2016年04月18日

『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)

『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

各誌ベストテンを総ナメにした日本推理作家協会賞受賞作!

署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。男たちの矜持がぶつかりあう表題作(第53回日本推理作家協会賞受賞作)ほか、女子高生殺しの前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する・逆転の夏・。公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」など珠玉の四篇を収録。解説・香山二三郎
(文藝春秋社公式HPより)


<感想>

横山秀夫先生による短編集『動機』に収録された一編、表題作でもある。
他に『逆転の夏』『ネタ元』『密室の人』が収録されている。

また、キンドル版だと「D県警シリーズ」とされていますが、実は本作は「D県警シリーズ」ではありません。
実は「J県警」が舞台になっていたりします。

表題作『動機』は警務課に所属する貝瀬が視点人物。
そして、貝瀬が直面したのは「何故、一括管理した手帳が消えたのか?」との謎。
つまり「ホワイダニット」作品であり、その結末はなかなかにサプライズです。
特に共に苦難を乗り越えて来たのであろう大和田と神谷の絆が窺えるラストは印象的と言えるでしょう。

なお、ネタバレあらすじはかなり改変しています。
興味のある方は本作それ自体を読むべし!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
貝瀬:J県警警務課所属
大和田:保管責任者
神谷:大和田の部下


J県警警務課に勤務する貝瀬は警察手帳の一括保管を提案し、多くの反対を押し切りながら導入した。
早速、各署で一括管理されることとなったのだが……。

矢先、大和田が管理責任者を務めるU署で全員分30冊もが紛失してしまった。
当初、反対派による嫌がらせを疑う貝瀬であったが、やがて疑惑の目を大和田へと向けるように。
貝瀬は大和田が自身の手帳を紛失し、これを誤魔化す為に他の29冊全てを隠したと考えたのだ。

其処で貝瀬は秘密裏に大和田と面会し「取り敢えず手帳を返却して欲しい。不足があった場合も犯人が破棄したものと解釈する」と大和田へ告げる。
つまり、大和田の手帳が無くとも紛失ではなく窃盗被害として処理するとの申し出である。

翌日、消えた手帳が発見された。
ところが、確認出来たのは29冊ではなく28冊。
1冊ではなく2冊消えていたのだ。

消えていたのは大和田とその部下・神谷の手帳であった。
此処に貝瀬は真相に思い至る。

手帳を紛失したのは大和田ではなく神谷だったのだ。
大和田は未だ若い神谷の前途を慮り、他の29冊全てを盗んだのである。
だが、貝瀬の申し出を受けて大和田の物も外した28冊を返却したのであった―――エンド。

◆関連過去記事
【横山秀夫先生著作記事】
『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『黒い線』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『64』(横山秀夫著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ関連】
土曜ドラマ「64(ロクヨン)」第1話「窓」(4月18日、4月24日)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ドラマ「64(ロクヨン)」第2話「声」(4月25日、5月1日)ネタバレ批評(レビュー)

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【その他】
横山秀夫先生、前橋でのトークショーにて小説観を語る!!

横山秀夫先生7年ぶりの新作『64』、文藝春秋社より2012年10月27日発売決定!!

【速報】横山秀夫先生『臨場』が映画化決定!!キャストはドラマ版と同じ!!

「横山秀夫サスペンス」DVD-BOX、2010年10月27日発売!!

横山秀夫先生『64』(文藝春秋社刊)が続々実写化!!まずは2015年4月に連続ドラマ化、次いで2016年に映画化とのこと!!

