2016年05月29日

『どこかでベートーヴェン』(中山七里著、宝島社刊)

『どこかでベートーヴェン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

天才ピアニスト・岬洋介、最初の事件!

豪雨によって孤立した校舎に取り残された音楽科クラスの面々。
そんな状況のなか、クラスの問題児が何者かに殺された。
17歳、岬洋介の推理と行動力の原点がここに。
“どんでん返しの帝王”が仕掛けるラスト一行の衝撃。

累計100万部突破!「さよならドビュッシー」シリーズ最新作

シリーズ累計100万部突破!! 中山七里の音楽ミステリー、最新刊です!ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、高校時代に起きた殺人事件のことを思い出す。岐阜県立加茂北高校音楽科の面々は、九月に行われる発表会に向け、夏休みも校内での練習に励んでいた。しかし、豪雨によって土砂崩れが発生し、一同は校内に閉じ込められてしまう。そんななか、校舎を抜け出したクラスの問題児・岩倉が何者かに殺害されるた。警察に疑いをかけられた岬は、自らの嫌疑を晴らすため、素人探偵さながら独自に調査を開始する。岬洋介、はじめての事件!『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ。
(宝島社公式HPより)


<感想>

本作は「岬洋介シリーズ」2016年時点の最新作。
最終章を除き『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』にて連載されていました。
連載分については過去に書評(レビュー)していますね。

この「岬洋介シリーズ」は「難聴を抱える天才ピアニスト岬洋介が関わった事件を描く」シリーズ作品。
あくまで関わった事件なので、中心視点人物は各作品ごとに別の人物となっており、岬は事態解決やアドバイスなどを行う探偵役の立場となっています。
いつか岬自身が視点人物となる日がやって来るのでしょうか。

なお、今回の『どこかでベートーヴェン』は『いつまでもショパン』の後から始まる物語。
ただし、ある事柄(『いつまでもショパン』での出来事)により一躍有名になった岬を見かけた高校時代の同級生が当時(高校時代)に起こった事件について振り返るとの内容になっています。
さらに、岬が抱える突発性難聴についても触れられています。

難聴により音を失った岬、それは音楽に携わる者にとっては死刑宣告に等しいもの。
これを同じく音を失った「楽聖」ことベートーヴェンと絡めて描くことで、岬の絶望と其処からの再起を描いています。

また、高校時代に岬と半年の短い期間とはいえ深い親交を結んだ鷹村。
彼にとって岬は大きな影響を受けた相手であり、強い尊敬を抱いた相手。
しかし、岬と別れてからは遠い空の下で彼の再起を願い続けるしかなかった。
まさに、どこかに居る岬の再起を。

だからこそ、タイトルは『どこかでベートーヴェン』となったのでしょう。
すなわち「岬が諦めることなく、どこかでベートーヴェンのように音楽の道に関わり続けて居て欲しい」―――そんな鷹村の願いが込められたタイトル。
そして、岬は鷹村の願い通り健在でした。
岬は、今も「どこかでベートーヴェン」のように音楽と向き合い続けていたのです。

鷹村がコレを冒頭の時点で確認していることを読者は終盤で知ることになるのですが、冒頭で既に描かれたソレがラストの「ある事実」により「フィニッシング・ストローク(最後の一撃)」として思わぬ形で甦る点は秀逸です。
まさにサプライズでした。
それは、もしかすると実際に同様の存在があの人にも居たのかもしれない……と読者に思わせるほど。

シリーズファンは絶対に読むべし。
「岬洋介エピソードゼロ」にして「シリーズ最大の衝撃」が読者を待つ筈。

ちなみに、「岬洋介シリーズ」には長編が『さよならドビュッシー』、『おやすみラフマニノフ』、『いつまでもショパン』の3作(刊行順、作中時系列順)と短編が短編集『さよならドビュッシー前奏曲(文庫化に際し『要介護探偵の事件簿』を改題)』(『さよならドビュッシー』の前日譚を描いたスピンオフ)、『間奏曲(インテルメッツォ)』(『いつまでもショパン』と同時期に起こっていた事件を描くスピンオフ)の2作が存在しています。
記念すべきシリーズ第1作『さよならドビュッシー』は映画化もされています。
書籍版については、すべてネタバレ書評(レビュー)していますね。
興味のある方はネタバレあらすじ後の関連過去記事へどうぞ!!

