2016年03月18日

『どこかでベートーヴェン 第七話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.12』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第七話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.12』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家による書き下ろしミステリーブック!中山七里が描く、シリーズ累計81万部突破の大人気・音楽シリーズ最新話「どこかでベートーヴェン」第7話、鍼灸師資格をもつ乾緑郎が描く「鷹野鍼灸院の事件簿」最新話、シリーズ累計41万部突破の「オサキ」シリーズ最新話、シリーズ累計22万部突破「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ最新話など、豪華作家競演の一冊。
(宝島社公式HPより)


<感想>

中山七里先生「岬洋介シリーズ」の最新作『どこかでベートーヴェン』の第7話が発表されました。
長編第3作である『いつまでもショパン』と同様に『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』に掲載されています。

そんな「岬洋介シリーズ」は「難聴を抱える天才ピアニスト岬洋介が関わった事件を描く」シリーズ作品。
あくまで関わった事件なので、中心視点人物は各作品ごとに別の人物となっており、岬は事態解決やアドバイスなどを行う探偵役の立場となっています。
いつか岬自身が視点人物となる日がやって来るのでしょうか。

なお、今回の『どこかでベートーヴェン』は『いつまでもショパン』の後から始まる物語。
ただし、ある事柄(『いつまでもショパン』での出来事)により一躍有名になった岬を見かけた高校時代の同級生が当時(高校時代)に起こった事件について振り返るとの内容になっています。

そんな7話ですが、やはり前々回(5話)の推理通りか。
犯人は春菜で良さそう。
7話でも棚橋を通じて春菜の父である町長と「イワクラ建設」の不正に触れられていました。
おそらく、岩倉は不正を盾に春菜を脅迫していた可能性があるなぁ……。
其処で春菜が岩倉を殺害したものか。

アリバイについては前々回(5話)でも語っているが、殺害現場あるいは殺害時刻を誤認させるものか。
例えば、途中で下校したと思われていた岩倉が学校内に潜んでおり春菜とトラブルになり殺害された。
あるいは、下校したとされる時間の時点で既に春菜の手で殺害されていればアリバイは成立しません。
いずれにしても死体運搬がネックになって来ますが、それこそ学校前が急な坂であり、当時の状況を考えれば
遺体を放流することも可能な感じだし。
そもそも春菜がジャージを着用していたのも、制服が雨か返り血で濡れていたからだろうし。
春菜のアリバイ自体も岩倉の姿が見えなくなった時間から成立しているものですし割と容易に崩せます。

また、此処に来て予想通り本作のタイトル『どこかでベートーヴェン』が活かされて来るように。
岬の突発性難聴についてベートーヴェンに絡めて触れられました。
続く単行本では岬が如何にしてこれを乗り越えたかも描かれそうです。

そうです、遂に『どこかでベートーヴェン』の単行本化が明らかにされました。
何でも2016年5月刊行予定とのこと、見逃せません。

ちなみに、「岬洋介シリーズ」には長編が『さよならドビュッシー』、『おやすみラフマニノフ』、『いつまでもショパン』の3作(刊行順、作中時系列順)と短編が短編集『さよならドビュッシー前奏曲(文庫化に際し『要介護探偵の事件簿』を改題)』(『さよならドビュッシー』の前日譚を描いたスピンオフ)、『間奏曲(インテルメッツォ)』(『いつまでもショパン』と同時期に起こっていた事件を描くスピンオフ)の2作が存在しています。
記念すべきシリーズ第1作『さよならドビュッシー』は映画化もされています。
書籍版については、すべてネタバレ書評(レビュー)していますね。
興味のある方はネタバレあらすじ後の関連過去記事へどうぞ!!

