2010年05月01日

「閃光」(永瀬隼介著、緒方修一デザイン、角川書店刊)

「閃光」(永瀬隼介著、緒方修一デザイン、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)です!!

ネタバレあります!!注意!!

<あらすじ>

閃光1

3億円強奪――。34年前の大事件は何故に未解決に終わったのか。全国民が注視するなか、警察組織はいかなる論理で動いていたのか? 大事件の真相を炙り出す傑作犯罪小説。

閃光2

三億円事件
昭和最大のミステリーがいま全貌を現す!

玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りをあげた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見い出す。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大のミステリーに、緊密な文体と重層的なプロットで迫る!『19歳 一家四人惨殺犯の告白』で読者を震撼させた著者がものした、犯罪小説の白眉。
(角川書店公式HPより)


<感想>
重厚な文体により描かれる本作。
実在の事件を下敷きに、作者独自のオリジナルな展開を加えており、読み応えは充分。
「ミステリ」というよりは「犯罪小説」という呼び方がしっくりくる。
意外なラストにも驚くだろう。

読んで損はないと思う。

尚、本作は映画化されるとか。
2010年7月3日公開予定!!
詳細は下記過去記事よりどうぞ!!

あの“三億円事件”を扱った「ロストクライム-閃光-」2010年初夏公開予定!!

映画「ロストクライム−閃光−」を伊藤俊也監督が語る!!

<ネタバレあらすじ>
三億円事件が遺した爪痕の大きさは犯人たちの想像以上のものだった。

事件から月日がたち現在―――玉川上水で男性の扼殺体が発見された。この事件に老刑事・滝口と新人・片桐が挑む。
そして明かされる真実、被害者は三億円事件の関係者だった―――。
滝口は三億円事件当時苦い思い出があり、そのリベンジも含め捜査に執念を燃やす。

最初の被害者と同じく三億円事件の関係者と思われる人物が次々と殺される。すべて銃殺だった。
同一犯かそれとも―――。

遂には駅で真山恭子が銃殺される事件が発生。
真山もまた三億円事件の犯人と目されていたひとり。
いや、黒幕ではないかと噂された人物だった。
過去に真山の居所を教えた覚えがある滝口は狼狽。
その教えた人物、取材記者・宮本が強奪事件当時の警備員・辰巳の息子だと判明。
辰巳は事件の2ヶ月前に警備担当となっていた。
その直後の事件の為、各方面から疑われた挙句、自殺してしまっていたのだ。
宮本は父・辰巳の復讐をしている―――滝口は真山の存在を宮本に教えたことを激しく後悔する。

滝口は事件を自分の手で終わらせるべく、強奪犯の生き残り吉岡と共に緒方のもとへ赴く。
緒方の息子・純は三億円強奪事件の主犯と目された人物。
事件直後に自殺していた。

ここで最初の被害者は犯行グループの内ゲバで殺されたこと。
以降の被害者は宮元の犯行と確定する。
三億円は当時の時点で全額に火をつけて破棄されていた。

実は緒方の息子・純は警察官である父親への反撥から事件を起こした。
息子の犯行を知った緒方の妻は息子に青酸カリ入りの飲料を服用させ殺害。緒方自身も組織の為、それを看過していた。
当時の捜査当局は真山恭子の父が当局の幹部(恭子は妾腹の子)であったことから事件を有耶無耶にした。
いや、緒方が息子を殺害するだろうことも見越した上で、緒方にすべてを知る息子を殺害させたのだった。

組織に利用されていたことを緒方に伝える滝口。
すべてを悟った緒方は絶望する。
そこへ現れた宮本は銃を乱射。
足に被弾した緒方は宮本を道連れに近くを流れ氾濫する河川へと飛び込んだ。
二人はそのまま爆流に流されていった。

吉岡は宮本が自分を狙わなかったことを不思議に思う。
滝口はタイミングの良い宮本の襲来が何者かに仕組まれたと看破。
緒方と吉岡の口封じを狙った当局の仕業と判断する。

事件はこうして結末を迎えた―――。

後日、滝口はどこか飄々とした雰囲気を醸し出せるようになっていた。彼にどのような変化が訪れたのか?それは想像するしかない―――エンド!!

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「ロストクライム -閃光-」(シネマトゥデイさん)
http://www.cinematoday.jp/movie/T0008692

・「ロストクライム -閃光-」(シネマカフェさん)
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22800/

・「ロストクライム -閃光-」(Gooさん)
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD15767/index.html

「閃光 (角川文庫)」です!!
閃光 (角川文庫)



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