2010年05月25日

勤続40年にわたるベテラン・安全太郎さんとは?

勤続40年、無遅刻無欠勤を誇る大ベテラン・安全太郎さんをご存知ですか?

誰それ、知らないよ……との声も聞こえてきそうですが、実はあなたも一度は目にしたことがあるかも……。

ソースの「asahi.com」さんによれば―――

安全太郎1
「安全太郎さんとその仲間たち」


道路工事現場でおなじみの人型ロボット「安全太郎」が今年、誕生40年を迎えた。高速道路で働く作業員を守るために開発され、今も名古屋市で生産が続くロングセラーだ。40年間、ほぼ同じスタイルを貫き、「不惑」の言葉がよく似合う「男」は現場の厚い信頼を受け、手を振り続けている。

中日本高速道路桑名保全・サービスセンター(三重県桑名市)は、愛知県西部から滋賀県東部にかけての新名神、東名阪道などを管理する。関東・中部と関西を結ぶ要衝だけに、毎晩のように事故の処理や道路の補修などの作業がある。通行規制の先頭に立つのは、いつも安全太郎だ。

複数の場所で同時に工事をしたり、居眠り運転の車が突っ込んで壊されたりすることもあり、同センターの倉庫には10台余りの安全太郎が控えている。職員たちは「作業員の命を守ってくれる仲間であり、守り神でもある」と仕事ぶりをたたえる。

特殊なウレタンを型に吹き付けてつくられ、身長185センチ、定価は1台78万円。手にはライトや旗を持ち、背中のスイッチを入れるとカタン、カタンと腕を上下する。車からはまず見えないが、顔は手描きで1台ずつ異なり、ズボンにしわもついているなど、意外に手がこんでいる。

その姿も、単純な動きも、昔からほとんど変わっていない。ただ、どの車線にも対応できるように腕をどちらも動かせるタイプができたほか、環境に配慮して材質を変えるなどの改良もされている。

安全太郎が生まれた1970年は大阪万博が開かれた年だ。前年に東名高速道路が全線開通しており、高速道路の時代が本格的に幕を開けた時期だった。

日本道路公団(当時)は深刻な問題に直面していた。高速道路上の作業で、旗を振ってドライバーに注意を呼びかける作業員がはねられる事故が相次いだ。そこで公団が愛知県春日井市で道路設備業を営んでいた土居万里雄(まりお)さんに依頼し、生まれたのが安全太郎だった。

中日本高速に残る資料によると、当初は百貨店のマネキンを利用したが、格好が良すぎて現場の雰囲気に合わず、現在のややずんぐりした体形になったという。名前は当時の流行語「アッと驚く為五郎(ためごろう)」にちなんで「安全為五郎」と呼ばれていたが、記者発表が決まって急きょ「安全太郎」に改名されたという。

開発者の土居さんは、愛媛県の農家出身。高度成長期にふるさとを出て事業を何度か起こし、2004年に70代で亡くなった。

「人生最大のヒット作が安全太郎だった」と弟の土居博仲さん(69)=愛知県尾張旭市=は振り返る。「兄は器用だったけれどお人よしでね。商売は下手だった。安全太郎はすごくもうかったようだけど、最後は権利をすべて手放してしまった」と話す。

現在、安全太郎の商標を持っているのは、名古屋市港区でLED表示器や制御盤を製造する会社「トクデンコスモ」。注文が来ない年はないといい、昨年は東日本高速道路盛岡管理事務所に2台納入するなどした。同事務所は安全太郎の制服をオレンジ色にしており、「ドライバーからの視認性が高い」と人気だそうだ。

長年の激務で傷んだ安全太郎の修理依頼も多く、30台という年もある。「ドライバーは、人間に似ているものに一番目を引かれるらしい」と同社電装事業部の依田昌明課長は言う。「今はLED表示板が使われることも多いけれど、安全太郎は一瞬人間に見えて警戒させるから、今でも売れ続けているんじゃないか」

同社には時折、「駐車場に置きたい」「子どもが欲しがっている」という一般のファンからの問い合わせも来るという。(山吉健太郎)
(asahi.comさんより)


現在が「不惑」だとすると、次は「五十而知天命」、「六十而耳順」ですね。
安全太郎さん、不惑の40にして黙々と仕事をこなすその姿は、既に天命を知り耳に順っていると思われますが……これには孔子様もビックリ!?



安全太郎にまつわるこんな本もあります。
奇才・小田嶋隆によるエッセー集「安全太郎の夜」です!!
安全太郎の夜



ラベル:安全太郎
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posted by 俺 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 面白ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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