関連過去記事(文庫版「鐘」のあらすじ)はこちら。
<あらすじ>
人気の浅見光彦シリーズの第36弾。
ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は浅見家代々の菩提寺である聖林寺の住職(大門伍朗)に相談を受ける。お寺の釣り鐘に血の跡がついていて、きれいにふき取ったが、何かの事件と関係していたらと不安に駆られた住職が、光彦に助けを求めてきたのだ。
鐘楼の撞木を受ける撞き座のハスの花弁から血が垂れていたという。花弁紋様のくぼみに赤黒いものがわずかに残っている。浅見は鐘に残っている血痕の採取を所轄署に要請した。
一週間後、墨田川上流の岩淵水門で男の変死体が見つかった。弓岡正(笠兼三)という男の変死体の顔面には、変色痕があった。聖林寺の鐘に残っている血痕の血液型と一致した。
香川県高松の琴平電鉄の乗車切符が被害者の弓岡の上着の胸ポケットに入っていたが、未使用だった。弓岡が高松に向かったのは十日前の三日で、栗林公園駅で切符を購入したのはその翌日の四日だった。弓岡は府中で居酒屋を経営しているが、妻の清恵(佐藤智美)にも行き先を告げなかったようだ。清恵が「今度はどこへ?」と聞くと「カネのことで」と一言残して出ていったという。
浅見は四国・高松へ。弓岡が宿泊した琴平町の琴参閣で、弓岡は所持品を残していったが、半月前の週刊誌があった。松川義雄(草野徹)という男が自殺しようとしたのを助けようとした畑谷昇(青山勝)が殴られ、全治二週間のけがをしたという記事だった。この記事の自殺場所は高松港から船で向かう蔦島という小島だった。
刑事の調査で、聖林寺とそっくりの鐘が高松の正善寺というお寺にあることがわかった。正善寺で鐘を見ると、聖林寺の鐘とうり二つだった。
聖林寺で住職から、釣り鐘が富山県の高岡で作られたことを聞く。墨田川上流の岩淵水門で水死体で浮かんでいた弓岡正も、香川県の蔦島で投身自殺した松川義雄も富山県の高岡に在住していた。浅見は高岡へ。兄の自殺に疑いを持っている妹の慧美(高野志穂)と「鐘」をめぐる連続殺人事件の真相に近づいていく。
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから。
ルポライターである光彦へ不信感を露わにする慧美だが、光彦の誠実さに態度を軟化。協力するように。
実は彼女はタウン誌のライターだった。
慧美の所持していた、松川が残した遺書らしき紙片から「カネ」の文字を見出した光彦。
鋳造紋章師である松川だからこそ「カネ」は「鐘」のことではないかと考える。
松川の以前の勤め先を訪ねることに。
聖林寺と正善寺の鐘紋がここで作られたことを知る。
同時に、弓岡が村田であることが判明。
弓岡は過去、営業マンの村田として働いていたが婿養子に入り姓が変わったと云う。
松川は12年前、恋人を山で亡くしていた。
「鐘は突く人により音色が変わる―――」
生前、そう妹に語っていたと云う松川。
松川の恋人の名は小西ノブエ。松川とは結婚まで考えていたらしい。
称名の滝で死亡していたというノブエ。1人が滑落しようとしたのを助けようとして落ちたらしい。目撃者も居たと云う。
その目撃者とはあの畑谷昇。松川の自殺の目撃者とされる人物だ。
その矢先、畑谷が殺される。
畑谷の妻によれば殺されるような心当たりはないと云う。
ここで新事実が。畑谷は1人では山に登らないらしい。
ノブエの事故の際も何者かと同行していたことになる。
何者かの思惑を感じた光彦は疑惑を深くする。
キーワードが「鐘」にあると感じた光彦は聖林寺と正善寺の鐘紋の元になった鐘を捜す。
京都・極雲寺にそれがあると聞いた光彦。国宝級の価値があるそれ。
なんでも弓岡が受注し、松川がレプリカを作成したこともあるらしい。
松川は偽鐘作りに巻き込まれていた事実が明らかになる。
確認の為出向いた極雲寺で、警備担当を名乗る田野倉(川野太郎)と出会う。
田野倉によれば松川の作ったレプリカは好事家に売り払ったと云う。
極雲寺の鐘紋は聖林寺と正善寺のそれと同じ。
光彦は「第4の鐘」と呟く。
鐘は4つあった。問題は鐘の真偽。
光彦は鐘を削り、偽物だと確信。
善後策を練っていたところ、12年前のノブエの事故時、畑谷の登山に同行者が2人いたことが分かる。
ついに田野倉にすべてをぶつける光彦。揺さぶりをかける。
田野倉は何者かに電話。その何者かに呼び出される。
光彦は田野倉の共犯者を炙り出す為に揺さぶりをかけたのだった。
尾行される田野倉。行き先は八木沢の家。
口封じの為に田野倉は八木沢の部下に殺されかける。
そこへ飛び込んでくる光彦たち。
裏切られた田野倉はすべてを話す。
12年前、山小屋で出会ったノブエとその友人。
八木沢はノブエの友人に邪な感情を抱き襲ったが、事故で相手を死なせてしまった。
それを突き止めた松川。
畑谷に詰め寄るが八木沢の部下により殺害された。
松川の死に不審を抱いた弓岡は八木沢を脅迫。
八木沢宅に収蔵されていた鐘の前で殺害された。
弓岡の顔の紋はその際についた。
そこで現場を誤魔化す為に同様の紋のある聖林寺の鐘に血痕を残したのだ。
畑谷は口封じに殺害。
真相が明かされ八木沢、田野倉は逮捕された。
最後に光彦と慧美で空を見上げてエンド。
<感想>
うーん、原作知らないから何とも言えないけど、あんまりだった。
田野倉も八木沢も急に出て来るので「へっ」と驚くこと間違いなし。
(1度、海岸で会ってるけど…2度目が唐突過ぎて)
ついでにいうと全ての実行犯は八木沢の部下です。
もう、八木沢単独でいいような気がする。
田野倉はいらないのでは。
あと、果たして「鐘」の意味はあったのか?
犯行現場を偽装する必然性は?
弓岡の顔を焼くなりなんなりすれば良かったのでは?
なんならあの広い八木沢家の庭に弓岡の死体を埋めればいいのでは?
八木沢が人を使える時点でなんでもアリのような気もする……。
管理人的には「???」でした。
でも、役者さんは熱演されてました。
中村俊介さんいいですね。
ちなみに、「鐘」は文芸4部作の第2弾に当たります。
文芸4部作とは。
「平城山を越えた女」(第1弾)
「鐘」(第2弾)
「箱庭」(第3弾)
「蜃気楼」(第4弾)のこと。
この機会に通して読むのも面白いかも。
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