あくまで、本編を既読の方に向けてのレビューになります。注意!!
それと一応、犯人らしい人物を1人にまで絞り込んでます。
7話時点の最有力容疑者は速水玲香嬢(偽)です。
詳細は下記過去記事リンクよりどうぞ!!
では、早速8話レビューを。
まずは気になる出来事から。
@「玲香ちゃんは犯人じゃない!!無実は俺が証明する、ジッちゃんの名にかけて!!」金田一宣言!!
A玲香、拘束される(手足縛る)&一色「錬金術師は拘束しても無駄」発言。
B金田一、聞き込み開始。
C美影には2年前の事件より殺害される可能性について覚えアリ(カメラマンを除く3人の殺害動機が確定、2年前の事件!!)。
D赤柴は2年前の事件を知っている(2年前の事件=夕凪ハルカと覚醒剤事件)
E歯学部(神丘)がADに現金を支払ったことを認める。理由は蛍のファンだった為お近づきになれるよう便宜を図ってもらったから(内容には触れず……部屋割工作の件か?)。
F歯学部の口より2年前の事件について補足(夕凪ハルカは「ゴールドラッシュ」という映画出演が決まっていたが事件により降板。それに伴い相手役も降板させられ玲香に変更)
G玲香「こんなことしても無駄なのに」発言。
Hプロデューサーが「ゴールドラッシュ」にも関与。赤柴も通行人役で出演していたことが判明(プロデューサーは何故か「ゴールドラッシュ」の脚本を島内に持ち込んでいる……)
I金田一が部屋割の法則性(原子番号)に気付く―――次週に続く。
では、早速8話のポイントを。
◆「錬金術殺人事件」作者が考える犯人のポイントが確定!!
Aに伴い「錬金術師は『(蛍殺害の)密室』と『大剣を隠す』という2点で不可能を可能にしている」と指摘した一色。
これは作者の代弁に他ならないでしょうから、今回は「『密室を作成』し『大剣を隠せた』人物を犯人として指摘せよ」という出題になりそうです。
ここにトリックがあるのだという主張に他ならず、この条件を満たした人物が犯人になる……ということは、玲香は消えた(玲香ならば蛍の死体発見時から室内に居たのでそもそも“密室”にならない)。
同時に一色は絵崎を「錬金術師」としたがっているにも関わらず、上記2点を不可能犯罪と認めており絵崎を疑っているのではない様子(屋敷の主でそもそもこの場に居ない絵崎ならば不可能にならない)。
かといって玲香を疑うのならば「密室」は中に玲香が居た以上成立しないのでこれもおかしい(不可能ではない)。仮に一色の云う「密室」が蛍の部屋への侵入のみを指すとしても本当に玲香が犯人で一色の云う魔法が使えるならばさっさと逃げる筈。錬金術万能を唱えるのならば、室内に居た時点で一色は玲香を容疑者から外さなければならない。
どうも、一色にはその場その場の空気を盛り上げる矛盾した発言が多い。
設定を説明させられる役割のようで犯人とは考えにくい。
これで、一色も消えたか……。
犯人というよりむしろ、一色が高遠に見えてくるのは何故だ?
ちなみに美影はCで犯人ならば考えないようなこと(金田一&美雪が安全かどうか)を誰も見ていないところで考えていたので犯人ではないと思われる。
◆「夕凪ハルカ」&「ゴールドラッシュ」
今回新たに判明した事実がコレ。
ア.2年前にアイドル・夕凪ハルカが「ゴールドラッシュ」という映画出演を目前に覚醒剤事件を起こし降板、自殺している。
イ.関連して相手役も降板。玲香に代わった。
ウ.園光寺プロデューサーは「ゴールドラッシュ」製作スタッフ。
エ.赤柴も通行人役で「ゴールドラッシュ」に出演していた。
オ.ハルカの事件には美影、AD、蛍、鬼沢の4人が関与していた。
の5つ。
アが一連の殺人の動機であることは確定。
これによりカメラマン殺害は犯人にとって計画外の犯行だったことも明らかに。
ここで注目したいのはイ。
犯人が玲香に容疑を着せようとしているのはどうもこの所為らしい。
とすると、今回の犯人はむしろハルカに連座して降板させられた相手役に近い人物(関係者)ではなかろうか。
でないと、玲香まで巻き込む必要が無くなる。
ハルカだけがクローズアップしているがその事件の陰で大きな不利益を被った人物(玲香が代役に立った以上女性と思われる)がもう1人居たわけだ。
ハルカの復讐はミスリードで、ハルカを追い落とす為の罠に巻き込まれたその人物の復讐こそが今回の犯行動機ではないだろうか?
