<あらすじ>
警視庁の元敏腕刑事、鈴木五右衛門(中村梅雀)は、妻の牧恵(益戸育江)と奥多摩でペンションを営んでいる。五右衛門は、釣具屋の伊藤整次郎(樋浦勉)と一緒に釣り糸を垂れる日々を楽しんでいる。
ある日、渓流釣りをしていたペンションの宿泊客、若林直秀(中村圭太)が、吊り橋から墜落死した。若林は牧恵の知人、晴子(高松あい)の夫である。高所恐怖症の若林が、一人で吊り橋へ行くとは考えられないと、晴子は五右衛門に打ち明ける。
五右衛門のかつての同僚、八重樫久吉(村田雄浩)と後輩の城下香津美(石川梨華)が捜査を担当する。
若林は、OA機器商社の経理課長だ。同行していた上司の眞鍋晋治(布川敏和)は、若林は一人で釣りをしていたと証言する。眞鍋はさらに若林が官庁の幹部と癒着していたとほのめかす。
そして、事件の翌日、同じ山中でゴシップ記者の平田守(菊池健一郎)の絞殺死体が発見される。稲田隆蔵(中本賢)による検死結果と現場の状況から、八重樫は、不正を働いていた若林が、平田に脅迫されたため逆上して平田を殺害し、その後、自殺したのではないかと推理する。
だが五右衛門には疑問が残る。八重樫と城下もOA会社の経理書類を調べ、警察の大物幹部が事件に関わりがあるのではないかと、疑いを抱いた。
五右衛門は元刑事の鋭い着眼と、釣り人ならではの知識を駆使して推理を働かせる。五右衛門と八重樫は互いに反発しながらも情報を共有し、事件の真相に迫る…。
(公式HPより)
では、続きから……
八重樫たちの捜査により、平田の死亡推定時刻、平田宅を捜査と称して訪ねて来た警察関係者がいたことが判明。
平田宅の管理人によればやって来たのは「クロ……なんとか」という人物らしい。
さらに、眞鍋の会社が“預け”を行っていたことが八重樫たちの捜査で判明。
預けとは「金銭を一時的に他所に預けることで帳簿上に残らない金の流れを作る」こと。
この場合は眞鍋の会社がプール先となりどこかから流れて来た金を貯めていたのだ。
眞鍋によれば若林はその預け金から三千万円ほど横領していたと言う。
平田の胃の内容物から菊の花の漬物が検出される。
これは現場付近では五右衛門の妻・牧恵しか作っていないもの。
牧恵に確認したところ、田中家、伊藤家、林家など近所にお裾分けしたと云う。
事件に関わり始めた五右衛門を心配する牧恵。
五右衛門は過去に容疑者を逮捕した際、容疑者の父親とその幼い息子を無理矢理引き離してしまったというトラウマがあり、それを気に病んでいた。
もともと気の優しい五右衛門には“人を疑う仕事”が向いていなかったらしい。
そんな五右衛門、今度は“(若林の息子)幸秀の笑顔の為”に捜査をすると決意する。
捜査に乗り出した五右衛門。
たまたま、警察庁総務局参事官・柿崎(美木良介)と出会う。
五右衛門は「彼こそは誠実で信頼のおける人だよ」と香津美に語る。
香津美により、眞鍋がクラブで何者かと密会していたことが判明。
香津美の捜査は八重樫の指示によるものらしいが、当の八重樫が捜査に及び腰になっているらしい。
そんな中、香津美あてに匿名の投書が届く。
投書の内容は「消えたバイクの謎」という週刊誌の記事。
記事によれば、三年前の夜、親子三人が乗った乗用車が急に飛び出してきたバイクをかわして事故になり親子三人が全員死んでしまったという事件だった。
だが、事故の原因となったバイクは現場から忽然と消え、公式書類からもその存在が抹消されていたらしい。
記事は「事故原因となったバイクのドライバーの親が有力者であり、その権力を使い隠蔽した」と締め括っていた。
この記事を書いた記者こそ殺害された平田。
そして、この記事の事故で死亡した夫婦の妻こそ釣具屋の伊藤整次郎の娘・香織だった。
整次郎によればこの事故原因となったバイクのドライバーこそ黒川亮。
そして、権力を使い隠蔽した人物こそ警察庁総務局長・黒川義邦だと言う。
