2010年01月10日

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 女医VS水曜日の絞殺魔!蟻の死体解剖が殺人トリックを暴く 砂糖+コーンスターチ殺意の合成」(1月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「法医学教室の事件ファイル 女医VS水曜日の絞殺魔!蟻の死体解剖が殺人トリックを暴く 砂糖+コーンスターチ殺意の合成」(1月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>
法医学教室の事件ファイル1
「左が一馬、右が早紀」

二宮早紀は港南医大・法医学教室の准教授で神奈川県警から監察医を委託されている。夫の一馬は、横浜東署の警部で、二人の間には愛介という高校生の息子がいる。また、一馬には七海という叔母がいて、時々二宮家に現れては引っ掻き回していくので、早紀にとってはありがたい相手ではない。ある日、稀代の殺人鬼・内藤勝が横浜東署の捜査員によって逮捕される。内藤は、若い女性にクロロフォルムを嗅がせて乱暴したあと首を絞めて殺害するという手口で、捕まるまでに3人の女性を手にかけていた。内藤の自供で、ブルーシートに包まれて山中に埋められた遺体が次々と発見される。横浜地検に送致されるため横浜東署を出る内藤に付き添っていた一馬は、一人の男が野次馬を掻き分けて内藤に近づいてくるのを目に留める。内藤に娘の智美を殺された佐伯和久で、内藤を見る彼の目は怒りに燃えていた。だが、佐伯はその場で手を出すつもりはないらしい。横浜地検に送られた内藤は、村中葉子検事の取調べに対し、さらにもう一人殺害したと言い出し、死体を埋めた場所を教えると平然と言い放ったのだった。実況見分の結果、内藤の自供通りの場所でシートに包まれた若い女性の死体が発見されるが、実況見分に立ち会っていた早紀は、死体を見て思わず声を上げる。かつて港南医大で働いていた看護師の平松翔子だったのだ。早紀の検視により、翔子は側頭部を殴打されたことにより死亡したことが判明する。だが、なぜか翔子は殺害されたあとに首を絞められていた。これは明らかに、これまでの内藤の手口とは違っていたが、一馬は警察の目をくらますためではないかと推察する。捜査員から翔子の死を知らされた夫の平松郁夫は、悲しみにくれる中で、「こんなこと、義兄が聞いたらなんというか」と声を詰まらせる。平松が言う義兄とは翔子の兄で東横浜消防署のレスキュー隊員・山崎淳一のことだった。山崎に会った一馬は、彼の態度から、妹の翔子をいかに可愛がっていたかを思い知らされる。そんな中、内藤が自分は翔子を殺してはいないと言い出す。確かに自分は若い女を殺して自白した場所に埋めたが、この女ではなかったというのだ。これまでにも捜査陣を翻弄するようなことばかりを言ってきた内藤の言葉だけに捜査を指揮する一馬達は信じない。法医学的解明を求められた早紀は、法医学教室の助手達とともに、その証拠を探すべく意外な行動に出るが・・・。
(写真・あらすじ共に公式HPより)


では、続きから。

佐伯、片倉、中井と3人の女性を殺害した内藤。
だが、あくまで翔子殺害は否認する。
内藤によれば長い髪の女性を殺しはしたが、それは翔子ではないと云う。
再度、実況見分を行うことに。
内藤によれば、襲った相手は回転寿司屋を出た直後にだったらしい。
しかも、襲われた女性の服装は“赤い皮のスカート”だった。
これは明らかに発見された翔子と異なる。
そこで、翔子の死体発見現場へ移動した一堂。
ひょんなことから不意を突かれ、早紀を内藤の人質にされる。
羽交い絞めにされた早紀。
万事休すと思いきや、赤いレーザーサイトが内藤を狙う。
「危ない」一馬の叫びも虚しく、内藤は狙撃される。
それは、佐伯の犯行だった。
娘の敵討ちを終えた佐伯は自殺。
内藤も病院へと搬送される途中、救急車で息を引き取った。

だが、事件はこれで終わりではなかった。

内藤は死ぬ間際、翔子に関してだけは自分の犯行ではないと告げたのだ。

翔子殺害犯人は別にいると信じた早紀と一馬の意見が対立。
早紀は自分の力で立証する為に死体発見現場を訪れる。
そこへ現れた山崎。早紀の話を伝え聞いて真相を知りたいと云う。
翔子の発見現場近くで色の変わった花を見つけた早紀。
その下から若い女性の死体が見つかる。
解剖したところ、胃の内容物から蛸や烏賊が発見。
内藤の証言と合致したことから内藤が翔子を殺害していないことが分かる。

