ネタバレあります!!未読の方は注意!!
<あらすじ>
『もう、彼女は語れない。彼が伝える、その優しさを。悲しみを、喜びを。
日本橋の一角でひとり暮らしの女性が絞殺された。着任したての刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。
舞台は、日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの40代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が……」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
「こんなことが出来ればと思った。でも出来るとは思わなかった」――東野圭吾』
(あらすじは講談社公式HPより)
「新参者」は「どちらかが彼女を殺した」や「私が彼を殺した」、「嘘をもうひとつだけ」の“加賀恭一郎”シリーズ。
2009年9月18日発売、講談社内では特集ページも組まれています。
下は講談社のHP「新参者」のページです。(外部サイトへ繋がります)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2157713
「新参者」は「このミステリーがすごい!2010」で1位、「本格ミステリ ベスト10」で5位、「ミステリが読みたい2010年版」で5位、「週刊文春ミステリーベスト10」で1位を達成しています。
・ランキングの載った過去記事「2010年ミステリ書籍ランキングまとめ!!」です!!
<感想>
トリックらしいトリックはなし。
人と人の関係性がテーマの本作。
作者の力量により、雰囲気と話の運びでスルスル読める。
面白いです。
ただし、この作品は加賀刑事をよく知らないと楽しめない。
既存のシリーズ作を読了済みにしておくことが好ましいかも。
そうすれば2倍楽しめること間違いなし。
「新参者」が阿部寛さん主演でドラマ化されるそうです(ドラマ化情報はこちら)。
<ネタバレ>
被害者の周囲を調べて行く加賀。
相変わらずの推理の冴えを見せ、街の人々と触れ合いながら、少しずつ真相に近付いていく―――。
やがて、税理士・岸田が捜査線上に浮上。
岸田が孫に買い与えた独楽とその紐が決め手になり、逮捕される。
罪を認める岸田。
だが、金銭目当ての動機に一部疑いがあった。
“半落ち”状態の岸田。
そんな岸田を疑う男が居た―――もちろん、加賀である。
だが、加賀は直接動かない。
ある心の傷(息子の事件)を持つ上杉を介して岸田の心を解していく―――。
やがて、心を開く岸田。
岸田が金銭を必要とした理由は息子の横領を隠す為だったのだ―――エンド。
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