ちなみに、ネタバレあらすじについては管理人によりかなり改変されています。
本作を楽しんで頂くには直接お読み頂くことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
岬洋介:シリーズ主人公、今回は高校時代が描かれる。
鷹村亮:『どこかでベートーヴェン』の視点人物。音楽科の学生。
岩倉:音楽科の学生の1人。イワクラ建設の息子。
板台:音楽科の学生の1人、バンドを組んでいる。
春菜:鷹村が憧れる同級生。町長の娘。
美加:音楽科の学生の1人。
棚橋:音楽教師。
佐久間:数学教師。
横屋:教師。

・鷹村は高校時代に鮮烈な印象を残した岬の姿を思わぬところで目にする。
『どこかでベートーヴェン 第一話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.6』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

・鷹村は岬との出会いを振り返る。
『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

・岬の存在が鷹村とクラスメートを変えて行く。
『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

・未曾有の集中豪雨が学校を襲う。
『どこかでベートーヴェン 第四話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.9』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

・災害の中、クラスメートの他殺体が発見される。
『どこかでベートーヴェン 第五話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.10』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

・容疑は岬へ向かう。
『どこかでベートーヴェン 第六話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.11』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

・文化祭にて演奏する岬だが……。
『どこかでベートーヴェン 第七話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.12』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

岬を襲った突発性難聴。
それまで岬にコンプレックスを抱いていた板台たちはここぞとばかりに彼を攻撃し始める。
その姿に自分自身のコンプレックスを見出した鷹村は友である岬の為に彼らと戦うことに。

そんな中、意図せずまたも集中豪雨が発生。
学校が陸の孤島となってしまう。

これに岬は「自身への疑いを晴らすときが来た」と宣言。
マネキンを3体ほど用意するや岩倉殺害時の状況を再現した上で下流へと流す。
結果、3体のうち2体のマネキンが事件時と寸分違わずに遺体発見現場へと流れ着く。

つまり、岩倉は現場で殺害されたのではなく校内で殺害されていたのだ。
岬はアリバイが無く、当時ジャージに着替えていたことから春菜を犯人と指摘する。

春菜は岩倉を殺害後に濡れた制服からジャージに着替えたのだ。
動機は春菜の父と岩倉の父が行った不正について脅迫された為であった。
どうやら、岩倉は春菜を言いなりにしようと目論んでいたようだ。
其処を殺害されてしまったのである。

遺体が発見現場に流れ着いたのは意図してのことではなく、あくまで偶然の産物であった。
だが、それが春菜にアリバイを作ったのだ。

二度目の集中豪雨から数日後、春菜は犯行を自首すべく出頭した。

その日、鷹村は岬に呼び出され彼の演奏を耳にする。
岬にとってそれは最後の演奏になるらしい。

実は春菜の犯行を目撃しつつ、恋心からこれを庇っていた鷹村。
岬に罪を謝罪しつつ、音楽を諦めないように訴える。

ところが、さらに数日後のこと。
岬は黙って引っ越してしまった。
鷹村が知った頃には、既に岬は姿を消していた。
棚橋によれば父親の仕事の都合だと言う。

別れを惜しむ鷹村。
しかし、板台たちはコンプレックスから解放されたと大喜びする。

そして現在、鷹村はあれから一度も岬に出会えていない。
だが、岬により音楽の厳しさを知った彼は挫折を経て自身の力が役に立つ仕事を見つけることに成功した。
それも全て岬との出会いが彼に与えた成長の結果であった。
鷹村は岬との出会いを良き想い出として大切にしながら「岬は大丈夫なのだろうか」と常々気にかけていた。

そんなある日、鷹村は岬の報道(『いつまでもショパン』参照)を目にした。
彼が音楽を続けていたと知り安堵する鷹村、同時に岬の健在を確信する。
そう、岬の音楽は……いや、岬の存在は鷹村のように多くの人々を良い方向に変えて行くのだ。
今回もそうだったに違いない、と。

