2010年05月12日

「回転木馬」(柴田よしき著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「回転木馬」(柴田よしき著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)です!!

ネタバレあります!!注意!!

前作「観覧車」ネタバレ書評(レビュー)はこちら

<あらすじ>

回転木馬1

「逢いたい。もう一度彼に逢いたい」
失踪した夫を追い続ける女探偵・下澤唯の前に、
忌まわしい過去の事件が浮かび上がる……
希望と哀しみが交錯する著者渾身の感動ミステリー
作家 新井素子さんも推薦!

主人公の唯。
こんなに莫迦でこんなに哀しい女はいない。夫に失踪され、夫が自分を裏切っていることをうすうす予感しながら……十年以上、待つ。待って待って夫の消息の切れ端を掴んだ処で、彼女は言うのだ。帰ってきて欲しいでも、やり直したいでもなく……「逢いたいんです。もう一度」
こんなに莫迦で、こんなに哀しく……こんなに素敵でかっこいい女は、なかなかいるもんじゃない。
――作家 新井素子

謎の失踪を遂げた夫・貴之(たかゆき)のあとを継ぎ、探偵となった下澤唯(しもざわゆい)。十年の月日を経て偶然彼を目撃した唯は、佐渡(さど)出身の渋川(しぶかわ)さわ子という関係者がいたことを突き止めた。だが、さわ子はすでに死去し、貴之はさわ子の娘・雪(ゆき)と一緒にいるらしいことだけ判明した。夫は唯を本当に裏切っているのか? 細い糸をたぐり追跡を続ける唯は、さわ子の友人だった佐野明子(さのあきこ)のもとを訪れた。彼女はさわ子から、死の間際に雪と貴之のことを記した手紙を預かっていたのだ。明子も死の床についていたが、唯の事情を知った彼女から、手紙の内容を明かされる。どうやら貴之と雪は、人に知られてはならない事情を抱(かか)えているらしい。失踪前日に起きたホームレスの不審死と関係が? 手紙を手がかりに、信州・蓼科(たてしな)へ向かった唯。だがそこには、貴之の目元を残す美少女――小松崎(こまつざき)ゆいが待っていた……。
*** 著者渾身の感動のミステリー! ***
(祥伝社公式HPより)


<感想>
「観覧車」の続編が「回転木馬」。
とはいえ「観覧車」未読でも「回転木馬」は充分に楽しめます。
尚、意外な真相がメロドラマ的に過ぎるので好き嫌いは別れそう。
メロドラマが苦手な方は注意すること。

それにしても、このシリーズは夫を想う唯の心が切なく響きます。
唯に同情する人は多いだろうなぁ。

前作「観覧車」(柴田よしき著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)はこちら

<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
下澤唯:主人公。失踪した夫・貴之の帰りを10年以上待ち続けている
下澤貴之:唯の夫、元探偵。唯に黙って姿を消した
渋川さわ子:雪の母。故人
渋川雪:消えた貴之の傍にいるらしい女性
小松崎ゆい:貴之と雪の娘
小松崎鶸矢(ひわや):謎の写真家
天野言美:唯が旅の途中出会う女性。夫と子供を亡くしており復讐に燃える

唯は失踪した夫・貴之を待ち続ける為に探偵になった。
貴之の行方を追う唯の前に現れる事件、事件、事件……。
そして「観覧車」ラストにて唯を衝撃の事実が襲う。
普段通りだった失踪当日の貴之。
その前日、貴之が関連したと思われる殺人事件が発生していた!!
犯人は貴之なのか?
唯の心を不安と猜疑心が蝕む―――。

唯は手掛かりを頼りに夫・貴之らしき人物を信州・蓼科まで追う。
だが、そこにはどこか夫・貴之の面影を残す少女・小松崎ゆいが居た。
彼女は貴之と雪の間の娘だった……。