ちなみに、ネタバレあらすじについては管理人によりかなり改変されています。
本作を楽しんで頂くには直接お読み頂くことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
岬洋介:シリーズ主人公、今回は高校時代が描かれる。
鷹村亮:『どこかでベートーヴェン』の視点人物。音楽科の学生。
岩倉:音楽科の学生の1人。イワクラ建設の息子。
板台:音楽科の学生の1人、バンドを組んでいる。
春菜:鷹村が憧れる同級生。町長の娘。
美加:音楽科の学生の1人。
棚橋:音楽教師。
佐久間:数学教師。
横屋:教師。

・6話はこちら。
『どこかでベートーヴェン 第六話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.11』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

岬が「犯人の自白が必要」と語ってから幾日が過ぎた。
やがて2学期が始まったが、岩倉殺害事件は解決の目途が付かない状態であった。

そんな中、事件前後で明らかに変化した出来事があった。
クラスメートの岬への態度である。

それまで岬の周囲は黄色い悲鳴で埋まっていたが、今では批判の言葉で埋もれていた。
彼ら、彼女たちは岬に対し後ろ指を差し続けた。

急先鋒に立ったのは板台だ。
彼はここぞとばかりに岬を攻撃した。

亮は叫び出したかった。
お前らに岬の何が分かるんだ、と。
お前らに岬を批判する資格があるのか、と。
だが、その言葉がどうしても口を出なかった。

暫く岬にとって針のむしろのような日々が続いた。
もっとも、当の岬はどこ吹く風であり、寧ろ亮がヤキモキする側であったが。

やがて、文化祭を数週間後に控え棚橋が意外な提案を口にした。
クラスの出し物として岬に代表を任せベートーヴェン「悲愴」をソロで演奏するようにと依頼したのだ。

これにクラス中が反発する。
彼らは岬の品位に問題があると揃って声を上げた。

亮は今度こそ爆発しそうになった。
そんな亮の暴発を止めたのは、奇しくも棚橋であった。

棚橋は音楽に求められるのは品位ではなく才覚だと断言した。
その上で、さらに努力が求められると加えた。
その努力を君たちはした上で岬を批判するのかと問うたのだ。

これにはクラス全員が沈黙せざるを得なかった。
亮は気付いた。
事態を憂慮した棚橋が敢えて仕掛けたのだ、と。
だが、これは逆効果であった。
亮と春菜を除くクラス全員が岬へより深い憎悪を抱いたのだ。
やがて、それは爆発することになる。

その日から岬は練習を続けた。
そんなある日、岬は棚橋が「イワクラ建設」の手抜き工事について抗議活動を行っている現場に遭遇する。
棚橋はこの疑惑について岩倉に尋ねたことがあるらしいが……。

そして文化祭当日、岬により「悲愴」が演奏された。
その力強くも物悲しい音色に魅了される聴衆たち。
それはクラスメートも同じであった。

ところが、岬を急変が見舞う。
突然、調子外れの音を繰り返したかと思うとそれが続いたのだ。
常の岬からは到底、考えられないことであった。
演奏を中断した岬は左耳を抑えながら困惑した表情で立ち尽くしていた……。

岬の急変は突発性難聴であった。
それはピアノの神に愛されていた筈の岬にとってあり得ない出来事。
岬はショックから塞ぎ込むようになってしまう。

そんな岬に、クラスメートたちはここぞとばかりに鬱憤をぶつけ始めた。
それは岬が居る、居ないに関わらず続いた。
板台は水を得た魚のように活き活きとしていた。
亮は全員がそれで溜飲を下げていることに気付いた。

遂に亮は爆発した。
板台を押し倒すと彼の指にハサミの刃を添えたのだ。
亮はどの指を落としてやろうかと凄んだ。
そして、岬にとっての難聴が如何に悲劇的な出来事であるかを叫んだ。
亮の剣幕に板台は震え上がって許しを請うた。

その姿にやっと亮は刃を収めた。
果たして板台に何処まで通じたか……。
だが、それでも亮は我慢出来なかったのである―――2016年5月刊行予定の『どこかでベートーヴェン』単行本に続く。

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)

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『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第四話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.9』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第五話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.10』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第六話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.11』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)

