ネタバレあります!!未読の方は注意!!
<あらすじ>

人気ドラマ「交渉人」の映画版をノベライズ。
警視庁捜査一課特殊捜査班、通称SITに所属する“交渉人”宇佐木玲子は、休暇届を出して向かった羽田空港で見覚えのある若者の顔を見つける。不審な行動をとる若者が少し前の立てこもり事件の人質だと気づいた玲子は、札幌行きを変更して、急遽、彼が姿を消した北九州行きの便に乗り込む。飛行機が高度10000メートルに達しようとするとき、突如若者の声で、この機がハイジャックされたことを告げるアナウンスが流れた。
米倉涼子主演で人気のTVドラマが遂に映画化。スケールアップして繰り広げられる主人公と犯人との超スリリングな頭脳戦を完全ノベライズ。本書は、2010年2月11日(木・祝)公開の映画「交渉人 THE MOVIE」のノベライズとして、映画脚本(寺田敏雄)を元にして、著者が新たに執筆した書き下ろし作品です。
(あらすじ・写真共に公式HPより)
<感想>
アクション大作。
映画版のノベライズだからやっぱり映像には適わない。
ところどころ不可解な点があったが、映画も同様なのだろうか?
ラストがちょっと煮え切らない。続編も考慮しているのかも。
TV版「交渉人」ネタバレ批評(レビュー)はこちらからどうぞ!!
<あらすじネタバレ>
立て籠もり事件の関係者を追って宇佐木が乗り込んだ飛行機・北九州行201便がハイジャックされた。同機にはたまたま乗り合わせた木崎の姿も。
ジャック犯の要求は立て籠もり事件で逮捕された裏社会の大物・御堂の釈放だった。
ジャック犯は凄腕の傭兵・中川を擁する御堂の部下・佑介たち。
彼らは御堂が新世界を作るとして疑わなかった。
同乗していた西尾という男性が中川の手で撃たれる。
相手の本気を知った玲子。
幾度の交渉を経た結果、次期総理大臣の名も高い経済産業大臣・栗田の指示により御堂を釈放することに。
ここである事実が判明。
ハイジャックされた機内には裏社会でも御堂の関係者ばかりが乗り合わせていた。
それを知らされた御堂の顔色が変わる。
「出たくない」と騒ぎ出す御堂。
刑務所を出た途端、御堂が射殺される。
何者かによる狙撃だった。
その光景を画面越しに見ていた佑介たちは呆然。
ひとり中川だけが平然としていた。
中川は真の黒幕に雇われていたのだ。
佑介たちが戦意を喪失する中、不意を突き中川を取り押さえる玲子と木崎。
だが、そこに現れた西尾の手には銃が。西尾は血糊を仕込んだチョッキを着用していた。西尾もまた黒幕の手下だったのだ。
再び逆転される玲子たち。
すべては栗田の計画。彼を現在の地位にまで押し上げた御堂たちが邪魔になり飛行機ごと一掃することが目的だった。
中川は機長の加納を射殺。
爆弾を起動して機から脱出する。
西尾は爆弾に動揺した隙を突かれ玲子に拘束される。
爆弾はリモコンによる遠隔起爆タイプ。
このままでは爆破される……。
玲子はイチかバチかコードを切断する賭けに出る。
一方、地上に降り立った中川。真の依頼主の栗田の指示でリモコンのスイッチを押す……が、無反応のジャンボ機。
失敗したことを悟るが傭兵に忠誠は必要ないとばかりにその場を去る。
九死に一生を得た宇佐木たち。
だが、機長は死亡している。
これまた玲子が操縦桿を握る。
またも奇跡が起こり無事着陸に成功。
だが、玲子は持病の心臓疾患が祟り意識を失う―――。
ここから後日談に。
栗田は工作がバレ、逮捕される。
玲子は無事、命を取り留めた。
中川には逃げ切られてしまったらしい。
真理谷に会いに行く玲子。玲子の姿にホッとする真理谷。
玲子に心の休まる日はない。次の事件が待っている―――エンド。
<ドラマ版からの疑問に対する解答>
ドラマ版最終回時点で解決していない伏線は次の5点でした。
それぞれに解答はでたのでしょうか?
@玲子の病気(体調不良)の正体は?
心臓疾患。ノベル内では治癒したようだ。
A真理谷はどうなる?
玲子との関係はドラマ版のまま。存命。
B最後に出てきた反町は?→映画版でのハイジャック犯?
ハイジャック犯。今回唯一捕まっていない人物。
次回作に繋がるのかも。
C高林たちを操っていた人物がいる?
黒幕は黒幕でもノベル版事件の黒幕でした。
答えは栗田。
D弓坂の真意は?(腐敗した組織を改革しようとする断行者か?)
明かされませんでした。
以上の結果になりました。一応、続編も制作可能な締め方かな。
追記:映画版とノベルス版とで違いがあるようです。
2次情報ですが、映画版の中川は死亡している模様。
映画版とノベルス版の違いを楽しむのもアリかも。
・交渉人 THE MOVIE(シネマトゥデイさん、外部サイトに繋がります)。
http://www.cinematoday.jp/movie/T0007969
・映画「交渉人 THE MOVIE タイムリミット 高度10000mの頭脳戦」情報はこちら(過去記事です)。
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