモは告げる、「実は怖かったんだ」と。

半ば自暴自棄になっていたアズモ。
しかし、ラウルに掴みかかられたとき「生きたい」と心底思ったのだそうだ。
アズモは「そんな気持ちになれたのはラウルのおかげだ」と笑う。

数日が経過した。
ラウルはアズモのもとを足繁く訪れていた。
学校では誰も本当のラウルを見てくれない。
彼らが見るのは「完璧を演じるラウル」である。
何時しかラウルはアズモに親しみを抱いていた。
ラウルは「逆上がりが出来なかったこと」をアズモに語る。
ラウルはアズモの前では素直になれるのだ。

さらに数日が経過した。
アズモのもとを訪れたラウルは彼が旅支度をしていることに気付く。
アズモによれば旅に出ようと考えているらしい。

もしも、此処でアズモを行かせればラウルは教師の依頼を失敗したことになる。
また、折角得たアズモ自身を失うことでもあった。

だが、ラウルは笑ってアズモの決断を支持した。
不思議なことに其処に何の迷いも無かった。
何しろ、他でもないアズモが決めたことなのだから。

ラウルはアズモを見送った。
何時の日か再会を約しつつ―――エンド。

<感想>

「大人のおとぎ話」とでも呼ぶべき上質の作品と感じました。
ライオンやコウモリなどのイメージに仮託しつつ、人と人との心の交流を見事に漫画化しています。

また、獣人はどちらかと言えば「内面が動物に表現されている」と考えた方が良いかもしれません。
ラウルは出世街道をひた走るエリートを表現し、アズモは両親を殺されてしまった被害者遺族。
アズモの両親を喰らったライオンは挫折を経験したエリートを示しているものか。

つまり、アズモの両親の事件は「完璧を自負しながら挫折を経験したエリートが自暴自棄になり通り魔的な犯行に及んだ」と捉えれば、実際の事件と重なるところも大きいのではないでしょうか。
言わばアズモの言葉は「お前らみたいな奴が両親を殺した」と置き換えることが出来る。
この心からの叫びにラウルは衝撃を受けた。
完璧と考えていた自身の中の闇、それこそ彼が抱える違和感の正体であった。
知らなければ抗えない衝動も、その存在を知ることで抗うことに挑むことが出来る。
ラウルは自身も完璧ではないことを知ると共に、このチャンスを得た。
これにより完璧と思われがちな人間にも弱点があり、悩みがあることを表現しています。

当初、ラウルにとって面倒くさい仕事だった筈のアズモが彼に成長の機会を与えた。
アズモもまた両親を急に失い自暴自棄になっていたが、ラウルとの交流を経て一歩踏み出す勇気を得た。
2人はあの短い時間で互いを高め合う友達となったのではないでしょうか。
だからこそ、ラウルはアズモの成長を喜び見送ることとなった。
それは対等の立場から互いを尊重すればこそ出来ること。

かなり良かったです。

ちなみにあらすじはまとめ易いようにかなり改変しています。
興味をお持ちの方は本作それ自体を読むべし!!

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『クララ殺し』第5話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.75 FEBRUARY 2016』掲載)

『クララ殺し』第5話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.75 FEBRUARY 2016』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

スキュデリは推理を誤ったのか? マリーの死を受けてドロッセルマイヤーは井森の責任を追及するが……
(東京創元社公式HPより)


<感想>

小林泰三先生の新作長編『クララ殺し』が『ミステリーズ!』にて連載中です。
今回はその第5話。

ラストにて「マリー=くらら」であることがスキュデリの口から語られました。
此処までは前回も予測した範囲。

「クララ=くらら」「マリー=?」ではなく「マリー=くらら」であるとすれば、これまでの構図はかなり異なって来ます。
まず「地球でくらら」が「ホフマン宇宙でマリー」が遺体で発見されたことから被害者は2人と思われていましたが、実際の被害者は1人になります。
さらに「ホフマン宇宙のクララ」が生存している可能性も浮上。

それどころか4話で明かされた「くららのメモ」を考えれば「クララこそが犯人」の可能性も。
だとすると、タイトル『クララ殺し』の意味も「クララが被害者=クララ殺し」ではなく「クララが加害者=クララ殺し」なのかも。

作中でのスキュデリの言葉によれば「マリーの死は誤算」であり「真犯人を論理的に理解しなければ同情や便乗犯が生まれかねないもの」らしい。
これから考え得るのは「マリーこそがクララを殺害しようとし返り討ちにあった可能性」だ。

さらに、ドロッセルマイアーについて新事実が判明。
「ホフマン宇宙のドロッセルマイアー」と「地球世界のドロッセルマイアー」が別人であることが判明。
登場人物一覧に『本人曰く「アーヴァタールはドロッセルマイアー」』と記載し続けた甲斐がありました。