平田宅を死亡推定時刻に訪れていた警察関係者とは黒川だったのだ。
黒川の名前を聞き、怖れをなす香津美。
八重樫は捜査途中で黒川の関与に気付き捜査を控えたのだろう。
そんな香津美に五右衛門は「一般市民だからこそ出来る捜査もある」と告げる。
こっそりと黒川家を見張る五右衛門。
眞鍋が密会を行っていたクラブのオーナーが黒川亮であると知る。
早速、クラブへ従業員として潜入する五右衛門。
オーナー・黒川亮に接近し三年前の事故の真相について聞き出すことに成功。
だが、全く反省の色の無い亮に激怒した五右衛門は八重樫の名前で捨て台詞を残す。
一方で、八重樫の名前で黒川本人にも揺さぶりをかけた五右衛門はそれと知らず呼び出された八重樫の目の前でさらに黒川を追及。
眞鍋の預けの相手が黒川であると突き付ける。
“鮎の友釣り”を引き合いに出し「(黒川が)囮にかかった」と揶揄さえする。
調査結果すべてをネタに黒川に真相を告白するよう迫る五右衛門。
最終的に八重樫にその結論を委ねる。
五右衛門の調査結果を上司に報告した八重樫。
それを受けた柿崎の働きかけにより査問会議が開かれ、黒川は降格、後任には柿崎が着くことに。
だが、黒川がこれ以上罪に問われることはない。
このまま事件の真相が有耶無耶になることを怖れた八重樫は五右衛門に外部から壁を崩してくれるよう依頼する。
直秀が幸秀にニジマスを釣りあげる約束をしていたことが判明。
だが、転落死した直秀はボウズだった……。
そして直秀が転落死した吊り橋付近ではニジマスは釣れない。
何故、直秀はニジマスが釣れない上流に向かったのか?
もしや、眞鍋の証言自体が虚偽だったのでは……?
だが、眞鍋の証言は整次郎の証言により証明されている……まさか、これは……。
あることに気付いた五右衛門は真相を閃く―――。
整次郎宅を訪ねた五右衛門は冷蔵庫から牧恵の菊の花の漬物を発見する。
すべてを告白する整次郎。
平田の死亡当日、伊藤家を訪れた平田。
平田から娘の事故に黒川の関与を聞いていた整次郎は彼を歓待。
この際に牧恵の作った菊の花の漬物で平田をもてなした。
だが、当の平田は黒川から二千万円で口止めされたことを上機嫌で整次郎に明かす。
それを聞き怒り狂った整次郎は平田を殺害。
平田と交渉すべく近くを訪れていた眞鍋は整次郎の犯行現場を目撃。
当時、眞鍋は直秀に「預けを中止しなければ預けの実態を告発する」と訴えられており、困り果てていた。
そんな眞鍋は整次郎のこの犯罪を絶好のチャンスと考える。
平田殺しを黙っている代わりとばかりに整次郎へアリバイ作りを持ちかける眞鍋。
交渉は成立し、眞鍋はたまたま幸秀との約束の為にニジマス釣りに来ていた直秀を「イワナを釣りたい」と誘い出し吊り橋から突き落とした。
その後、アリバイを作る為に直秀の釣ったニジマスを自分のクーラーボックスに詰めたのだった。
こうして眞鍋も逮捕される。
黒川の為に罪を犯した眞鍋。
その姿に怒りを覚えた五右衛門は黒川に止めを刺すべく足を運ぶ。
自らが黒川の天敵になるために―――。
警察学校の副校長におさまっていた黒川。
そこへ現れたのは五右衛門と柿崎。
柿崎は平田宅から発見された煙草の吸殻を押収していた。
その煙草は黒川亮が好んだ銘柄だった。
あくまで関与を否定する黒川だったが、煙草のDNA鑑定を行うと主張する柿崎と煙草から指紋が検出されなかったこと―――それこそが煙草を吸ったのが警察になりすまし手袋を着用したまま平田宅を訪れていた黒川亮であると五右衛門に指摘され、認めざるを得なくなる。
こうして黒川は三年前の事故もみ消しも併せて罪に問われることになった。
だが……あまりに都合よく進んだ事件に疑問を抱いた五右衛門。
ついにある事実に辿り着く。
それは、内部情報を平田に洩らした者がいるということだった。
なぜ、平田が事故後三年経過した今になって動き出したのか?
