アンディ・ラウが趙雲子龍を演じ、サモ・ハンが架空の人物羅平安を演じた本作。
では、ネタバレ批評(レビュー)あらすじスタート!!
オープニング
とある女性が軍を指揮している。彼女は叫ぶ。
「趙雲を捕らえよ」と。
本編
羅平安(サモハン)がその男・趙雲(アンディ・ラウ)と出会ったのは偶然だった。
劉備軍中にて兵卒の受付を担当していた平安。
新しくやって来た趙雲という若い男と意気投合する。
二人は出身も同じ常山ということで、義兄弟の契りを結ぶことに。
当時、劉備軍は曹操軍との戦時下にあった。
早速、趙雲と平安は戦地へ。
敵は3千、味方は5百。
援軍が無ければ勝利は難しいと思われた。
そこへ援軍としてやって来たのは謎の男ひとり。
男によればこの戦は自分が来た以上、勝ったも同然だと云う。
男の指示通り、青龍240、白虎240、特攻隊20により奇襲を実行。特攻隊により混乱した曹操軍は大将首を奪われ潰走した。
「戦は駒の使い方、駒をどう生かすか、殺すかで勝敗が決まる」そう語ったこの男こそ劉備の参謀・諸葛亮孔明だった。
ここで世に名高い長坂波の戦いに突入。
先の戦の手柄により、劉備の妻子の警護を任された平安だったが、敵に先回りされ奪われてしまう。
命からがら逃げ帰った彼を関羽と張飛が責め立てる。
間に立った趙雲は平安を助ける為彼らと大立ち回り。
実力で平安を守る。
それに感じ入った劉備。趙雲自身の提案もあり、彼に妻子の救出を託す。
命がけの任務に臨む趙雲。
「左から張飛、劉備、関羽」
そんな彼を刃を交えた関羽、張飛は認めた上でフォロー。
趙雲は無事、曹操軍中に突入することに成功。
その勢いで阿斗(後の後主・劉禅)を救出する。
群がる敵を薙ぎ払いつつ進む趙雲。
「敵に囲まれた趙雲」
だが、敵は雲霞のごとく湧いて出る。
馬の足が鈍り、包囲の環が狭まる。
絶望的な戦力差に加え、戦車まで繰り出され追い詰められたそのとき、趙雲は飛んだ。
呆気にとられる曹操軍。
趙雲は一息に曹操本陣まで駆け上がると曹操から宝剣を奪う。
曹操は問う。「貴様の名は?」
「常山の趙子龍」趙雲は短く応えるとその場を去る。
それを聞いた曹操。「趙雲、いつか捕まえてやろう」
曹操の言に傍らの少女は頷く。
無事、跡取りを救出した趙雲は一躍、英雄に。
故郷、常山に錦を飾る。
時代は過ぎ、五虎将軍と呼ばれた者たちも関羽、張飛、黄忠、馬超が失われて残すは趙雲1人となっていた。劉備その人も既にない。蜀の衰亡が誰の目にもはっきりと現れつつあった。
老いた平安は趙雲に語る「次の戦には自分も連れて行ってくれ」と。
蜀は追い込まれている。この劣勢を覆すべく魏へと侵攻する兵を興した孔明。
総大将には関羽の子・関興と張飛の子・張苞が選ばれようとしていた。
趙雲は自ら戦歴の最期を飾るべく、総大将を申し出る。
そんな趙雲に2つの袋を渡す孔明。
ひとつは別れ道で、もうひとつは危機に陥った際に開くべしと申しつけて。
「最期の戦いへと赴く趙雲たち」
平安も従軍し、最期の戦の決意を固めた趙雲。
別れ道に差し掛かる。
孔明より渡されたひとつ目の袋には、「軍を二手に分けよ」とあった。
血気に逸る若武者二人を抑え、趙雲は自分が一手の大将を引き受ける。
進軍する趙雲の前に魏の旗が。
韓徳率いる魏軍であった。
まずは小手調べとばかりに先頭を行く趙雲。
奇声をあげ、襲い来るは韓徳の息子4人。
勝負は十合ともたなかった。
次々と息絶える韓徳の息子たち。
韓徳は怒りを堪え撤退する。
追撃する蜀軍だったが、前方には更なる魏の大軍が。
周囲を囲まれてしまう。
仕方なく逃げるように鳳鳴山へと軍を進める趙雲。
「曹操の孫娘・曹嬰率いる魏軍」
敵は、魏の本軍。
率いるは都督……長坂波の折、曹操の傍らに居た少女だ。曹操の孫娘だという。
彼女が魏の総司令。名を曹嬰(マギーQ)と云う。
曹操譲りの兵法家で優秀と評判の人物だ。
彼女は韓徳を慰め、亡くした息子たちの代わりに自らを娘と思うようにと告げる。
