2010年07月01日

「栞と紙魚子の怪奇事件簿」(日本テレビ系、2008年)

「栞と紙魚子の怪奇事件簿」(日本テレビ系、2008年)まとめです!!

栞と紙魚子の怪奇事件簿1


原作は諸星大二郎先生「栞と紙魚子」シリーズ。
全13話。

<ネタバレあらすじ>

両親の海外赴任に伴いひとり日本に残った高校生の紙魚子(前田敦子)は、叔父・宇論(橋本じゅん)を頼り、東京郊外の“胃の頭町”にある古書店『宇論堂』に居候することになった。

上京初日。
いそいそと宇論堂へ向かう紙魚子だったが、公園から子供の叫び声が聞こえてくる。
おそるおそる中へ入っていくと、何やら地面を掘り返している人物が。
紙魚子が呆気にとられているうちに、その人物は土の中からVサイン姿の死体を引っ張り上げてくる。
呆然とする紙魚子を前にその人物はマイペースにも一方的な主張を繰り広げる。
ついていけないものの、その堂々とした態度に惹かれる紙魚子。
これが紙魚子と栞(南沢奈央)の出会いであった。

ちょうど紙魚子の転校先・胃の頭高校の学生だった栞。
二人はすぐに仲良くなる。

胃の頭高校のお嬢様・鴻鳥友子(松山メアリ)、ホラー好き男子・洞野(山根和馬)、ホラー作家の段一知(井上順)やその妻(高橋惠子)らとの出会いを経て様々な事件を解決し友情を育む二人はやがて誰もが認める親友に。

そんな中、新校長(片桐はいり)により胃の頭高校が共学から女子高に方針転換。
実は女子ではなく男子だった栞は終業式と共に転校することに。

栞が男子だったことを知らなかった紙魚子はショックを受ける。
ギクシャクする二人。
栞は傷つけてしまった紙魚子に別れを告げず去ろうとする。

栞の転校当日、段や宇論に説得された紙魚子は栞の後を追う。
それを心待ちにしていた栞は紙魚子と和解。
永遠の友情を誓いあうことに。

そして、栞は新たな街へと引っ越して来る。
いそいそと引越し先の住所へ向かう栞だったが、公園から子供の叫び声が。
おそるおそる中へ入っていくと、何やら地面を掘り返している人物の姿。
あれ、この光景どこかで見たような……?

栞が記憶を探っているうちに、その人物は土の中からVサイン姿の死体を引っ張り上げてくる。
呆然とする栞を前にその人物はあのときの栞よろしくマイペースにも一方的な主張を繰り広げていく。
じょじょにニヤつく栞。
それもその筈、栞の目の前に居るのは言動が栞そのままで紙魚子にそっくりの少女だったのだ!!

二人の友情はこうして永遠に続く……のか!?―――エンド!!

<感想>
ドラマ版の内容は毒薄めのホラーコメディなのでホラー苦手の人でもすんなり楽しめると思う。

で、最終回のタイトルは「メビウス」。
栞と紙魚子が互いに立場を代えて永遠に続くループ。
ちょっとしたパラレルワールドエンドでした。

上にも書いたとおり原作は諸星大二郎先生「栞と紙魚子」シリーズ。
シリーズには「栞と紙魚子の生首事件」、「栞と紙魚子と青い馬」、「栞と紙魚子 殺戮詩集」、「栞と紙魚子と夜の魚」、「栞と紙魚子 何かが街にやって来る」、「栞と紙魚子の百物語」がある。

諸星大二郎先生といえば東京創元社発行の「ミステリーズ!」誌上にて「グリムのような物語『スノウホワイト』」を連載されていたのでご存知の方も多いと思う。
かな〜〜〜り、ホラーよりのデザインをされる方だ。
独特なイマジネーションをもとにした怪奇であり幻想的な作品を多く世に出されている。

先に出た「スノウホワイト」を例にとれば分かりやすいだろう。
あらすじを下記に転載する。

<「スノウホワイト」あらすじ>

スノウホワイト1


日本漫画界において独自の地位を築く奇才・諸星大二郎。彼が〈ミステリーズ!〉に連載した、モロホシ版グリム童話ともいうべき作品群を単行本化。広く知られている「白雪姫」にはじまり、「藁と炭とそら豆」など、そんな話があるんだと初めて知るような作品まで、それぞれの話をもとに描かれた全12編の作品が、すこし奇妙で不気味な諸星ワールドへ誘います。巻末には書き下ろし作品や、著者自身のイラスト入り作品解説も収録した、ファン垂涎の1冊。

<目次>

「七匹の子やぎ」
「奇妙なおよばれ」
「漁師とおかみさんの話」
「スノウホワイト」
「小ねずみと小鳥と焼きソーセージ」
「ラプンツェル」
「コルベス様」
「めんどりはなぜ死んだか」
「カラバ侯爵」
「藁と炭とそら豆」
「とりかえっ子の話」
「金の鍵」(書き下ろし)
(東京創元社公式HPより)


なんとな〜〜〜く、察していただけただろうか?

「考えるな!!感じろ!!」

この記事はドラマ版「栞と紙魚子」なのでこれ以上の紹介は省くがそんな感じである。
とりあえず、怪奇譚に目の無い方にはオススメしたい。

参考までに入門書としては「西遊妖猿伝」(モチーフは「西遊記」)が良いのではないかと思う。
現在も連載中であり、比較的入手しやすいからだ。
これがすんなり読めれば諸星先生の世界に入っていける……かもしれない。

ちなみに「蘇我氏のレガシー(遺産)」などの迷言を残す恐るべき駄洒落作家・田中啓文先生「○○洞の研究」(○には各洞窟の名前が入る)シリーズ3部作の女子高生・諸星比夏留は諸星大二郎先生の名前が由来という説があるとかないとか……。
そういえば、何となく似通っているような違うような……。
そこんとこどうなんでしょ……。

<キャスト>
栞:南沢奈央
紙魚子:前田敦子(AKB48)
洞野:山根和馬
鴻鳥友子:松山メアリ
早苗:中村朝佳
マチコ:坂本亜里紗
仁美:大和田美帆
校長:伊藤幸純
宇論:橋本じゅん
段一知の妻:高橋惠子(特別出演)
段一知:井上順
(順不同、敬称略)


◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・栞と紙魚子の怪奇事件簿(ドラマ公式HP)
http://www.ntv.co.jp/shiori/

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posted by 俺 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 放送終了ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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