「陰の季節 (文春文庫)」です!!
陰の季節 (文春文庫)



キンドル版「陰の季節 D県警シリーズ」です!!
陰の季節 D県警シリーズ



キンドル版「動機 D県警シリーズ」です!!
動機 D県警シリーズ



キンドル版「顔 FACE」です!!
顔 FACE



キンドル版「刑事の勲章 D県警シリーズ (文春e-Books)」です!!
刑事の勲章 D県警シリーズ (文春e-Books)

posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「科捜研の女 春スペシャル 謎の美人四姉妹の周りで次々と殺人が!犯人は…魔女!?誘拐!殺人!詐欺!止まらぬ凶行はマリコをも襲い…!?完全犯罪トリックを科捜研が暴くノンストップ2時間SP!!」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「科捜研の女 春スペシャル 謎の美人四姉妹の周りで次々と殺人が!犯人は…魔女!?誘拐!殺人!詐欺!止まらぬ凶行はマリコをも襲い…!?完全犯罪トリックを科捜研が暴くノンストップ2時間SP!!」(4月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

榊マリコ(沢口靖子)、宇佐見裕也(風間トオル)、涌田亜美(山本ひかる)は山中からの任務の帰り道、ぬかるみに車のタイヤを取られ、立ち往生してしまう。霧が立ち込める不気味な雰囲気の中、困っていると、どこからかひとりの少女が現れて亜美を手招きした。戸惑いながらついていくと、森の奥から古い洋館が姿を現したからマリコたちは驚く。
洋館は代々その地をおさめてきた旧家“梅乃宮家”の屋敷で、梅乃宮緑(筒井真理子)、紅子(富田靖子)、紫織(三倉茉奈)の三姉妹が、使用人の廣田作三(上村厚文)と暮らしていた。また、亜美を手招きした少女は、紫織の娘・凛(小南希良梨)だとわかる。
マリコたちが到着したとき、梅乃宮家では霊能力者を自称する紅子が、インターネット番組プロデューサー・飯島春樹(深沢敦)の演出の下、ネット配信用の番組を撮影中だった。番組は失踪した女子高校生の行方を探すという企画らしく、紅子が指定した竹林をスタッフが掘ったところ、なんと男の死体が見つかったため、騒然となる。
遺体の身元は、1週間前から行方を消していた警備員・竹山利一(谷口高史)と判明。紅子は適当な場所を指定しただけと主張するが、そこにたまたま遺体があったとは考えにくく、マリコは不審を抱く…。
そんな中、紅子たちは実は四姉妹で、ほかに、屋敷には住んでいない三女の青似(高橋かおり)がいるとわかる。姉妹のうち、青似だけは母親が異なっており、青似が引き取られて以来、梅乃宮家で不幸が続いたため、彼女は村人たちから“魔女”とよばれるようになったという。その後、青似は梅乃宮家から出て行き、“飲むだけで痩せる”と称した薬物を販売する会社に就職、薬事法違反で逮捕されたこともあったという。
その矢先、豪雨のため山道が通行止めになり、マリコたちは梅乃宮家に足止めされてしまう。飯島が雇った運転手で、マリコたちと同様、足止めを食っていた日吉吾郎(土佐和成)が梅乃宮家の一室で死体となって見つかって…!?
(テレビ朝日公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

その日、マリコたち科捜研メンバーは山中で立ち往生してしまっていた。
泥濘にタイヤを取られてしまったのだ。

困ったマリコたちだが、亜美が目撃した人影を追い不気味な洋館に辿り着く。
其処は旧家・梅乃宮家の屋敷であった。
マリコたちは事情を明かし、一夜の宿を求める。

梅乃宮家には主人である長女・梅乃宮緑、次女・紅子、末娘・紫織の三姉妹が紫織の娘・凛や使用人・廣田作三と暮らしていた。
どうやら、亜美が目撃した人影は凛らしい。

さらに先客が居たことを知るマリコ。
紅子は霊能力者を名乗っており、その取材でネット番組のプロデューサー・飯島春樹たちが訪れていたのだ。
他に運転手の日吉吾郎らも宿泊していた。

紅子は失踪した女子高生の居場所として、とある裏山を指摘。
飯島らが其処を掘り返したところ、男性の遺体が発見される。

こうして土門らが捜査に乗り出した。
被害者は警備員の竹山利一、死因は脚立に頭部をぶつけたことによるもの。
1週間ほど前から消息不明になっていたらしい。
さらに、遺体遺棄現場からは青色のブレスレットが発見されていた。

