2010年07月31日

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅〜新宿着あずさ22号の殺人同乗者・消えた姉と三千万の行方…顔のない脅迫者を追う!!」(7月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅〜新宿着あずさ22号の殺人同乗者・消えた姉と三千万の行方…顔のない脅迫者を追う!!」(7月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

森村誠一の終着駅1


東京・西新宿の廃墟スタジオで絞殺された男性の死体が発見される事件が発生、新宿西署の牛尾刑事(片岡鶴太郎)は現場に急行する。
被害者は、カメラマンの軍司弘之(近藤公園)。軍司はその日、現場となった廃墟スタジオで撮影を行う予定で、被写体は“大物”だと周囲に思わせぶりに話していたという。だが、彼はカメラマンといってもまったくの無名の“自称カメラマン”で、大物を撮影できるほどの腕前もなく、プロとしての収入も得ていなかった。それなのに高級マンションに住み、外車を乗り回し、西麻布でバーを経営するなど豪勢な暮らしを送っていた。
バーの従業員・浅川真(松田悟志)や常連客の三上潤子(青山倫子)は思い当たることはないと証言するが、牛尾はなぜ軍司がそんなに金を持っていたのか、そして撮影する予定だった“大物”とは誰なのかが気になった。
調べてみると、軍司は生前、人気急上昇中のタレント・宮地あずさ(高山侑子)のヌード写真を撮ると息巻いていたとわかる。だが、あずさ本人も所属事務所社長の水間達彦(甲本雅裕)も、軍司とは面識がないと話す。
そんな中、牛尾は妻・澄江(岡江久美子)との会話の中で、あずさが長野県茅野市の出身であり、特急列車“あずさ号”に乗って上京したことにちなみ、あずさという芸名をつけたことを知る。あずさの本名は、宮地由起子というらしい。
軍司の出身も茅野市郊外だったことから、2人の接点が上京前にあるのではないかと考えた牛尾は茅野に向かう。聞き込みをしても2人のあいだには何のつながりも見つからなかったが、牛尾は気になることを耳にする。あずさの親友・村木葉子(小林きな子)の話によると、もともとあずさが上京したのは芸能界デビューが目的ではなく、行方不明の姉を探すためだったというのだ。あずさの姉・杏子は5年前に上京したが、2年ほど前からまったく連絡が取れなくなってしまったという。あずさは以前、「姉はすでに誰かに殺されているのではないか」と葉子に不安を打ち明けていた。
ところが、その葉子がもらした言葉――あずさが東京に向かったのが昨年の3月24日――と聞いたことから、思いがけない接点が浮かび上がった。軍司もなんと同じ日にあずさ号に乗って上京していたのだ。さらに、昨年、3000万円の現金を持ったまま行方がわからなくなっている自動車修理工場経営者・暮坂武雄(石田太郎)も、同じ3月24日にあずさ号で上京していたことが判明した。
3人は、昨年3月24日、あずさ号の中で知り合ったのではないか…!?  そして、大金と共に消えた暮坂は、今…!? 
まさに“運命のめぐり合わせ”が生んだ複雑な事件の淵に牛尾刑事がたどり着いたとき、こんどはなんと茅野市内で浅川が殺される事件が発生して…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから……

あずさの事務所社長である水間。
彼の素行の悪さが牛尾の捜査により明らかになっていく。
水間は地方を巡っては豪遊、そこでめぼしい女性に声をかけてはスカウトした後、自分の愛人兼タレントにするらしい。
宮地由起子の姉・杏子もそんな被害者のひとりなのか……牛尾の脳裏を由起子の顔がよぎる。

その直後、浅川が滝から転落死する。
牛尾は何者かによる殺害を疑う。
浅川も軍司や暮坂同様、3月24日に特急あずさに乗っていたことが判明。
3月24日以降、妙に金回りがよくなったとの情報と併せて「浅川と軍司が暮坂を殺害し金を奪ったのでは」と考える捜査本部。
そして「軍司が死亡した件に絡んで浅川が誰かを脅迫しその結果殺害されたのでは」と考えを進める。

3月25日から27日にかけて水間が車を放置していたとの情報が捜査本部に入る。
水間は直後に廃車しており、暮坂の死体を運搬する際使われたとの見解に固まる。
同時に杏子の死体処理も行われたのではとの疑惑も浮上。

