ネタバレあります!!注意!!
<あらすじ>
福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に殺害された。二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か? その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。誰がいったい悪人なのか? 事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作、待望の文庫化。
上巻
九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々。そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か―。
下巻
馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた。携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される。彼女は自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か?毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した傑作長編。
(アマゾンドットコムさんより)
<感想>
トリック等は存在しないのでストーリーを味わう作品。
肝心の味は味わい深いの一言。
登場人物の方言がリアリティを強める。
これは本作を一読してもらうしかない。
上下巻ながら下巻からでも読んでみるべき。
もちろん、上巻から読めばさらに情感が増すことは間違いない。
ちなみに「悪人」映画化が決定しています。
詳細は下記「関連過去記事」よりどうぞ!!
・映画版「悪人」ネタバレ批評(レビュー)はこちら。
日曜洋画劇場 特別企画「悪人」(2010年、日本)ネタバレ批評(レビュー)
<ネタバレあらすじ>
清水は石橋佳乃に恋をした。
彼女を追いかけ続けるうちに擦れ違い(相手にされなかった上に、「警察に訴える」と騒がれた)から彼女を殺害してしまう。
馬込光代と出会った清水は殺人を告白するが、彼女から自首を止められる。二人は逃亡することに。
だが、それも長くは無かった。逃げ回り追い詰められていく二人。
捕まる直前、清水は光代の首に佳乃の時と同じく手をかける。
間一髪、踏み込む警察。
連行された清水は光代を脅迫して連れ回したと告白。
世論も手伝い光代は佳乃と同じく清水の被害者とされる。
光代自身も次第に清水を信じられなくなっていく。
「誰が本当の悪人だったのか?」
光代の疑問は読者全員の疑問となって本作に幕を閉じる―――エンド。
◆関連過去記事
・吉田修一さんの長編小説「悪人」映画化!!
◆映画版「悪人」関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・悪人(シネマカフェさん)
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22758/
・悪人(シネマトゥデイさん)
http://www.cinematoday.jp/movie/T0008224
・驚き!この人が妻夫木聡?金髪で孤独な殺人者に!ヒロインは深津絵里で「悪人」映画化(シネマトゥデイさん)
http://www.cinematoday.jp/page/N0020614
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