あくまで、本編を既読の方に向けてのレビューになります。注意!!
それと一応、犯人らしい人物を1人にまで絞り込んでみました。
本記事末尾に載せてます。管理人の中では最有力容疑者です。
1話から3話まではこちら(過去記事)。
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」1から3話までネタバレ批評(レビュー)
では、早速4話レビューを。
まずは気になる出来事から。
@一色(眼鏡の女子)、「処刑人」発言。
Aマネージャー?それぞれの身に危険が迫っている可能性あり、閂をかけよう発言。
B歯科大生、宝探し以外に別の目的あり発言。
C金田一、部屋割りの見取り図に興味(子供の頃に見ている?)
D美雪&金田一会話。その様子に玲香ショック。
E蛍、2年前の事件について考える(結果的に玲香が得をしたらしい)。
F蛍、ペットボトルの水を飲み昏睡。
G犯人が蛍の部屋をノックする。
H犯人が閂を解除、室内に侵入し蛍を殺害する。
(*蛍の携帯によればノックからこの間まで午前1時5分から午前2時の間、実に55分)。
I金田一の部屋の前に来訪者(時刻不明)、玲香のスカーフ発見!!
金田一、玲香の部屋へ向かう。血に染まった(誰の血かは不明)蛍の服を発見!!
J蛍の部屋へ(部屋番号は「50」)、施錠されておりノックしたところ中から玲香が出て来る(電気も消えている)。
K金田一、ベッドの上に横たわる蛍の死体を発見。
L犯行可能なのは玲香?―――次週に続く。
◆蛍殺害
とりあえず、一番気になるのはセンセーショナルな蛍殺害。
閂を何らかの方法で外し、室内に侵入。
ADの時と同じ(ように見える)凶器で蛍を殺害しました。
ここで気になるのはH蛍の昏睡を確認してから室内侵入までに55分もかかっていること。
管理人は当初、あの板チョコ型の扉から一部分が簡単に外れるとかスライド式になっているとか考えていましたがこれだけ時間がかかるとなるとどうも違うようです。
注目しておきたいのは閂を外す描写。
上から引っ張り上げて外すのではなく、下から押し上げて外した模様。
しかも、現われた手は扉を這うように進んでいます。
ちなみに絵から判断するとあの閂は扉を6等分するデザインの下から3番目あたり。どちらかといえば地上に近く決して届かない等の身長的な問題でもない筈。
さらにやってみればわかる通り、外から内側の閂を外すには上から引っ張り上げる方が簡単なので……何か秘密がありそう。
ひょっとして、閂の下部にしか工作する余地がなかったということなのかも。
そこで今のところ思いつくのは熱を加えるなどして扉下部を加工した説かなぁ。
でも実際可能かどうか疑問。
これならばスライド説の方が説得力ありそうだが。
次回以降による情報待ちか。
もうひとつ気になっているのは部屋の灯り。
蛍は音楽を聞きながらペットボトルの水を口にしており、給水中に昏睡した為、部屋には灯りがついていたとみられる。
だが、金田一が玲香を呼び出し室内に飛び込んだ際には灯りが消えていた。
この差異は何を示すのか?
犯行後、わざわざ退出時に犯人が灯りを消すとは考えにくい。
トリックとして考えられるのは部屋誤認(入れ替え)だが、今回のストーリー上そのトリックが使用されたとも思えない。
灯りといえば金田一が停電を直した件もあり、関連性を疑うが……。
とりあえず、犯人と併せてこの理由も下部で推理(妄想?)してある。
◆見取り図(間取り)
そして、C例の部屋割り見取り図にも進展が。
金田一が子供の頃に見たものとのこと。
こうなると候補として上がりそうなのは金田一の年齢から考えて学校関係の何かか?
思いつくのは―――
・鉛筆(形から)
・地図記号(いくつかの形を組み合わせた?)
・一筆書き(やはり形から)
・数学の三角形に内接する円の定理
―――辺りか?
この中でまずありそうなのは一筆書き。
開始地点と終着地点が同一で、そこに金塊が……パターンか?
