2010年08月01日

「黒い仏」(殊能将之著、講談社刊)

「黒い仏」(殊能将之著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)です!!

本作以外にFWクロフツの「樽」についてネタバレあります!!注意!!

<あらすじ>

黒い仏1

身元不明の死体 顔を削りとられた仏像

9世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと、1つの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。無関係に見える2つの事柄の接点とは?日本シリーズに沸く福岡、その裏で跋扈する2つの力。複雑怪奇な事件の解を、名探偵・石動戯作(いするぎぎさく)は、導き出せるのか?賛否両論、前代未聞、超絶技巧の問題作。
(講談社公式HPより)


<感想>
石動戯作シリーズの2作目。
シリーズには他に「美濃牛」、「鏡の中は日曜日」、「樒/榁」、「キマイラの新しい城」(シリーズ刊行順)がある。

中でも「黒い仏」はともかく凄い作品。
いきなりネタバレすると「黒い仏」=「クロイフツ」=「クロフツ」、これにクロフツの代表作の「樽」が絡んで来る。
「樽」といえば、被害者を樽で運んだことによりアリバイが崩れ犯行を成立させたわけだが本作ではそれが全てではない。これがミソ。

2001年に早川書房の「SFが読みたい!」で第8位にランクインした……といえば本筋にどんなトリックが潜んでいるか想像できるのでは?
興味のある人は<ネタバレあらすじ>をどうぞ!!

<ネタバレあらすじ>
主人公・石動戯作(いするぎぎさく)は冴えない探偵。
今日も助手のアントニオと共にぱっとしない依頼をこなしていた。

そんな中、天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しを依頼された石動。
早速、福岡にまで出かけたところ、榊原隆一という若者が指紋のひとつもない部屋で殺害される事件に遭遇する。
不可能犯罪である榊原殺害に興味を示す石動。

実は榊原は偽名で慈念という名の僧だった。
そして、石動の周囲に蠢く黒智爾観世音菩薩(通称・クロミ様)を崇め奉る安蘭寺の住職・星慧の影。
星慧と敵対する僧・夢求に石動は事件から手をひくよう警告される。
異能の力を持つアントニオもまた星慧に怯え、石動に手をひくよう勧める。

だが、天邪鬼な石動は俄然やる気を燃やしてしまう。
ついには秘宝探しを達成するとともに、慈念殺害犯が星慧の部下であることを突きとめる。
F.W.クロフツの「樽」と同じく、被害者を移動させる方法で不可能犯罪を成立させたというのだ。
犯行が暴かれたにも関わらず喜ぶ星慧。
怯えを強くするアントニオに連れられその場を逃げ去る石動。

実は星慧たちは闇の世界に属する怪物たち。
慈念は夢求と共に星慧の野望を挫く為に戦っていた。
不可能犯罪もなにも怪物による異能を用いた犯行だった為、関係なかったのだ。
だが、石動によって現実での犯行方法が示唆された。
異能以外に犯行方法があると知った星慧は石動の推理に感服しつつ、その石動の方法で慈念を殺害する様部下に指示。
部下は過去へと飛び、石動の提唱したトリックを用いて犯行に及ぶ。
その後、自首することに。

だが、もはや星慧にはそのような世俗のことには興味が無かった。
彼の野望は世の中に闇を降ろし、世界を破滅させること。
その為の秘宝の在処も石動が教えてくれた。
これで星慧の野望を阻む障害は無くなった……。

一方、夢求は星慧との絶望的な力の差を感じながらも最後の戦いに臨む。
アントニオは夢求の勝利を願いつつもそれが適わないことを感じ、石動を連れその地を脱出する
こうして、光と闇の最終戦争(ハルマゲドン)が人知れず行われようとしていた―――エンド。

「黒い仏 (講談社文庫)」です!!
黒い仏 (講談社文庫)





「美濃牛 (講談社文庫)」です!!
美濃牛 (講談社文庫)





「鏡の中は日曜日 (講談社文庫)」です!!
鏡の中は日曜日 (講談社文庫)





「キマイラの新しい城 (講談社文庫)」です!!
キマイラの新しい城 (講談社文庫)





◆殊能将之先生のその他の作品はこちら。



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