<ネタバレあらすじ>
「犯人はこの中に居る!!」といつもの決め台詞を口にする金田一&明智。
その隣には剣持、美雪の姿も。
早速、明智と金田一は一堂に会した容疑者相手に推理を披露することに。
今回の志田機長殺しが煙玉騒動後ではなく、“煙玉騒動の最中に行われていた”と指摘する金田一。
そもそも犯人は次の2つの大きなミスをおかしていた(2話参照)。
明智が疑問に思った点は「煙玉騒動時に機長が操縦室から不用意に出てきた」こと。
金田一が疑問に思った点は「煙玉騒動時に操縦室に居た筈の副操縦士・小金井から煙玉の匂いがし、逆に客室に居た筈のCA加賀谷から煙玉の匂いがしなかった」こと。
この2点により金田一と明智は副操縦士・小金井とCA・加賀谷を犯人と断定する。
志田機長殺害方法はこうだ。
煙玉騒動発生と同時に機長をクロロホルムで眠らせる。
小金井が機長になりすまし客室で応対する中、CA・加賀谷が機長を絞殺。
後に小金井が変装を解き自分の姿で人前に現れたのだった。
あっさり犯行を認める小金井と加賀谷。
動機は加賀谷は過去に志田機長にフラれ恨みに思っていた為。
小金井は密輸していたことが機長にバレた為。
ここで唐突に仲間割れを始める二人。
激昂した加賀谷が皆の目の前で小金井をペンで刺し殺害してしまう。
これでは機長も副操縦士もいない飛行機は墜落してしまう!!
慌てる金田一たちを尻目にひとり冷静な男が居た!!
無事、着陸出来た飛行機。
その理由は明智が操縦できたからだった―――終わり。
<感想>
一部端折ってますがネタバレあらすじにある通りです。
ただし、あらすじは残り2ページくらいの段階で止まってます。
最期まで読めませんでした……こんなのは久しぶりです。
注意:ここから、愚痴になります。
読んで不愉快な気持ちになるかもしれません。
それでも良いと思われた方、管理人と同じ気持ちの方のみお読み下さい。
コレは脱力系短編でした。
これなら明智ひとりのストーリーにした方が良かったのでは?
活躍振りからして明智のための話なんだろうけど、それにしては金田一も出てるしよくわからん。
なんだかなぁ……。
ちなみに一応、犯人もトリックも予想の範疇でしたが、トリックも無茶苦茶なら推理も無茶苦茶だった……なんだかなぁ……。
まず、トリック。
小金井が犯人ならあんな小細工いらねぇ。
小金井にとってはアリバイも成立してないし(小金井ならば絞殺後5分を考慮に入れても機長と交代時に殺害可能なため)。
加賀谷が無理に絞殺を引き受ける必要もない。
普通に機長と入れ替わり工作を行った際に絞殺してしまえばよいだけ(あくまで機長の死体は絞殺後5分以上経過しているのでそれ以前ならば犯行はいつでもよい)。
これなら小金井ひとりで充分。
もう、トリックが成立していない。
犯人は二人もいらない。
なんだかなぁ……。
次に、推理。
明智はともかく金田一の推理のとっかかり(匂い)は無茶苦茶。
金田一自身が煙玉の匂いを身につけている以上、他者の身体から匂いがしたかどうかなど臭気判定士でもない限りは分かるわけがない。
しかも、それは主観情報だからあてにならない。
で、トリックトリック言うけどそのトリックも上記の通り無茶苦茶なモノで成立すらしていない。
なにより、犯人が二人であるメリットもないのに何故二人だと分かるのか?
金田一たちは読者と違い事前に犯人が二人組であることを知らないのだから無理に共犯説を持ちだす必要は無い筈なのに。
これなら普通に小金井が煙玉騒動の直後に機長(もちろん、客室で応対したのは本物になる)と交代した隙に機長を絞殺したで充分。
どうしてもトリックが必要なら、煙玉騒動時の機長は小金井でいいけど機長は変装前に殺されてて小金井の単独犯でいいじゃない。
無理に二人組にする必要なんてないだろうに。
今回のは推理ではなく、でっちあげと言っても過言ではないレベル……本当に酷い……。
第一、劇中人物にとってはどう考えても小金井が最有力容疑者になってしまうのも酷い。
@死体発見!!
A最期に被害者に会ったのは副操縦士。
B副操縦士・小金井が最有力容疑者。
のコンボが発動しないのが不思議だ。
あんな華麗な推理の跳躍(飛び過ぎているので飛躍ではない)を見せるくらいならこちらに先に気付くだろうに。
結局、トリックがあろうがなかろうが小金井が最有力容疑者になってしまう……なんだかなぁ……。
で、仲間割れ。
小金井死亡。
ラストで明智が操縦。
きっと、コレ(明智が操縦)がやりたかったんだろうなぁ……今回の話は。
だったらなんで金田一を登場させたのだろう?
なぜ、小金井の単独犯行にしなかったのだろう?
それさえきっちりしてれば問題なかったのになぁ……。
なんだかなぁ……。
やべっ、なんか熱く語ってしまった(恥ずかしい……)。
それもこれもこの話(高度1万メートルの殺人)に真剣に取り組んじゃったからなんだけど、読者として騙された気がしないでもない。
犯行に必要性が感じられなければ、トリックにも必要性が感じられない。
なんだかなぁ……。
ひょっとすると小金井も犯人じゃなくて裏になにか真相が隠されているんじゃないかとすら勘繰っちゃうようなお話でした。
とりあえず「高度1万メートルの殺人」のことは忘れて、次のシリーズに期待です!!
うん、そうだ。
この話も、落ち着いたらいい想い出になるかもしれないし、うん。
◆関連過去記事
・「金田一少年の事件簿」より「高度1万メートルの殺人」1話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「高度1万メートルの殺人」2話ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
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◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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飛行機で殺人が起きて結果的に機長が操縦できなくなるというところで、どうしても名探偵コナンの「銀翼の奇術師」と比べてしまいました。
あちらはコナン・キッド・地上で待機している警察の全員が協力をしてぎりぎりで着陸成功という結果だったので、こちらはずいぶんあっさり終わってしまって残念でした。短編なので仕方ないですが。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
なるほど、何処かで既視感があると思っていましたが「銀翼の奇術師」だったんですね。
やっぱり、短編ゆえのところもあるのかもしれませんね。