しかし、それは微妙だ。
次に錬金術、物理、冒頭のルート2と来れば数学ということで「数学の三角形に内接する円の定理」。これならば「少年マガジン」読者層ともマッチするかと思ったがこれはその先が続かない。
鉛筆は曖昧すぎるし、金鉱や銀行などの地図記号には該当の物は無い。
少なくとも金田一の言葉にある通り割と見知ったものであり、読者層を裏切るほどマニアックではない筈だ。
左右対称(シンメトリー)の何かだと思うのだが……。
ついでに何となくだけど、見取り図は宝の在処だけに関わってきそう。
◆2年前の事件
少なくともADと蛍の関与は間違いなし。
E蛍の発言からすれば、当時、蛍より売れていたアイドルが失脚または殺害されたということか?
犯人の動機はその復讐らしい。
◆犯人像(錬金術師)
まず、一色が怪しい。
@の「処刑人」だとか煽る煽る。
それが無ければそこまで意識しない筈のことをわざわざ意識させている。
歯科大生はBで消えた。
さらにマネージャーも浮上中。
Aの閂をかけるように発言やFの水に細工できる人物は限られてきそう。
しかし、ぶっちぎりで怪しい人物が出て来た。
管理人の中ではダントツ一位。
その人物とは―――誰あろう後述の玲香である。
◆玲香
なんだか俄然、玲香が怪しくなってきた。
犯人の狙いが玲香に罪を着せる為と仮定しよう。
他の復讐対象者は殺害しておいて玲香だけ野放しというのは不自然だ。
さらに、わざわざ玲香を蛍の部屋に気付かれないよう運び込む手間もある。
運搬前に玲香が室内に居たとして(玲香の部屋の扉は開けられていた)、玲香が何者かの訪問を受けて扉を開けたとはAから考えにくく、連れ去られたのならば玲香は室内で寝ていた筈だ。
とすると、犯人は閂のかけられた玲香の部屋を蛍の場合と同じく55分かけて開いたことになり効率面で問題が発生する。
第一、当の玲香は普段の外出着だった。
寝てさえいなかったのではなかろうか?
この矛盾を解消するには玲香は連れ去られたのではなく自らの意志で向かったとする方が簡単である。
しかも、Jのように蛍の部屋は電気が消えており真っ暗。
金田一が起こしたとしても直ぐに部屋の扉の位置が分かるはずもない。
また、暗闇では閂も外せない。
ここもおかしい。
考えられるのは玲香自身が部屋の灯りを消した場合。
上記の推理(妄想)を裏打ちするか?
さらに心理的な面もある。
とりあえずこの後の展開から蛍殺害の嫌疑がかかるだろうが、金田一が「そうはさせじ」と推理を巡らせるだろう。
結果、作中における金田一の中では容疑圏外に置かれることになる。
おそらく、玲香の部屋から凶器となったあの大剣と錬金術師の衣装が出てこない限りはそれを理由に確実に容疑圏外に置くのではなかろうか?(もう一件くらいは殺人が起こるだろうからこの時点で大剣が出て来るとは考えにくい)
だからこその「錬金術師」の登場であり、あのトリックが必要とされるのではなかろうか?
ここで注目したいのはIで金田一をわざわざ呼び出している点だ。
犯人にとってのメリットは金田一が蛍の殺害現場で玲香を発見すること。
それにより、この後の金田一の推理に影響を与えることだろう。
本来、変哲もない高校生・金田一を呼び出したところで何の意味も無い筈。
しかも、蛍の部屋から遠い金田一をなぜ呼び出したか。
単なる証人(目撃者)ならば他にいくらでもいる。
今回の殺人は、Hからも時間的余裕はたっぷりあり、閂により各自のアリバイもさほど意味がない。
従って玲香の部屋から蛍の部屋へ金田一を走らせることによるトリックを差し挟む余地は少なく、地勢上遠い金田一を選ぶ理由もない。
あれは実は金田一が名探偵であると知っているからこその呼び出しなのである。
それを知るのは読者や美雪、玲香だけだ。
あるいはもう1人、高遠もいるが……。
高遠がプランを提示し、それを聞かされていた実行犯が行動に移した可能性もある。
だが、今回玲香の金田一への態度がどうも気になる。
美雪と金田一の姿を見てショックを受けた直後に当の金田一から注目を浴びるべく起こった犯罪。
どうも、作為的に過ぎる。
確かに玲香はサブレギュラー。
ここで犯人にするとは考えづらい。
これらを乗り越える条件はただひとつ―――玲香が偽物であること。
その証拠が前回指摘したスカーフだ。
玲香にはトラウマがあり、スカーフは首に巻けない。
今回わざわざ金田一呼び出しの撒き餌に使われてもおり、何らかの意味があると考えた方がすんなりくる。
これらから導き出した結論はこうだ!!
