2016年03月19日

2016年4月23日の「土曜ワイド劇場」は「棟居刑事の偽完全犯罪」とのこと!!

2016年4月23日の「土曜ワイド劇場」にて「棟居刑事の偽完全犯罪」が放送予定であることが明らかになりました。

原作は森村誠一先生『偽完全犯罪』(光文社刊)。

キャストは棟居役の東山紀之さんを始め、きたろうさん、森本レオさんらレギュラー陣。
さらにゲストとして葛山信吾さん、高橋春織さん、大塚千弘さん、柴本幸さんらが出演されるとのこと。

要チェックです!!

土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 偽完全犯罪 美女作家のニセ者は二度死ぬ?血痕が付着しない1冊の本の謎!!疑惑の男女4人に鉄壁のアリバイが」(4月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

◆森村誠一先生関連過去記事
【棟居刑事シリーズ】
土曜ワイド劇場「森村誠一作家50周年記念 棟居刑事の黒い祭 結婚前夜に連続殺人!?被害者3人に謎の接点!歯ブラシが消えた訳…」(3月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の死海の伏流 姉の秘密旅行が連続殺人を呼ぶ!妹が迫る疑惑の男と女…棟居刑事VS謎の遺留品」(11月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 目撃美女は二度死ぬ猫が運ぶ犯人!?悪い男vs手玉に取る女…愛と欲の背徳の詩集」(7月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 愛犬が暴く不倫四重奏!」(11月21日放送分)ネタバレ批評(レビュー)

【終着駅シリーズ】
土曜ワイド劇場「森村誠一作家50年記念 終着駅の牛尾刑事VS事件記者冴子 生存者 新宿行高速バス放火事件!!生き残った11名の中に殺人犯がいる!?1億円入りの鞄と消えた乗客の謎…」(1月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一作家50年記念 終着駅シリーズ・善意の傘 雨の夜の殺人者!!迎えに来るはずの夫が殺された!!刑事が追う2組の夫婦のアリバイと嘘!?」(9月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「年末特別企画 森村誠一の喪中欠礼〜終着駅の牛尾刑事VS事件記者・冴子 見知らぬ人からの殺意の年賀状 富山大牧温泉〜ふたりの女が買った共犯の秘密!」(12月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅シリーズ〜残酷な視界 裏窓の女の完全犯罪!!エリート銀行員転落死の謎!?罠に落ちた脅迫者と割れた爪の行方」(6月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅シリーズ『悪の魂』〜ベストセラー小説に仕組まれた二重殺人の罠!!見知らぬ女が依頼する1億の殺人!?」(9月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「35周年特別企画 終着駅の牛尾刑事VS事件記者冴子・森村誠一の『悪の器』九州唐津〜海色のイヤリングの殺意!!私を探して…女は東京に殺された!?」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅シリーズ・殺意の奔流〜ある退職刑事の死!!犯人が遺した二重血痕の謎容疑者はバスツアーの中にいる…」(10月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「35周年特別企画 終着駅の牛尾刑事vs事件記者冴子〜ラストシーン!!雪山に消えた第三の殺人者!チョコが告げる泥棒猫の殺意…」(2月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅シリーズ・途中下車する女 凶器のない密室殺人を追う!!置き忘れた写真の中の殺人構図」(9月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「終着駅の牛尾刑事vs事件記者冴子・森村誠一の完全犯罪の使者!!富山八尾〜風の盆に始まる殺意の連鎖!!赤いルージュの伝言」(12月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅〜新宿着あずさ22号の殺人同乗者・消えた姉と三千万の行方…顔のない脅迫者を追う!!」(7月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の灯〜終着駅の牛尾刑事vs事件記者冴子!!バス事故から生還した3人新宿〜妙高高原に運命の連続殺人!?」(12月12日放送分)ネタバレ批評(レビュー)