鷹村は岬についてふと多くの人に語りたくなった。
鷹村にとってそれは難しくない。
何故なら、鷹村は小説家として活躍していたのだから。

鷹村の筆名は中山七里。
そして、岬の活躍を描いたタイトルこそ本作『どこかでベートーヴェン』である―――エンド。

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【刑事犬養隼人シリーズ】
『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『静おばあちゃんにおまかせ』(中山七里著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『残されたセンリツ』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『ポセイドンの罰』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 三つの迷宮』収録)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「さよならドビュッシー ピアニスト探偵 岬洋介 今をときめく豪華キャストで『このミステリーがすごい!』大賞受賞作をSPドラマに!衝撃の結末に誰もが驚愕する!!」(3月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「切り裂きジャックの告白 〜刑事 犬養隼人〜 嘘を見抜く刑事VS甦る連続殺人鬼!?テレビ局を巻き込む劇場型犯罪!どんでん返しの帝王が挑む衝撃のラストとは!?」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!〜ベストセラー作家からの挑戦状〜 天才小説家×一流映画監督がコラボした、一夜限りの豪華オムニバスドラマ!味わいの異なる4つの謎=各25分の濃密ミステリー!又吉×希林の他では見られないコントも!」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!2015〜大賞受賞豪華作家陣そろい踏み 新作小説を一挙映像化」(11月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「どこかでベートーヴェン」です!!
どこかでベートーヴェン



「どこかでベートーヴェン 第七話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.12」です!!
『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.12



「どこかでベートーヴェン 第六話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.11」です!!
『このミステリーがすごい!』 大賞作家書き下ろしBOOK vol.11



「さよならドビュッシー (宝島社文庫)」です!!
さよならドビュッシー (宝島社文庫)



「さよならドビュッシー 【DVD豪華版】(DVD2枚組/初回限定版)」です!!
さよならドビュッシー 【DVD豪華版】(DVD2枚組/初回限定版)



コミカライズされたキンドル版「さよならドビュッシー 上巻」です!!
さよならドビュッシー 上巻



コミカライズされたキンドル版「さよならドビュッシー 下巻」です!!
さよならドビュッシー 下巻



「おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)」です!!
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)



「いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



『間奏曲(インテルメッツォ)』が収録された「このミステリーがすごい! 2013年版」です!!
このミステリーがすごい! 2013年版



「さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



「ビジュアルPHOTOストーリー さよならドビュッシー 橋本愛」です!!
ビジュアルPHOTOストーリー さよならドビュッシー 橋本愛



「【映画パンフレット】 『さよならドビュッシー』 出演:橋本愛 清塚信也」です!!
【映画パンフレット】 『さよならドビュッシー』 出演:橋本愛 清塚信也

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2016年05月28日

『スーサイド・パラベラム』第9話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2016vol1』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第9話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2016vol1』連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<ネタバレあらすじ>

・前回はこちら。
『スーサイド・パラベラム』第8話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2015vol3』連載)ネタバレ批評(レビュー)

複数のチハヤ、オカマ、メイドたち。
彼ら事件関係者を集めた2周目チハヤは「殺人鬼」殺害犯を告発する。
チハヤによれば「殺人鬼」は「殺人鬼」により殺害されたのだそうだ。
そもそも「殺人鬼」は個人ではなくグループだったのだ。
チハヤが「殺人鬼」と名指ししたのは……。

なんと、2週目チハヤを除く残るチハヤたち全員であった。

2周目チハヤ以外の面々は身体の一部に不可思議な切断面を抱えていた。
例えばネクタイが途中で切断されている。
例えば髪が不用意に切断されている。
それこそ、彼女たちが「殺人鬼」である証拠らしい。

また、事件が起こったにも関わらず階層移動に必要なメリックを放置していたこと。
だからこそ、メリックは輪になって踊っていたワケだが本来ならば不自然であった。
殺人鬼以外のチハヤにとってメリックはオウカを追う為の重要な仲間だ。
事件が起こればすぐにでも安否確認を行っていた筈である。
ところが、誰もそうしようとはしなかった。
何故なら、彼女たちが「殺人鬼」本人だったからである。

では、どうして「殺人鬼」が仲間である「殺人鬼」を殺害したのか?
それは「殺人鬼」であることに疲れてしまったからなのだそうだ。

当初、オウカを巡る追いかけっこはオウカが圧倒的に優位であった。
だが、何度となくチハヤが内包され続けたことで数を増やしたチハヤ優位に傾きつつあった。
その内に、一部のチハヤの中に不安が生じ始めた。

もしも、オウカを捕まえられたとしてこの世界はどうなるのだろうか?
また、この世界から脱出したとして増え続けたチハヤはどうなるのか?
そもそも、オウカはどうなるのか?

