受賞作はそれぞれ……
◆芥川賞
赤染晶子「乙女の密告」(新潮6月号)
◆直木賞
中島京子「小さいおうち」(文芸春秋)
でした。
受賞おめでとうございます!!
芥川賞受賞作、赤染晶子先生「乙女の密告」(新潮6月号)とは―――
新潮6月号によれば―――
日韓中・三文芸誌による文学プロジェクト
文學アジア3×2×4 【第一回「都市」篇】
◆死都東京/島田雅彦
作家紹介/前田 塁
◆ナイフ/イ・スンウ 白石あゆみ/訳
作家紹介/パク・ソンウォン
◆香草営/蘇 童 藤井省三/訳
作家紹介/賀 紹俊
◆ハルツームにわたしはいない/柴崎友香
作家紹介/佐々木 敦
◆水の中のゴライアス/キム・エラン 金 明順/訳
作家紹介/ジョン・ヨウル
◆きょうの天気は/于 暁威 桑島道夫/訳
作家紹介/賀 紹俊
◆乙女の密告(110枚)/赤染晶子
忘れられた「アンネの日記」の言葉。女子大生の日常と歴史の悲劇が交錯する!
◆市民薄暮/諏訪哲史
(新潮社公式HPより)
直木賞受賞作、中島京子先生「小さいおうち」(文芸春秋)とは―――
<あらすじ>
昭和初期、ある一家の忘れがたい、秘めた恋の物語
女中奉公の記憶を綴るタキの胸に去来する、昭和の家庭風景と奥様の面影、切ない秘密。そして物語は意外な形で現代に繋がり……
昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出をノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない上質の恋愛小説です。(YH)
(文藝春秋社公式HPより)
*本記事下部にて各受賞作「乙女の密告」と「小さいおうち」へのアマゾンリンクあります。
興味のある方はそちらもどうぞ!!
ソースの「asahi.com」さんによれば―――
第143回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞に赤染晶子さん(35)の「乙女の密告」(新潮6月号)、直木賞に中島京子さん(46)の「小さいおうち」(文芸春秋)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は8月20日午後6時から東京・丸の内の東京会館で。
(asahi.comさんより)
同じくソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――
第143回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は赤染晶子(あきこ)さん(35)の「乙女の密告」(「新潮」6月号)、直木賞は中島京子さん(46)の「小さいおうち」(文芸春秋)に決まった。2人とも初の候補で栄誉に輝いた。
非漢字圏の国の作家として初の芥川賞が期待されたイラン人女性のシリン・ネザマフィさん(30)は受賞を逃した。
赤染さんは昭和49年、京都府生まれ。京都外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒で北海道大学大学院博士課程中退。平成16年に「初子さん」で文学界新人賞を受賞し、作家の道に。受賞作では、京都の外国語大学を舞台にドイツ語学科のゼミに集う女子学生を繊細な筆致で描いた。選考委員の小川洋子さんは「アンネ・フランクを密告したのは誰かという歴史を小説に取り込み、アイデンティティーの問題として答えを出そうとした作風を評価する」と理由を説明した。
一方、中島さんは昭和39年、東京都生まれ。東京女子大学卒業後、日本語学校や出版社勤務、フリーライターを経て、平成15年に「FUTON」でデビューした。受賞作は、1人の女性が昭和初期に女中奉公した日々を回想形式でつづった長編。戦争に翻弄(ほんろう)されながらも懸命に生きた姿が描かれる。選考委員の林真理子さんは、「戦前戦中の中産階級の家の様子を軽やかでモダンにかつ文化的に描いている」と高く評価した。
贈呈式は8月20日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は各100万円。
(MSN産経ニュースさんより)
ここからはそれぞれの受賞者についての記事を。
芥川賞の赤染晶子先生についての記事はこちら。
ソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――
受賞作のモチーフとなっているのは「アンネの日記」だ。作品の構想が生まれたのは、アンネ・フランク生誕80年の昨年。「日本人の『アンネの日記』への読み方は、あまりにもロマンチックすぎるのではないか」と疑問を抱いたのがきっかけだったという。「言葉」や「アイデンティティー」といったテーマをめぐり、さまざまな仕掛けが施された作品だ。
作品の舞台は、赤染さんの母校である京都外語大がモデル。スピーチコンテストのために「アンネの日記」の暗唱に打ち込む“乙女”たちの日常を、戯画化して描いている。「『エースをねらえ!』など、スポーツ根性物の少女漫画を意識した」とも。日本人の女の子の世界をあえて作り物めかすことで、「アンネの日記」のリアリティーを際立たせるためだ。