【刑事の証明シリーズ】
水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明9 疑惑の四重奏 目撃者500人演奏中の完全犯罪!!幻の曲に暗号が?謎の音符シ♯に秘めた愛」(7月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明8」(10月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明7〜余命の復讐 疑惑の転落死!猫の遺伝子が導く20年前の黒い真相…警察が陥った完落ちの罠!」(4月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明6〜愛憎の凶弾 警官殺し!不発に終わった執念のガサ入れ!修羅になった女が仕掛ける二重の罠(単位の情熱 警官殺し!復讐の凶弾に二重の罠!?)」(10月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明5〜人間の十字架 疑惑の殺人に泣く女!華麗なセレブの秘密と不在証明の謎 辞職覚悟の逆転逮捕(恋人を殺された疑惑の女…三体の猿が暴く3つの殺人!)」(2月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明4 正義の殉職 謎の喪服の女〜消えた1億円の宝石!禁断の愛に脅迫者の罠涙の殺人連鎖を断て(誇り)」(10月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明3〜歪んだ正義 忘れられた女…連続殺人“R18”謎の犯行声明!?復讐の罠におちた幼い命を救え(同級生連続殺人!!残された謎のメモ!?正義の基準)」(5月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス刑事の証明〜大都会の死角 冤罪に泣く女!ガラスの密室に仕掛けた殺人トリック!?刑事が暴いた哀しみの罪」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【魔性の群像 刑事・森崎慎平シリーズ】
月曜ゴールデン「森村誠一サスペンス 魔性の群像 刑事・森崎慎平 妻を亡くした熱血刑事を襲う謎!恩師の変死体は事故?殺人?疑いは親友へ…心に潜む魔性とは!?」(7月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「森村誠一サスペンス 魔性の群像 刑事・森崎慎平2 妻を失った熱血刑事を襲う謎!父の目前で奪われた娘の命…連鎖殺人は過去の因縁の序章…心に潜む魔性」(6月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「森村誠一サスペンス 魔性の群像 刑事・森崎慎平3 愛妻を殺された刑事の執念!60km移動した変死体 満員のエレベーターで消えた容疑者か!?全ての謎は瞬間移動!?」(11月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他ドラマ】
金曜プレステージ「3週連続・罪と女とミステリー第1夜! 森村誠一サスペンス・破婚の条件〜夫殺しを夢みた秘密の殺人日記 その夜、傲慢夫は既に殺されていた!追い詰められ墜ちてゆく女は極限の果てに!悲しい女の業を描いた本格サスペンス」(8月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「森村誠一サスペンス 正義の証明 私刑人が起こす連続狙撃事件、法か?個人か?2つの正義に心がゆれる刑事たち、人として本当の正義とは何なのか?」(9月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「二週連続特別企画 森村誠一 女のサスペンス『捜査線上のアリア』麗しきアリアと共に蘇る名作ミステリー!美しき青年死体。疑われた女流作家は文豪のアリバイを崩せるか」(6月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「二週連続特別企画 森村誠一 女のサスペンス『マリッジ』 その花嫁は地獄からやってきた…純白の誓いは真紅の嘘、隣で眠る妻は殺人犯?暴かれゆく恐怖の素顔、練炭…食中毒…血染めの結婚生活はじまる」(6月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「壮絶!女のミステリー第1弾 森村誠一サスペンス 孤独の密葬〜翻訳家の殺人推理〜死んだ女は部屋の前の住人だった 死者に届く手紙の罠…執拗な老女…誘う男…次に殺されるのは私」(11月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「森村誠一サスペンス 流氷の夜会 死者から届く写真…見たものは殺される?不倫・借金・殺人…浮かび上がった最愛の夫の裏の顔?追い詰められ墜ちゆく女…極限の果てに見た残酷な真実は?」(8月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

赤と黒のゲキジョー「森村誠一サスペンス 海の斜光 愛する子の不可解な死と夫の失踪不倫・殺人…暴かれる裏の顔?平凡な家族を襲う殺人連鎖!追い詰められ墜ちゆく女…極限の果てに届く亡き息子の伝言?」(11月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【アタミステリー紀行関連】
『ただ一人の異性』(森村誠一著、アタミステリー紀行2011より)ネタバレ書評(レビュー)

「アタミステリー紀行2010」結果が発表される

「熱海の靴屋」(森村誠一著、アタミステリー紀行2010より)3つのミスにチャレンジ!!