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【刑事犬養隼人シリーズ】
『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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『ポセイドンの罰』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
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「このミステリーがすごい!〜ベストセラー作家からの挑戦状〜 天才小説家×一流映画監督がコラボした、一夜限りの豪華オムニバスドラマ!味わいの異なる4つの謎=各25分の濃密ミステリー!又吉×希林の他では見られないコントも!」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「どこかでベートーヴェン 第七話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.12」です!!
『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.12



「どこかでベートーヴェン 第六話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.11」です!!
『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.11



「さよならドビュッシー (宝島社文庫)」です!!
さよならドビュッシー (宝島社文庫)



「さよならドビュッシー 【DVD豪華版】(DVD2枚組/初回限定版)」です!!
さよならドビュッシー 【DVD豪華版】(DVD2枚組/初回限定版)



コミカライズされたキンドル版「さよならドビュッシー 上巻」です!!
さよならドビュッシー 上巻



コミカライズされたキンドル版「さよならドビュッシー 下巻」です!!
さよならドビュッシー 下巻



「おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)」です!!
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)



「いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



『間奏曲(インテルメッツォ)』が収録された「このミステリーがすごい! 2013年版」です!!
このミステリーがすごい! 2013年版



「さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



「ビジュアルPHOTOストーリー さよならドビュッシー 橋本愛」です!!
ビジュアルPHOTOストーリー さよならドビュッシー 橋本愛



「【映画パンフレット】 『さよならドビュッシー』 出演:橋本愛 清塚信也」です!!
【映画パンフレット】 『さよならドビュッシー』 出演:橋本愛 清塚信也



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「スペシャリスト」最終話(10話)(3月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「スペシャリスト」最終話(10話)(3月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ついに最終回!元妻・美也子(紺野まひる)に毒を盛った男を殺害した疑いをかけられた宅間(草ナギ剛)は、一瞬の隙をついて逃亡。逃げ回る中で宅間は、自身を冤罪に陥れた本当の黒幕を暴き出すため、一か八かの“賭け”に出る!追い詰められた宅間の前に現れた、驚くべき人物とは!?宅間の無実を信じる総事係の仲間が探り出した、驚くべき真実とは!?全てが明らかになるとき、そこには何もかもを覆す衝撃の結末が待っていた!
(公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

新設された「総合事犯対応係(仮称)」には次のメンバーが居る。
10年と10ヶ月に渡り冤罪で服役し犯罪に精通した宅間。
宅間や姉小路らと触れあうことで成長を遂げた我妻。
個性的なメンバーのまとめ役・姉小路。
システムに強い松原。
元SPでイケメンの堀川。
そして、このメンバーを集めた滝道だ。

そんな中、「殺人トーナメント事件」が発生。
参加者の1人・桂子を逮捕するも、ホテルに滞在していた美也子が何者かに毒を盛られ意識不明の重体に。
この犯人は「殺人トーナメント」の主催者・小池であった。
小池を追い詰めた宅間だが、小池は宅間の目の前で謎の転落死を遂げてしまう。

「スペシャリスト」9話(3月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

これにより、小池の死は宅間によるものとされてしまった。
宅間は直後に姿を消してしまう。

動揺する姉小路たち、其処に野方が驚くべき情報を伝えにやって来る。
なんと宅間が佐神のようにサイトを開設しゲームを始めたと言うのだ。

そのゲームの名は「容疑者・宅間を探せ」。
東京都内全域を舞台に逃げる宅間を捕まえることがゲームのルールだ。
宅間はバス、電車、タクシーなど乗り物を使って移動する。
また、この移動には使用回数を定められたチケットを用いる。
移動自体は30分毎、全14回とする。
最後の移動を終え、宅間が捕まれば捕まえた者に懸賞金1億円、宅間が逃げ切れば彼が握る全情報が公表される。

