<第13話あらすじ>
長崎から佐賀へと脱出した大和と未来。
一夜の宿を求めて、とあるラブホテルに身を隠す。
浴槽につかりながら、両親を想い不安に身を焦がす未来。
ベッドに寝転がりながら、誰を信じていいものか頭を悩ませる大和。
大和の中では泰成への疑いが日に日に膨らみ、果ては未来の両親の関与さえ疑い始める。
そこへ風呂上がりの未来が合流。
お年頃の二人。
当然、ドギマギが止まらない&ドキドキが加速する―――。
そのまま、ふとした拍子に大和がバスタオル姿の未来に覆いかぶさって……。
ところが!!
素直になれない二人は互いに強がってしまい、そのまま何事も無く終わってしまう。
だが、このアクシデントには意外な効果が。
不安に駆られていた二人が和むことが出来たのだ。
こうして落ち着いた二人。
未来がベットを大和がソファーで眠りにつくことに。
未来の寝顔を眺めながら、「疑い出してはキリが無い」と判断した大和。
とりあえず切り札となるであろう三億円を手許に置くことから始めようと決める。
翌日、周囲を警戒しながら街へと繰り出した大和たちはインターネットカフェを目指す。
同時刻、塾講師である泰成は昼食に席を立つ同僚の誘いを断りPCの画面をじっと眺め続けていた。
画面に浮かぶのはゲームの“リバーシ”。
そこへ何者かからのアクセスが―――大和だ!!
大和はゲームのチャット機能を利用して泰成と連絡をとろうとしていた。
“お世話になりました。とりあえずこちらは安全です”
大和の言葉が画面に表示されていく。
“申し訳ないですが、早速、例のお金をこちらで管理しようと思います”
大和の狙いは三億円の回収にあった。
それに対し、多少不快になりながらも返信する泰成。
“それはいいけれども、実際どうやって?”
“そちらも分かっているだろうけど、僕には監視がついている筈だが……”
何事か具体的なプランを提示した大和に「成程!!」と感心する泰成。
大和のプランは相当大胆なものらしい。
それを目にしながら、
(まぁ、いい。君はせいぜい僕を利用してくれたまえ。)
心の中で呟く泰成。
(そのぶん、僕も君たちを利用させてもらうよ!!)
怪しげな笑みを浮かべるのだった―――13話に続く。
<感想>
怪しい行動を取る泰成。
じょじょに本性を現し出したのか!?
ここで泰成の正体について可能性を挙げてみると。
@関口の所属するグループを検挙すべく捜査している潜入捜査官。
A実は大和の父の仲間。
ぱっと思いつくのはこの二つかな。
現在、可能性が高いのは@っぽい。
今後に注目のキーキャラクターです。
そして12話は、ベタながら青春ドラマっぽいドギマギシーンもあって面白かった。
大和と未来、二人の関係が「兄妹(姉弟?)のような幼馴染み」から発展することがあるのか?
こちらも注目です。
「三億円事件奇譚 モンタージュ」の良さは、登場人物を極力制限し絞った上でキャラクター1人1人を深く掘り下げようとしている所でしょうね。
だからこそ、人間ドラマに深みが生まれているのでしょう。
@大和&未来サイド
A関口サイド
B泰成サイド
の3者による駆け引きがこの作品の大きな魅力となっています。
ストーリー展開によくあるパターンとして“新キャラクターを登場させることにより話の舵を切る”方法がありますが、これだと話を展開させやすい反面、キャラクターを活躍させにくくなってしまうのが難点。
その点、「モンタージュ」はあえて既存キャラクターに拘りを見せていることに好感を持てます。
今後もこの調子で“真相を追う新聞記者”とか第三者を出さないようにして欲しいなぁ。
それにしても……「三億円事件奇譚 モンタージュ」。
グイグイ面白くなっています。
逃亡し続ける大和と未来の明日はどっちだ!!
14話に期待です!!
◆関連過去記事
・「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!
・各回ネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第1話から10話までまとめ
・「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第11話ネタバレ批評(レビュー)
・「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第12話ネタバレ批評(レビュー)
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