たぶん、日本一早い相棒season8 5話「背信の徒花」批評(レビュー)。
管理人の5話「背信の徒花」ストーリー予想はこちら。
5話「背信の徒花」採点&感想は後日のお楽しみに。
では、ストーリー(あらすじ)をどうぞ。
米沢(六角精児)が車窓の景色を背景に弁当を食べている。
野外の風景は飛ぶように後方へと去っていく。
米沢は旅行中?と思いきや、そこへ入ってくる右京(水谷豊)と尊(及川光博)。
実は鉄道マニアの米沢(六角精児)が見ていたDVDだった。
と、ある駅の景色に目をとめる右京。
そこには、5年前に自殺した国土建設省の官僚・三島(村井克行)が映っていた。
撮影日は三島の遺体が発見される当日の9月16日。
当時、官製談合で捜査の対象となっていた三島。
その立場からも自殺と結論づけられていた。
しかし、DVDによれば、自殺の当日、三島は現場から60キロ以上離れた間宮という駅にいたことになる。
DVDの男が本当に三島なら、自殺の直前、なぜそんな所にいたのか。
右京は尊と共に捜査を開始。
国土建設省を訪ねる右京。
出てきたのは片倉(中村繁之)。
彼はDVDの人物は三島かもしれないが、断言はできないと云う。
三島の部下のサワムラ(沢村?)からも話を聞く右京。
三島が自殺する前日、何か調べ物をしていたこと。
同日、資料室から忽然と姿を消したことを突き止める。
右京は三島が裏口から人知れずこっそりと外出したと推理。
三島の遺体が発見された現場でも、並ぶ二つのビルの距離が遠かったことから遺体の擦過傷に不審を抱く(ビルに当たらなければ擦過傷は出来ない)。
何か秘密があると確信した右京は間宮村へ向かう。
間宮村では高速道路建設に関して問題が起こっていた。
老人ホームの立ち退き問題が発生していたのだ。
平屋だが広い敷地を確保している老人ホーム。
道路建設上、立ち退きは必然だった。
立ち退き交渉の国土建設省側代表は片倉。
ホームの園長エトウ(江藤?)は三島を知らないと云う。
ホームでは立ち退き交渉を記録しており、5年前の9月16日に謎の人物が来園していたことがわかる。
謎の人物を三島だとするとどうなるのか?
右京は考えた末に、米沢の「十日市線(路線の名称)は一度(電車に)乗ると二時間は帰れない」との言葉から、単一線の十日市線ならではの発想にいきつく。
駅のホームがひとつしかない以上、上りも下りもホームは同じ。
DVDの三島は電車に乗ろうとしていたのではなく、誰かを待っていたと結論付ける。
その相手はDVDの片隅にこっそり映っていた片倉。
三島が当日間宮村にいたことは確実になった。
片倉の取り調べは一課に任せ、右京はエトウに疑惑の目を向ける。
三島が間宮村にいたことは間違いない以上、エトウも嘘をついていることになるからだ。
右京に追及されたエトウは語る。「三島は頻繁にやってきた」と。
三島は園が立ち退きしなくてもすむように陰から協力していたのだ。
つまり、三島のしていたことは自らが所属する組織への背信。
正義感の強かった三島は「園を立ち退く」と告白するエトウを助けるために最後の手段を考え始めていた。
彼は片倉の官製談合を告発しようとしていたのだ。
それを知らされていた片倉。
だが殺人のリスクを知る片倉が三島を殺害するとは思えない。
三島殺害の犯人はエトウだった。
エトウは園の土地が高速道路建設予定地であることを知り、園の老人たちを人質に立ち退き料をふっかけていた。
では、どうやって三島は殺害されたのか?
「三島は園で転落死させられた」
そう語る右京を鼻で笑うエトウ。
「この平屋で転落死?出来るわけがない」と。
右京は平然と受け流す。
「それが出来るんです」
右京の推理が明かされる。
それは、園の片隅にある埋められた空井戸の存在だった。
5年前まで埋められていなかったそれ。
空に向かってぽっかりと口をあけていた空井戸に向かって三島を突き落としたのだ。
空から地上ではなく、地上から地下へ。
逆転の発想が三島を死に追いやったのだった。
右京はエトウに告げる。
「あなたには重い罰が待っています」と。
朝、片倉を待ち受ける右京と尊。
片倉の談合は3年の時効が成立している。
彼は一時的に役職を解かれたものの復帰が約束されている。
「徒花に終わりましたね」語る尊。
三島のしたことは無駄だった。
それと同様に右京の行ったことも。
「僕はただ真実に興味があっただけです」
尊の言葉にも動じず、その場をあとにする右京。
第5話「背信の徒花」以上です。
今回、六角さん大活躍です。
「傍聴マニア」での演技といい、やっぱり六角さんは味がありますね〜。
ただ、ストーリー自体はだいぶ粗削りな印象。
右京さんの推理も行き当たりばったりな感じ。
ミステリ的には首を傾げるか?
物語的には面白かったけど。
以上です。詳しい採点&感想は後日。
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真犯人の老人ホーム管理人・江藤の豹変シーンとかすごかったなぁー、「大義名分に酔いしれるのは結構だけどよ、世の中そんな風には出来てねぇんだよ!!」とかもう完璧にただの悪役の開き直り。いや素晴らしい。
久しぶりに、えげつないというか理想化されてない犯人来たな、清々しい。右京さんの冷たい突き放しも久々でよかった。
「死体遺棄したのは片倉ではないか」という説がネット上にありましたけど、そんなことに加担するメリットは片倉にはないし、逮捕された江藤がそれを黙っているのも変。仮にそうだったといても、それをちゃんと描写することでより話に深みが出たと思うんだがなぁ。あんな投げっぱなしジャーマンにするのは誰得としか。
転落死が実は井戸で行われたものだったという部分がとても印象に残っている回です。大好きなエピソードです。
でんでんさん演じる施設長が三島さんを殺害した犯人というのは想像通りの流れです。
殺害動機も「三島さんのまっすぐな善意からくる行いで金を手に入れることができなくなってしまうから」というかなり酷いものだった…。
江藤は施設に通っていた人たちも利用していたので、右京さんももはや激しく軽蔑しているのかあまり激昂していませんでしたね。
真っ直ぐな正義感を持つ一人の人間が命を落とし、不正を行う大勢の人間は生き残るという後味の悪いラスト。
組織と行動して変わってしまったとはいえ三島さんと親しかった片倉さんが右京さんに三島さんが持っていった花が間宮駅に植えられたことを伝えられて最後に見せた何ともいえない表情。
存分に引き出されている右京さんと神戸くんのキャラ設定。
などとても相棒らしい内容でseason8の第5話としてなかなか楽しめるエピソードです。