2010年8月23日追記:2作目である「月曜ゴールデン 警視庁南平班〜七人の刑事2〜「伝説再び蘇る!!謎の渓谷殺人事件!死者は何を語る…遺体に残る三本の傷跡と裂けた家族写真の驚愕の真実とは!?復讐に燃えた不滅の愛…」(8月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)」追加しました!!
<あらすじ>
東京都、荒川の河川敷で自動車が炎上、爆発し、車内から男の焼死体が発見された。警視庁捜査一課南部班(通称・南平班)の班長、南部平蔵(村上弘明)と六人の部下が現場に向かう。遺体の損傷が激しく手掛かりは乏しい。その時、栃木県の那須と埼玉県岩槻市で同じ時刻に同様の事件が起きていたことが分かり、細谷玲子(伊藤かずえ)と富井健次(前田健)は那須へ、溝口史郎(火野正平)と友木哲也(藤沢大悟)は岩槻へ向かう。南部と高村六郎(鈴木一真)は東京で聞込みを開始。菅原雄一郎(小沢和義)はテロの可能性を探る。警視庁は複数犯による殺人事件との見かたを強め、広域重要指定127号事件に指定して捜査を強化する。遺体の血液型と歯の治療痕から次第に被害者の身元が明らかになる。驚いたことに、殺された白石建夫(池田政典)と湯原高道(川崎麻世)、赤木徹(岡田謙)はある製薬会社の関係者だと分かる。南部は白石の妻、百合子(伊藤裕子)と湯原の妻、麻美(遊井亮子)から事情を聞くが、謎は深まるばかり。やがて殺された三人が、二年前に白石が交通事故を起こした時、同じ車に乗り合わせていたことが判明する。この事故では若い女性が乗った車が炎上し、女性は悲惨な死を遂げていた。南平班の七人は、女性の恋人だったテニスのインストラクター、北山修二(鹿内大嗣)と百合子が共謀して復讐を果たしたのではないかと推理を働かせる。そんな矢先、百合子の遺体が神奈川県のある海岸に打上げられた。百合子と北山の靴が崖の上から発見され、二人は心中したように思われた。しかし南部には疑惑が残る。犯人はどのようにして同時に三台の車を爆破させたのか?遺体が見つからない北山はどこへ消えたのか?南部は微かな糸口を頼りに事件の真相に迫る…。
(公式HPより)
では、続きから……
ひょんなことから同時に三台の車を爆破させた方法が虫眼鏡の理論を利用した発火装置だと気付く南部。
犯人は事前に車の窓を割り、破片にレンズを紛れ込ませた上で太陽の直射日光を集める位置に黒く塗った紙と油を染み込ませたティッシュペーパーを設置。
レンズが光を収束する熱で発火させたと看破する。
こうして大人数でなくとも犯行が可能であると立証した南部は消えた北山の手掛かりが余りに少な過ぎたことに着目。
北山以外の何者かの関与を見抜く。
南部の指示に従い捜査を進めた南平班のメンバーはやがて死亡した白石と北山の入替りの可能性に思い当たる。
裏付け捜査により、北山が白石と名乗って歯科に通っていたことが判明。
白石の代わりに北山が最初の被害者だったと結論付ける。
しかも、白石が起こしたとされる二年前の交通事故も湯原によるものだと明らかに。
事此処に至り白石こそが真犯人であると断定した南部はもうひとり共犯者の存在を指摘。
湯原の妻・麻美に揺さぶりをかける。
直後に行動し始める麻美。
向かった先は湯原の別荘だった。
南平班の細谷玲子の活躍で別荘内へと踏み込んだ南部たちは生きていた白石と麻美を逮捕する。
実は白石と麻美は元恋人同士。
だが、白石は学生時代から金持ちの湯原に頭が上がらず就職まで世話してもらってからは絶対服従していた。
そこで湯原は当時自分の恋人だった百合子を白石に押し付け、白石から麻美を奪い結婚したのだった。
しかし、白石と麻美の関係は互いの結婚後も不倫という形で続いておりそれが金銭欲と結びついて今回の犯行に至ったらしい。
湯原、北山、赤木を殺したのは麻美に湯原の財産を相続させ二人のものにするためのカモフラージュだった。
百合子は白石の生存を知らず、北山との心中を演出する為に麻美に殺害された。
ここまでは突き止めた南部だったが、白石は犯行を否定し麻美の単独犯だと主張する。
麻美もまた白石の犯行への関与を否定してしまう。
発火装置のトリックがあるとはいえ到底ひとりでは為し得ない犯罪である以上、白石の関与は間違いない!!
そう考えた南部は白石に自供させることを堅く心に誓うのだった―――エンド。
<感想>
原作は鳥羽亮先生の「警視庁捜査一課南平班」シリーズの一冊「広域指定127号事件―警視庁捜査一課南平班」。
興味のある方は本記事下部のアマゾンリンクよりどうぞ!!
ストーリー部分では、正直、「規模の割には効果の薄いトリックだな〜〜〜」との感想を持った。
発火装置が理科の実験みたいなのも微妙だったが、装置を仕掛けたまま割と人目につく所に一晩放置しなければならないという前提条件に違和感を覚えたのがその理由。
車のガラスを割っておかなければならない以上、誰かが不審に思って覗き込む事も充分あり得たのでは?
かといって人目につかない所に置いておくわけにもいかず(同時発火の意味がない)、このトリックは労力の割には報われない、蓋然性がない……。
トリックを解明するためのトリックだとの印象を受けた。
ラストも尻切れトンボの感を拭えなかった。
ストーリー的には「あんまり……」かな。
とはいえキャストに関しては言うことなし。
村上弘明さんの南平はハマリ役。
23日(月)夜より放送の第2作目に注目したい!!
ここで気になる点がひとつ。
実は月曜ゴールデン(21時)は「ハンチョウ」(20時)の後番組。
「ハンチョウ」は構成的に南平班と似た感じのドラマなので連続して視聴すると被り(既視感)を感じるかもしれない。
ここが視聴者にどう評価されるかがポイントだろう。
<キャスト>
村上弘明
○
鈴木一真
○
伊藤かずえ
○
火野正平
○
小沢和義
前田健
藤沢大悟
○
岡田奈々
○
遊井亮子
伊藤裕子
○
川崎麻世
池田政典
岡田 謙
鹿内大嗣 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
◆その他の鳥羽亮先生「警視庁捜査一課南平班」シリーズはこちら。
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