それに対し感激した韓徳は粉骨砕身戦い抜くことを誓う。
ほくそ笑む曹嬰。
「鳳鳴山にて。左から趙雲、平安」
追い詰められた趙雲。孔明に託された最後の袋を開ける。
そこには―――驚愕の言葉が綴られていた。
「勝つためには手段は選べぬ。軍を二手に分けた。どちらが勝つ可能性が高いか……今回はそなたらを囮にした。その間に関興、張苞らが目標を得るだろう。その後、援軍に向かう筈だ。したがって、それまで耐え抜かれるよう」
趙雲の脳裏に甦る孔明の言葉。
「駒をどう生かすか、殺すかで勝敗が決まる」天を仰ぐ趙雲。
「孔明に裏切られた」色めき立つ幕僚たち。
彼らの前には魏の大軍がひしめいていた。
曹嬰は趙雲と一騎打ちを望む。
趙雲は時間を稼ぐ為、受けることに。
細身の剣を趙雲へと突き付ける曹嬰。
若さ溢れる曹嬰の剣にたじろぐ趙雲。
だが、経験の差は如何ともしがたく老練の技を持って曹嬰を追い詰める。
主の急を見た曹嬰の側近も加わり、乱戦に。
趙雲の剣が弾かれてしまう。
無手の趙雲に曹嬰の剣の切っ先が迫る。
そこへ、どこからともなく弓が飛んでくる。
掴む趙雲。弓のしなりを活かし、曹嬰を撃退した。
弓を投げて寄越したのは平安。
危機一髪、趙雲は救われたのだった。
一騎打ち以降、両軍は緊張状態のままにらみ合っていた。
そんな折、魏の幕舎へと駆け込む急使。
その手には二つの包みが握られていた……。
魏陣営に決戦の空気が巻き起こる。
それを看てとった趙雲の幕僚連は覚悟を決める。
平安は趙雲から彼が以前、曹操より奪った宝剣を託され魏の陣営を訪れる。
返却すると同時に決戦の日時を布告される。
いよいよ、決戦の火蓋が切って落とされた。
決死隊を率いた韓徳は獅子奮迅の働きを見せ、趙雲の軍は半壊状態に。
次々と失われていく命。
軍を問わず、人が倒れていく。
そこへ火矢が降り注がれる。
無差別に射駆け込まれる矢。
それと共に起こる爆発。
曹嬰の仕業だ。
決死隊の馬に火薬を結びつけ、頃合いをみて火矢で味方もろとも吹き飛ばしているのだ。
決死隊は捨て駒にされた。
それと察した韓徳。趙雲配下と斬り結び、相討つ。
いまや、趙雲の周囲には1人も居なくなっていた。
いや、1人だけ居た。平安だ。
趙雲に謝罪する平安。彼は魏に内通していた。情報は事前に漏れていたのだ。
裏切った理由を問う趙雲に平安は答える。
「俺は手柄を挙げられなかった。今は違う。お前を魏に引き渡せば俺は将軍になれる」
「じゃぁ、何故、あのとき助けた?」
あのときとは、曹嬰との一騎打ち。
弓を投げて寄越したのは平安だった。
言葉に詰まった平安は「すまない、趙雲。すまない」と謝罪する。
彼自身複雑な心境だったことは明らかだった。
趙雲は笑って許すと「義兄者、銅鑼を頼む」云い置いて馬を引く。
その趙雲の姿を認めた曹嬰。
彼女の手には二つの包みが。
高々と掲げると大音声でのたまう。
「関興、張苞ともに討たれた。残るはお前だけだ。降伏せよ」と。
趙雲は意に介さない。
「若かりし日の趙雲」
昔日を思い返し、戦場へと駆け出す趙雲。彼に向って弓矢が放たれる。
駆け抜ける趙雲、重なる若かりし日の姿―――。
銅鑼の音が遠くに響く。
エピローグ。
ナレーションは語る。
以降、趙雲の姿を目にしたものは無い。
結局、魏・呉・蜀、三国共に覇を唱える価わず、晋が天下を統一した―――。
<感想>
アンディ・ラウはやっぱりイイ。
「HERO」や「墨攻」思い出しました。
マギーQ演じるオリジナルキャラクター曹嬰もイイ感じでした。
ある種、「三国志」よりは「趙雲伝」ですね。
この点、原題通り。
とはいえ、「三國志(三国志ではない)」ファンを名乗るならば一度は観ておくべき。
◆関連情報(過去記事です)
・「三國志」の英傑、曹操の陵墓が発見はこちら。
・諸葛孔明の子孫は美人モデルはこちら。
◆goo内「三国志」(外部サイトに繋がります)。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13831/
