ネタバレあります!!注意!!
<あらすじ>

1995年1月17日午前5時46分、阪神淡路大震災勃発――。未曾有の大惨事の裏に隠された巨大な陰謀とは……。『下山事件』『TENGU』で読者を熱狂させた著者が贈る、新たなる代表作!
(角川書店公式HP)
<感想>
「ミステリ」というより「トンデモ本」っぽい一冊。
厳密には社会派でもないし、管理人的には微妙……正直、オススメはしかねる。
とはいえ、「ミステリ」として読まなければなんとか。
痛快冒険小説と捉えるべきか。
著者がこれを狙ってやってるんだとしたら術中に嵌まったことになるが……。
ちなみに池上冬樹(文芸評論家)さんの評論によれば次のように捉えるべき作品とのこと。
「GEQ(GREAT EARTH QUAKE=大地震)を追及したミステリである。まず作者は事実を明らかにしていく。例えば(1)地震直前に明石海峡で謎の大型船が目撃された(2)2日後、約400人が大型機ではなく大型船で日本を脱出した(3)貿易都市なのにほとんど犠牲者が出なかった(4)震災日に関係者はほとんど阪神地区にいなかった−と次々に列挙しながら、そもそもなぜ派遣要請が遅れたのか、ヘリコプターでの消火活動が妨げられたのかといった疑問が次々に俎上(そじょう)に載せられていく。事実から当時の政治・経済界まで見通して、大胆な仮説を提示するのである」
(MSN産経ニュースより)
大胆……なのかなぁ。そこ通り過ぎてる気がするなぁ。
<ネタバレあらすじ>
主人公・松永の元に死んだ筈の吉村から連絡が入る。
これをきっかけに松永は吉村を探し求める麻紀と共に吉村を追い求めることに。
その過程で吉村が人工地震について調べていることを突き止める。
最近発生した地震はすべて人工地震を発生させるノウハウを持つ“カンパニー”による陰謀だったのだ。
外国へと渡る松永たち。
そこで遂に出会った吉村によれば“カンパニー”の魔の手がすぐそこまで迫っているらしい。
麻紀に吉村を会わせようとするが吉村はある地震により顔がケロイド状になっており、そのまま姿を消した。
直後、地震が発生。
麻紀の消息が不明に。
今度は生死不明の麻紀を追い求める松永。
そして、二人は再会するのだった―――エンド。
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