ゲーム開始を受けて、野方を始めとする捜査一課は宅間を捕まえるべく捜査に乗り出す。
サイトを目にした一般参加者も次々と宅間を探し始めた。

一方、姉小路たちはと言えば「宅間のやることには必ず意味がある」とその意味を模索し始める。
姉小路はゲームが23分からスタートしていることに注目。
30分毎の移動で全14回だから、ちょうど7時間ほどかかる計算だ。
小池転落の時刻が23分だったことから、その時間内に何か調べる必要があるに違いない。
此処で松原は「小池が死亡した美術館周辺の防犯カメラ映像を調べろ」との意味だと察する。

2時間後、宅間は4回目の移動を終え渋谷へ向かっていた。
サイトを目にした面々も宅間を猛追する。

その頃、松原は防犯カメラ映像の解析に成功していた。
其処には事件前ではあるが1台の車が録画されていた。
車両番号を照会したところ警察車両だと判明する。

一方、姉小路と我妻は滝道に「我々」についての真実を求めていた。
滝道は「我々」について語り出す。

「我々」は「司法機関や諜報機関の勉強会から発足した組織」である。
過去には高倉、白川、公昭らがメンバーであった。

「我々」は解体後、大きく2つの派閥に分裂した。
1つは、その存在を公表し非を認めるべきとする高倉や白川たちの一派。
もう1つは、それを隠蔽しようとする一派である。
この両派は互いに水面下で争いを続けていた。

矢先、高倉が死亡してしまった。
白川は高倉の遺志を継ぎ、宅間を守るべく滝道に命じて彼を東京へ呼び寄せた。
だが、我妻の父・公昭についてはどちらの派閥なのか不明らしい。
そして、宅間はゲームを利用して今回の黒幕を誘き出そうとしているようだ。

これを聞いた我妻は父であろうとも敵ならば戦うと宣言する。

15時18分、逃走中の宅間は当初の予想よりも苦しい状況にあった。
一般参加者が予想よりも増えた為に逃げづらくなったのだ。
しかも、公昭がピッタリと尾行していることにも気付いていた。

16時23分、野方は宅間が両国へ移動したと知り疑問を抱いていた。
宅間はタクシーの利用回数を使い切り、残すはバスのみとなっていたのである。
果たして宅間は何処へ向かうのか!?

一方、姉小路たちは小池の死因を知り衝撃を受けていた。
小池は墜死ではなく毒殺だったのだ。
しかも、小池が所持していた拳銃が発射されていないことも判明。
では、美術館で宅間を狙撃したのは誰なのか!?

此処で姉小路は内通者の存在に気付く。
防犯カメラの不審車両は小池襲撃時刻よりも前であった。
つまり、あの場所で事件が起きることを予め知っていたことになる。
そもそも、宅間と佐神の密会は秘密の筈であった。
にも関わらず、小池が先回りしていた。
何者かが宅間の動きを知り、小池に教え待ち伏せさせたのだ。

さらに、宅間の移動場所についても予想をつける姉小路。
移動回数は残り2回、宅間の現在位置は両国でバス2回のみ使用可能だ。
新木場に進めば電車を使わねばならない、残るは臨海バスのみだ。
こうして、姉小路たちは宅間を追うことに。

その頃、白川は滝道に宅間の行動について語っていた。
宅間の今回の行動はこれまでの佐神と同じく匿名の悪意を利用しているとした白川。
これを放置すれば、宅間狩りに繋がりかねない。
言わば、宅間は意図的に自身を窮地に追いやっているのだ。
もしかして、暗に宅間は裁かれることを望んでいるのではないか。
宅間の周囲では多くの命が失われた。
真の狙いはその贖罪なのではないか―――。

17時23分、遂に最終の移動を終えた宅間。
いよいよゲームも終わりを迎えつつあったが……。

そんな中、1人の男性が宅間に近付く。
野方だ。

「見つかっちゃった!?」
おどける宅間だが、何時に無くシリアスな野方は宅間に密着するなり轟音と共に仰向けに倒れ込んだ。
至近距離から腹部に被弾したのだ。
驚くと同時に重みを感じて右手を眺める宅間、其処には何時の間にか拳銃が握らされていた。