一方、紅子の霊能力について騒然とする飯島たちだが、紅子本人は「適当よ」と一笑に付す。
だが、マリコは適当でその場所に行き着くだろうかと疑問を抱く。

梅乃宮家に地元の巡査・醍醐福助が駆け付ける中、実は三姉妹ではなく四姉妹であることが明らかに。
三女として青以が存在していたのだ。
長女・緑、次女・紅子、三女・青以、四女・紫織の4人だったのだ。

紫織によれば青以は父親が浮気相手に産ませた子供。
だが、その浮気相手が死亡した為に梅乃宮家に引き取られていた。
しかし、紫織の母親は血の繋がりの無い青以を分け隔てなく育てたのだそうだ。
姉妹の絆として緑に緑色、紅子に赤色、青以に青色、紫織に紫色のブレスレットを渡していた。

マリコは竹山の遺体遺棄現場で発見された青色のブレスレットを思い出す。

さらに紫織によれば、引き取られた青以も家族に馴染んでいたのだが梅乃宮家ではアクシデントが続発。
何時しか周囲から「魔女」と呼ばれるようになったらしい。
其処で、青以は梅乃宮家から絶縁されていたのだ。

ところが、青以は梅乃宮家を出た後も「スリムワールド」なる会社にて「痩せ薬」の販売員となっていた。
この「スリムワールド」は数年前に薬事法違反で検挙されており、青以も逮捕されていた。

その夜、梅乃宮家で次なる事件が発生。
なんと、日吉が謎の感電死を遂げていたのだ。
どうやら、倒れた際にコンセントに触れてしまったらしい。
遺体の傍には「マスール」なる会社が販売元のミネラルウォーターが転がっていた。
日吉が口をつけたもののようだが……。

直後、日吉が「マスール」に雇われた調査員だったことが判明。
さらに、青以が「マスール」の販売員であり、竹山も「マスール」の警備員だったことが明らかに。
俄に関連性が重視され始めた。

「マスール」社長のエリザ・デュボンによれば「消えた青以の行方を日吉に調べさせていた」のだそうだが。

一方、亜美は凛から1週間前に青以が梅乃宮家に居たことを聞き出す。
梅乃宮家に青以が居るのではないかと考えたマリコはサーモグラフィー装置を用いて屋敷内を調べることに。
すると、屋根裏部屋に人らしき熱源を発見する。

だが、それは青以ではなく認知症気味の廣田の妻であった。
どうやら、其処で生活しているらしい。

ところが、マリコはその部屋から大量の金の延べ棒(インゴット)を見出すことに。

此処に紫織が事情を打ち明ける。
何でも、1週間ほど前に青以が頼って来たらしい。
インゴットもその際に隠された品のようだ。

調べたところ、インゴットは海外で不法取引された物と判明。
どうやら「マスール」で管理されていた物を青以が持ち出したようだ。
エリザが日吉を雇って行方を追わせたのもこの為と思われた。

「マスール」に注目が集まる中、その販売する水が「若返り」を謳っていたことが分かる。
ところが、中身は単なる水道水であった。
明らかな詐欺だ。

矢先、エリザが屋上の喫煙所から転落死を遂げてしまう。
奇しくもエリザも「マスール」の水を口にしていた。
防犯カメラ映像を確認したところ、エリザは眩暈を起こして居た。

「水で気を失う、水で立ちくらみを起こす……」
何かに気付いたマリコは組成を調べて、D2Oを検出する。

通常の水の分子配列はH2Oだが、中性子を含んだ水が重水(D2O)となる。
重水は摂取すると人体に有害で激しい眩暈の襲われるのだ。
おそらく、日吉は眩暈により感電死を遂げ、エリザも眩暈により転落死したのだろう。

調べたところ、日吉とエリザの所持していた水にだけ重水が仕込まれていたことが分かった。
やはり、人為的な罠だったのだ。
とはいえ、何時飲むかは曖昧であり、眩暈だけの可能性が高い。
犯人には殺害以外の意図があったと思われた。