近付く「アタミステリー紀行2010」の足音……

アタミステリーへの誘い……
(アタミステリー紀行2009について触れた過去記事です)

【その他】
知ってましたか?森村誠一先生『人間の証明』が韓流ドラマに!!その名も『ロイヤルファミリー』!!

森村誠一先生「義仲・巴ネットワークフォーラム・イン・富山」にて講演

クリスマス(12月24日)の森村誠一さん!!
(「森村誠一 謎の奥の細道をたどる」についての過去記事です)

キンドル版「偽完全犯罪 (光文社文庫)」です!!
偽完全犯罪 (光文社文庫)

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金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「さよならドビュッシー ピアニスト探偵 岬洋介 今をときめく豪華キャストで『このミステリーがすごい!』大賞受賞作をSPドラマに!衝撃の結末に誰もが驚愕する!!」(3月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「さよならドビュッシー ピアニスト探偵 岬洋介 今をときめく豪華キャストで『このミステリーがすごい!』大賞受賞作をSPドラマに!衝撃の結末に誰もが驚愕する!!」(3月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

司法試験を優秀な成績で合格し、将来を嘱望される検事だったが、ある日突然職を辞し、ピアニストへの道を歩み始めた男・岬洋介(東出昌大)。

そんな岬が、鎌倉の閑静な高台に建つ、地元の名士にして大富豪・香月玄太郎(北大路欣也)が家政婦の綴喜みち子(キムラ緑子)と暮らす屋敷に下宿するべく門を叩くことから、物語は始まる。
岬のアーティスト気質で偏屈な性格に手を焼きつつも、内に秘めている岬の才能、人柄を玄太郎はいち早く認め、屋敷に岬を迎え入れることを決める。

香月家の近所に、玄太郎が古くから、家族ぐるみの付き合いをしている、真田という家がある。家具業を生業にして富を築いた、香月家と肩を並べる富豪だ。
玄太郎の幼馴染で、長年秘かに恋心を抱いていた、真田恭子(木の実ナナ)という当主を筆頭に、銀行員の長男・徹也(正名僕蔵)、いい歳をして定職にも就かず漫画家を志望する次男・研三(武田真治)、徹也の嫁・悦子(菊池桃子)、徹也と悦子の娘で、ピアニストを目指している遥(黒島結菜)、遥の従姉妹であり、両親を災害で亡くした片桐ルシア(上白石萌歌)、真田家に長年仕える家政婦の三上紀美(宍戸美和公)が一つ屋根の下で暮らしている。

玄太郎は岬に、孫同然の遥とルシアにピアノの個人レッスンを依頼するが、岬はにべもなく断る。

ある夜、真田家を悲劇が襲う。遥とルシア、恭子が火事に巻き込まれたのだ。
なんとか一命を取り留めたのは、遥だけだった。
火事の起きた夜、遥とルシアの交わした最後の約束。

「いつか遥が、コンサート開いたら、私のために、ドビュッシーの『月の光』、演奏してくれる?」

最愛の従姉妹との約束を叶えるため、火事で大火傷を負った身体を奮い立たせ、遥は、再びピアニストへの道を歩き始める。
そして、遥の傍らには常に、岬の姿があった……。

亡くなった恭子の遺言が発表され、遥は6億円もの遺産を相続する権利を得る。
すると、遥の身の回りで不可解な事件が次々と起こり始める……。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)。

その日、真田家を大きな悲劇が襲った。
真田家は当主・恭子を中心に、銀行員の長男・徹也、漫画家志望の次男・研三、徹也の妻・悦子、徹也夫妻の娘でピアニスト志望の遥、遥の従姉妹で両親を失った片桐ルシア、恭子に長年仕えて来たサンダル履きの家政婦・三上紀美で構成されている。

