水を凍らせた氷の短剣。
ドライアイスを気化させて窒息させる。
形状記憶合金を利用して……。
砂を靴下に詰めて……。
凍らせた食材を犯行に使用後、料理に……などなど枚挙に暇がありません。
ミステリ上の凶器トリック―――その歴史は、「ある形の物を別の形で利用すること」―――液体を固体に、固体を気体に、気体を液体に―――と使ってきた歴史です。
その歴史に新たな1ページが加えられるかもしれません。
ソースの「AFP通信」さんによれば―――
東京大学(University of Tokyo)の研究チームが24日、光をあてることで金属と半導体の状態を行き来する新種の金属酸化物を発見したと発表した。安価で記憶容量が大きい新しい光ディスクの開発につながる可能性がある。
研究を主導した大越慎一(Shin-ichi Ohkoshi)教授によると、この物質は酸化チタンの一種ラムダ型五酸化三チタン。この物質のナノ結晶(粒径5〜20ナノメートル程度)に室温で光を照射すると、金属の性質を持つ黒色の状態と、半導体の性質を持つ茶色の状態の間を行き来させられることが分かった。
最も小さな粒径のものを使えば、記憶容量がブルーレイディスクの1000倍を超える新しい光ディスクを作れる可能性があるという。
酸化チタンの市場価格は、現在ブルーレイディスクやDVDに使われているゲルマニウム・アンチモン・テルルなどのレアメタル(希少金属)の100分の1程度と安価なことから、コスト面でも有望だと大越教授は話している。
研究成果は英科学雑誌ネイチャー・ケミストリー(Nature Chemistry)のオンライン速報版に掲載された。(c)AFP
(AFP通信さんより)
画期的です!!
光を当てれば金属と半導体の間を行き来する物質……なにかのトリックに使えそうだと思いませんか?
凶器としては光が当たれば姿が変わる……ストーリーテリング上なかなか使い勝手が良さそうです。
もっともこのワンアイデアでは読者に総スカンをくらいそうですが。
では、凶器でなくともこんなのはどうでしょう?
半導体時にデータを保存した後、金属化。
それを持ち運びすることにより外見からそれとは知られず鉄壁の防御を誇る記録媒体になる―――とか。
やっぱり、ムリか……。
なにかいいアイデア無いかなぁ……。
ラベル:ラムダ型五酸化三チタン 東京大学