<あらすじ>
刀城言耶シリーズ書き下ろし長編!村の人々は、豊かな水を求めて湖の神・水魑様への儀式を挙げていた。その最中、言耶の眼前で事件は起こる。宮司たちが次々に不可解な状況で殺されていく。二転三転のすえに示された真犯人とは・・・。
(あらすじ・写真共に原書房公式HPより)
刀城言耶シリーズ書き下ろし長編!
近畿地方のとある農村。村の人々が畏怖し称えてきたのは、源泉である湖の神・水魑様だった。
刀城言耶は祖父江偲とともに水魑様の特殊な儀式を観に行ったのだが、その最中、事件は起こる。神男と呼ばれる儀式の主役が湖の船上で死体となって見つかったのだ。犯人は見つからない。衆人環視ともいえる湖上の船、不可解な状況での事件だった。
惨劇はそれだけにとどまらない。儀式を司る村の宮司たちが、次々に不可解な状況で殺されていく。
二転三転のすえに示された真犯人とは……。
(アマゾンより)
<感想>
刀城言耶シリーズを読了しておくこと必須の本作。
さもないと面白さが7割減します。
その代わり読んでおけば面白さは2倍です。
因習のある閉鎖的な村を舞台に繰り広げられる殺人は華麗であり、酸鼻を極めます。
そして、自らの因習ゆえに幕を引く村―――。
やっぱりこのシリーズは面白いです。
オススメ!!
<あらすじネタバレ>
次々と殺害されていく宮司たち。
犯人は視えてこない。
そんな中、祭祀が正しく行われなかったとして村が水に沈むことに。
慌てて逃げ出す刀城言耶たち。
村からの脱出路にて刀城言耶は真相に至る。
衆人環視の中、殺人を行った犯人は生贄にされた人間だった。
湖に樽ごと沈める儀式中、生贄は樽から脱出。
ここで足から樽を出たことにより、樽中には空気が残された。
そのまま浮上し、覗き込んでいた宮司を下から殺害。
再び湖に潜ると樽に潜んだ。
残された空気を使いきると湖面へ浮上。
当時、雨が降っており周囲の人々の目からは隠されてしまう。
その後、生贄は死んだふりをして姿を消したのだった。
つまり犯人は―――小夜子だった。
刀城言耶は小夜子たちに猶予を与えた上で警察に通報するが、村は水に沈んだ後。小夜子は死亡したかに思われた。
やがて再生の道を歩み始める村。
そこには名を変えた小夜子の姿があった―――エンド。
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