2010年05月10日

「綺想宮殺人事件」(芦辺拓著、東京創元社刊)

「綺想宮殺人事件」(芦辺拓著、東京創元社刊)書評(レビュー)です!!

今回は殆どネタバレありません!!注意!!

<あらすじ>

綺想宮殺人事件1

世紀の〈奇書〉、ついに降臨。
ミステリを知り尽くした本格の雄が贈る「最後の探偵小説」。

琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群──《綺想宮》を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見(ジ・ユーレカ)」が火精(ザラマンダー)、水精(ウンデーネ)、風精(ジュルフェ)、土精(インクーブス)の呪文を歌い上げた。翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。暗室(カメラ・オブスキユラ)で発見された五芒星(ペンタグラム)の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星(エニアグラム)と地中に埋められた死体……それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?

本格ミステリを愛し、その神髄を知り抜いた著者が「探偵小説の最期」に捧ぐ訣別の書!
(東京創元社公式HPより)


<感想>
読後感はどう評していいか分からない気持ちになりました。
正直、“問題作”であることは間違いないだろうなぁ、と。
これは後述するアレのため。
アレについては、まだ混乱してます。

ちなみに劇中の事件については劇中で決着がついてます。
しかし、ネタバレ出来ない類の作品です。
情報量がひたすら多い。

とりあえず思いつくまま本作の特徴を述べていくと。

軽く読むつもりなら要注意!!
がっつり読まないと大混乱!!
読む人間の覚悟が試される!!
雑学&蘊蓄のオンパレード!!
設定をひとつでも理解し損ねると以降、面白くなくなってしまうほどの緻密さ。
それでいて導き出される結論の大胆さは怖いぐらい。

ボリュームがスゴイ。
中身の濃さがスゴイ。
ミステリ好き以外は脱落必至の門戸の高さ。

これは読み手が試されているのか?
そして、ラストのアレは……確かに探偵小説のある種の極北を見せつけられた気分です。
好きか嫌いかは別にして。

【ラストのアレについて】

すいません、告白すると管理人はあんまり……でした。
大体が、最後のあの問答はかなり強引な気がする。
一面的な解釈をもとにスッパリ切り捨てたと云うか……。

ここまで読んで皆さんも気にしているであろうアレの正体をこれから書きます。
あくまで管理人の理解です&未読の方は退避すること!!



アレの正体とは―――神であり読者の視点が劇中主人公と一体化していること。
これだと「単なる一人称じゃん」と思われるかもしれないが、これが三人称表記での事なのが特徴。

ラストでメタ視点で明かされる「三人称視点の地の分ですら読者の眼を通した時点で探偵の保持する情報に変換されうるという事実(作中での)」は物語の枠を大きく逸脱している。

つまり主人公の推理の正当性を視点(情報)で読者にも肩代わりさせることにより保持した形。
何だろう……そういう意味で探偵役も読者も共犯になる?

さらに、これまでの後期クィーン問題やゲーテル問題に真っ向から勝負を挑んでいます。

貧弱な語彙力ではこの程度の説明が限界。
もう、とりあえず読んでみて!!
感想はそれからだ!!

「綺想宮殺人事件」です!!
綺想宮殺人事件





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posted by 俺 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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