軍司が兄に託した鉢植えからUSBが出てくる。
そこには「暮坂を埋めた場所」の表記が。
そこは奥多摩だった。

由起子が牛尾を訪ねて来る。
彼女によれば3月24日あずさ号内で軍司と浅川に出会っていたと云う。
互いに自己紹介をすませた彼らはその後全く別の道を歩んだのだ。
そして、牛尾は由起子の口から水間に口止めをされていたこと、水間には軍司殺害時にアリバイが存在しないことを告げられるのだった……。

由起子の証言も手伝って拘束された水間。
宮地家の墓を訪ねた牛尾はそこに置かれたプリンを見て三上潤子を思い出す。

三上を呼び出した牛尾。
衝撃の事実を告げる―――三上こそは由起子の姉・杏子その人だった。
杏子は生きていたのだ。

ついに杏子の口から2年前の真実が明らかに。
水間にスカウトされた杏子だったが、蔑ろにされ追いやられてしまう。
憤りを感じていたある日、水間の婚約を知り激昂。
詰め寄ったが返り討ちにされ、首を絞められ気絶してしまった。
それを見た水間は「殺してしまった」と早合点。
自分の車で運ぶ最中、煙草が欲しくなり立ち寄ったコンビニで杏子ごと車を盗まれてしまう。

この車を盗んだのは浅川と軍司。
彼らはその直前に暮坂を殺害し現金を奪取しており、運搬用の車を欲していたのだ。
偶然、杏子を助け出した彼らは杏子の提案で死体のふりをした杏子を撮影。
水間にその写真を送り付け、脅迫していたのだ。

一方、水間。
煙草の吸殻や軍司の車から採取された指紋が水間の物と一致。
これにより、事務所のドル箱であるあずさのヌード写真を撮影させるよう脅迫してきた軍司に逆上し、これからも利用され続けるぐらいならと殺害したことを認める。

その頃、取調室の杏子は浅川殺害について語り出す。
浅川は軍司殺害が水間による犯行と看破。
水間とあずさを脅迫し金にするつもりだった。
それを聞いた杏子は取り分の問題で二人より一人、いずれ自分も邪魔になれば浅川に殺害されると感じ先手を打って浅川を殺害したと供述する。

だが、牛尾はそれを否定。
杏子があずさ―――妹・由起子を守るために浅川を殺害したと述べる。
「絆なんて重いだけよ」牛尾の言葉に反撥する杏子だが、牛尾から由起子の「お姉ちゃんはお姉ちゃんの人生を生きて」という伝言を聞き涙する。

由起子はアイドルを辞め東京を去った、故郷に帰るそうだ。
新宿―――そこは夢を持つ者が訪れる土地、だが誰もがそれを叶えられるわけではない―――エンド。

<感想>

やはり、このシリーズはイイ!!
前作「灯」でも感じたけど、淡々と牛尾を演じる片岡さんが渋い。
片岡さんの演技もあるんだろうけど、なにより朴訥な牛尾のイメージに片岡さんがぴったりマッチしてる……まさにキャスティングの妙だな。
坂本課長役の秋野さん(髪形変えてましたね)との掛け合いも「京都殺人案内」の“音やん”と“課長”の域に近付きつつある(まだ達してはいないが)と思う。
次が楽しみになるシリーズだ!!

・ワンポイント豆知識
今回のゲスト、石田太郎さん。
実は刑事コロンボのコロンボ役で後期から声優をされています。
ご存知でしたか?

◆関連過去記事
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原作者・森村誠一先生に関する記事はこちら。
クリスマス(12月24日)の森村誠一さん!!

アタミステリーへの誘い……

<キャスト>
牛尾正直:片岡鶴太郎
牛尾澄枝:岡江久美子
坂本課長:秋野太作
大上刑事:東根作寿英
山路刑事:徳井 優
水間達彦:甲本雅裕
三上潤子:青山倫子
宮地由起子:高山侑子
軍司弘之:近藤公園
浅川 真:松田悟志
暮坂武雄:石田太郎ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


ドラマ原作「終着駅 (角川文庫)」です!!
終着駅 (角川文庫)





こちらは上の集英社版「終着駅 (集英社文庫)」です!!
終着駅 (集英社文庫)





◆森村誠一先生が描く“牛尾刑事シリーズ”はこちら。

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