そんな中、エリザの部屋の所有者が竹山であることが明らかに。
土門は「スリムワールド」と「マスール」の手口が酷似していることを指摘。
また、「スリムワールド」の売上1億円が消えていたことから黒幕の存在が囁かれていたが、その黒幕が竹山であり新たにエリザを操り「マスール」を立ち上げたと考える。

矢先、凛が消え、青以から身代金としてインゴットを要求する脅迫電話が梅乃宮家に入る。
動揺する紫織たち。

マリコは紅子から『いい魔女、わるい魔女』の絵本を見せられる。
過去、「魔女」と呼ばれた青以を励ます為に紅子が購入した本らしい。
紅子によれば、それに竹山の遺体遺棄現場がメモされていたのだそうだ。
紅子が言い当てられたのはその為だったのだ。

青以が犯人ならば竹山の遺棄現場を明かす必要が無い。
マリコは音声心理ソフトを用いて青以の脅迫電話を解析。
すると、途中から人が書いた台詞を読み上げさせられていることが分かる。
どうやら、何者かに強制されているようだ。

青以から次なる要求が届いた。
紫織に道の駅までインゴットを運べとの指示である。

土門やマリコらが見守る中、道の駅に辿り着く紫織。
ところが、肝心のインゴットはそっちのけで紫織が連れ去られてしまう。
紫織が狙いだったのだ。
不思議なことに現場には青いブレスレットが残されていたが……。

四姉妹のブレスレットは1つずつ。
ところが、青のブレスレットが2つも存在することに。
興味を持ったマリコは「竹山の遺体遺棄現場のブレスレット」と「道の駅のブレスレット」を鑑定する。

まず「竹山の遺体遺棄現場のブレスレット」からは「竹山の指紋と不鮮明な指紋」が検出。
次いで「道の駅のブレスレット」からは「青以の指紋」と「醍醐の指紋」が検出されることに。

こうして、醍醐宅が捜索。
すると、醍醐の娘で故人の成美が青いブレスレットを着用していたことが判明。
さらに「マスール」社の水と重水が大量に発見される。
他にも血痕が付着したマフラーまでもが出て来るが。

マフラーを鑑定したところ、青以の唾液と醍醐の血痕が検出。
どうやら、青以は醍醐にマフラーで猿轡を嵌められていたらしい。
しかも、醍醐の娘・成美が青以から購入した痩せ薬が元で病死していたことも分かった。

一方、紫織を乗せたと思われる車が大鳴門橋で目撃。
醍醐は愛媛県新居浜の出身、どうやら醍醐は故郷に潜伏しているらしい。
調べたところ、銅山跡地を根城にしていることが判明。

早速、マリコと土門が強襲するが其処は青以を残してもぬけの空であった。
付近から凛も保護されるが、肝心の醍醐と紫織は消えていた。
どうやら、醍醐の狙いは紫織のみで彼女を連れ去ったらしい。

マリコは青以と共に紫織を探す。

過去、青以は成美と親しくしていた。
成美が身に着けていた青いブレスレットも青以を真似たものだ。
しかし、青以は成美に痩せ薬を売り付けてしまう。
これが原因で成美は死亡し、ショックを受けた青以は醍醐に謝罪を申し入れた。
すると、醍醐から黒幕を暴くことに協力して欲しいと依頼。
其処で社員として「マスール」に潜入することに。
実績を上げて信頼を勝ち取る中で、竹山が黒幕であることを突き止めた。
醍醐は竹山が所持していたインゴットを盗み出そうとしたが、現場を見つかりこれを殺害してしまう。
さらに、裏山に竹山の死体を埋める醍醐の姿を目にした青以は身の危険を感じ、その場を逃げ出した。
紫織と連絡を取り、梅乃宮家に戻った青以はインゴットを屋根裏部屋に隠すと『いい魔女 わるい魔女』に竹山の遺棄場所を記したのであった。
ところが、直後に追い付いた醍醐に捕まってしまう。

