あくまで、本編を既読の方に向けてのレビューになります。注意!!
それと一応、犯人らしい人物を1人にまで絞り込んでます。
現在の最有力容疑者は速水玲香嬢(偽)です。
最有力容疑者・速水玲香(偽)説を取り上げた4話はこちら(過去記事)。
・最有力容疑者決定!?「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」4話ネタバレ批評(レビュー)
1話から3話まではこちら(過去記事)。
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」1から3話までネタバレ批評(レビュー)
では、早速5話レビューを。
まずは気になる出来事から。
@玲香を庇おうとする金田一(先入観が働いている?)。
A玲香は廊下を移動中に犯人に連行された(クロロホルムを嗅がされた?)。
B一色(眼鏡女子)が「絵崎の娘」と名乗る(真偽不明)。
C一色の目的は「賢者の石」?
D一色が身に付けたペンダントを見て感情を見せる(大事な人の写真?)。
E歯科大生は玲香犯人説を主張。
F歯科大生たちによれば蛍殺害現場に抜け穴やそれに類する仕掛けは無い(らしい)。
G美雪と玲香が同じ部屋で寝泊まりすることに(美雪に金田一への気持ちを確認する玲香)―――次週に続く。
H5話中にて2度も出て来た蛍の部屋番号「50」。
Iなぜか5話に出てこないカメラマン。
◆玲香を庇う金田一
@で現在の金田一は玲香が犯人であると露ほども疑ってない様子。
これは「偽玲香犯人説」の追い風か。
◆一色は本当に錬金術師の娘?
Bで絵崎の娘を名乗った一色。
真偽は不明ながら今回の殺人には関係ないのではないか。
とりあえず、発言の真偽について検討すると―――今まで「殺人犯は錬金術師(絵崎)」と主張しておいて「当の殺人犯が実は父です」は考えにくいかとも思うが、一色の母が絵崎の研究の犠牲になった等の過去があれば父を憎む理由もあり筋が通る。
“錬金術師の狂気”はモチーフとしても多い。
手掛かりはDのペンダントか。
一色が感情をあらわにしたことから中には一色にとって大切な人の写真が入っていると思われるが、それが誰かは分からない。
一色発言が真ならば「絵崎と幼児期の一色」か「絵崎の妻(一色の母)」とも思えるが、偽ならば“2年前”の被害者の写真とも考えられる。あるいはまったく別の誰か―――とも。
だが、ストーリーの流れから見れば、わざわざ一色に虚偽の発言をさせる必然性は読者を騙す以外に考えにくく、騙す為ならば一色は犯人である。
しかし、自然なストーリーテリングの観点からは一色発言は真である可能性が高い。
逆説的に一色犯人説は否定される。
一色発言が真であれば、本エピソードラストにて次の光景が展開されるだろう。
<パターン1>
錬金術師の金塊が、実は一色の思い出に関する何かで父の想いを知るハッピーエンド。
<パターン2>
見つけた金塊(宝物)を人を不幸にするとして破棄すると共に自らも身を滅ぼすバッドエンド。
真相は次話以降の情報待ちだろう。
とりあえず現在までの感触では、一色の存在意義はCの「賢者の石」目的発言も含めて殺人とは関係ない場を混乱させるだけのミスリード要員と思われる。
◆注目すべきは部屋番号「50」!?
Hのとおり、2度も出て来た蛍の部屋番号「50」。
なんらかの意味があると思われる。
当然、トリックに関わると思われるが……。
トリックだった場合、あの描写の意味は2パターン考えられる。
<パターン1>
そのものずばり、元素記号「50」を指す。
すなわち「スズ」だ。
「スズ」は融点が低く、今回の扉に使用されていた場合、55分かけ一部を融かして例の閂を開けたトリックが不可能ではない(と思われる)。
それを指している―――のかもしれない。
ただ、それだとFの抜け穴や仕掛けなしの判断に反する。
これについては後述する。
<パターン2>
実は蛍の死体が発見されたあの部屋は殺害現場ではない。
つまり、部屋番号を入れ替えただけの部屋移動トリックの場合だ。
このトリックのメリットはFの抜け穴や仕掛けなしとの判断が無意味になること。
実際に蛍が殺害された部屋には抜け穴やそれに類する仕掛けが存在したが殺害後に部屋を移動させたためそれが見当たらなくなったためだ。
この場合、部屋移動についても2パターンある。
ア.蛍は自室で殺害され部屋を移動させられた発見現場は別の部屋である。
イ.蛍が寛いでいた部屋こそが犯人の用意した部屋。仕掛けを用い殺害後、蛍の本当の部屋へ運び込んだ。
ア、イ共に成立するには蛍の部屋の代わりとなる部屋が必要であり、短期的ならばともかく、長期にわたり騙すのは余程大がかりな仕掛けが無い限り難しい。
よってアは除外される。
検討すべきはイだが、その前にまずFの発言の信憑性を問いたい。
◆「部屋に抜け穴も仕掛けもない」とは!?