この騒動で宅間の居場所は知られてしまった。
駆け付けた警官隊に包囲される宅間。
まさに一触即発の状態だ。

この状況に駆け付けた姉小路たちが狼狽して叫ぶ。
しかし……。

「ビデオをセットして正解だったかも」

宅間は遠方を指差すや、其処には三脚に置かれたビデオカメラが。
同時に宅間がリモコンを操作すると駅に掲げられていた大画面にビデオの内容が映し出される。

其処では野方が宅間に密着し、拳銃を握らせると引き金を引く映像が残されていた。
全て野方の陰謀だったのだ。

「知ってた?このゲーム、宅間を探せじゃなくて容疑者を探せだったんだよ」

野方に語りかける宅間。
倒れていた野方はゆっくりと目を開ける。
その腹部は防弾チョッキに覆われていた。

野方は宅間を罠にかけるつもりであった。
だが、これを見抜いた宅間はその罠を逆手に取ったのだ。
宅間は衆人環視の中で野方を告発するつもりだったのである。

美術館で宅間を狙撃したのも野方であった。
宅間は小池から銃を奪ったときに発射されていないことに気付いた。
其処でもう1人の存在・野方に辿り着いたのだ。
宅間は偽小池こと菅が逃げた段階でその取調をしていた野方に疑惑を抱いていたのである。

そしてあのとき、宅間は小池を殺さず逮捕しようとしていた。
ところが、小池は急に苦しみ出すと転落死を遂げてしまったのだ。
事前に野方から毒を盛られていたからである。
野方は車両を用いて小池を美術館に運び込むと全てを準備したのだ。

暗躍を暴かれ連行される野方。
だが、宅間のゲームは未だ終わらない。
姉小路が気付いた時には宅間と我妻が消えていた……。

数時間後、宅間は例のサイトを用いて我妻を人質に公昭を呼び出した。
宅間の呼びかけに応じて姿を現した公昭は全てを語り出す。

「我々」解体後、公昭は逃げたメンバーの一部を追跡調査していた。
その過程で「我々」メンバーの一部が逃亡した筈の犯罪者を利用していることに気付いた。
だが、相手は強大で公昭の力ではどうにもならなかった。
其処で、公昭は我妻を守るべく死を偽装し身を隠していたのである。

その後も公昭の調査は続き、遂に黒幕を突き止めた。
だが、同時に公昭は我妻が人質に取られていることを突き付けられた。

「そうですよね、滝道さん」

宅間の声に応じて現れたのは隠れていた滝道であった。
そう、公昭が突き止めた黒幕の正体は滝道だったのだ。
「我々」公表を目指す白川の意に反し、滝道は白川から得た情報で彼らを統制したのである。

殺人トーナメントの最終ターゲットが宅間から美也子へと寸前で変わったのは、誰かが小池に指示を出したからだ。
つまり、黒幕は美也子こそが理念の発案者であることを知っていることになる。

では、黒幕はこの事実を何時知ったのか?
最初からならば宅間をターゲットにした意味がない。
だとすれば、あの直前となる。

直前に知り得るきっかけは美也子の同人誌しかない。
それを確認出来るのは、同人誌を運び込んだ宅間の隠れ家を知る者しかいない。
その場所を知るのは―――宅間の直属の上司であり密かに監視していた滝道しか居なかったのだ。

正体を現した滝道は宅間へ銃を突き付ける。
さらに「我々」にスカウトしようとするのだが。

此処で宅間はある刑事について語り出す。
その人物は尾行が下手で、夫を殺した犯人に挑発されてソレに乗りかけるほど直情径行な人物であった。
だが、その人は結局撃たなかった。
撃てなかったのではない、自らの意志で撃たなかったのだ。
そして、その人物は「宅間には刑事しかない」と言い続けている。
そう、その人物とは姉小路のことだ。
宅間には信じてくれる姉小路が居る。