結果、一部のチハヤたちは現状維持を目指すこととなった。
その為には増えるチハヤを止めなければならない。
結果、チハヤがチハヤを狩る構図が生まれてしまったのである。
だが、この構図は彼女たちに大きな苦痛を強いることとなった。

全てを打ち明けたチハヤたち。
ニッコリ微笑むと2周目チハヤに「殺人鬼」の後継者となるよう言い残し、自害して果てるのであった。
呆然とする2周目チハヤの手には託された「猫柳」が握られていた……。

それから数日後、別の階層では花魁姿のオウカを捕らえるチハヤの姿があった。
しかし、横合いから現れた別のチハヤにより殺害されてしまう。
もちろん、乱入したチハヤこそが後継者となった2周目チハヤである。

2周目チハヤに介錯を訴えるオウカ。
苦悩するチハヤに対し、オウカは「時間が無い」と繰り返す。

空に浮かぶ球形のソレが迫りつつあるからである。
ソレとはすなわち「パラベラム」の弾丸のことだ。
ソレが到達した時、オウカは本当の死を迎え世界は崩壊することになる。
ソレから逃げる時間を稼ぐ為にはオウカの死によるリセットが必要なのだそうだ。

だが、チハヤは気付いていた。
目の前のオウカがオウカではないことに。
チハヤは真実のオウカを探し出すべく、偽のオウカに止めを刺すのであった。

2周目チハヤが移動した先はTV局。
其処にはアイドルとなったチハヤの姿が―――第10話へと続く。

<感想>

『メフィスト』の新連載第9回。

「殺人鬼」殺害犯もまた「殺人鬼」であった。
この意外な結末に加え、「2周目チハヤ以外のチハヤ全員が犯人」とアガサ・クリスティーの某作品を思い起こさせる内容でしたね。

さらに、予想通り「魔銃パラベラム」によるタイムリミットの存在も示唆されています。

そして「オウカがオウカではない」との新事実も発覚。
以前の推測では「枯葉」こそが「オウカ」ではないかと考えていました。
だからこそ、チハヤもアイドル階層にやって来たのか?
いや、むしろ「木を隠すには森の中」だけに、もしかして「オウカは増え続けたチハヤに化けている」可能性もありそうか。

謎が謎を呼ぶ展開です、次回も見逃すなかれ!!

では、此処からは8話までのまとめ。

状況を簡単にまとめるとこんな感じかな。
まず、オウカが死ねないことを知りつつパラベラムを用いて自殺未遂、昏睡状態に。
これを救うべくチハヤがオウカの深層心理世界に飛び込む。
その目の前で深層心理世界のオウカが自殺。
これにより、チハヤがオウカに内包される。
内包された状態のチハヤが深層心理世界のオウカを救うべくさらにダイブ。
これを繰り返すことで、マトリョーシカ状態のオウカとその中で複数のチハヤが存在しているものか。
どうやら、オウカの身体の中が既にパラレルワールドとなっているようだ。

そして、オウカ自身の自殺未遂も何らかの目的があってのことか。
考え得るのは幾重にも続く運命の螺旋にチハヤを取り込むことかなぁ。
それにより、永遠にチハヤと共に居ることが可能になるとか。

そんな中、迫り来る弾丸の描写が。
どうやら、タイムリミットを示唆するもののよう。

ちなみに「スーサイド」が「自殺」や「破滅」を意味する英語、「パラベラム」が「戦いに備える」とのラテン語だそう。
本作タイトルを仮に和訳すれば「破滅(自殺)への戦いに備える」と言った意味合いか。
あるいは意訳すれば「(次なる)戦いに備えた破滅(自殺)」とも解釈出来そう。

そして4話に登場した「サムサラ・エクスプレス」。
「サムサラ」は「輪廻転生」を表す言葉。
つまり「サムサラ・エクスプレス」は「輪廻転生列車」。
だからこそ環状線になっており、今生の終着駅は次の人生の始発駅となるのだろう。
オウカが4話で語った夢のうち、列車旅は4話、アイドルは3話、ギャングのボスは1話で達成済み。
オウカはその度に、次のステージへと移動して行く。
これをチハヤが追い続ける。
この流れも「輪廻転生」と言えそうだ。

これらからは「輪廻転生」と同じく「終末へ向けてのリセット(またはその繰り返し)」と言った意味が引き出せる。
全体的に抒情的な世界で繰り広げられるチハヤとオウカの追いかけっこ。
次なる舞台は何処になるのか?