山崎は犯人の心当たりがあると云う。
必ず復讐してやるとも。
山崎に連れられ早紀が向かった先は、介護施設「もえぎの里」で働く義弟・平松のもと。
平松を疑う山崎に、平松は「やってない」と否定。もみ合いになる。
そこへ仲裁に現れた柳田夫妻。夫妻は施設の経営者だった。柳田の妻・冬美の一喝を受けてその場は事なきを得る。
しかし、山崎の復讐心は収まらない。あくまで平松が犯人であることを立証してみせると語る。

翔子の顔に残っていた跡がコンセントのタップであることが判明。
翔子は屋内で殺害されたのだ。

捜査は翔子の周辺へと進む。
平松の隣に住む木村姉妹によれば「翔子に男の影はない」とのことだった。

ここで、木村姉妹の仲介で翔子が生命保険に加入していたことが判明。受取人は平松。捜査の焦点は平松に。聴取する一馬。
平松によれば例の木村姉妹から翔子が男と連れ立っているのを見たと聞かされたらしい。
証言が食い違ったためそのまま平松を「もえぎの里」へと送ることに。
そこには柳田冬美の姿が。冬美は両親の介護をもとにした本を出版。その利益で今の「もえぎの里」を建てたらしい。夫の徳郎は妻に請われて経営に参画したが今では雑用まがいのことまでさせられていた。

再び、木村姉妹へ。姉妹によれば「以前の証言は勘違いで、ホストらしい男と歩いていたのを見た」と云う。だが、姉の康子の様子がおかしい。木村姉妹の不審な挙動に一馬は疑いを抱く。
姉妹は何かを隠しているようだ。

二宮家では一馬と早紀の息子・愛介が校内一のイケメンに認定され、ロミオとジュリエットのロミオ役を演じることに。
昔、女優になりたかったと語る七海の協力で舞台の稽古に余念がない。

そんな中、山崎が姿を消す。
平松の元を訪れた山崎。その様子を眺める木村姉妹の姉・康子。

翌日、平松が「もえぎの里」の浴室にて死体で発見される。その傍らには「翔子を殺害したのは自分だ」と認める平松の声が吹き込まれたテープレコーダーが。
現場でかすかにアーモンド臭を感じる早紀。青酸が使われた形跡があった。
第一発見者の柳田夫妻によれば窓も扉も閉め切られており、異常を感じた夫妻が換気扇を回して、室内に入ったところ平松が死んでいたとのことだった。

平松を解剖することに。
平松の口の中から蟻の死骸が出てくる。
なぜ、蟻が?疑問に思い蟻の解剖を依頼する早紀。

音声分析の専門家によれば、テープには編集も加工の痕跡も無い。
脅迫され無理やり言わさせられた形跡すらも。
平松の死因は青酸ソーダに水を混ぜ、青酸ガスを発生させたことによるもの。
鑑識によれば排水溝からデンプンが見つかったと云う。

これらから一馬を除く捜査陣は自殺と判断するが、一馬はテープに吹き込まれた次の一節。
「翔子が好きだった。もちろん、そんな資格は無い」
に注目。夫が妻のことをこんな風に云うだろうかと自殺に疑問を投げかける。

山崎の身柄が確保された。
山崎によれば平松に詰め寄ったものの、木村姉に妨害され逃げられたと云う。
木村姉は私は関係ないと突っぱねる。

自宅へ帰った早紀。自宅では相変わらず、七海と愛介が演技の稽古を。
そこへ電話が。
蟻の解剖結果から、砂糖とコンスターチが検出されたという。
「砂糖とコンスターチ?」聞き返した早紀の言葉を耳にした七海。
「よく知ってるわね。それ、血糊の原料よ」と笑う。
どこかに何かを感じる早紀。だが、具体的な形にはならない。
そこへ薬を飲もうとした七海がオブラートを捜す。
「オブラートなんて」とからかう愛介。
それを見て閃く早紀。

