2010年09月05日

映画「告白」&「悪人」の仕掛け人、その正体とは!?

大ヒットした映画「告白」と大ヒットしそうな映画「悪人」。
この2本に共通する事柄があります。

そう、配給会社です。
この2作を担当しているのは「東宝」。
そして、この2本に関わっている「東宝」のプロデューサーこそが“川村元気”さん。
その川村プロデューサーのインタビューが「MSN産経ニュース」さんにて取り上げられました。

ソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――

最近の日本映画で予想以上のヒットを記録したのが、人間の根底にある悪意を描いた「告白」(中島哲也監督)だ。11日には、これも人間の暗部を描く「悪人」(李相日(リサンイル)監督)が公開される。2作を手がけたのは、東宝の川村元気(げんき)プロデューサー(31)。笑いや感動を売りとする昨今の主流とは明らかに異質だが、川村氏は「誰にでも人間の“悪”の部分をのぞき見たいという欲求があるのでは」と問いかける。(伊藤徳裕)

川村元気さん
「川村元気さん」


6月に公開された「告白」は、教え子に娘を殺された中学校教師(松たか子)の復讐(ふくしゅう)を描く。登場人物の告白で語られるミステリアスな展開に加え、“衝撃的”なラストの解釈をめぐっては、ミニブログのツイッターなどネット上でも大きな話題になった。重いテーマでありながら、興行収入は36億円に達した。川村氏は「中島監督と初めて会ったとき、『人生の素晴らしさを歌い上げるだけがエンターテインメントじゃない』といわれ、それがこの映画の指標になった。今回のヒットはそれがピタリとあたった」と振り返る。

連続殺人事件をテーマにした「セブン」(米、デビッド・フィンチャー監督)、「殺人の追憶」(韓国、ポン・ジュノ監督)といった“救われない映画”に引かれるという川村氏は、中学生同士が殺し合う「バトル・ロワイアル」(深作欣二監督)がヒットした平成12年から10年間、「日本の観客は人間のダークサイドを描いた娯楽を欲しているのではないか」と考えたという。

「観客が見たいと無意識に思っている題材を映画にして『これが見たかった』と思わせるのが、この仕事の醍醐味(だいごみ)。コメディー、純愛ときて、次は人間の暗部を描いた映画が当たると読み、そこで出合ったのが『告白』と『悪人』の原作だった」

芥川賞作家、吉田修一(42)の同名小説を映画化した「悪人」は、九州北部の地方都市を舞台に、殺人を犯した男(妻夫木聡)と、彼を愛し逃避行を繰り返すヒロイン(深津絵里)を描く。事件の真相が明らかになるにつれ「誰が本当の悪人か」という疑問がわいてくる問題作だ。

「『告白』も『悪人』も悪を描いている点で入り口は同じだが、出口は全く違う。世間に悪意は満ちあふれているが、それに対抗するには、より深い悪しかないというのが『告白』。それでも自分の良心に頼って生きなければ、というのが『悪人』です」

2年後の観客が何を求めているか、いつもそのことを想像してきたという。では、次に狙っているテーマは?

「ナショナリズムです。野球やサッカーの国際試合では普段興味のない日本人も興奮する。あのモードをエンターテインメントに昇華したいんです」
(MSN産経ニュースさんより)


一方で同じ「MSN産経ニュース」さんではこんなニュースも取り上げられていました。

ソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――

映画業界がジレンマに苦しんでいる。大不況下にありながら昨年の総興行収入は前年比5.7%増の2060億円を記録。特に邦画は同1.3%増の1173億円で過去最高記録を2年連続で更新した。ただ、好調なのは大手のみで、昨春から中小の映画配給会社の倒産が続出。関係者は「不況の長期化で中小配給会社の安定経営がますます困難になっている」と危機感をあらわにしている。

一昨年のリーマン・ショック以降、出資者の激減で制作費集めにも苦労している本場、米ハリウッドは日本映画界の好調ぶりをシニカルな目で見ている。

当地の業界紙デイリー・バラエティ(電子版)は7日付で「Big players flourish in Japan(日本では大手が元気)」との見出しで現状を紹介した。

ただ、その内容は「(業界トップの)東宝とそのメディア・パートナーは元気だが、多くの中小の映画配給会社は苦しんでいる」と前向きの評価ではない。さらにDVDの総売上高が対前年比で9.7%も落ちていることも中小の経営を揺るがしていると説明する。

日本映画製作者連盟によると、総興行収入は一昨年、対前年比1.8%と微減だったが、昨年は人気作が増え、増加傾向に。総入場者数も同5.5%増の1億6929万人だった。

邦画の比率は56・9%と洋画を2年連続で上回った。興行収入は邦画が同1.3%増、洋画は一昨年に過去最低を記録した反動もあり同12.3%増と大きく伸びたものの、公開本数は同19.1%も減った。

ただ邦画も、昨年の興収1位の「ROOKIES−卒業−」(85億5000万円)をはじめ、興収10億円以上を記録した作品全34本のうち、東宝、東映など大手以外が手がけた作品はクロックワークスの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の一本だけ。大手の活況とは裏腹に、小粒ながら優れた作品を手がけてきた中小の独立系の配給会社が昨春以降、続々倒産している。

昨年4月には「ブロークバック・マウンテン」などを配給したワイズポリシー、同年8月には「ミリオンダラー・ベイビー」や「クラッシュ」などオスカー絡みの作品に強かったムービーアイ・エンタテインメントが倒産。今年1月には「パッチギ!」や「フラガール」で名をあげたシネカノン、4月には「ヅラ刑事」など個性的な作品で知られるトルネード・フィルムが店じまいした。

こうした二極化の状況について愛宕(おたぎ)威志・同連盟事務局次長は「シネコンのスクリーンを今も300−400規模で押さえる資金力があるのは大手だけ。中小は海外映画の買い付けにも苦労しており、結果として大手による寡占化が進む」と話す。

映画評論家の品田雄吉・多摩美大名誉教授(80)は「昔から映画配給の仕事はリスクが大きく不安定で、特に中小の経営を安定・継続させるのは難しい。不況の長期化でその傾向が顕著になった」と説明。「状況改善には、ミニシアター同士が横の連絡を取り合い、連携を強める必要がある。良質の小作品を効率的に上映し続ける地道な努力で市場の裾野が広がれば」としている。(岡田敏一)
(MSN産経ニュースさんより)


日本映画界の巨人「東宝」の光の陰で中小の映画会社は苦戦を続けているということになるのでしょうか。
今後もこの傾向が続くのかどうか……「映画文化」を受容する側として“観客のスタンス”を問われる日が来るのかもしれません……。

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「悪」の魅力 「告白」大ヒット 2作手がけた東宝 川村元気プロデューサー(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100903/tnr1009030740002-n1.htm

・元気なのは「東宝」だけ 中小は「エヴァンゲリオン」1本、倒産も多発(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100518/tnr1005181212012-n1.htm

◆関連過去記事

【「告白」関連過去記事】
・小説版「告白」ネタバレ書評(レビュー)はこちら。
「告白」(湊かなえ著、双葉社刊)

・コミック版「告白」ネタバレ批評(レビュー)はこちら。
コミック版「告白」(湊かなえ原作、木村まるみ画、双葉社刊)ネタバレ批評(レビュー)

・「告白」映画化過去記事はこちら

「少女」(湊かなえ著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

「贖罪」(湊かなえ著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【「悪人」関連過去記事】
「悪人」(吉田修一著、朝日文庫)ネタバレ書評(レビュー)

吉田修一さんの長編小説「悪人」映画化!!

映画「悪人」ジャパンプレミア行われる!!

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