<あらすじ>
スーパー「ギガマート」で強盗殺人事件が発生、従業員の福山正希(高橋良輔)が殺害された。被害者の母・久美子(竹下景子)は、息子の死を嘆き、三千万円の懸賞金をかけて犯人を捜すことに。ところが、犯人逮捕に繋がる有力な情報はなかなか集まらずにいた。そんななか、スーパーの従業員・真由美(戸田恵子)が犯人を知っていると打ち明ける。久美子の情報をもとに、佐々木刑事(蟹江敬三)らは捜査に乗り出すが…。
(公式HPより)
スーパーの従業員だった息子を強盗に殺害された母親が、3千万円の懸賞金を用意し、犯人捜しに奔走する。脚本・吉沢智子、監督・岡屋龍一。 久美子(竹下景子)は夫と離婚後、息子の正希(高橋良輔)とつましく暮らしている。正希は高校を中退後、スーパーで働いていた。ある日、スーパーに強盗が押し入り、正希が殺害されてしまう。刑事の佐々木(蟹江敬三)らは事件の聞き込みを開始。最愛の息子を失った久美子は、自殺することも考える。後日、警察署を訪れるが、捜査に進展は見られない。警察に不信感を抱いた久美子は、自宅を売り払って用意した3千万円をすべて懸賞金にした。しかし、なかなか有力な目撃情報は集まらない。そんな中、正希が勤めていたスーパーの従業員・真由美(戸田恵子)が、犯人を知っていると久美子に明かす。佐々木は、真由美が犯人だと言う“三浦憲吾(滝藤賢一)”を事情聴取する。
(@nifty tv番組表より)
では、続きから……
スーパー「ギガマート」で働く息子・正希を深夜に押し入った強盗により殺害された久美子。
息子を失った悲しみは深く、家財を投げうち犯人情報に3千万円の懸賞金をかける。
そんな中、正希の殺されたスーパーで働く真由美が犯人を知っていると言ってきた。
真由美の情報によれば犯人は「三浦」という男性らしい。
強盗は二人組。もう1人の正体は明らかではない。
警察は三浦を取り調べることに。
そんな折、突如として真由美が証言を取り下げる。
懸賞金目当ての偽証だったというのだ。
どうやらどこからか5百万を手に入れたらしいことも判明。
刑事の佐々木は三浦を庇う何者かの存在を疑う。
結果、三浦は釈放されることに。
これには裏があった。
真由美の息子・孝太は手術が必要な病気にかかっていた。
スーパー「ギガマート」では、手術費用を捻出するべく募金活動が行われており、殺された正希は熱心な支援者だった。
懸賞金を受け取る為に証言した真由美だったが、数日後、何者かから証言を撤回するよう脅迫電話がかかってくる。
しかも、その直後に真由美宅に5百万円が投げ込まれた。
真由美は手術費用に必要な額を手に入れたため、証言を取り下げたのだった。
そこへ現われる男の影。
男は真由美の元夫で孝太の父親・高橋孝介だった。
実は正希を殺した二人組の強盗は三浦と孝介だったのだ。
孝介は強盗から数日後に犯行現場に戻り、息子・孝太の危難を知り懸賞金を手術費用に充てさせるべく、真由美に情報を洩らしたのだ。
だが、5百万と脅迫電話は覚えが無いと云う。
一方、真由美の証言が取り下げられたことにショックを受けたのか久美子は懸賞金を取り下げた。
正希の遺骨を抱え、福山家の故郷である那須塩原へ帰る。
埋葬を終えた久美子はそのまま一泊する。
その夜―――三浦がナイフで刺殺された。
佐々木は動機のある久美子を追い那須へ。
だが、タクシーや公共交通機関を久美子が使った形跡はない。
そこで正希の父親である久美子の元夫・徳永和雄を疑う。
だが、徳永には身重の妻・沙織がおり復讐しそうにはない。
それどころか、徳永によればアロハサロン開業代金として久美子から2500万円を借りたらしい。
到底、息子の仇を討つような人間には見えず和雄の容疑はあっさり晴れる。
