ネタバレあります!!未読の方は注意!!
<あらすじ>
これぞ、究極のどんでん返し! あらゆる予想は、最後の最後で覆される。
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至難の業でもある。本書は、その更に上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!
(あらすじ・写真共に新潮社HPより)
<感想>
どんでん返しではないが「ラスト一行の衝撃」が続く短編集。
えもいわれぬ気味の悪さが絶妙のバランスで配されています。
すべて動機がきわどいせいかも。
旧家にして良家の持つ業が怖いぐらいに表現されてる。
「バベルの会」という舞台設定も、本編中にはあまり出てこないのに妙に印象に残る不思議。
「儚い羊たちの祝宴」の「祝宴」。
意訳すれば「カーニバル」。
「カーニバル」といえば……過去に紹介したこの作品とこの作品が関係して来るかなと。
だからこそあのラストだと思う。
◆「身内に不幸がありまして」
ブラックユーモアでこんな話があったが、こちらは物語としてより完成してる。不気味。
◆「北の館の罪人」
ちょっと2時間ドラマテイスト。
だが、そこがイイ。
ラストでひょっとして長男は気付いていたのでは……と思わせるところがミソ。
同時に少女の今後の殺人も匂わせている。
◆「山荘秘聞」
肉でミスリードさせるのは流石。
このレッドへリングが「儚い羊たちの晩餐」に活きて来る。
特別な渉外……怖い。
◆「玉野五十鈴の誉れ」
五十鈴の誉れは主を守ることだったのか?
あれは友情か、命令に従っただけか?
いろいろ考えさせられる作品。
◆「儚い羊たちの晩餐」
「バベルの会」から排斥された為に会員資格を得てしまう毬絵。
ここで「バベルの会」の不安定な存在感が露呈する。
ラストは最初に繋がるものか、あるいは新たな物語へと繋がるものか。
<あらすじネタバレ>
蓼科には良家の子女だけが集う読書サークル「バベルの会」があった。
そこは、幻想と現実の境界が曖昧になる世界。
これは「バベルの会」に何らかの形で関わった人間の物語。
◆「身内に不幸がありまして」
夕日は丹山家で働くメイド。
彼女が仕えるのは丹山家の令嬢・吹子。
夕日は吹子に忠誠よりも愛情に近い感情を抱いていた。
丹山家では吹子につらくあたる叔母たちが居た。
叔母たちはある日を境に次々と死んでしまった。
丹山家では行方知れずの吹子の兄の仕業ではないかとされていた。
だが、夕日は疑問を抱いていた。
自分こそが犯人なのではないか?
記憶こそないが寝ている間に愛する吹子の敵を殺害したのでは。
夕日は眠りを恐れるようになった。
ある夜、ついに自らの身体を縛り付けて眠ることにした。
そこへ、こっそりと入って来る影。
影は身動きできない夕日に毒薬を呑ませる。
翌日、夕日は死体で見つかった。
吹子は「バベルの会」の会員だった。
彼女は合宿が堪らなく辛かった。
他人と枕を並べて眠ることが許せなかったのだ。
なぜならば、眠りは彼女の心の防壁を意図せず無意味にしてしまうから。
完璧であらねばならぬ丹山家の娘があらぬことを口走ったらどうしよう。
合宿に行かずにすむ方法はないか考えた吹子―――とある姦計を巡らせる。
夕日の死の翌日も「バベルの会」の合宿日だった。
吹子は会に電話をかける。
「すいません。今回も参加できそうにありません。えぇ、身内に不幸がありまして……」
◆「北の館の罪人」
少女が仕える邸には3人の兄弟が居た。
長男は家を継ぐことを嫌い、画家の夢を目指したために当主に嫌われ幽閉されていた。
少女はその長男に仕えた。
彼は常々口にしていた「殺人者は紫の手袋をしており、やがて真っ赤に染まる」と。
長男はどんどん衰弱していく。
少女は食事をせっせと運ぶ。
ついに長男は死亡してしまう。
長男は絵をそれぞれに残していた。
次男と「バベルの会」に所属する長女は兄の絵を見てあるトリックに気付く。
兄の絵は紫がやがて赤に変わるよう工夫が仕込まれていた。
少女は自室で寛いでいた。
彼女は毒を盛り長男を殺した。
なぜなら、彼女もまた当主の娘だったから。
この事実は当主以外誰も知らない。
法的にも認められた親子関係を盾に遺産を相続する。
その目的には長男は取り分を減らす邪魔な存在に過ぎなかったからだ。
彼女の部屋を訪ねて来る長女。
兄の描いた彼女の絵を見て気付く。
「あら、あなたの似顔絵の手は紫色をしているわ。これも赤く変わるのね」
◆「山荘秘聞」
少女は長年仕えていた屋敷を解雇された。
少女の能力の問題ではない。特別な渉外をもこなす能力を少女は持っていた。
屋敷が傾いたのだ。新たな勤め先はとある雪山の奥にある別荘。
少女は一目で気に入ってしまった。
少女の前の主は「バベルの会」の会員だった。
残念ながら少女は会員ではなかったけれども、その雰囲気と印象は強く心に残っていた。
あんな独自の世界を持ちたい。