これだと誰が犯人だったとしてもシナリオ上しっくりくる。
それと気にかかるのは、Hの園光寺プロデューサーが島内に「ゴールドラッシュ」の脚本を持ち込んだ理由。
わざわざ持ち込んだだけに何かありそう。
園光寺は犯人ではないがハルカに近い人物(父親)か?
一色と絵崎の親子(真偽不明だが……)関係と対比させるための要員かも……。
少なくともどこかで誰かが父子であるエピソードは出てきそうだ。
◆歯学部(神丘)が蛍ファンを名乗る
蛍ファンを名乗る神丘ですがその真偽は不明。
なにげに「ゴールドラッシュ」や「ハルカに連座して降板させられた相手役」、「代役が玲香」など情報通であることは見逃せません。
知り過ぎている?
ADへの金銭譲渡も認めました。
気になる“くす玉”もクローズアップ。
くじのインチキがあそこからバレるのかと注目されていましたが、今回も触れず。
これはミスリードなのか?
次に述べる密室トリックを考えれば彼の行動は限りなくクロに近いグレーだが。
◆金田一、原子番号に気付く
Iです。
「化学の授業」の台詞があったので部屋番号は原子番号で決まりでしょう。
蛍の部屋の密室もコレを使って解くようにとのヒントでしょうから“部屋番号50だからスズ。スズだったから部屋の扉の一部、溶かしちゃったよ”説で確定か。
となると、部屋割がもの凄く重要に。
先に述べたとおり、神丘の行動が俄然意味を持つことになりますが、果たして。
詳細は次回説明ありそう。
◆そういえば、凶器(大剣)の行方は?
先述したとおり、作者が考える犯人のポイントには「大剣」も含まれている。
これにカメラマンの死が関与していることは7話批評(レビュー)で記載した。
前回は「ADの部屋にあった花瓶の中に大剣のもとが入っていたのでは……」との段階までだったので今回は一歩進めてみる。
仮にあの花瓶の中に入っていたとしてどんな形をしているか?
花瓶は細長く口も狭い描写だった。
考えられるのは2つ。
ア.液体状の流動物
イ.口以下のサイズの円筒形の物体
アならば凶器は使用毎に型取りして固める必要がある。
イならば剣をくるくると丸めて円筒形にして中に放り込む。
この場合、形状記憶合金も通用しそうだ。
今のところイが有利か。
ここでさらに第3の可能性を示唆したい。
「ウ.花瓶自体が大剣」の可能性である。
7話批評(レビュー)にて破片が気にかかっていたことは書いた。
割と大ゴマだったし「!!」となっていたから注目した人も多いと思う。
あそこの違和感の理由を考えると「細長い花瓶に反し、破片が大きい」ことがあるのではないかと思う。
そして、もう一点「血がついていない」ことも。
これらが指すのはひとつ。
カメラマン殺害の凶器は破片となった花瓶ではない、ということだ。
なのに、まるであの部屋の花瓶こそが割れて破片となった花瓶だと偽装した。
これは、どういうことか?
