2010年08月21日

「森江春策の災難」(芦辺拓著)

というわけで(どんなわけだろう……)、「探偵Xからの挑戦状!」シーズン1より「森江春策の災難」(芦辺拓著)うろ覚え批評(レビュー)です!!

曖昧な記憶に基づき構成されております。
かなりあやふやです。
正確性に欠けています。
はっきり云えば不正確です。
原典に当たりたい方は本記事最下部アマゾンリンクにある文庫版を読まれることをお勧めします。

<感想>

著者が作中にて宣言した「叙述トリックはないよ!!」こそが実は叙述トリックだったと騒がれた作品。
新島ともかについての描写と菊園検事のある行動がフェアかアンフェアかで物議を醸しました。

それと上記叙述以外で犯人の行ったトリックがあまり意味のないものだったことも記憶に残っています。
どちらかといえば著者の狙ったメイントリックは叙述のみでその後の工作に関しては後付けっぽい。
なにしろ、あの工作するぐらいならそのまま逃げ出せばいいので……。
森江に罪を着せるというのも違うだろうし、犯人の目的が不明……。

管理人的には森江春策シリーズに免疫があったのでセーフですが経験がなければアウトと捉える人も多いかもしれません。
シリーズものに於いてシリーズキャラを知っていることがいかに大事かを知らされた作品です。

ちなみにネタバレあらすじにおいては上記の物議を醸した箇所を出来るだけ表現を和らげて記述してます。
その点でも本編とは違うことをご了承ください。

<ネタバレあらすじ>

森江春策は弁護士である。
一見頼りなくぱっとしない風貌だがその実力は高い。
そんな彼の力を借りるべく依頼人は彼の事務所を訪れる。

とある女性が“森江春策事務所”に足を踏み入れた。
部屋の中央にあるデスクには一人の男性が腰かけていた。
彼女はその人物をどこか訝しげな視線で見詰める。
視線の先の人物は照れ笑いを浮かべながら女性を迎え入れた。
「森江春策事務所へようこそ。私が主の森江春策です」
その言葉を聞いた女性は尚更不可思議な表情を浮かべている。
「そうがっかりした表情をしないでください。確かに私は頼りなげに見られますがこれでも実績はあるんですよ」
森江と名乗る男は儚い威厳を絞り出すように胸をそらせた。
それを見て女性は流石に失礼だと思ったのか、いずまいを正すと改めて森江へと向き直った。
「これは失礼しました。私は加江田マヨと申します。噂に聞く森江先生にお助け願おうとこうして足を運んだのですが……」
そのまま、言い淀む。
成程、いざやって来たものの森江の容姿を見て拍子抜けしたがゆえのあの反応というわけか。
納得した森江は加江田と名乗る女性を室内へと案内した。

「現在、社会問題としてニュースで連日取り上げられているあの案件を抱えていましてね……」
暫し加江田と話をする森江だったが、加江田からは一向に依頼の内容が出てこない。
そのうちに加江田は「所用がある」として一旦外へと出て行ってしまった。
加江田の不審な行動を奇妙に思う森江。
そこへ電話が呼び出し音を奏でる。
留守番電話へと切り替わった途端、聞こえて来たのは女性の声だった。
「あ、菊園ですが―――」
菊園検事だ。
「以前、あなたに告発された花村カオルがそれを恨みに思ってあなたを狙ってるみたいなの。身辺に気をつけてね、じゃ!!」
ツーツー……留守番電話とはいえ一息に用件を述べるとそのまま切ってしまった。
呆気にとられた森江。
彼が事件に巻き込まれるのはこの直後のことである。

加江田が事務所へと再びやって来たのはその数分後のことだ。
彼女は自分の前を歩く不審なコート男を見かけていた。
その男の目的地も森江事務所らしい―――と察した加江田は苦笑した。
やがて自分の目の前で男が森江事務所へと消えて行った直後、室内で何か大きな物音(悲鳴なような……)がした。
加江田は慌てると共に中で何が起こっているのか確認すべくその扉に手をかけた。
彼女が見たのは―――入口付近の床に血塗れで倒れ込んだコート男と立ち尽くす森江の姿だった……。

騒ぎはすぐに周辺に伝わり野次馬と警察がやってくる運びとなる。
そんな野次馬をかきわけて彼女は現われた、菊園検事である。
彼女は室内を一目見るなり叫んだ。
「花村カオル……あんたが何故ここに!?」

そのときである!!
部屋の隅に置かれたロッカーが大きく揺れ動いたのは!!

以上で問題編は終了。
さて、誰がコート男を殺害したのでしょうか?
では、解答編をどうぞ!!

ロッカーの口が開き、中から男性を吐き出したのはその時だった。
ロッカーの中から転げ出た男性を見て加江田は大きな衝撃を受けた。
「森江先生、そこにいらっしゃったんですか!!」
叫ぶ加江田。縛りあげられた男に近寄るとその戒めを解いた。
菊園も驚きながら近付いて行く。
だが、縛られた男を暫し見詰めるとハッとした表情で警官に指示を出した。
「その男を逃がさないで!!」
こうして、その男―――加江田に森江春策を名乗っていた男はあっという間に警官たちによって取り押さえられた。
男は偽の森江春策だったのである……。

本物の森江春策は解放されるや否やすべてを語り始めた。
事務所で仕事中に偽森江に襲われたこと。
縛りあげられロッカーに閉じ込められたこと。
偽森江の目的は本人が加江田に口にしたように社会問題となっているある案件に関する資料を奪いに来たこと。
そこへ加江田がやって来たために偽物が森江のふりをしたこと。
加江田の後にコート男が乱入し、いきなり偽森江を襲ったこと。
偽森江はコート男と乱闘になりコート男を殺害してしまったこと。
そこで偽森江はコートを着込みコート男の振りをして一旦裏から事務所の外へ出て加江田の目につくように振舞った後、事務所へと戻り騒ぎ立てたこと。

すべてを聞いた菊園は感嘆するとともに呆れ果てるのだった。
「まさか、一日にニ度も襲われた挙句、襲撃者同士がかちあうなんてねぇ…」
そう、死んだコート男こそ花村カオルだった。
花村は憎き森江へ復讐すべく襲いかかったが、それは全くの別人・偽森江だったのだ。

そして、依頼人・加江田マヨの正体は森江の助手・新島まどかだった。
新島は事務所に居座る偽物の目的と本物の森江の安否を確かめるべく芝居をうったのだ。
事件は始まる前から終わっていたのである―――エンド。

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posted by 俺 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 探偵Xからの挑戦状! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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