少女の願いはこの別荘で適えられた。
不満があるとすれば来客がないことだった。
別荘の近くで遭難者が出た。
別荘を拠点として遭難者を捜す捜索隊。
少女は来客が増えて喜んだ。
お客様に失礼があってはならない。
手が足りないので近くのペンションの娘の手を借りることにした。
ペンションの娘は聡明だった。
ゆえにあることに気付いてしまった。
捜索隊は成果を挙げられず山を降りた。
ペンションの娘は別荘から静かに消えた。
遭難者は別荘内で少女に介護されていた。
そんな彼に少女は「ある肉」を振舞う。
その肉は何の変哲もない熊の肉。
遭難者は喜ぶあまり少女の変化を見逃した。
少女は語る。
「お客様をもてなすのが私の仕事。でも、お客様を返すわけにはいきません」
驚く遭難者。
「これからもたくさんのお客様をお迎えしないとならないのです。その為にもあなたには黙っていてもらわないと」
少女はペンションの娘と同じ対応方法を遭難者にとった。
持ち出して来たのは……札束。
「口止め料をお支払いいたしますわ」
◆「玉野五十鈴の誉れ」
少女の家では祖母が全権を握り、入り婿の父にはなんの力も無かった。
少女には完璧であることが求められた。
そんな少女の慰めは自慢のメイド「五十鈴」。
少女は主従の関係を越えて親友だと思っていた。
多少なりとも自由を求めて「バベルの会」に入会した少女。
五十鈴はそこでも能力を発揮し、少女は五十鈴が誇りだった。
唯一、五十鈴に難があるとすれば料理が出来ないことか。
少女は五十鈴にご飯の炊き方を教える。
「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ。赤子泣いても蓋とるな」と。
しかし、幸せな日々は長く続かなかった。
父の兄が殺人事件を起こした。
祖母は激怒。父を追い出し、新たな養子を迎えた。
父の血を引く少女も穢れたものとして忌避された。
後継者の座を追われ幽閉されてしまう。
そんな少女に五十鈴は「これまでは仕事柄従ってきましたが、今後は出来ません」とドライな対応を示す。
ショックを受けた少女。それでも少女には五十鈴しかなかった。
やがて、母と新たな父との間に子供が生まれた。名を太白と云う。
用無しとなった少女への迫害は苛烈を極め始める。
太白はすくすく育ち、目を離せばあちらこちらへと姿を隠すほどになった。
少女の存在を危惧した祖母は五十鈴を通じて少女に服毒を迫る。
拒否する少女。
今度は食事の量を制限し、餓死させようと計画する祖母。
少女は追い詰められていく。
やせ衰え、死を目前にして―――うわ言のように助けを求める少女、相手は五十鈴だ。
それを誰か(五十鈴)が聞きつけたような気が少女はしていた。
数日後、太白の姿が屋敷から消えた。
やがて発見されたのは屋敷の焼却炉の中。
太白が死亡し、半狂乱となった祖母もそのまま死んでしまった。
急死だったらしい。
奉公人たちは家を逃げ出し、少女は実の父と母の手で救い出された。
事情を聞いた少女は祖母は毒殺されたのではと考える。
そして、太白も―――。
少女は五十鈴を家に呼び戻すよう父に懇願する。
少女の頭にあったのはあの言葉。
「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ。赤子泣いても蓋とるな」
◆「儚い羊たちの晩餐」
人気も無く朽ち果てたサンルーム。
そこに一冊の革の本を見つけた少女が居た。
早速、目を通し始める。
それは、毬絵という少女の物語。
「バベルの会」崩壊の記録だった。
「バベルの会」の会員として不適切だとして退会させられた毬絵。
理由は毬絵が実際家だったから。
その頃の毬絵は現実主義者(リアリスト)だった。
毬絵の父は天才投資家と呼ばれた祖父の財産を継ぎ、金持ちとなった。
叔父たちもそれぞれ成功しているらしい。
毬絵の父は金持ちに相応しい「厨娘」という料理人を雇い入れる。
やって来たのは夏さんに文ちゃんという二人の少女だった。
夏さんによれば「厨娘」は宴の料理しか作らないらしい。
夏さんの料理法は特殊で、父によれば食材を厳選するためらしいが調理一回につき驚異的な食材の量を必要とした。そして必ずチップを貰う。
だが、味は間違いなく美味しい。
毬絵の父はこれまで雇い入れていた馬渕という料理人を解雇する。
解雇された馬渕を見送った毬絵は馬渕から恐ろしい事実を知らされる。
毬絵の父とその兄弟は遺産欲しさに祖父を殺害したと云うのだ。
自分をリアリストだと思っていた毬絵だが、祖父の死にショックを受け幻想の世界へと惹かれ始める。
祖父の復讐を想像する毬絵。それは甘美なイメージだった。
毬絵は父に「アミルスタン羊(アルミスタン羊)」が食べたいと提案する。
まだ誰も口にしたことのない珍味と聞きつけた父は早速、夏さんに調理を命ずる。
夏さんは「アミルスタン羊」を知っていた。
それは、年間たくさんの数が乱獲されるが国法により殺害してはならないという生き物の名前だった。
