2009年11月06日

Rの刻印(講談社)

今回の批評(レビュー)は「Rの刻印」(講談社)です。
軽めのネタバレあります。安心して読める?

この本、現在テレビで放送中の「探偵Xからの挑戦状!」を書籍で実現したものです。この形式のミステリは東野圭吾氏の「どちらかが彼女を殺した」や「誰かが彼女を殺した」が有名ですが、古くはB.S.バリンジャーの「歯と爪」なんかもそうかな。「歯と爪」は結末が袋綴じで、未開封なら返金保証を売り(それだけ内容に自信がある)にしてました。袋綴じといえば、講談社ノベルスでも……って、脱線してしまいました。

Rの刻印1
「Rの刻印 表紙 綾辻・有栖川両御大の惹句が効果的です」

Rの刻印2
「Rの刻印 裏表紙 本書で犯人は明かされません……事実です」

Rの刻印3
「めちゃめちゃ雰囲気出てます」

では、「Rの刻印」です。あれ、この本、講談社なんですね…。
ふじしろやまと:著 
講談社:刊
初版:2008年10月10日
ジャンル:ミステリ
備考:問題篇が出版された後、解答を募集。その応募者限定で解答篇が送付&その他に向けては公式サイトで解答が発表された。

Rの刻印4
「Rの刻印 登場人物一覧」

あらすじ(端折ってます)

主人公・辰兵はその父・昇平の仕事に同行しエジプトへ向かう。
昇平の仕事はテレビクルー。
現地では昇平の同僚たちと考古学者たちが待っていた。
世紀の大発見のスクープ取材、それが仕事。
調査と取材の中で打ち解けていく仲間たち。
そんな中起こる第一の事件。
現地コーディネーターである伊野部が殺害されたのだ。
捜査を始める現地警察のジャバルディー警部に、謎の探偵 見雲間顕示(フルネームでミック・マッケンジーのもじり)も加わり、事態は混迷の度を深めるばかり。
そして、辰平を襲う衝撃。
ひとり、真相を追っていた昇平もまた殺害されてしまったのだ。
父を失い、呆然とする辰平。
彼に残されたのは「父から送られてくる謎の小包」と「NILE R」の暗号のみだった……。

こんな感じでしょうか。
読者が解答するべきは、伊野部&昇平殺害の犯人およびそのトリックだけに留まらず、「小包の謎」や「NILE R」の暗号まで含みます。謎のボリュームは侮れません。
ちなみに管理人も挑戦してみましたが、その堅牢なロジックの前に敗れました。
しかも、「安楽椅子探偵」好きにはオススメ!!なにしろ綾辻・有栖川御大の推薦もありますから。
で、管理人が「安楽椅子探偵」と「Rの刻印」を比較すると「安楽椅子探偵」はストーリ&雰囲気&サプライズ重視、「Rの刻印」はロジック重視といえます。伏線は緻密に張り巡らされています。そして、出てくる伏線はすべて回収されています。
「Rの刻印」はロジックを裏切りません!!
ロジック好きにはオススメの一本だと思います。

今、気付いたけど見雲間顕示の下の名前って顕示欲からもきてるのかな?

Rの刻印5
「Rの刻印 作者ふじしろやまと氏の経歴。ミステリに対する貢献度が凄い」

で、解答篇はこちら→http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/R/
(講談社HPに繋がります)

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posted by 俺 at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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