「だから、そっちには行かないよ」

拒否した宅間は直後に滝道に銃撃される。
倒れ込む宅間、入替る様に姉小路たちが駆け付け滝道を逮捕した。

「たぁくまぁぁぁ〜〜〜」

叫びつつ宅間に駆け寄る姉小路。
しかし、宅間はむっくりと起き上がる。
野方と同じく、宅間もまた衣服の下に防弾チョッキを着込んでいたのである。

それにしても、姉小路はどうしてこの場を知ることが出来たのか?
それは宅間がスマホのGPSで姉小路にサインを送っていたからだ。

「気付かなかったらどうすんの〜〜〜!?」
「分かるんですよ俺、2年10ヶ月一緒に居たんですから」

怒る姉小路に笑いかける宅間。
その隙を突き、滝道は隠し持っていた毒で自殺を図る。

その翌日、白川は我妻相手に事件について語っていた。
野方は自身の雇い主が滝道であることも知らなかったらしい。
むしろ困惑しているそうだ。
さらに、白川は「我々は消えない。もはや理念と化しているからだ」と今後に不安を見せる。

一方、滝道が逮捕されたことで「総合事犯対応係(仮称)」は解体されることとなった。
京都に戻るのか、東京に残るのか―――松原らメンバーは選択を迫られていた。

その頃、宅間は砂浜で号泣していた。
未だ意識の戻らぬ入院中の美也子を想ってのことだ。
其処へ遠くから姉小路の甲高い声が彼を呼ぶ。
振り向く宅間に駆け寄って来る姉小路、その顔は笑顔であった。
なんと、先程になって美也子が意識を取り戻したのだ。
これを察した宅間にも笑顔が広がる。

互いを想い合う相棒たちが起こした奇跡。
いや、この広い世界の中、2人が出会えたことこそ奇跡だったのかもしれない―――エンド。

<感想>

「スペシャリスト」の連続ドラマ版、その最終話(10話)です。

最終回、「リアル逃走中」を舞台に黒幕たちと宅間が対決することに。
野方こそ前回の予想にありましたが滝道までとは思いませんでした。
此の点、サプライズでしたね。

とはいえ、宅間と姉小路の絆が悪を討ちました。
宅間の「分かるんですよ俺、2年10ヶ月一緒に居たんですから」との台詞が良かったですね。
胸にグッと来ました。
2人はまさに「相棒」なのでしょう。

広い世界の中、この2人が出会えたのは高倉の差配でした。
「我々」に属していた高倉。
「我々」のメンバーにより夫を殺された姉小路。
「我々」により罪を着せられ家族を奪われた宅間。
スペシャル時には気付きませんでしたが、そんな2人をを引き合わせたこと含めて全ては高倉の贖罪だったのかもしれません。

また、奇しくも「我々」最大の被害者であった宅間こそ「我々」が求めていた理想の完成像だったとは。
「我々」と戦えるのは「我々」によって作り出された宅間しかない。
だとすれば、理念化した「我々」と戦うのも……また宅間しか居ないのかも。
ある意味、「ショッカー」により作り出され同様に改造された怪人たちと戦い続ける「仮面ライダー」と同じかもしれない。

とはいえ、今は戦士の休息。
素直に守り切った姉小路や美也子と傷を癒して欲しいところ。
ただ、何時かは理念化した「我々」と戦うべく「season2」として戻って来て欲しい!!
と言うワケで「season2」待ってま〜〜〜す!!

ちなみに「スペシャリスト4」と「連続ドラマ版 スペシャリスト」のブルーレイやDVDが2016年8月26日(金)に発売予定とのこと。
既にアマゾンさんでは予約も開始されています。
興味のある方はチェックすべし!!

◆関連過去記事
土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト〜無実の罪で10年服役した刑事と殉職警官の妻…異色タッグが京都を揺るがす4つの殺人連鎖に挑む!」(5月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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