2010年04月30日

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ37・長崎殺人事件『肥前路島原・長崎〜父の殺人容疑の陰に悲恋の過去現場に残された短刀と蝶々夫人のロザリオに秘められた驚愕の真実とは?』」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ37・長崎殺人事件『肥前路島原・長崎〜父の殺人容疑の陰に悲恋の過去現場に残された短刀と蝶々夫人のロザリオに秘められた驚愕の真実とは?』」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>
ルポライターの浅見光彦(中村俊介)あてに長崎の老舗のカステラ屋「松翁軒」の娘、松波春香(前田亜季)から、助けてほしいという手紙が「旅と歴史」編集部に届いた。春香の父、公一郎(長谷川哲夫)が、機械による大量生産のカステラ屋「山庄」の山岡庄次(諏訪太朗)を殺害した容疑で長崎南署に逮捕されたという。凶器の短刀から公一郎の指紋が採取されたというのだ。浅見は兄、警察庁刑事局長の陽一郎(榎木孝明)から、大学の同期で長崎県選出の稲垣代議士からの、行方不明の人物を探してほしいという依頼に便乗して、長崎に行くことになった。長崎は「神の島」にレジャーランドを作る観光開発計画があり、賛成と反対で真っ二つに分かれている。稲垣代議士は推進派だが、行方不明になった後援会幹部の荒井省三(柴田林太郎)は開発計画に反対だったという。
浅見は荒井省三の資料がそろうまでの時間を利用して、山岡が殺された事件の捜査本部を訪ねた。被害者の山岡は開発計画の賛成派の急先鋒で、容疑者の公一郎は反対だった。浅見は「松翁軒」を訪ね、手紙の主、春香と会う。春香は父の無実を信じているが、事件当日、眼鏡橋で公一郎が島原の造り酒屋の山崎柚紀子(音無美紀子)と密会しているのを見たという。浅見は新たな殺人事件に遭遇する。グラバー園の蝶々夫人像の左手人さし指にぶら下がった、銀の鎖の十字架のペンダントの意味とは?
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……。
山岡は死の間際に「蝶々夫人の……」と言い残して死亡していた。
何か意味があるのだろうか?
気にかけながらも荒井捜索を行う浅見。

稲垣代議士から協力者として紹介された秘書・竹田と共にグラバー園へ赴いた浅見。
そこで長崎南病院院長・園井がグラバー園で服毒死体で発見される。
園井は常備薬を毒薬とすり替えられていたらしい。
山岡に続き観光開発推進派である園井の死により浅見は二つの事件が一つの根で繋がっていると確信する。

松波、荒井、園井、稲垣代議士の秘書・安西らは、同じ長崎県人会のメンバーだったことが明らかに。
さらに、松波と山崎が過去に恋人同士であり心中未遂まで図った仲だと知る。

「県人会に何かあるのでは?」
興味を抱いた浅見は県人会の世話人を訪ね東京に戻る。
心中の理由は互いが家を継がねばならぬ立場だったためらしい。
世話人によれば、短刀による心中だった。

山岡殺しの凶器が心中時の短刀だったのでは……だからこそ、松波の指紋が検出されたのに違いない。
短刀の行方を山崎に確認したところ、短刀については心中を止めた県人会メンバー・三上が持っていたとしか知らなかった。
だが、当の三上は一年前に水害で命を落としていた。
では、短刀はどこから?

三上の死の理由―――山崎によれば、死んだ園井たちは援助の名目で資金を貸し付けておき、それを盾に土地の立ち退きを要求する手口らしい。
山崎の場合は過去に松波の子供を妊娠・中絶しており、それすら脅迫のネタにしてきたと云う。
その際、山崎は三上が園井たちに騙され被害にあったと確信したのだった。

山崎の口からそれだけ聞き出すと、浅見は松波が山崎を庇うために犯行を否認しないのだと推理。
松波は山崎が山岡を殺したと誤解しているのだ。
松波が犯人でなければ荒井が犯人か?