執筆に当たっては、オランダ国立戦時資料研究所から研究者向けの資料を取り寄せ、オランダ語版、ドイツ語版は常に手元に置いて、読み返した。作中での原文引用はすべて赤染さん自身の訳(やく)による。
当初は文学研究者を志していた。専業作家になるきっかけを提供してくれたのは「故郷・京都」だったという。
「役所の窓口で接した京都の人たちがすごく面白くて、小説にしてみたらどうかと思ったんですよ」。だから、これまでの作品はすべて京都が舞台。「京都人はイケズ(意地悪)といわれるけど、私はそう感じない。ユーモアがあって、すごく温かい」。これからも、京都人の小説を書いていくつもりだ。
「京都以外では生きていけない。ずっと京都にいたい」とまで言い切る故郷愛。作品の秘密はこんなところにもあるようだ。(磨井慎吾)
(MSN産経ニュースさんより)
直木賞の中島京子先生についての記事はこちら。
ソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――
「作品ごとにハードルを定め、それを超えていく達成感がある」。小説を書く魅力、原動力をこう説明する。受賞作『小さいおうち』は、過去の作品の中で最も“ハードル”が高く数も多かったという。「でも、これまで多くのハードルを超えてきたからこそ飛べたのだと思う」と満足げに語った。
両親がともにフランス語の研究者で翻訳家。「幼いころから家の中にたくさん本があり、父は翻訳したばかりの文章を私に読み聞かせてくれた」。初めて小説を書いたのは中学1年生のころ。国語の教科書に書いていたのを、父に見つかりひどくしかられたという。
「こんなものを書かせるために教科書を買ってやったのではない」と言われ、「お父さんは私の書くものは三文小説だとでも思っているんでしょう」と口答えしたら、「ばかやろう。売れて初めて小説といえるんだ。お前の書いたものは三文にもなるか」と言い返された。「初めての小説は大きなトラウマになった」と苦笑する。
育った環境から、「小説家になるのはごく自然だったかもしれませんね」と認めながらも、日本語学校勤務や女性誌の編集者などをし、長い間、小説とは距離を置いて過ごしてきた。
そして、平成8年、すべての仕事を辞めて米国へ。ワシントン州の小さな町の小学校で日本語を教える中で、「本当にやりたいことは」と自問し、小説を書こうと決意する。「日本では冒険できなかった自分の臆病さがアメリカで矯正された。恥をかくかもしれないが、やった方が勝ち。書きたいものを書いてしまえ。こう教えられた」。次はもっと高いハードルを飛ぼうと決めている。(戸津井康之)
(MSN産経ニュースさんより)
ちなみにそれぞれの候補作はこちらでした。
・第143回芥川賞候補作
赤染晶子「乙女の密告」(新潮6月号)
鹿島田真希「その暁のぬるさ」(すばる4月号)
柴崎友香「ハルツームにわたしはいない」(新潮6月号)
シリン・ネザマフィ「拍動」(文学界6月号)
広小路尚祈「うちに帰ろう」(文学界4月号)
穂田川洋山「自由高さH」(文学界6月号)
・第143回直木賞候補作
乾ルカ「あの日にかえりたい」(実業之日本社)
冲方丁「天地明察」(角川書店)
中島京子「小さいおうち」(文芸春秋)
姫野カオルコ「リアル・シンデレラ」(光文社)
万城目学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」(筑摩書房)
道尾秀介「光媒の花」(集英社)
(敬称略、五十音順)
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「新潮 2010年 06月号」公式HP
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/backnumber/20100507/
・「小さいおうち」文藝春秋社公式HP
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163292304
・芥川賞は赤染さん、直木賞に中島さん 女性2人、初候補で栄誉(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100715/bks1007151933001-n1.htm
・【芥川・直木賞】「アンネ」モチーフ、「『エースをねらえ!』も意識」芥川賞の赤染さん(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100715/acd1007152003005-n1.htm
・【芥川・直木賞】父の一喝、「トラウマに」と苦笑 直木賞の中島さん(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100715/acd1007152001004-n1.htm
◆関連過去記事
・五木寛之さん、直木賞選考委員を辞める!?
・速報!!第142回「直木賞」&「芥川賞」発表される!!
・第143回芥川賞&直木賞候補作発表!!
・「直木賞裏選考会」本日(7月15日)夜より開催!!
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