夜のこと、遥はルシアとお泊り会に臨んでいた。
未来について語り合う2人、ルシアは遥に「ドビュッシーの月の光を演奏して欲しい」と語る。

ところが、直後に恭子の過失が原因で失火。
火は瞬く間に周囲を覆い、恭子は逃げ遅れて死亡。
遥とルシアも火に巻かれてしまった。

数日後、意識を取り戻した少女は自身が「遥」と呼ばれていることに気付く。
少女は全身に火傷を負い整形技術によって一命を取り留めていた。
また、ルシアが焼死してしまったことも聞かされた。
少女「遥」は思う、ルシアは私が殺した―――と。

一方、恭子の幼馴染・香月玄太郎のもとに新進気鋭のピアニスト・岬洋介が訪れていた。
岬は鎌倉音楽大学附属高等学校の臨時講師になり住居を探していた。
其処で地元の大富豪であり下宿人を求めていた玄太郎を頼ったのだ。
人を見抜くことにかけては自信のあった玄太郎だが、底を見せない岬を気に入り下宿人として迎え入れることに。

其処へ恭子の訃報が届く。
玄太郎は岬を連れ、恭子に託されていた後見人として真田家へ乗り込むことに。

真田家では遺産相続会議が行われていた。
弁護士から恭子の遺言状が読み上げられた途端、徹也たちは驚きを隠せない。
内容は次のようなものであった。

恭子の遺産は全12億。
そのうち、1千万円を紀美に。
3億円を徹也、同じく3億円を研三。
残る6億円を遥に相続させるものとする。
ただし、研三は起業し自活すること。
また、遥はピアニストとして活動する場合のみ相続を許す。

これを聞いて動揺が走る真田家。

そんな中、悦子の意向で「遥」の復帰にピアノ教師として岬が起用されることとなった。
「遥」は松葉杖を突かなければ満足に出歩けない状態である。
ピアノを弾くには高い壁が立ちはだかることは容易に想像出来た。

だが、岬は「遥」を一目見るなり「重要なのはその人物が何者かではなく、何を成し遂げたかだ」と語り、その覚悟を問う。
そんな岬に「遥」は「どうしても、月の光を弾かなければならない」と訴える。
一途に訴える「遥」の姿を目にした岬は彼女を指導を引き受けることに。

厳しい特訓の日々が続いたが「遥」はそれでも耐え続ける。
ところが、意外な障害が「遥」を待ち受けていた。

ある日のこと、帰宅途中の「遥」が何者かに道路に突き飛ばされたのだ。
明らかに殺意のある行動であったが、通りかかった岬により事無きを得ることに。
岬によれば逃げる犯人の足音を聞いたそうだが。

真田家の遺産を巡る争いなのか?
それとも別の理由があるのか?

矢先、「遥」の努力が認められ「朝比奈ピアノコンクール」への出場が決まった。
さらに熱を入れる「遥」であったが。

その数日後、悦子が神社の石段から謎の転落死を遂げた。
第一発見者である宮司によれば発見直後の悦子にはまだ息があったそうだ。
これを聞いた岬は「悦子の死が他殺ならば、どうして犯人は止めを刺さなかったのか」と疑問を呈する。

事件に鋭い見識を示す岬。
それもその筈、岬は司法試験を優秀な成績で将来を嘱望される検事だったのだ。
ところが、急に検事を辞めピアニストに転身していたのである。
これには理由があったのだが。

一方、悦子の死を受けて「遥」が激しく動揺し始めた。
コンクール出場を拒否し、もうピアノを弾けないと訴えたのだ。
「遥」は自身が火傷を負ったことで、他の出場者に比べてハンデがあると繰り返す。