玲香は偽物。本物とは島を訪れる前から入替っている。
偽物の正体は2年前の事件の遺族(関係者)。
<パターン1>
高遠のプランにより整形しており、金田一のこともそこで聞いた。
偽玲香は心のどこかで復讐を止めて欲しいと思っており、そこから金田一に好意に近いものを持っている。
そのため、金田一と美雪の姿を見てショックを受けた。
高遠のプランは次の通り。
玲香ならば金田一は必死になって庇う筈。
そこで一旦、容疑者になった上で容疑を晴らし容疑圏外に身を置く。
そうしておいて引き続き殺人を行う。
<パターン2>
偽玲香は以前に大事な人を失っている。
それは蛍の言葉から芸能関係者(アイドル)だと考えられる。
その伝手で本物の玲香と交流があってもおかしくない。
金田一のことは本物の玲香から好意的に聞いており、偽物もまた好感を抱いている。
だから、金田一と美雪の姿にショックを受けた。
復讐計画は自分の発案。
玲香ならば金田一は必死になって庇う筈。
そこで一旦、容疑者になった上で容疑を晴らし容疑圏外に身を置く。
そうしておいて引き続き殺人を行う(こちらは高遠が出ない)。
このプランを効果的に行うには被害者が多ければ多いほどよい。
つまり、被害者はさらに増える可能性あり。
今後、被害者が増えれば増えるほど玲香犯人説が俄然現実味を帯びるということになる―――。
で、ラストで剣持が本物の玲香を保護。
だから、剣持はついてきていない。
以上ですが、いかがでしょう?
とりあえず、現在は管理人によるご都合を加えた妄想推理でしかありません。
真相は今後の展開に委ねられます。
と、いうことで
「週刊少年マガジン」No.27 2010年06月02日(水)発売号の第5話に注目。要チェックや!!
◆関連記事
・1話から3話まではこちら。
「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」1から3話までネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」5話ネタバレ批評(レビュー)
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・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」10話ネタバレ批評(レビュー)
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「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
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なるほど…玲香偽物説ですか…。
これは確かにインパクト大ですね。
高遠がプランニングをしたか、それとも2年前の事件の遺族が変装をしているか…。
そんでもって本物の玲香ちゃんは剣持が保護している。
う〜ん…。
ただ、マーケティング的観点から言うと、いくらなんでもつい最近の事件で高遠が出ているのに、いくらなんでもくどすぎる。
だから、遺族説じゃないかな?
そんなところです。
それでは♪
コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の俺です。
偽玲香犯人説いかがでしたか?
記事中でも述べましたが蛍殺害のキーは“55分かかった閂の解除法”と“消えた電気”のふたつだと思います。
ここら辺はポイントかな、と。
これをどう理解するか。
本記事はそこから生まれたいくつかある妄想推理のひとつです。
とはいえ、現状提示されている手掛かりからなら割と抵抗なく落ち着くかなとチャレンジしてみたものだったので読んでもらえて嬉しいです。
管理人も高遠と遺族説ならば遺族説を採ります。
無理に高遠を絡める必要はなさそうなので。
でもこれ(偽玲香犯人説)が本編で実現してしまうと作中トリックの必然性がほとんど無くなるという本来のミステリとしては暴動ものレベルの推理なんですよね……(泣)。
残念ながら本編では無いのかなぁという手ごたえです(逆に必然性を無くすことに徹底するというシュールなミステリもありますがそれを金田一でやるのは……読者に失礼です)。
あくまでコレは妄想推理のひとつ。
楽しむだけに留めておきます。
今回の「錬金術殺人事件」は、不思議な魅力があるのですが、どうも焦点がはっきりしていない気がします。
今までの感触からすると、結末は余程の名作かはたまた……のどちらかのような。
とりあえず今のリズムを維持して結末を迎えてもらえれば推理を楽しめるかなと願っていたり……。
今後もレビューしていく予定なので温かく見守って下さいね!!