◆シネマトゥデイ内「三国志」(外部サイトに繋がります)。
http://www.cinematoday.jp/movie/T0007041
◆こちらは同年制作の「レッドクリフ」(シネマトゥデイ)
・Part1(外部サイトに繋がります)
http://www.cinematoday.jp/movie/T0006040
・Part2(外部サイトに繋がります)
http://www.cinematoday.jp/movie/T0006940
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主人公は、呂蒙です。病気に冒され、自らの死期までも策略に用いて、年若く周りから侮られていた陸遜とともに、誰もが恐れる最強の敵、関羽に敢然と立ち向かう、そんなお話です。
関羽も、物資の略奪とか悪役っぽいことしてますしね。
ニ時間という短い時間で切り取るなら、ここが一番いいと思うんですよね。
英雄関羽を倒し、侮られていた陸遜に後事を託してこの世を去る呂蒙。やがて訪れる陸遜の忠節ゆえの非業の死を暗示して終幕…。
むふふ、これぞドラマです。
映画よりも熱心だったのは、ゲームでしたね。
映画の主人公が呂蒙ならば、ゲームにぴったりなのは司馬いです。
閑職である教育係にされ不遇をかこうスタート。ここで育成ゲームみたいなことをして、教え子に王位を継がせ、やがては宰相となり、最強の軍師、諸葛亮と決戦、最後には国を乗っ取り、中国統一を果たすのですからね。これほどゲームの主人公にふさわしい人はいませんよね。
こんばんわ〜〜〜。管理人の俺です。
おおう、映画ですか。
確かに「三國志」読者はそれぞれのマイベスト的なシーンがあって然るべしですもんね。
呂蒙子明とは渋いセレクションですね〜。
「呉下の阿蒙にあらず」で知られる彼の人は実に名将です。
呉の名将を挙げよとなれば3番目ぐらいには名前が挙がるだろう人物ですが、これが「三國志」全体となると……(涙)。
やはり、羅漢中の影響でしょうか?
「三國志」は懐が深いですね。
十人が映画製作すれば毛色の違う十作品が出来あがるのでは……と思います。
でも、やはり「三國志」は滅びの物語。
そこらへんがアンディ・ラウの「三国志 THREE KINGDOMS:RESURRECTION OF THE DRAGON」では描かれているのがポイントですね。
ぜひ、一度観賞して頂きたい作品です。
歴史もので、あまり架空の人物を出すのは好きじゃないのですが、三国志には周倉がいますしね。
フィクションで話を作るなら、かくかが残した予言の手紙が他にもあった、なんてのはいかが?
ところで國の字にどんな思い入れがあるんですか?
こんばんわ〜〜〜。管理人の俺です。
「國」に拘るのは正史に配慮してです。
「三國志」は多種多様な解釈が成り立つ懐の深い物語ですよね。
最近の独自解釈の作品群もこの土壌があればこそでしょう。
魅力があるのは、やはり歴史ゆえでしょうか。
もとが逸話を集めたものですから、全員が主人公をはれますし、それだけでもかなりのストーリーがつくれますね。
実在した人物ですから、どんな人だったのかなって、みんな思いを馳せるんでしょうね。
中国では、賢者や豪傑の逸話、つまり個人がクローズアップされているのが魅力なんですね。
三国志の場合、三国とも、いわば裸一貫から国が成り立っていくサクセスストーリーでもありますしね。
こんばんわ〜〜〜。管理人の俺です。
わかります〜〜〜。
「三國志」は“組織”というより“個人”の物語なんですよね。
そこへ、ジャック・バウアーみたいな超人の話が絡んで来る。
「個人でありながら利己的な個人主義に終始せず、組織の為、あるいは個人の為に働く」ここが魅力なんだと思います。
結末も分かっているのに胸躍らせるのはやはり個人の魅力でしょうね。