そんな「遥」を岬は自身の演奏会に誘う。

「遥」は岬の演奏を耳にするなり大きな衝撃を受ける。
それは全く異次元の演奏であった。
聞く者の心を揺さぶり、その心を掴んで離さないのだ。

真の演奏を知った「遥」だが、同時に岬があるハンデを抱えていることに気付く。
岬は難聴を患っていたのである。

音楽の前では人は平等であると語る岬。
「遥」は岬が口にした「重要なのはその人物が何者かではなく、何を成し遂げたかだ」の意味を知った。

こうして「遥」は再びコンクールを目指して練習に打ち込み始めた。

そしてコンクール当日。
「遥」は「アラベスク」と「月の光」を演奏することに。
その状態を考えれば余りに過酷な挑戦であったが、岬は「遥」の覚悟を応援する。

まずは「アラベスク」を演奏し終えた「遥」。
一旦、休憩室に戻った「遥」に岬は事件の真相を告げる。

「遥」襲撃事件の犯人は家政婦の紀美であった。
「遥」襲撃犯が逃げ去る音を聞いていた岬は犯人がサンダル履きであることに気付いた。
真田家でサンダルを履くのは紀美だけだ。
紀美は恭子を尊敬しており「遥」が遺産目当てに焼殺したと思い込み復讐しようとしたのであった。
罪を暴かれた紀美は出頭していた。

では、悦子を殺したのは誰か?
岬が口にした犯人は「遥」であった。

悦子は石段の上で誰かと揉み合いになり転落した。
だが、犯人は悦子の生死を確認せずにその場を立ち去ってしまった。
いや、確認したくとも段差が邪魔して出来なかったのだ。
何故なら、松葉杖を突いていたから。

岬は悦子の死が「遥」の正体に気付いたからだと述べる。
「遥」の正体とは何か!?

それは死亡したのが遥であり、生きていたのがルシアであることだった。

岬は「遥」を指導する上で過去の彼女の演奏をビデオで目にし、遥の小指が今の「遥」よりも短いことに気付いた。
また、その演奏の癖が異なっていることも見抜いた。

岬は、最初から「遥」がルシアであると知っていたのだ。
その上で指導していたのである。

ルシアが目を覚ましたとき、周囲の皆は彼女を遥と呼び「生きていて良かった」と喜んだ。
これを聞いたルシアは絶望してしまった。
何故なら、その言葉は裏を返せば「死んだのがルシアで良かった」となるからだ。
言葉も出ないルシアはもしも真相を知られればどうなるかを怖れた。

死亡したのが遥で、生きているのがルシアだとバレれば……。
其処でルシアは自身を殺し「遥」として生きることにした。

過去、ルシアと遥の間では「遥が月の光を弾く」との約束が交わされていた。
其処でルシアは「遥」となることで、その約束を果たそうとしたのだ。

岬はルシアに、「遥」としてではなくルシアとして弾くように指示する。
遥とルシアの2人で演奏を完成させろ、と。

ルシアはこれを最後のピアノと決めていた。
ピアノの前に座ったルシアは「月の光」を演奏し始めた。

あの日、悦子は「遥」がルシアであることに気付き、これを責め立てた。
もしかして、ルシアが遥に成り済ます為に謀殺したのではないか?
純粋に母を求めたルシアは悦子の誤解を解こうとして歩み寄った。
これに悦子は「人殺し」と罵り、ルシアと距離を取ろうとして転落死を遂げたのだ。
だが、岬はルシアが何者であろうとも拒まなかった。

疲労から指の力を失いかけたルシアは立ち上がりながらも演奏を続けた。
今は亡き遥との約束の為、そして信頼してくれた岬の為に。
ルシアは精一杯弾き続けた。
そして……遂に完走した。

倒れ込むルシアを抱き止める岬。
岬は「素晴らしい演奏だった」とルシアを褒め称える。

この演奏は多くの聴衆の心を打った。
ルシアは優勝した。

重要なのはその人物が何者かではなく、何を成し遂げたか。
ルシアは見事に演奏を成し遂げたのである。

ルシアの罪は遥を騙りルシアを殺してしまったことである。
だが、罪は償いやり直すことが出来る。

ルシアはステージで誓っていた。
また、この場所に戻って来ると。
それまで、さよならドビュッシー―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は中山七里先生「岬洋介シリーズ」の第1弾『さよならドビュッシー』(宝島社刊)。

