2010年06月06日

金曜プレステージ 西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像2「都民1300万人を誘拐した…都知事への脅迫電話で始まる連続殺人事件…死体に隠された秘密とは?愛と憎しみの復讐劇」(6月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像2「都民1300万人を誘拐した…都知事への脅迫電話で始まる連続殺人事件…死体に隠された秘密とは?愛と憎しみの復讐劇」(6月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>
新宿の中央公園でホームレスが殺害された。現場へ急行する十津川省三(高嶋政伸)と亀井定男(古谷一行)。最近横行しているホームレス襲撃か? と現場検証している十津川のもとに電話が入る。なんと東京都民一千三百万人を誘拐、身代金5億円を要求する脅迫電話が都知事(大和田獏)あてに入ったというのだ。犯人は要求をのむまで、一日一人ずつ殺害していくという。都庁へ向かう二人。そこで副知事の森下清人(菅田俊)から事情を聞いていると、脅迫電話の犯人から「先程、中央公園でホームレスを殺した。一千三百万人の中の一人です。」と再度連絡が入る。都庁に捜査本部が設置された。誘拐事件では身代金の受け渡しが勝負だと考える十津川は、古新聞で身代金5億円をつくり犯人からの連絡を待った。しかし、犯人の方が一枚上手だった。作戦は簡単に見破られ、また一人殺害されてしまう。さらに犯人は10億円を要求、指示に従わなければ爆弾を使って多くの都民を殺害するという。そんな中、十津川は犯人のある行動が気になっていた…。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……。

2人目の被害者が発生し、今度は都知事の身内を殺害すると警告する犯人。
都知事は不安に駆られ家族に警戒を呼び掛ける。
そんな中、再び犯人より電話が。
内容は都立病院の従業員を殺害したと云うものだった。

「都立病院ということは都の建物。当然、都知事の身内でしょ」

そう嘯く犯人は十億円を都庁屋上からばら撒くように命じる。
犯人の言葉通り都立病院地下駐車場には殺害された医師の姿が。
一方で十津川は「犯人が身代金を受け取る気が無いのではないか?」と考えるようになる。
そこで被害者周辺を念入りに調べることに。

1人目の被害者は田坂(男性)。
元マンション販売会社社長だったが、耐震偽装により財を失い野外で生活していた。

2人目の被害者は武藤(女性)。
ゴミ屋敷や騒音おばさんとして地元に知られる有名な女性だったらしい。

3人目の被害者は三枝(男性)。
都立病院の医師。幾つかの医療ミスで揉めていたらしい。
彼だけは複数の刺し傷があった。

調べて行くうちにこの3人の生活圏、行動範囲が一箇所にまとまることに気付く十津川。
そこでは耐震偽装の補強工事の最中にひとりの妊婦が事故死するというトラブルが起こっていた。
補強工事を行ったマンションは田坂の商品。
本来居た筈の交通誘導員は武藤の放し飼いにしていた犬が原因でその場を離れており、これが直接の原因になったと云う。
そして、その妊婦を受け入れ拒否したのが三枝だった。

一点に収束していく事件。
死亡した妊婦の名前は二宮晴美。
当時妊娠八カ月。
そしてその夫は二宮慎一。
ガーデニングが趣味で秘書専門の人材派遣会社の共同経営者をしていた。

捜査が進む一方で犯人からの脅迫も続く。
今度は都内地下街を爆破すると云うのだ。
犯人の要求する時間が迫る中、二宮を追う十津川。
家宅捜索の結果、二宮宅の鉢植えから血に濡れたナイフが発見される。

二宮を拘束した十津川。
途端、犯人の要求はピタリと止むことに。
二宮こそが犯人だと確信する亀井だったが、当の二宮には三枝殺害時に交際する女性と一緒にいたというアリバイがあった。

十津川は犯人の目的は二宮に罪を着せることにあるのではと推理する。
三枝のみ複数の刺し傷があったことに注目した十津川は三枝とトラブル関係にあった者を洗うことに。
過去に医療ミス事件で三枝に敗訴した夫婦が浮かびあがるものの、その夫婦にも大阪にいたという鉄壁のアリバイが。

