・原作「テネシーワルツ」ネタバレ書評(レビュー)はこちら。
・「テネシーワルツ」ドラマ化第一報はこちら。
<あらすじ>
「喫茶オリビエ」のオーナー・川村尋子(高島礼子)は夫と離婚後、再婚した元夫のところから転がり込んできた、義理の息子・孝之(佐藤拓也)と2人で暮らしている。そんな尋子にも、コンビニの店長をしている馬渕(乃木涼介)という婚約者がいる。
ある日、尋子は孝之から妙な話を聞く。孝之の同級生・明日香(柳本絵美)が、馬渕に頼まれた“仕事”の報酬が支払われないことに腹を立てているという。仕事の内容はわからないが、とにかく馬渕はひどい奴らしい。裏で悪事に手を染めていると推測する息子を尋子は笑い飛ばす。そんな話をするなか、馬渕が来店する。喜ぶ尋子をよそに、孝之は露骨に嫌な態度を取り、その場を後にする。尋子は、馬渕の開いた鞄に目を留める。こっそり覗くと、旧いSP盤の『テネシーワルツ』が入っていた。ジャケットには“I lost my little darlin”の走り書きがあり、 “三隅早苗”の名前が書かれていた。さらに、『高齢者ケアセンター 鶴寿院』のパンフレットも入っていた。
数日後、馬渕が何者かに殺されて遺体で発見される。一報を受けた尋子は、井之頭署を訪れて篠原刑事(金田明夫)の取調べを受けることに。生前、馬渕が友人に「ストーカー女に付きまとわれて困っている」と打ち明けていた事から、事件当日のアリバイを聞かれてしまう。取調べから帰宅すると、孝之が店の前で待っていた。何者かに家中を物色されていて中に入れないという。尋子はわけがわからず困惑する。その時、馬渕の知り合いで野村という老人が来店する。野村は、唐突に馬渕から旧いレコードを預かってないか聞いてきた。尋子と孝之は、野村が家捜しをした犯人ではないかと食って掛かるが、きっぱり否定される。野村は、こちらの様子をうかがうと、また来ると言い残して店を出て行ってしまう。尋子は、馬渕が持っていた旧いレコード『テネシーワルツ』の事を思い出したが、話さなかった。
その後も尋子は、篠原に付きまとわれていた。馬渕は、裏では荒稼ぎをしていたことを知らされ、何か知っていることがないか問われるが全く心当たりがなかった。篠原から婚約者の事を何も知らないと言われた尋子は行動を起こす。
馬渕が所持していた鶴寿院を訪ねて、「マブチ」という入所者がいないか確認するがそのような人物はいなかった。何の収穫も無く肩を落とす尋子。そこで偶然、加寿夫に会う。加寿夫は、以前取材をした女性を訪ねてセンターを訪れたが、既に転院していたという。加寿夫に食事に誘われた尋子は、なぜか実家に連れてこられる。尋子の父・壮太郎(西田健)は、元東西新聞社の記者で加寿夫の上司でもあった。2人から意外な人物の名前を聞く。それは、馬渕が持っていたレコードに書かれていた“三隅早苗”の事だった。早苗は、昭和20年8月、群馬の山中に墜落した米軍機に乗っていた米兵を匿い、看病した女性だった。早苗は子どもたちに口止めして米兵の治療をしたが、何者かに密告されて逮捕されたうえ一家は村八分に遭ったという。尋子は、思わず、取材の時に早苗が『テネシーワルツ』の話をしていなかったか聞くが、そんな話は記憶にないといわれてしまう。果たして、馬渕と早苗の接点とは!?旧いレコードに隠されたある事件が明らかになる!!
(公式HPより)
では、続きから……
馬渕が盗撮犯で脅迫犯であったことが判明。
息子・孝之の掴んだ真実を聞かされ馬渕に幻滅する尋子。
早苗が匿ったジョンソンが後に横須賀で早苗により殺害されていたことが判明。
さらに、尋子が襲撃される。
同時に根津という老人が馬渕殺害の罪を認め、警察に逮捕される。
ここで、馬渕がクライアントに依頼され脅迫していたことがわかる。
テネシーワルツのレコードを使いクライアントを誘き出すことに。
現われたのは野村。
野村は真相を尋子に話し始める。
野村は語る。
過去、野村は根津や三隅母子と同じ村で生活していた。
そこで、ジョンソンを匿った早苗が排斥されることに。
終戦後もそれは続き、三隅母子は村を出た。
その際、ジョンソンと早苗は恋に落ちていたらしい。
それから数年がたち、野村は信じられないものを目にした。
あのジョンソンと早苗が二人揃って横須賀を歩いていたのだ。
早苗は派手な格好をし、ジョンソンと遊んでいたらしい。
当時、野村はクラブのバーテンをしており、その店へ二人は頻繁に出い入りしていた。
そしてある日、事件が起こる。ジョンソン殺害事件だ。
ジョンソンを殺害したのは早苗ではなく、その息子裕也だった。
ジョンソンはタチの悪い男で、武器密輸や複数の女性にちょっかいを出していたらしい。
そんな母を弄ぶジョンソンを裕也は許せなくなり銃で殺害したと云うのだ。
早苗は息子の罪を背負ったのだそうだ。
野村はその件で裕也を脅迫しようとし、馬渕を雇った。
根津は裕也の代理人に過ぎないと云う。
現在―――鶴寿院の理事長こそは三隅早苗の息子・裕也だった。
そして、馬渕殺害犯も。
尋子を襲撃したのも「テネシーワルツ」を奪う為に理事長が指示したものだった。
すべてが明らかになり、理事長は警察への出頭を約束。
一方で野村は過去の罪を告白する。
早苗がジョンソンを匿っていたことを通報したのは野村だった。
当時は正義感でやってしまったと云う。
それを早苗に謝りたかったのだ。
だが、早苗の命の灯は今にも消えようとしていた。
その枕もとで「テネシーワルツ」をかける尋子。
早苗は尋子たちに看取られてこの世を去った。
理事長も約束を守った。
父と同居することを決めた尋子。
元夫とも復縁しそうな気配を漂わせつつ―――エンド。
<感想>
原作から設定だけを借りた全くの別物でしたね。
最後の辺りは完全オリジナル。
改善か改悪かと問われれば改善かなぁ……。
原作よりも軽くなりすぎてるけど……。
野村も単なるイイ人(?)になっちゃってるしなぁ。
時代を表現した映像は見事でしたね。
ただ、キャスト豪華だっただけにちょっと勿体ないかも。
原作知ってると比較しちゃって素直に観られないなぁ。
<キャスト>
高島礼子
佐藤二朗
小野武彦
金田明夫
西田健
清水紘治
三條美紀
寺泉憲
夏八木勲
残念ながら第28回横溝正史ミステリ大賞には該当者がありませんでした。「テネシー・ワルツ」はテレビ東京賞受賞作品なんです!!その理由は下記リンクをどうぞ。
ちなみに第29回横溝正史ミステリ大賞は「雪冤(ディオニス死すべし改題)」が受賞。テレビ東京賞も同作。興味のある方はこの記事最下部にアマゾンへのリンクを用意しましたのでそちらかあらすじ等をチェック!!ちなみに第29回の優秀賞は「僕と『彼女』の首なし死体」でした!!
・「第28回横溝正史ミステリ大賞該当者なし - その理由とは?」
(マイコミジャーナルさんです)
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