はたと気付く佐々木。懸賞金は3000万、和雄が借りた金は2500万。差額は―――丁度、5百万。
まさか―――佐々木は何かに気付き慌てて署に帰る。
その頃、久美子は真由美を呼び出していた。
5百万の提供者が自分であることを明かし、二人組の残った1人を問い詰める。
久美子の運転する車に同乗させられた真由美は命の危険を感じ、元夫・孝介の犯行を明かす。
そのまま、孝介の元へと向かう二人。
佐々木は署にて三浦が住むマンションの監視カメラVTRをチエックしていた。
「やっぱり……うん?」納得するとともになにかに驚く佐々木。
そこには何が……。
崖の上、呼び出した孝介と対峙する久美子、真由美。
孝介の口から犯行当日の状況が明らかに。
それによれば、正希は孝太の募金箱を守ろうとして無惨に三浦の手にかかり殺害されてしまったらしい。
「なんで止めてくれなかったのか」訴える久美子に、謝罪する孝介。
真由美は孝介に自首を勧める。
だが、久美子は納得しない。
久美子は脅迫電話も自分であることを真由美に明かす。
警察の手に委ねることなく、自らの手で三浦に復讐する為だった。
そのまま、孝介に崖から飛び降りるよう要求する。
そこへ駆け付けた佐々木たち。
三浦の殺害当日、現場に久美子が居たことを告げる。
久美子は移動手段にバイクを使ったらしい。
監視カメラのVTRに残っていたのだ。
だが、久美子に先立つこと30分前に三浦宅を訪れた人物が他に居た。
孝介である。
「あなたが三浦さんを殺しましたね」断言する佐々木。
項垂れる孝介。
孝介によれば、三浦に密告を疑われ脅迫されかっとなって殺害してしまったらしい。
「殺す気は無かった」と呟く孝介。ショックを受け立ち尽くす真由美。
孝介が連行されていく中、悔しがる久美子の姿があった。
「あのとき、バイクが動いていれば……」
久美子が那須を出たのは23時、三浦宅に到着したのが翌2時だった。
3時間が経過している。
佐々木は「2時間で行けたはず」と1時間の差を不思議がる。
久美子のバイクは那須からの途中で何故か動かなくなってしまったと云う。
その為に1時間の時差が生じたのだ。
それを聞いた佐々木は久美子に語る。
「それは正希君があなたを助けたんです。あなたを止めたんだ」。
その言葉に泣き崩れる久美子。
エンド。
<感想>
似た境遇(シングルマザー、母1人子1人)の母親同士が運命の悪戯か、とある事件を軸に向き合う話でした。
和雄も大概ですが、孝介も酷すぎますね。
知らなかったとはいえ、強盗先は元妻の勤め先。
成功していればどれだけ妻に迷惑がかかったか。
さらに、正希は息子の為に活動していたいわば恩人。
それを指を咥えて見過ごした上に、口を噤んでいたとは。
さらにさらに、三浦殺しを黙っているなんて。
う〜〜〜ん。
ラストの久美子と正希のバイクを通じた親子の触れ合いがジンと来ました。
ただ、ひとつ謎が残ってます。
佐々木はなぜ、久美子が那須を発った時刻を知っていたのかということ。
まぁ、これはあのシステム(高速道に設置されているアレ)を使ったとかで説明できるからいいか。
それを入れても充分良作だった思います。
竹下景子さんの熱演もグッドでした。
観て損なし。
<キャスト>
福山久美子(フラワーショップ勤務):竹下景子
中村真由美(スーパー『ギガマート』社員):戸田恵子
佐々木義信(世田谷北署刑事):蟹江敬三
徳永沙織(和雄の現在の妻):三浦理恵子
徳永和雄(久美子の元夫):北見敏之
高橋孝介(真由美の元夫):小木茂光
宇佐美則之(世田谷北署刑事):萬 雅之
三浦憲吾(パチンコ店勤務):滝藤賢一
福山正希(久美子の息子):高橋良輔
遠藤警視(警視庁所属) :大竹一重
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