視点を変えた十津川は三枝殺害を報せて来た電話に着目。
背景にチャイムらしき音が流れていることに気付く。
同時に武藤殺害を報せる電話で犯人が「お手洗い」を発言したことも重視。
犯人は女性ではないかと導き出す。

チャイムらしき音の正体が判明。
それは都庁のチャイムだった。
声紋からも女性と裏付けられたことから都庁に勤務する女性臨時職員を調べることに。
結果、逢沢雪乃という女性が浮上する。
三枝殺害を報せる電話の背景に流れるチャイムは緊急時に25階でのみ流れたものだと分かる。
逢沢はその時間、25階の使われていない会議室をこっそり使用していた。

いよいよ容疑が濃くなった逢沢雪乃に監視を強める十津川。
逢沢は元・財務官僚。
元夫である三宅貴之と職場で知り合い結婚。
ひとり娘の梓を授かるが、復職を巡り夫と意見が対立し離婚に至っていた。
当の娘・梓も三枝の医療ミスで死亡しており動機も充分。
だが、なぜ二宮に罪を着せたかがわからない。

やがて、事実が明らかに。
逢沢は夫との離婚後、二宮の経営する派遣会社に勤めておりそれが縁で二宮と交際していた。
二宮には虐待癖があり梓を虐待。
三枝が見逃したことが間接的な原因ではあるものの、その発端となった怪我を負わせたのは二宮だったのだ。
しかも、当の二宮はその事実(梓が虐待で死んだこと)を知らなかった。

二宮宅を訪れ証拠を入手する十津川。
気乗りしない様子の亀井と共に逢沢宅を訪ねる。
証拠がないとシラをきる逢沢だったが、ナイフを二宮宅の鉢植えに隠した際に周囲にまけた土を踏んでしまったのが致命傷に。
二宮の趣味はガーデニング。
その土は特別なもので滅多に存在しなかったのだ。
鉢植えの土と靴の裏の土が合致したため、逢沢雪乃は罪を認めるのだった。

逢沢雪乃による悲しい犯行を残念がる亀井。
だが、罪は罪。認める事は出来ない。
今日も十津川は悪と戦うのであった―――エンド。

<感想>
原作を読んでいなかったのでまっさらな気持ちで視聴できました。

とりあえず、不要なシーンが多かった気がします。
元が短編だからでしょうか?

それとラストに至っても逢沢雪乃に反省が認められなかったのはどうかな、と。
二宮と交際したことも問題だったわけだし、虐待が始まったその日に梓の死因となる事故が起こったわけでもないだろう。それなりの期間、虐待を放置していたと思われるがどうだろう。
第一、逢沢雪乃は女性として自立したくて復職する為に夫と別れたのに別の男性と付き合うのはどうか。
梓ちゃんから父親を奪っておいてそれは勝手かなと。
娘の梓ちゃんの悲劇はそこらへんにあるのでは。
ひっくるめて、シングルマザーの悲劇を描くにしてはちょっとどうかと思った。
現実に努力している方に失礼だと思う。

ストーリーも後出しが多くて微妙だった……。
最初の頃の「都民1300万人を誘拐した」のくだりが緊張感があっただけにその後の展開が小さくなっていくのもつらかった。
まさに竜頭蛇尾か。

印象的に2つの話を無理やりひとつにくっつけた感じかな。
微妙。
シリーズとして末長い展開が見込めるので次回に期待したい。

<キャスト>
十津川省三:高嶋政伸
二宮慎一:大鶴義丹
平塚八重子:山村紅葉
森下清人:菅田 俊
久保武雄:大和田 獏
逢沢雪乃:伊藤かずえ
亀井定男:古谷一行
(順不同、敬称略、公式HPより)


◆関連過去記事
十津川刑事の肖像再度ドラマ化!!タイトルは「十津川刑事の肖像2 一千三百万人誘拐計画」6月4日(金)放送!!

「十津川刑事の肖像 (徳間文庫)」です!!
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