平田に情報をもたらしたと思われるファックスの発信先から柿崎が浮上。
香津美あての匿名の投書も柿崎だった。
すべては黒川を追い落としその地位を得るため。
その所為で二人の人間が死んだことに五右衛門は激怒。
「あんたを見損なったよ!!」と吐き捨てる。
こうして事件は解決(?)し、釣りを楽しむ五右衛門たち―――エンド。
<感想>
う〜〜〜ん……このドラマの醸し出す空気は好きですが、それとドラマの出来は別かなぁ。
「あんまりでしたねぇ……」感想としては、これくらいかなぁ……。
ここから本作品に対して管理人の愚痴が続きます。
読後、不愉快な気分になるかもしれません。注意!!
強いて評するなら“ストーリーを進めるために新規キャラクターを投入する(キャラクターによりストーリーを進める)”という手法がありますが、これはそれを誤った例。
内容が薄いから登場人物で嵩を増したんだろうなぁ。
しかも、それを途中で投げ出している。
登場人物を完全に捨て駒扱い……出演俳優陣が熱演していただけに勿体ない……。
例えば、整次郎老人、眞鍋、黒川、柿崎、それぞれの結末が全然わからん。
まるでぶつ切り。
それぞれが真相が明らかになった後、何を想いどう行動したのかひとつも伝わって来ない。
しかも、ラストも突拍子無さ過ぎてワケワカラン。
久しぶりに二時間ドラマを視てて投げ出しそうになった(ToT)/。
ただし、空気感(雰囲気)だけは良かった。
不思議なほど、そこだけは良かった。
これでもうちょっとストーリーが良ければ……本当にもう少しでも良ければ……。
【中村梅雀さん主演ドラマ過去記事リンク】
◆弁護士・森江春策シリーズ(原作・芦辺拓先生)
・土曜ワイド劇場「弁護士森江春策の事件 殺人同窓会・すり替った友人の死体〜君は一体誰!!密閉空間の移動トリックで法廷が踊る!?」(8月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・上記の前作(シリーズ1作目)についてのネタバレ記載あり。
「裁判員法廷」(芦辺拓著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆赤かぶ検事シリーズ(原作・和久峻三先生)
・水曜劇場「赤かぶ検事 京都編 名物検事登場…正義人情の法廷サスペンス決定版…不思議な誘拐…幼児が2度消えた?犯人だけ自首?証人が死んだ?謎が謎を呼ぶ冬の古都…初回2時間スペシャル」(1月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
鈴木五右衛門(すずきごえもん):中村梅雀
○
鈴木牧恵(すずきまきえ):益戸育江
○
八重樫久吉(やえがしきゅうきち):村田雄浩
○
城下香津美(しろしたかつみ):石川梨華
○
稲田隆蔵(いだなりゅうぞう):中本賢
○
伊藤整次郎(いとうせいじろう):樋浦勉
○
若林直秀(わかばやしなおひで):中村圭太
眞鍋晋治(まなべしんじ):布川敏和
平田守(ひだらまもる):菊池健一郎 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
アマゾンさんにて「釣り刑事」で商品を調べてみたらこれが真っ先に出ました。
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