こうなると気になるのは「ホフマン宇宙のドロッセルマイアーは地球の誰か」なのですが「ホフマン宇宙のドロッセルマイアー」がDNA鑑定の件とその結果を知っていたことを考えると「礼津こそがホフマン宇宙のドロッセルマイアーのリンク先」の可能性が高そうか。

さらに、どうやらスキュデリも地球に存在しており井森を見知っている様子。
考えられるのは岡崎徳三郎ぐらいだが……。
こちらで気になるのは前作のようなどんでん返しがあるかどうか。
前作『アリス殺し』では犯人告発後に意外な展開が探偵役を待ち構えていました。
今作にて探偵役に当たるのはスキュデリですが、彼女は大丈夫なのか?
そもそも、今更ながら「スキュデリを信用しても良いものなのだろうか」、「真の探偵役は別にいるのか」も気になります。

ちなみにネタバレあらすじは大幅に改変しています。
どちらかと言えば、かなりライトにしました。
本作はもっとヘヴィかつブラックです。
興味のある方は本作それ自体を読むことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
【地球】
井森:『アリス殺し』から再登場。大学院生。アーヴァタールは蜥蜴のビル。
露天くらら:アーヴァタールはクララらしいが……。
ドロッセルマイアー:工学部教授。本人曰く「アーヴァタールはドロッセルマイアー」。
鼠:車中で焼死していた鼠。くららを襲った車に乗っていた。
諸星:くららの知人。千秋の父。
諸星の家内:諸星の妻。諸星とは別居中。
千秋:諸星の娘。くららの教え子。
新藤礼津:謎の女性。
岡崎徳三郎:謎の男性。

【ホフマン宇宙】
蜥蜴のビル:『アリス殺し』から再登場。相変わらず場を掻き乱すことに。
クララ:ビルが出会った車椅子の少女。
ドロッセルマイアー:判事。
シュタールバウム:クララの父親。
フリッツ:クララの兄。
鼠:クララ殺しを図ったとして処刑された。
スパンツァーニ:ナターナエルの師匠。
ナターナエル:スパンツァーニの弟子。
オリンピア:スパンツァーニが作った自動人形。
コッペリウス:ドロッセルマイアーと犬猿の仲の弁護士。
マリー:クララの友人の1人。クララ宅の自動人形。
ピルリパート:クララの友人の1人。姫。
若ドロッセルマイアー:判事と同姓同名の別人。ピルリパートの恋人。
ゼルペンティーナ:クララの友人の1人。正体は蛇。
トゥルーテ:クララ宅の自動人形。
パンタローン:スキュデリの部下。
スキュデリ:ビルに協力を申し出る。
ロータル:クララの兄……の記憶を植え付けられている。

・前回はこちら。
『クララ殺し』第4話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.74 DECEMBER 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

此処は地球世界、井森の前にはドロッセルマイアーと礼津が居た。
マリーが死体で発見されたことで井森の責任を追及するドロッセルマイアー。
そんなドロッセルマイアーに井森はスキュデリから頼まれた依頼を伝える。
それは「落とし穴の血をDNA鑑定し、くららの物か確認して欲しい」とのものであった。

これを「自分でやれ」と嫌がるドロッセルマイアー。
しかし、井森は時間が無いと彼を説得。
結局、ドロッセルマイアーから依頼を受けた礼津が動くことに。

部屋を去った礼津。
残ったドロッセルマイアーに井森は「スキュデリから頼まれた件は進んでいますか」と尋ねることに。
一瞬、戸惑う様子を見せたドロッセルマイアー。
そんな彼に井森は「車椅子でくららが移動した範囲を調べると約束した筈ですよ」と促す。
これを聞いたドロッセルマイアーは「ああ、その件ならば少し時間がかかっている」と応じるのだが……。

数時間後、ホフマン宇宙。
スキュデリとビルの前にはドロッセルマイアーが居た。
依頼の結果を尋ねるスキュデリにドロッセルマイアーは「落とし穴の血はくららのものだった」と語る。
ところが、スキュデリは依頼はそれだけでは無かったとドロッセルマイアーを問い詰める。
そう、「車椅子でくららが移動した範囲を調べる」との依頼である。

狼狽するドロッセルマイアーにスキュデリは全てが彼女の罠であったことを明かす。
実は「車椅子でくららが移動した範囲を調べる」との依頼は存在していなかった。
にも関わらず「地球世界のドロッセルマイアー」は「スキュデリから聞いた」と認めていた。
しかし「ホフマン宇宙のドロッセルマイアー」はそれを聞いても居なかった。