翌日、「もえぎの里」死体発見現場。
法医学教室のメンバーで実験を開始する。

早紀の推理はこうだ。
平松は浴室で血糊を発見。
本当の血痕と思いこまされ、掃除。
当然、シャワーを使用することになる。
それが浴槽隅に隠されていた青酸ソーダと反応し、青酸ガスで死亡したのだ。
だが、反応すればガスが立ち込めすぐに気付かれてしまう。
そこで、オブラートだ。
青酸ソーダをオブラートで包み、水との反応を遅らせたのだ。
オブラートにはデンプンが含まれている。
排水溝のデンプンはこれだった。

残るはテープの声。早紀はテープの声は原稿を読み上げたのではと推理。
だが、どうやって原稿を読ませたのか?
ロミオとジュリエットを引用する早紀。
何者かが死体を演じ、それの処理を平松に持ちかけ、テープの遺書も偽造したとの筋書きだ。

そうすると死体役と平松に持ちかける役、少なくとも犯人は二人いたことになる。いったい、誰が?

だが、まずは証拠だ。推理通りならば、平松は浴室を清掃した筈。清掃用具に蟻が残っていれば証拠になる。

ここで、早紀たちを陰から見守る山崎。

ついに清掃用具から蟻を見つける早紀たち。
歓声が上がる。
そこへナイフを持ち現れる柳田夫妻。
彼らが犯人だったのだ。

同時刻、翔子のことで話があるという老人・東田菊枝が一馬を訪ねる。
「もえぎの里」の入居者だ。菊枝の話を聞き、一馬も「もえぎの里」へ。

柳田夫妻によれば、ハツという老人が死亡した際に残した3億円を夫妻が着服したことが発端らしい。
それを翔子に知られ、告発しようとした翔子を説得しようとした平松が誤って翔子を殺害。
その事実を隣人の木村姉妹に知られ脅迫された。
木村姉妹は柳田夫妻の関与を知らなかったため、夫妻はすべての罪を平松に着せて殺害したのだ。
夫妻は早紀たちも青酸ソーダにより殺害しようとする。

そこへ飛び込んで来た山崎。徳郎を殴りつける。

隙を見て逃げ出す冬美。追う早紀。
追い詰められた冬美は早紀に隠し持っていたナイフを向ける。
揉み合う二人。早紀が劣勢となり危機一髪。

そこへまたも山崎が乱入。形勢逆転。冬美が山崎により危機に陥る。

そこへ現れた一馬。翔子が施設を辞めた理由を明かす。
菊枝は息子が事業に失敗、莫大な借金を負い、明日にも施設を追い出される身だった。その菊枝の苦境を救う為、翔子はホステスとしてクラブで働いていたのだ。
揺らぐ、山崎。
更に生前の翔子の言葉「兄はたくさんの人を救うんです」を早紀から聞かされ脱力。復讐を諦める。
ここに柳田夫妻は逮捕された。

木村姉妹は犯人蔵匿、保険金詐欺で逮捕。

取り調べでこれまでの介護での貢献を盾に情状酌量を訴える柳田。
一喝する一馬。

山崎はレスキューに復帰。翔子の保険金は菊枝の借金の返済に充てるらしい。

エピローグ―――

ロミオとジュリエット当日。
愛介は前説に変更。
なんでもロミオの練習中に演劇部が変更を願い出たらしい。
「流石、演劇部。見る目があるよね」あっさりと愛介。
どうやら芝居に向かなかったようである。そのまま学校へ。
「私の努力はどうなるのよ〜〜〜」叫ぶ七海、それを見やる早紀のアップでエンド。

<キャスト>
二宮早紀:名取裕子
二宮一馬:宅麻 伸
七海:由紀さおり
山崎淳一:津田寛治
柳田冬美:国生さゆり
柳田徳郎:風間トオル
佐伯和久:矢崎 滋
平松翔子:松本若菜
木村康子:中島ひろ子
木村好美:中村 綾
内藤 勝:榊 英雄
村中葉子:五十嵐めぐみ ほか

<感想>
佐伯、山崎と続く復讐の系譜。
真犯人の姦計。便乗犯の暗躍。
それに対するは司法解剖を用い、真実を追う女医・二宮早紀。
と、見所満載でした。

翔子の行動は介護を超越し過ぎてて、正直疑問符ですが、逆に良かったのかも。
二宮家のほんわかぶりには癒されます。
なにより、今回は山崎こと津田寛治さんが前向きになれたことが良かった。
いつものケースだと復讐を口にする人物(被害者遺族や関係者)は真犯人に殺害されてしまうことが多いだけにそこもプラス。
最期の平松殺害のトリックはちょっと無理があるけど許容範囲内でしょう。
面白かった!!

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