3年の猶予を申し出る夏さんに、毬絵は「良い狩猟場がある」と紹介。短期で達成するよう勧める。
その狩猟場は蓼科だった。
こうして、夏さんは夢見がちな羊の集まる「蓼科」へと消えて行った。
毬絵は業を背負う必要はないとひとり残された文ちゃんからある事実を知らされる。
「厨娘」がひとつの食材を多量に使用するのは厳選する為ではなく、ひとつの食材から少ししか使わない為だった。
「バベルの会」の末路を想起する毬絵。
3週間ほど後、夏さんは大量の食材と共に帰って来た。
夏さんによれば「アミルスタン羊は唇の蒸し物が美味しい」らしい。
毬絵は―――。
ここで、手記は唐突に終わっていた。
どうなったのかはわからない。
読み上げた少女は一息つくと最終頁に目を落とす。
そこにはこう記されていた「儚い羊たちへ」と。
少女は今、自分の居るサンルームを見まわした。
ここはいい場所だ。自分にとって居心地のいい場所になるに違いない。
こうして、バベルの会は復活した。
2012年11月25日訂正について:
コメントにて「にわかファンさん」よりご指摘頂き、一部を訂正致しました。
訂正箇所は次の通りです。
『北の館の罪人』あらすじ:ラストの台詞を修正。
『山荘秘聞』あらすじ:一部の曖昧な表現を明確化。
『儚い羊たちの晩餐』あらすじ:「誤・サンルーフ」を「正・サンルーム」に訂正。
「にわかファンさん」ありがとうございます(^O^)/!!
追記終わり
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- 『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)
ですからこちらのレビューを読んで驚きました。
失礼ですが、これは真剣にこの作品を読んで、正確な記憶のあるうちに書かれたものでしょうか?
儚い羊たちの晩餐の「サンルーフ」って何ですか?(サンルーフは普通、自動車用語だと思いますが・・・)
山荘秘聞には「ペンションの娘は行方がわからなくなった。」なんて記述どこかにあったでしょうか?
(話の筋からいって、ゆき子もお金で口を封じられた、と考えるのが自然では?)
極めつきは、北の館の罪人です。
「殺人者は紫の手袋をしており、やがて真っ赤に染まる」
「あら、あなたの似顔絵は紫の手をしているのね。まるで手袋みたい」
・・・これはひどすぎると思います。この話の肝の部分なのに・・・。
きちんと読み直してからレビューを書き直していただけないでしょうか?
米澤さんファンとして、こんな適当なレビューがあることはとても残念です。
初めまして!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
まず最初に、管理人の書評(レビュー)をご覧になり不快な思いをさせてしまったこと、お詫びいたします。
その上で、宜しければ釈明させて頂きたく存じます。
基本的に、管理人の書評(レビュー)は「それ単体で完結する物では無く、あらすじを読んで興味を持って頂いた方にあらすじのもととなった作品自体を読んで頂くこと」を目的に作られています。
従って、細部のディティールよりも大筋(ニュアンス)を重視する傾向があります。
それと、あらすじについては既にお分かりのことと思いますが、管理人を通してのものとなりますのでかなり偏向している場合もございます。
これは、実際と比較して頂いて何処がどう違うかも楽しみの1つとしたいとの狙いです。
ですので、あくまで「管理人が読んだこの作品のあらすじ」であるとお考え頂いた方が宜しいかと思います。
其処でご指摘頂いた点ですが。
まず1点目「サンルーフ」。
これは仰る通り完全な間違いですね……。
正しくは「サンルーム」です。
早速、訂正させて頂きます(汗)。
次に『山荘秘聞』について。
これは、この作品の特徴である「得も言われぬ不安感」を表すために、あらすじそれ自体を意図的にぼかしています。
「札束」を「凶器」と表現したのもその一環です。
同様に「ペンションの娘(ゆき子)は行方がわからなくなった」については「ゆき子が買収されヒマラヤへ行った」ことを指しているつもりでした。
敢えて「ゆき子」の名前を用いなかったのも、より効果的にする為です。
ただ、言葉が不足していたのかもしれません。
併せて訂正致します。
最後に『北の館の罪人』について。
これはかなりデフォルメしています。
ただ、管理人的には話のキモが「早太郎があまりの行動を理解した上で受け入れていた」ことにあると思うので、それを管理人なりに分かり易く表現した次第です。
それぞれ管理人なりの工夫のつもりでしたが、本作『儚い羊たちの祝宴』自体の魅力に到底及ぶ筈もなく、今となっては些か恥ずかしく思っています。
ご指摘につきてましては、反省の上、管理人の出来る範囲で改善させて頂きたいと思います。
ありがとうございました(^O^)/!!