<5&6話ネタバレあらすじ>
車教授と「シャーロッキアン」仲間である桜井の娘・由香が失踪。
桜井に相談された車教授は由香捜しを手伝う。
由香が愛理の書店のバイト仲間だったこともあり、愛理も車教授に協力することに。
桜井によれば、近々再婚する予定がありその再婚相手への反発が今回の事態を招いたのではないかとのことだった。
再婚相手の女性も桜井宅に到着し、心当たりを捜す愛理たち。
由香の失踪を「傘を取りに行ったまま姿を消したジェイムズ・フィリモア氏のようだ」と語る教授。
愛理は由香が「急いで大人にはなりたくない」と語っていたことを桜井たちに告げる。
ショックを受ける桜井とその再婚相手の女性。
桜井が由香から受けた最後の電話の電話番号が残されていたことから、由香が愛理のバイト先から連絡してきたことが判明。
慌てて書店へと向かう愛理たち。
その様子を眺めながらリビングでそっとエアコンのスイッチを入れる桜井の婚約者。
当のバイト先はビルのメンテナンスの為、出入りが出来ず無人の状態。
これでは由香も電話することは出来ない筈、頭を悩ます愛理にある閃きが!!
急いで桜井宅へと戻る一行。
先程話し合っていたリビングのクローゼットを開ける愛理。
そこには疲れ果て子供のように眠りこけた由香が居た。
由香は桜井の再婚に反対し桜井の気をひく為に失踪事件を演じ、屋内に身を潜めていたのだ。
バイト先の書店と桜井宅は崖の上と下という立地から、往復には時間がかかるが直線距離にしてほんの数百メートル程度。
据え置き型の親子電話を使用している書店から子機を持ち出した由香は電波の届く自宅からそれを使い桜井に電話したのだった。
娘の無事を知り、涙を流す桜井。
後は家族の問題として桜井宅を辞去する愛理と車教授。
「(桜井家は)大丈夫なのかな?」と不安げな愛理に太鼓判を押す教授。
教授にはある確信があったのだ。
エアコンについて触れる教授に愛理も遅まきながら事実に気付く。
そう、桜井の婚約者は義理の娘となる由香が近くに隠れていると察して、体調を崩さないよう配慮しエアコンを入れたのだ。
由香と親しい愛理でさえなかなか気付けなかったことを婚約者はすぐに気付いた。
それだけ由香のことを気にかけている証拠だと述べる教授。
最初は揉めてもすぐに上手くいくだろうと微笑むのだった―――エンド。
<感想>
6話中で言及されていた「傘を取りに行ったまま姿を消したジェイムズ・フィリモア氏の失踪事件」とは「ソア橋」にて触れられていた未発表事件のこと。
今回はその現代版に挑戦といった趣でしょうか。
ちなみにこの正典に記載された「ジェィムズ・フィリモア氏の失踪事件」に挑んだ作品があります。
それが「シャーロック・ホームズの災難[上]」(ハヤカワ書房)収録の「ジェィムズ・フィリモア氏の失踪」。
時代設定は1943年とされ、扱いもホームズ譚ではなくエラリイ・クイーンが解決するというある種のパスティーシュもの。
同趣旨の試みである「日本版 シャーロック・ホームズの災難」もあります。
興味のある方は下記にアマゾンリンクを用意したのでそちらをどうぞ!!
で、本作については「フィリモア氏の失踪」現代版とは云え、それ自体を活かした内容とは言い難く、あくまで存在を紹介するに留まった感じ。
ただし、これに父娘の愛情を絡めておりそこが心地よい読後感を伴わせています。
ちょっと首を傾げたのが友人・桜井氏が悩んでいるのにも関わらず「フィリモア氏の失踪」を持ちだして来た教授の態度。
とはいえ、ここが車教授らしいといえばらしいのかもしれません。
注目すべき点としては、4話でレビューした車教授と愛理の関係を匂わせるような描写(桜井父娘と対比させた?)。
これについては今後も目が離せそうにありません、7話が楽しみです。
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・WEB漫画アクション
http://webaction.jp/
◆関連過去記事
・双葉社刊「漫画アクション」にてホームズミステリー「シャーロッキアン!」(池田邦彦作)連載中!!
・双葉社刊「漫画アクション」連載「シャーロッキアン!」第4話ネタバレ批評(レビュー)
エラリイ・クイーンが「ジェィムズ・フィリモア氏の失踪」に挑んだ「シャーロック・ホームズの災難 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2‐38))」です!!
シャーロック・ホームズの災難 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2‐38))
シャーロック・ホームズの災難 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2‐38))
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