ネタバレあります、注意!!
金曜22時放送、全11話。
<あらすじ>
とある住宅街で発生した小学生誘拐事件。犯人はクイズ形式のメールで警察を翻弄。警視庁の蓮見管理官は、読心能力を持つ捜査員・桐子カヲルを派遣する。複雑に絡み合った愛憎関係、そして家族のきずな。クイズ・メールを送りつける犯人の真の目的は?
スタイリッシュな映像、研ぎ澄まされたストーリー、不可解な心理描写で、単純な誘拐サスペンスに終わることなく視聴者を惹きつけた傑作シリーズ。過去にトラウマを持つ女捜査員・桐子を演じた財前直見が、人格同一障害を持つ刑事というこれまでにない役を好演。また「トリック」ではヅラ愛用のギャグ刑事を演じた生瀬勝久が、ここでは桐子をライバル視するエリート刑事を演じ、新たなファンを獲得した。
複雑に入り組んだストーリーゆえ、1話見逃すと理解不能に陥りがちな内容だが、実は植田博樹プロデューサーが意図したのは、「ひとつの事件がきっかけで、再生する家族」を表現することだったという。そうした作り手の志は確かに貫かれたドラマであり、真犯人が誰であるか?との興味を引きずりながら、その裏に隠された意外な人間関係や、徐々にお互いを認め合っていく桐子と緒沢、白砂(内藤剛志)たちの描写を楽しむことが出来る。ただし真犯人が露呈する最終回は釈然としない内容に終始してしまい、その志と描写との間にギャップが感じられるあたりは残念。(斉藤守彦)
(アマゾンドットコムさんより)
とある閑静な住宅街。
犯人から嘲笑うかのような一通のメールが被害者宅へと届く。
「あなたの いちばん たいせつなもの なーんだ ひんと すでになくなっています」
不気味なメール……そのクイズの答えは“一人息子”だった。
こうして誘拐されてしまった子供の救出を巡り、警視庁の蓮見管理官(竜雷太)はトラウマを抱いた女性刑事・桐子カヲルを送り込む。
刻一刻と被害者は増大し、謎の誘拐犯の脅威は日に日に増すばかり。
桐子カヲルの捜査により、被害者家族の関係が不倫などにより家庭崩壊寸前まで達していたことが判明。
さらに便乗犯の暗躍もあり、事態は混迷を深める。
そんな中、被害者父兄のひとり・石原滋郎(徳井優)が全身に数え切れないほどのボウガンの矢を撃ち込まれた死体で発見される。
死体のそばには瓶の上半分が転がっていた。
桐子は瓶の上半分から「瓶上半」すなわち「便乗犯」という言葉を見出し、石原こそが便乗犯だったと看破する。
そのために真犯人より粛清されたのだ。
さらに被害者とされる子供たちの部屋から監視カメラが発見されるなど、不穏な出来事が続発。
ついに犯人と対決する覚悟を決めた桐子は単身、犯人が潜むとみられる廃工場へ乗り込む。
そこに居たのは蓮見だった……。
彼の瞳には人工的な赤い光が宿っている。
真犯人は蓮見だったのか?
いや、石原の身体に撃ち込まれたボウガンの矢の数から犯人は複数犯に違いない。
他にも犯人がいる……思いを巡らす桐子の視界にボウガンを構える子供たちの姿が映る。
そう、真犯人は被害者とされる子供たちだった。
彼らは自分たちの両親の不仲に心を痛め、また両親から顧みられることのない自らを慰めるべく、両親を振りかえらせようと今回の暴挙に踏み切ったのだ。
だが、石原は子供が誘拐されているそんな中でも自らの利益を追い求め便乗しようとしたために自らの子供の手により命を絶たれた上に他の子供たちからも制裁を受けたのだった。
そして、今また桐子も子供たちの手により制裁を受けようとしている。
だが、桐子は子供たちに「本当の愛」を伝えようと説得。
子供たちもまた「探し求めていた愛」について語る桐子に説得される。
こうして事件は解決。
この事件のお膳立てをし、子供たちを陰ながら支えていた蓮見は役目を終えると糸の切れたマリオネットのように動かなくなった。
彼の瞳からはあの人工的な光は消え去っていた―――エンド。
<感想>
「真犯人は誰だ!?」を合言葉に毎週金曜日に放送されていた番組。
公式に真犯人を当てるクイズまで出題されたが犯人を当てた人間は居なかった(ウイキペディア参照)そうです。
とはいえ、管理人の周囲では割と真相を見切っていた人は多く、まことしやかに「○○○だろ〜〜〜」と言ってました。
特に最初にその説を主張した彼は当たった際にも別に感慨も無く「ふ〜〜〜ん」と冷めていたものでしたが、案外、彼自身が当たったことに驚いていたのかもしれないなぁ。
そういえば、彼はこのドラマに批判的だったっけ。
う〜〜〜ん、今思えば、このドラマは熱心に視ていた人より、斜に構えて視ていた人ほど真相を見抜いていたようにも思えるなぁ。
ファンであればあるほど「クイズの答えから遠ざかる」なんてなかなか諧謔的でいかにもこのドラマらしいのかもしれません。
加えて、真相を言い当てた人には世代等の年齢的なこともあったのかもしれない……。
俗に“エヴァ世代”と呼ばれる人々にこそ理解される土壌が存在したのかも。
良くも悪くもこのドラマもまた時代を反映したドラマだったように思いますね。
結局は制作サイドの想定していた“家族愛(絆)の復活”よりも“真犯人は誰だ?”が視聴者の興味の中心となり、ある程度まで意図的にコントロールしていたメインテーマがコントロールを離れてしまったことが「あのエンド」に繋がっているのかもしれない……。
それがこのドラマが人の口に上る際に“意外な真犯人”しかテーマにならない理由かも。
蓮見の正体についてはよく分からないが、人間では無く家族の絆を取り持つためのギミックだったということなのかな?
「一旦、役割を終えた為に眠りについた。だが、再び時(必要)が来れば彼は目覚め今回のように暗躍するのだろう」といった感じかな。
そう考えると、どことなく世紀末論も漂っているなぁ……。
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