Fの発言の信憑性に問題がある。
あれはどういう意味だろうか?
そもそも、部屋に仕掛けが物理的に存在しえないことを示唆した(扉に細工して侵入したのではない)のか?
それとも、
作中人物には気付かれなかっただけで抜け穴以外のトリックは存在している(気付かなかっただけで扉に細工して侵入する余地はある)のか?
これがわからない。
前者ならば、<パターン2>イしか通用しない。
後者ならば、<パターン1>の可能性もある。
さらに、もうひとつハードルがある。
“外鍵の有無”だ。
わざわざ身を守る為に閂を下ろすぐらいだから留守中部屋への侵入者には用心して外鍵をかけていると思いたい。
とすると、各部屋に対応する鍵が存在する以上、<パターン2>イは成立しない。
だが、描写を見る限りオートロックを含めそのような機構は内蔵されていないようだ。
描写にない以上推理に関係ないとも言えるが、外鍵がないとすれば<パターン2>イは成立する。
その場合、先にADが殺害されたのは部屋割上、部屋交換トリックに必要だった為とも考えうる。
そうでない場合も移動出来る部屋は限られるので容疑者は絞られるが……果たして!?
◆偽玲香犯人説は未だ通用するか?
4話にて主張した偽玲香犯人説。
折角提示したので「もったいない」の精神で叩き台にし、これが現在も通用するか検討していく。
これが成立するには偽玲香(仮)が証言したことがすべて偽りであらねばならない。
とりあえず、証言の矛盾と考えられる点を2つあげてみた。
・Aに関して、描写上一直線の通路で玲香に気付かれず後ろに回り込むのは難しいのではないか?
・4話ネタバレ批評(レビュー)でも述べたが、灯りのない暗闇の中、扉を見つけなおかつその閂を開いたこと。
う〜〜〜ん、これでは絶対とは言い切れないようである。
次に、ストーリー上玲香を疑うべき点を挙げる。
・@で金田一の推理の網から逃れている。
・Gで美雪と共に居ること。この状態で次の殺人が起こった場合、完璧なアリバイを手に出来る。
・同じく、美雪に金田一との関係を尋ねていること。玲香は今後のストーリー上も美雪の恋のライバルキャラとして必要な筈。それに結論を出すのは怪しい。その点、偽物ならば支障は無い。
これも絶対とは言えない。
だが、否定する根拠も無いようである。
従って、まだ偽玲香説は通用するとみたい。
とりあえず、ここでIに注目!!
5話にカメラマンが居ないのだ。
これは、もしかして……次の被害者か?
もしも、カメラマンが被害者だった場合は上記の玲香のアリバイが成立(カメラマンは美雪の部屋に籠る前に殺害されており、トリックで死亡推定時刻を誤認させるケース)する為、更なる追い風になるが……。
◆なんとなく、雑記……
よくよく考えると外鍵の有無は重要。
無かった場合―――「事前に室内で待機、蛍殺害後、玲香を運び込む、後に閂に何か挟む(糸でも可)、外から工作する」のコンボで密室がほぼ無意味だもんなぁ。
それもこれも読者にとっては4話の描写があるので否定されるけど、作中の金田一はそれを知り得ない筈。
なんか、納得いかない。
と、今回は以上ですが、いかがでしょう?
とりあえず、現在は管理人によるご都合を加えた妄想推理でしかありません。
真相は今後の展開に委ねられます。
と、いうことで
「週刊少年マガジン」No.28 2010年06月09日(水)発売号の第6話に注目。要チェックや!!
◆関連過去記事
・1話から3話まではこちら。
「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」1から3話までネタバレ批評(レビュー)
・玲香犯人説を述べた4話レビューはこちら。
最有力容疑者決定!?「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」4話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」6話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」7話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」8話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」9話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」10話ネタバレ批評(レビュー)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)掲載しました。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
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