「2010年発売でコレを読んでおきたい」と思う「ミステリ通信 創刊号」管理人の独断と偏見に満ちたオススメ本(ゲーム)です!!
タイトルリンクがアマゾン.コムさんに繋がっており、リンクにカーソルを載せると作品の詳細が見られます。
次に<あらすじ><寸評><ネタバレ批評>の順です。
2010年発売に限定し管理人が全力でオススメする推薦本の数々をどうぞ!!
◆既刊
・第43回メフィスト賞受賞作
「キョウカンカク (講談社ノベルス)」(天祢涼著、講談社刊)
<あらすじ>
女性を殺し、焼却する猟奇犯罪が続く地方都市――。幼なじみを殺され、跡追い自殺を図った高校生・甘祢山紫郎(あまねさんしろう)は、“共感覚”を持つ美少女探偵・音宮美夜と出会い、ともに捜査に乗り出した。少女の特殊能力で、殺人鬼を追い詰められるのか?2人を待ち受ける“凶感覚”の世界とは?
<寸評>
モチーフの処理の仕方が非常に巧み。
本格としてのツボも押さえてあり、キャラクターも成立してる。
シリーズ展開も期待でき、作家さんの将来性を感じた。
今後の発展に期待して読んでおきたい。
「キョウカンカク」(天祢涼著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)」(梓崎優著、東京創元社刊)
<あらすじ>
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。綾辻行人、有栖川有栖、辻真先三選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。大型新人の鮮烈なデビュー作!
<寸評>
関係各所で好評。
全体の構成も手堅くまとめてあり評価できる。
特に「砂漠を走る船の道」は秀逸。
それ以外としては着眼点は稀有であるものの、優等生的にまとまっている印象も。
それを意図的に崩そうとして読後感が曖昧になっている節もある。
安定したレベルのミステリをお求めの方向け。
「叫びと祈り」(梓崎優著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・文庫版(単行本は2008年)
「告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)」(湊かなえ著、双葉社刊)
<あらすじ>
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
<寸評>
映画化もあり話題の作品。
読後感は非常に悪いがそれだけ影響力のある作品と云えなくもない。
一読はしておくべき。
「告白」(湊かなえ著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「綺想宮殺人事件」(芦辺拓著、東京創元社刊)
<あらすじ>
琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群──《綺想宮》を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見(ジ・ユーレカ)」が火精(ザラマンダー)、水精(ウンデーネ)、風精(ジュルフェ)、土精(インクーブス)の呪文を歌い上げた。翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。暗室(カメラ・オブスキユラ)で発見された五芒星(ペンタグラム)の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星(エニアグラム)と地中に埋められた死体……それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?
本格ミステリを愛し、その神髄を知り抜いた著者が「探偵小説の最期」に捧ぐ訣別の書!
<寸評>
本格の皮を被ったトンデモミステリ?
雑学、蘊蓄が随所に見られ設定も敷居が高い。
ただし、それさえ乗り越えられれば楽しめるだろう。
ミステリ初心者を脱した自信のある方向け。
是非はともかく、ラストの“アレ”は知っておいて損は無いのでは。
・「綺想宮殺人事件」(芦辺拓著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆2010年5月発売(予定)
・5月26日発売予定
「貴族探偵」(麻耶雄嵩著、集英社刊)
<あらすじ>
自称貴族が活躍する、異端の本格ミステリー
自称「貴族」、趣味「探偵」の謎の青年が、生真面目な執事、可愛いメイドなどの召使いとコネを駆使して、難事件を華麗に解決! 知的スリルに満ちた本格ミステリー。
<寸評>
作者買いの作品。
本格好きなら買うべき。
作者特有の皮肉が効いている。
作者の傾向と対策を知りたい方はこちら。
「メフィスト 2010 VOL.1」より「メルカトルかく語りき 第二篇 九州旅行」(麻耶雄嵩著、講談社刊)
2010年6月1日追記:「貴族探偵」(麻耶雄嵩著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)追加しました。タイトルがリンクになってます。
◆2010年6月予定
・文庫版6月10日発売予定(単行本は2007年)
「インシテミル」(米澤穂信著、文藝春秋社刊)
<あらすじ>
結城理久彦は、車がほしかった。須和名祥子は、「滞って」いた。 オカネが欲しいふたりは、時給11万2000円也の怪しげな実験モニターに応募。こうして集まった12人の被験者たちは、館の地階に7日間、閉じ込められることに。 さて。あとはご想像どおりミステリーの定法に則って、ひとり、またひとりと謎の死を遂げていくわけです、が……。 「屈折」を描かせたら当代随一の著者だけに、普通で終わるはずはありません。とにかくひねくれ、異様なほどに鮮烈で、無類に面白いミステリーになりました。
<寸評>
「告白」と同じく映画化で話題の本作。
一言でいえば米澤穂信先生版「そしてだれもいなくなった」。
ライトなミステリファンにはライトな楽しみ方をミステリマニアの為にはヘビーな楽しみ方をそれぞれ提供してくれるだろう。
ただし、どちらかといえば“初級〜中級者”向け。
「インシテミル」(米澤穂信著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
他に「古典部」シリーズの「ふたりの距離の概算」単行本や「遠まわりする雛」の文庫(7月)もオススメ。
祝!!古典部シリーズ最新作「ふたりの距離の概算」単行本化&「遠まわりする雛」文庫本化!!
◆その他(ゲーム)
綾辻行人先生や有栖川有栖先生、麻耶雄嵩先生もシナリオを担当されている本格ミステリ好きにはオススメの一作!!
・7月22日発売予定
「TRICK×LOGIC Season1」(チュンソフト)
<寸評>
設定がミステリとして変化球であり直球。
参加した作家陣の顔ぶれが自分に合うかどうかで買う買わないを決めるべき。
「TRICK×LOGIC(トリック×ロジック)」紹介記事はこちら。
こんなに豪華でいいんですか?超期待の新作ゲーム「TRICK×LOGIC(トリックロジック)」発表!!
2010年、今後もこの記事に追加されていくミステリに出会えますように……。
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