ネタバレあります!!注意!!
<あらすじ>
怜悧・大胆・精緻
新感覚ミステリの傑作
ハサミ男=美少女連続殺人鬼。死体の首には鋭く光るハサミが一丁!
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!
(講談社公式HPより)
<感想>
第13回メフィスト賞受賞作。
映像化不可能と言われた作品でその理由はネタバレあらすじを読めば分かる筈。
原作同様のトリックを盛り込んでいるが原作ほどの効果は無いので気にする方は回避すること。
これは今でこそ珍しくないトリックだが当時は先行作が少なく、ストーリーが手堅くまとまっていたことや“ハサミ男”が最後の勝利者になること等の得体のしれない後味の悪さから評価が高かった。
ちなみに不可能な筈の映像化がされている。
映画版「ハサミ男」である。
出演者には豊川悦司、麻生久美子、阿部寛、斎藤歩、樋口浩二(敬称略、順不同)。
豪華だ……。
興味のある方は下記リンクか、最下部のアマゾンリンクよりレビューをどうぞ。
なかなかの野心作のもよう。
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「ハサミ男」(Yahooさん)
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id321488/
<ネタバレあらすじ>
美少女を狙い鋭利な鋏をもって殺害するサイコキラー「ハサミ男」。
「ハサミ男」は3番目の獲物に目星をつけるが、その直後、何者かに自分の手口を模倣され獲物を横取りされる。
憤った「ハサミ男」は犯人捜しを始める。
一方、警察では3人もの被害者が出たことにより「ハサミ男」の捜査に奔走していた。
捜査本部の堀之内は日高という男に目をつける。
日高は知夏と共に「ハサミ男」第3の被害者の第一発見者となった人物だ。
日高をマークする堀之内。
当の日高は知夏に興味のある様子。
知夏の周辺に出没し始める。
知夏はこのまま「ハサミ男」第4の被害者になってしまうのか?
日高こそが「ハサミ男」であると確信を深めて行く堀之内。
実は彼こそは「ハサミ男」を模倣して第3の被害者を殺害した犯人。
自分の犯行を真の「ハサミ男」にひっかぶせて始末するつもりだった。
ここから完全ネタバレ!!
気になる人は回避すること!!
そんな折、堀之内は衝撃の現場を抑えてしまう。
なんと、知夏が日高を殺害したのだ。
そう、知夏こそが「ハサミ男」の正体。
「ハサミ男」は女性だったのだ。
日高は知夏が「ハサミ男」であると知り脅迫、口封じに殺害された。
そして、現場を見てしまった堀之内もまた―――。
知夏は精神の均衡を崩しており自殺を図る。
知夏は一命を取り留めた。
結果、日高が「ハサミ男」とされ、逮捕の際に堀之内と相討ちになったとのシナリオが描かれてしまう―――知夏が意図しなかったにも関わらず。
こうして、知夏は「ハサミ男」に狙われた被害者として保護された。
公式には「ハサミ男」は死亡した。
だが、「ハサミ男」=知夏は健在であり、知夏は犯行を止めるつもりは無い。
いずれまた、「ハサミ男」が復活する日が来るのかもしれない―――エンド。
◆殊能将之先生のその他の作品はこちら。
【関連する記事】
- 『どこかでベートーヴェン』(中山七里著、宝島社刊)
- 『通いの軍隊』(筒井康隆著、新潮社刊『おれに関する噂』収録)
- 『クララ殺し』最終話、第6話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.7..
- 『自殺予定日』(秋吉理香子著、東京創元社刊)
- 『タルタルステーキの罠』(近藤史恵著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.76 ..
- 『歯と胴』(泡坂妻夫著、東京創元社刊『煙の殺意』収録)
- 『迷い箱』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)
- 『噂の女』(奥田英朗著、新潮社刊)
- 『追憶の轍(わだち)』(櫻田智也著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.69 F..
- 『コーイチは、高く飛んだ』(辻堂ゆめ著、宝島社刊)
- 『恋人たちの汀』(倉知淳著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.75 FEBRU..
- 『東京帝大叡古教授』(門井慶喜著、小学館刊)
- 『傍聞き』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)
- 『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)
- 『愚行録』(貫井徳郎著、東京創元社刊)
- 『転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿』(笠井潔著、講談社刊『メフィスト 2016v..
- 『声』(松本清張著、新潮社刊『張込み』収録)
- 『黒い線』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)
- 『図書館の殺人』(青崎有吾著、東京創元社刊)
- 『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)