一方、エリザは竹山と青以が消えたことで慌てて日吉を雇って行方を追い始めた。
この動きを掴んだ醍醐は水に重水を仕込み足止めを目論んだ。
まさか死亡するとは思っていなかったらしい。

その翌日、醍醐が凛を誘拐。
凛を人質にされた青以は醍醐に命じられ誘拐犯を演じたのである。

それにしても、どうして醍醐は紫織を狙うのか!?
困惑するマリコに、紫織の悲鳴が届く。

駆け付けたマリコたちの目の前では、紫織に銃を突き付けられる紫織の姿。

醍醐は動機を語り出す。
当初、醍醐はインゴットを証拠に竹山を告発するつもりであった。
ところが、誤って竹山を殺害してしまった。
醍醐は全てが青以の責任だと苛立った。
しかし、当の青以は遺体遺棄途中で逃げ出してしまった。
これに醍醐は「やはり青以が魔女だ」と憎悪を募らせたのである。

だが、醍醐にとって魔女は2人居た。
そのもう1人が紫織である。

「この女が姉さんを殺した。いや、成美もだ!!」
紫織に恨みをぶつける醍醐。

実は、青以の母は醍醐の姉だった。
醍醐と青以は叔父と姪の関係だったのである。

当時、醍醐の姉と梅乃宮は不倫関係であった。
何時までも正妻に勝てないことに苦しんだ醍醐の姉は相手の心を引き留めるべく、意図的にリストカットを行った。
もちろん、死ぬつもりは無かったのである。
ところが、その日が紫織の出産と重なった為に梅乃宮の来訪が遅れてしまい本当に死亡してしまったのだ。

姉を奪われ、梅乃宮家とは近付くまい……そう心に決めた醍醐。
ところが、成美は紫織の紹介で青以と親しくなってしまった。
結果、成美が死亡したのである。

「お前こそ魔女だ!!」
醍醐は紫織に向けて発砲する。
しかし、間に飛び込んだ青以が身代わりとなって紫織を救う。

騒ぎを聞き付けた土門たちが駆け付け、醍醐は逮捕された。

青以は緊急手術を行うこととなった。

青以を責める緑と紅子。
そんな2人に青以が姉妹の絆を重んじていたと語るマリコ。
道の駅に残されたブレスレット、それは青以からのメッセージだったのだ。

これを聞かされた姉妹は団結し、青以を励ます。
その甲斐あって青以は一命を取り留めた。

ちなみに、今回のお礼として紅子がマリコの結婚を占ったのだそうだ。
その結果は「意外と身近に相手が居る」と出たらしい。

「そんな奴、居るのか?」
土門の言葉にニッコリ微笑むマリコであった―――エンド。

<感想>

「科捜研の女 春スペシャル」です。
「シーズン15」最終話では落合刑事が殉職を遂げてしまうとのサプライズがありましたが、今回は如何に!?

では、ドラマの感想を。

飯島が紅子に取材したことが作為的に感じられたので疑っていたのですが……まさかの醍醐でした。
確かに醍醐も怪しかったけど計画性に欠けるのではないかと容疑者から外したのですが、なるほどそもそも計画的な犯行では無かったのか。

そして、成美以外の被害者に謝罪するつもりの無い青以。
黒幕を突き止める為と言いつつ、率先して被害者を増やしてどうするのか。
結局、竹山を突き止めたのは醍醐らしいし、青以の被害に遭った人はどうすれば……。

ちなみに、紫織の出産当日だった為に醍醐の姉が死亡したそうだが、そもそも青以が居るにも関わらずリストカットを決行したのはかなりヤバイ気がする。
醍醐ももちろんのこと、もしかすると梅乃宮家ではなく醍醐の血筋こそ業が深い気がしないでもない。

でもって、ラストでの紅子の占い。
あのシーンをあらすじにすべく「結婚」とタイプしたら「血痕」と出ました。
うむ、確かにマリコには「結婚」よりも「血痕」の方が近そうだ。
どうやら、マリコの「結婚」はもっと先になりそうだなぁ。

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