つまり「地球のドロッセルマイアー」と「ホフマン宇宙のドロッセルマイアー」はリンクしていないのだ。
にも関わらず、2人は互いにリンクしていると言い張っていた。
これが何を意味するか!?
これについて、それぞれが別人であることは認めたドロッセルマイアーだが「単なる悪戯の為に地球のドロッセルマイアーを用意した」と弁明し始めた。

再び地球世界。
井森はドロッセルマイアーには内密に礼津に接触し、彼がドロッセルマイアーを騙る偽物であることを伝え協力を求めた。

これに応じたかに見えた礼津。
しかし、あっさりと裏切りドロッセルマイアーに偽物であることがバレたと教えてしまう。

開き直った偽ドロッセルマイアーは「伝えたいことがある」と例の落とし穴へ井森を連れ出した。
相変わらず落とし穴の底には血に染まった杭が突き立っている。
ドロッセルマイアーはその血液の付着の仕方を指摘。
くららが突き刺さって死亡したのならば、落とし穴の底に血が溜まる筈でどちらかと言えば引き抜かれたように見えないかと語る。
これに頷く井森だが、気付けばドロッセルマイアーに逃げられてしまっていた。
しかも、直後に何者かに殺害されてしまう。

ホフマン宇宙ではビルが井森の死をスキュデリに告げていた。
一方、スキュデリはそんなビルに同情しつつも全てが明らかになったと関係者を呼び集める。

集まった一同を前に謎解きを始めるスキュデリ。
「マリーの死こそ誤算だった」と前置きしつつ、スキュデリはドロッセルマイアーが地球世界に偽物を用意した理由が悪戯以外にある筈と詰め寄る。

これにドロッセルマイアーは彼が唱える「アーヴァタール仮説」を実証する為に必要だったと主張する。
リンクがあると提唱するドロッセルマイアー自身にリンクがないとなれば説得力が欠けるとの理屈だ。

此処でスキュデリは井森の身長を取り上げた。
2メートルほどの大きさだったとするスキュデリに対し「170程度だろう」と一笑に付すドロッセルマイアー。

しかし、これこそスキュデリの狙いであった。
スキュデリはドロッセルマイアーが井森の正確な身長を知っていたことから実際に彼を目撃したことがあると指摘。
つまり、ドロッセルマイアーのリンク先は地球に存在しているのだ。

だとすると、先程のドロッセルマイアーの言葉は嘘になる。
実在する以上、偽物をでっち上げる必要は無い。

続いてスキュデリは「そもそもドロッセルマイアーが誰を騙そうとしていたのか?」について触れる。
ドロッセルマイアーが騙そうとしたのは事件前に彼と接触した人物だ。
地球のドロッセルマイアーが接触したのはくららと井森の2人。

このうち、くららは標的では無い。
何故なら、くらら死亡後もドロッセルマイアーは芝居を続けたからである。

だとすれば、ドロッセルマイアーは井森を騙そうと考えたのだ。
いや、正確には井森を通じていずれ現れる探偵役を騙そうと目論んだ。

何故か?
ドロッセルマイアーはくららが殺害されることを事前に知っていたからである。

そして、スキュデリはクララ殺害時のアリバイが工作されたものだと指摘する。
何故なら「マリー=くらら」だったのだ―――6話に続く。

◆「小林泰三先生」関連過去記事
【書籍関連】
『アリス殺し』(小林泰三著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第1話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.71 JUNE 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第2話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.72 AUGUST 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第3話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.73 OCTOBER 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『クララ殺し』第4話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.74 DECEMBER 2015』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『愛玩』(小林泰三著、新潮社刊『小説新潮 2015年3月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

「ドッキリチューブ(『完全・犯罪』収録)」(小林泰三著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
【2014年】「啓文堂書店文芸書大賞」が決定!!栄冠は小林泰三先生『アリス殺し』(東京創元社刊)に輝く!!

『クララ殺し』第5話が掲載された「ミステリーズ! vol.75」です!!
ミステリーズ! vol.75



『クララ殺し』第4話が掲載された「ミステリーズ! vol.74」です!!
ミステリーズ! vol.74



『クララ殺し』第3話が掲載された「ミステリーズ! vol.73」です!!
ミステリーズ! vol.73





『クララ殺し』第2話が掲載された「ミステリーズ! vol.72」です!!
ミステリーズ! vol.72





『クララ殺し』第1話が掲載された「ミステリーズ!vol.71」です!!
ミステリーズ!vol.71





『愛玩』が掲載された「小説新潮 2015年 03 月号 [雑誌]」です!!
小説新潮 2015年 03 月号 [雑誌]





「アリス殺し (創元クライム・クラブ)」です!!
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キンドル版「アリス殺し」です!!
アリス殺し



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