犯人がカメラマンを殺害したのは計画外だった筈だ。
当然、事前に凶器は用意していない。
殺害には咄嗟の物を使った。
ADの部屋の花瓶でもいい。
凶器を隠しており割れたのなら、素直に中身を隠せばいいだけだ。
それはそれでいい筈が、別の花瓶が凶器のように偽装した。
ここには何らかの必然性がある。
ひとつの可能性を考えてみよう。
“凶器は確かにADの部屋の花瓶だった。だがその花瓶は鈍器として使用後も割れなかった―――なぜなら、花瓶は陶器以外のもので出来ていたから。殺害後、注目が集まるのを恐れ別の花瓶を割って誤魔化した”
これならば、ADを殺害後屋外に移動させた理由もわかる。
花瓶に注目されたくなかったからだ。
茎が短いのも花瓶が見た目通りでなく、茎の長さ以外は花瓶の中身がすべて埋まっていたとすれば説明もつく。
あくまで可能性だがこれはこれでアリかもしれない……。
◆偽玲香犯人説は未だ通用するか?
で、まだまだ続く偽玲香犯人説。
神丘に容疑が集中しつつありますが妄想してみせましょう。
偽玲香犯人説の詳細は4話以降を順に見てもらうとして。
今回は、どうすれば(無理矢理にでも)偽玲香が犯人になりうるかを検証。
まず、G「こんなことしても無駄なのに」発言。
普通に考えれば「玲香は犯人ではないから、拘束しても無駄」と取れますが捻って「こんなことしても(トリックがあるから殺人は止められない)無駄なのに」と解釈してみてはどうでしょう……やっぱり、無理か……。
じゃぁ、犯人像から偽玲香に結び付けてみるのはどうだろう。
犯人は夕凪ハルカに連座して降板させられた相手役その人ではなかろうか?
彼女(玲香が代役に立てられたので女性)は夕凪ハルカの親友。
鬼沢たちの計略で自殺したハルカと連座し降板させられた自分の恨みを晴らそうとしている。
そこで玲香に接近、成り済ます為に整形し入替った。
それこそ今の偽玲香である!!
批難轟々だな……こりゃ。
◆じゃぁ、マジで誰が犯人候補になるのよ?
現在生き残りは9人。
金田一&美雪は除くとして、園光寺プロデューサー、赤柴、壺の人、歯学部・神丘、眼鏡の錬金術師(見習い)・一色、怯えるマネージャー・美影、拘束中のアイドル・玲香の7人が容疑者となりうる。
玲香、一色、美影は前述の理由で消えた(かもしれない)。
カメラマン殺害時、咄嗟の状況で壺の人が壺を使わず部屋の花瓶を使ったとは考えにくい、壺の人も消えた(かもしれない)。
これでも3人残るか……。
ここで、作者の提示した「『密室を作成』し『大剣を隠せた』人物を犯人として指摘せよ」に当てはめると。
「大剣」は割と誰でもいけそう。
問題は「密室トリック」。
コレがあくまで「部屋番号50だからスズ。スズだから部屋の扉を一部、溶かしちゃったんだよ」説だとして、成立するには蛍を部屋番号50に誘導する必要が出て来る。
となると、くじにインチキした(とみられる)ADと彼に金を渡した神丘が怪しい。
ADは死んでいる。神丘が残るが……。
現状、有力容疑者は歯学部こと神丘か!?
◆8話雑記
トリックが熱や溶かす系だとすると溶かす為の熱量を発生させるためのものを犯人はどうやって確保したのか……それが一番の謎だ!!
と、今回は以上ですがいかがでしょう?
とりあえず、現在は管理人によるご都合を加えた妄想推理でしかありません。
真相は今後の展開に委ねられます。
と、いうことで
「週刊少年マガジン」No.31 2010年06月30日(水)発売号の第9話に注目。要チェックや!!
◆関連過去記事
・1話から3話まではこちら。
「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」1から3話までネタバレ批評(レビュー)
・玲香犯人説を述べた4話レビューはこちら。
最有力容疑者決定!?「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」4話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」5話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」6話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」7話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」9話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」10話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」11話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」13話(エピソード最終話)ネタバレ批評(レビュー)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)掲載しました。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
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