だが、荒井は事件前に園井・山岡と和解し手を組んでいた―――荒井の妻の言葉に捜査は振り出しに戻る。

今度は、三上の身辺調査を開始。
そこであの蝶々夫人像にかけられたペンダントを見出す浅見。
ペンダントはある写真の女性の首にかかっていた―――亡き三上の妻の首に。

蝶々夫人像の指さす方角から西南西240里・神ノ島を導き出した浅見。
三上の妻・三上巴の旧姓から第三の事件の存在を嗅ぎ付ける。

兄の力を借り大規模な捜索を行う浅見。
神ノ島の工事区域から荒井の死体が発見される。

浅見は犯人の確信を得て竹田を呼び出す。
三上巴の旧姓は竹田。
巴は竹田の姉だったのだ。
竹田は姉の敵討ちを行ったのだ。
まずは水害の跡地から入手した短刀で山岡を。
次に山岡殺しで脅迫してきた荒井を殺害。
園井の隙を見て薬をすり替え、呼び出して殺害。

罪を認めた竹田に「あなたは復讐をして満足したかもしれないが、松波さんはどうなるんだ!!」と憤る浅見。
竹田は連行されていった。

松波は釈放され、その娘・春香は父の跡を継ぐことに決める。応援する浅見―――エンド。

<感想>
う〜ん、微妙。
なんだかな〜〜〜の連続だった。


警告:ここから不満点ばかり書き連ねます。
不快な気持になるかもしれません。注意!!



結局、山岡の「蝶々夫人の……」には何の意味が?
松波か山崎ならまだしも、竹田に襲われてこの台詞は出てこないのでは?
まず、山岡が竹田と姉の関係を知っていたかどうかも疑問。
次に知っていたとしても咄嗟にでるものじゃないし、まわりくど過ぎる(竹田の姉・巴が蝶々夫人を好きだったらしいが、何故それを山岡が知っているのだろう?普通に「竹田にやられた」でいいだろうに)。
原作知らないのだけど、そこのところの説明はきちんとされているのだろうか?
気になる。

ペンダントもよくわからない。
あれは、浅見に気付いて欲しくて犯人・竹田が置いた物なのだろうけど……ねぇ。
関連付けが無理やり過ぎる気が……。
もっとメッセージ性の強いものか、死体が握っていたとかにしないと関連性が薄い。

上記に関連して竹田は浅見に気がついて欲しがってたとすると、半分自首しようとしていたことになるのか?
だとすると、園井殺害時点で目的は達成されており、自首すべきだったのでは。
仮に自首する気が無ければ、ペンダントは無意味。

園井の毒殺も常備薬すり替えが前日の夜だとすると、グラバー園で死亡するかどうか(晩飲むかもしれない。朝飲むかもしれない。逆に昼に飲まないかもしれない)はかなりリスクの高い賭けになるだろうし……なぜ、わざわざグラバー園で殺害する必然性があるのかも不明。
姉のためだったら、三上家に関連ある施設で行うべきでは?

疑問が多過ぎる。

TVドラマ版の浅見光彦シリーズ見てるといつもひっかかるんだけど、刑事局長の弟だとわかると捜査員が手の平返しするシーンありますね。あれ見て喜んでいる人っているのだろうか?
よく水戸黄門的と評する人がいます。
でも、水戸黄門は本人の力(血筋)だけれど浅見光彦は兄でしょ。
本人じゃないのに。

第一、「刑事局長の弟だから犯人じゃない」とは云えないよね。
それとも身分のある人やその親族は犯罪しないと決まっているのだろうか。
そんなこといってたら毎回浅見の指摘する犯人がおかしいってことになるよね(浅見の犯人は社会的地位のある人物が比較的多い)。

あそこは偉いさんの弟だろうが、一応聞き取り調査だけでもするべきだと思うのだけれど。
身分聞いた途端、「100%あんたが大将」状態になるのには閉口。
あれじゃぁ、捜査してないのと同じような気が。
結局弱い者の言葉は届かないということなのだろうか……。
コレ見て、軽く凹んだ……。

<キャスト>
中村俊介
前田亜季
小野武彦
長谷川哲夫
冨家規政
音無美紀子
榎木孝明
野際陽子ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


ドラマ原作「長崎殺人事件 (角川文庫)」です!!
長崎殺人事件 (角川文庫)





漫画版「長崎殺人事件 (秋田コミックスサスペリア)」です!!
長崎殺人事件 (秋田コミックスサスペリア)



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