雪の関係者は雪が病気で余命幾許もないことを盾に彼女に会わせようとしない。

旅の途中で出会った言美と共に真相を探る唯。
言美は夫と子供を亡くしており復讐を誓っていた。
その彼女が小松崎鶸矢の写真に“死”の影を色濃く感じ取る。
鶸矢こそ、夫・貴之なのでは?
一縷の期待と不安を胸に鶸矢のもとを訪れる唯と言美。
そこには事故で目を患った車椅子の男性が居た。
彼もまた相手の酔っ払い運転による事故で言美と同じ境遇となっていた。
彼は唯と言美の話を聞き、自分の写真に写る物は“死”ではないと語る。
彼の写真には天敵により獲物となる直前の小動物がよく写っているが必ずしも餌になったとは限らないと云う。
ほんの少しのこと―――例えば風やその他の生き物の登場などにより運命はいくらでも変えられると云うのだ。
その言葉に言美は復讐心を忘れようと決める。

唯に向き直る鶸矢。
鶸矢は貴之でもあり、貴之でもないと告げる。
鶸矢は貴之のアナグラム。
写真家である彼は貴之に励まされ二人で一人の鶸矢として生きていた。
貴之とは親友だったらしい。

そこで唯は貴之の気配を感じる。
追いかける唯の前で姿を消す貴之。
彼には逃げなければならない事情があった。

雪の死後、手紙が唯のもとに届く。
そこにはすべてが述べられていた。

雪とその母・さわ子は消えたさわ子の夫を捜す為、探偵である貴之に依頼した。
貴之は依頼を達成。
雪にとっては父を見つけ出した。
その直後、さわ子は病死。
当時、雪は悪い男に捕まっており父親がそこから抜け出すきっかけになればと思っていた。
その気持ちのまま上京。
貴之の制止も聞かず、直接会いに行った。
親子の対面を果たした直後、雪を追ってきた男と遭遇。
父は雪を庇って死んでしまう。
これが貴之の失踪前夜の出来事。
翌日、ニュースを知り雪を捜した貴之は雪の男に出会い、襲われる。
殴り合いの末、昏倒した貴之。
雪は後ろから鉄棒で男を殴り倒し、男を止めた。
その時点では男はピンピンしていたらしい。
その後、男は貴之を殺すべく雪を連れたまま車で山中へと移動。
が、途中で意識を失いそのまま死んでしまう。
打ちどころが悪かったのだろう。
途方に暮れる雪の前で貴之が回復。
しかし、貴之は前後の記憶を失っていた。
ここで一人になりたくない雪は嘘を吐く。
貴之が殺したと言い張ったのだ。
これを真に受けた貴之は雪と共に逃亡。
逃げるうちに男女の仲となり、ゆいが産まれた。
貴之は偽の戸籍を得て生きて行くことになった……。
後に記憶が回復した貴之だが自分の拳も致命傷でなかったとは云いきれないと雪のもとへ残ったのだった。

雪は手紙の中で唯に謝罪していた。
そして、貴之の愛する人は唯であると結んでいた。
鶸矢を名乗る貴之の友人もまた、貴之が愛した人は唯だけだと語っていた―――。

唯は住居を引っ越した。
だが、電話番号7ケタは以前のまま。
貴之が連絡できるようにだ。
しかし、いくら待っても貴之からの連絡はない。
貴之は死体遺棄のほかにも、公印私文書偽造など逃走生活中にさまざまな罪状を犯しており、時効が成立するまで逃げているからだ。全ての罪を免れるのは難しい―――そう、弁護士から連絡を受けた。

さらに時が過ぎた―――。

唯のもとで電話が鳴る―――その声は懐かしい人のものだった。
遂に唯の……愛する者のもとへと彼は帰って来たのだ―――エンド。

「観覧車 (祥伝社文庫)」です!!
観覧車 (祥伝社文庫)





ハードカバー版「観覧車―恋愛ミステリー」です!!
観覧車―恋愛ミステリー





続編「回転木馬」です!!
回転木馬





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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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