<あらすじ>
北海道函館の市電の運転手、稲葉秀夫(石黒賢)は、病院の子どもに笑顔をとどけるピエロ、ホスピタル・クラウン。 | ![]() |
秀夫の一人娘、理子(森田彩華)は子供の頃、拡張型心筋症という病気だったが、15年前、秀夫が弁護士の小谷野はな(鶴田真由)とともにボランティアなどの協力を得て1億2千万円の募金を集め、海外でしかできない移植手術を受けることができ、一命をとりとめた。理子は現在、稲葉がホスピタル・クラウンとして通う病院の看護師だ。
一方娘と同じ年の建山友美は15年前、父親、建山勇造が自宅で殺害され、その犯人として捕まったのは実兄の建山義久という不幸に見舞われていた。義久は事件直後、金庫にあった200万足らずを持っていたところを警察に捕まった。しかし義久は、金は持ち出したが、それは誰かが殺した後で、自分は父親を殺害していないと主張。小谷野は義久の弁護人でもあったが、最終的には最高裁の判決も上告が棄却され死刑確定となった。
![]() | 辛い思いをした友美は、事件直後、理子と同じ病院に入院していた。秀夫はそんな友美のことも病院でホスピタル・クラウンをしながら優しく見守っていた。 |
成長した友美は、幼少の頃世話になった児童養護施設、海鳴り園で手伝いをしている。子どもの世話をしながら、かつて「泣かないで、哀しいときこそ笑ってごらん」と優しく励ましてくれたピエロのおじさんがいたことを思い出す。
そんななか建山の殺害事件は15年たち公訴時効が目前に迫っていた。当時の担当刑事・多田野(大地康雄)は、義久のほかに真犯人がいるのではと疑い、友美や秀夫、小谷野に接触する。多田野は小谷野に事件判決は正しかったのか?と問う。
ある日、秀夫と理子が勤める病院に親から虐待を受けた子供、二岡翔が運び込まれる。退院後再び親から虐待されるのを怖れ、秀夫らは翔を海鳴り園に預けることにする。そこで、友美は秀夫が15年前のピエロであったこと、理子の父親が秀夫であることを初めて知る。なかなか心を開かない翔であったが、なんとか心を開いてもらおうと、友美は秀夫にホスピタル・クラウンを頼む。
ところで理子は同じ病院に勤める医師、鶴岡大地(江畑浩規)と結婚することになったのだが、秀夫は友美と翔のことで手一杯で理子の相談になかなか乗ってくれない。理子はなぜそこまで友美に肩入れするのかと父親をせめた。
そんなある日、友美は突然倒れ入院する。治すには生体肝移植が必要なほど悪化したC型肝炎に侵されていたことがわかる。 | ![]() |
しかも三親等以内の親族からしか移植はできないという。
小谷野が友美の離婚したかつての母親を探し出すが断られ、唯一移植が可能なのは、死刑執行を待つ兄、義久だけとなった。
友美を大事に思う秀夫が彼女にできることとはなんなのか!?
娘、理子の結婚式を目前に、秀夫にとって大事な友美の存在とは・・・。
(写真・あらすじ共に公式HPより)
では、続きから。
15年前、建山を殺害したのは秀夫だった。
議員に献金し便宜を図ってもらっていた建山。
殺害される当日、建山宅には献金用の金が金庫に納められていた。
秀夫は建山を殺害後、それを奪って逃げたのだった。
友美の命を救うためには、その兄である義久を釈放させなければならない。
時効期日の11月30日を目前に、友美の命を救うため、ついに自首を決断する秀夫。
理子との親子の別れ。
時間が経過。
獄中の秀夫のもとへ一通の手紙が。
秀夫の手紙に初めて建山義久から返事が来たのだ。
そこには、秀夫を許すことはできないが、妹の命を救う機会を与えてくれたことには感謝する。
自分も結婚し娘がひとり出来たとあった。
10年後―――仮釈放で秀夫が出所。
迎えに来たのは、はなだけだった。
はなに連れられ、海鳴り園へとむかう秀夫。
秀夫を出迎える多くの人々。
大きくなった翔や海鳴り園の子供たち。
みな秀夫がピエロとして関わってきた人たちだ。
さらに娘・理子とその夫、孫2人も待っていた。
その光景に涙ぐむ秀夫。
そこへ現れるピエロ。
その正体は友美。
「おかえりなさい」
友美に告げられ、顔をしわくちゃにしながら落涙する秀夫。
今までの映像が流れていく。
エンド。
<感想>
さださまさしさんの「道化師のソネット」に乗って進む物語にホロリ。
アレ聞くとテーマ曲だけで「笑ってよ〜、き〜み〜のため〜に〜」の歌詞部分が自然に浮かぶから不思議。
く〜〜〜っ、泣くもんか〜〜〜泣くもんか〜〜〜と思いつつも気がつけばホロリ。
泣かせる気か〜〜〜泣かせる気満々か〜〜〜と思いつつもホロリ。
涙腺が弱くなるドラマでした。
秀夫と理子の何気ない会話のシーン。
ミステリ的な驚きはありませんが、丁寧に秀夫という人物が描かれていて感情移入してしまいました。
で、管理人には、
幼少時、命を救われた理子が、
看護師になり命を救う側に回り、
母となり命を育む立場になる。
この命のリレーこそがこのドラマの裏テーマのような気がしました。
海鳴り園の園長役の藤田弓子さんがまたイイ味出してましたね。
次回(12月14日)は「中央流砂」です。
詳しくはこちら。
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