ちなみに、次回から『メフィスト』が完全電子書籍化されるとのこと。
こちらも注目です!!

『ジャーロ』(光文社刊)に続き『メフィスト』(講談社刊)も完全デジタル化とのこと!!

◆関連過去記事
『スーサイド・パラベラム』第1話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第2話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第3話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第4話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第5話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第6話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2015vol1』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第7話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2015vol2』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第8話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト 2015vol3』連載)ネタバレ批評(レビュー)

第9話が掲載された「メフィスト 2016 VOL.1 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2016 VOL.1 (講談社ノベルス)



キンドル版「メフィスト 2016 VOL.1」です!!
メフィスト 2016 VOL.1



第8話が掲載された「メフィスト 2015 VOL.3 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2015 VOL.3 (講談社ノベルス)



キンドル版「メフィスト 2015 VOL.3」です!!
メフィスト 2015 VOL.3



第7話が掲載された「メフィスト 2015 VOL.2 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2015 VOL.2 (講談社ノベルス)



キンドル版「メフィスト 2015 VOL.2」です!!
メフィスト 2015 VOL.2



第6話が掲載された「メフィスト 2015 VOL.1 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2015 VOL.1 (講談社ノベルス)



キンドル版「メフィスト 2015 VOL.1」です!!
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第5話が掲載された「メフィスト 2014 VOL.2 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2014 VOL.2 (講談社ノベルス)



第4話が掲載された「メフィスト 2014 VOL.1」です!!
メフィスト 2014 VOL.1



第3話が掲載された「メフィスト 2013 VOL.3 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2013 VOL.3 (講談社ノベルス)



第2話が掲載された「メフィスト 2013 VOL.2 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2013 VOL.2 (講談社ノベルス)



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「ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)」です!!
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2016年05月27日

「実は私は」第1話から第160話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第1話から第160話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめです。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。146話にてフルネームが「岡田奏」と判明。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
黄龍院閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。132話で苗字が判明。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?
白雪:茜の前任の諸晴高校校長、153話に名前が登場。

稲葉:葉子のクラスメイト。
松本:葉子のクラスメイト。
佐々木:葉子のクラスメイト。彼氏と別れたばかり。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第150話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第151話「焼き芋を作ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第152話「血を吸おう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第153話「紅本茜」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第154話「勘違いしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第156話「藍澤渚と藍澤渚A」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第157話「藍澤渚と藍澤渚B」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第158話「藍澤渚と藍澤渚C」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第159話「藍澤渚と藍澤渚D」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第160話「藍澤渚と藍澤渚E」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻、14巻、15巻、16巻も重版出来とのことで目出度い。さらに17巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

2015年7月にはアニメ化も果たしており、シーズン2製作の報が待たれます。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

また、本作が遂に舞台化とのこと。
こちらも注目です!!

増田英二先生「実は私は」が舞台化とのこと!!

さて、151話から160話までの注目ポイントは2つ。

1.茜と白雪の因縁。
2.渚VS未来渚!!

みかんや獅穂たちの去就が描かれる中で、遂に訪れた渚編。
本編では未来渚との対決中ですがどうなる!?

また、おそらく最後に控えるであろう葉子との未来に関わる茜、そして白雪。
こちらも重要なポイントと言えそうです。

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス17巻も発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ、13巻は桃地結香、14巻は水奈川咲と葉子のコンビ、15巻は獅穂たち三人娘、16巻はウェディングドレス姿の明里となっていましたが、17巻は「みかんと鳴」のコンビに。
どうやら、岡を巡る女性陣2人の表紙となったようです。
やはり男性陣は表紙にならない法則は健在だったか。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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