『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「岬洋介シリーズ」は「難聴を抱える天才ピアニスト岬洋介が関わった事件を描く」シリーズ作品。

シリーズには本作の他に、長編として第2弾『おやすみラフマニノフ』、第3弾『いつまでもショパン』、第4弾『どこかでベートーヴェン』が存在。
第4弾『どこかでベートーヴェン』は2016年3月現在『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』にて7話まで連載中。
また、2016年5月に単行本として刊行されることが明らかとなっています。

そして短編として、香月玄太郎を主役におき『さよならドビュッシー』の前日譚を描いた短編集『さよならドビュッシー前奏曲(文庫化に際し『要介護探偵の事件簿』を改題)』と『間奏曲(インテルメッツォ)』(『いつまでもショパン』と同時期に起こっていた事件を描くスピンオフ)の2作が存在しています。

ちなみに、本作『さよならドビュッシー』は漫画化や映画化もされています。

早速、ドラマ感想を!!

良かったです!!
映画版と比較しても遜色ない出来で、本作ラストのどんでん返しも見事に再現されていましたね。

それと、今回のあらすじでは地の文でも出来る限りフェアになるように表記を遥と「遥」で使い分けています。
なので「遥」となっているのはルシアのことですね。

また、後のルシアについては原作『いつまでもショパン』にて少しだけ触れられているので興味のある方はチェックすべし!!

ちなみに、ドラマ版で原作からのもっとも大きな変更点は香月家の出来事ではなく真田家の出来事に置き換えられていることか。
これにより、香月玄太郎が生存することに。
こうなると『さよならドビュッシー 前奏曲』の内容を活かした連続ドラマ化もあり得そう。
本作がパイロット版だとしたら、是非連続ドラマ化して欲しいところです!!

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第一話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.6』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第四話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.9』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第五話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.10』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第六話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.11』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第七話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.12』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【刑事犬養隼人シリーズ】
『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『静おばあちゃんにおまかせ』(中山七里著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『残されたセンリツ』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『ポセイドンの罰』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
土曜ワイド劇場「切り裂きジャックの告白 〜刑事 犬養隼人〜 嘘を見抜く刑事VS甦る連続殺人鬼!?テレビ局を巻き込む劇場型犯罪!どんでん返しの帝王が挑む衝撃のラストとは!?」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!〜ベストセラー作家からの挑戦状〜 天才小説家×一流映画監督がコラボした、一夜限りの豪華オムニバスドラマ!味わいの異なる4つの謎=各25分の濃密ミステリー!又吉×希林の他では見られないコントも!」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「さよならドビュッシー (宝島社文庫)」です!!
さよならドビュッシー (宝島社文庫)



「さよならドビュッシー 【DVD豪華版】(DVD2枚組/初回限定版)」です!!
さよならドビュッシー 【DVD豪華版】(DVD2枚組/初回限定版)



コミカライズされたキンドル版「さよならドビュッシー 上巻」です!!
さよならドビュッシー 上巻



コミカライズされたキンドル版「さよならドビュッシー 下巻」です!!
さよならドビュッシー 下巻



「おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)」です!!
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)



「いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



『間奏曲(インテルメッツォ)』が収録された「このミステリーがすごい! 2013年版」です!!
このミステリーがすごい! 2013年版



「どこかでベートーヴェン 第六話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.11」です!!
『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.11



「さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



「ビジュアルPHOTOストーリー さよならドビュッシー 橋本愛」です!!
ビジュアルPHOTOストーリー さよならドビュッシー 橋本愛



「【映画パンフレット】 『さよならドビュッシー』 出演:橋本愛 清塚信也」です!!
【映画パンフレット】 『さよならドビュッシー』 出演:橋本愛 清塚信也