ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
執事とお嬢様刑事が、6つの事件を名推理!
ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。
彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。
本格ものの謎解きを満喫でき、ユーモアたっぷりのふたりの掛け合いが楽しい連作ミステリです。
(小学館公式HPより)
<感想>
端的に言うと「貴族探偵」+「富豪刑事」。
この双方をライトノベルテイストにして世界観を広げている。
・「貴族探偵」(麻耶雄嵩著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
「富豪刑事」についても記載あり。
ただし、「貴族探偵」よりロジックが弱く、「富豪刑事」よりコメディ色が弱い。
どうにも中途半端な感も否めない。
双方をひとまわり小さく完成させてしまったのか……。
それと、「ロジックの意外性」は良いとしても「それが面白いか」はまた別。
ロジック自体は余り面白く感じられなかった。
とはいえ、これも主観に左右される所ではあるので、人によって感想は別れるかもしれない。
2010年11月12日追記:
「謎解きはディナーのあとで」が大人気だそうです。
上記の通り感じていただけに、管理人のセンスが古いのかもと自問自答。
自信無くしそう……(泣)。
・東川篤哉先生「謎解きはディナーのあとで」11万部突破!!遂に「きらら」(小学館発行)にて連載再開!!
◆東川篤哉先生関連過去記事
・東川篤哉先生講演会情報
<ネタバレあらすじ>
本編収録作のうちラストの一篇をかなりデフォルメしてネタバレ。
他の話も大体こんな感じだと理解してもらえればいいかも……。
とある資産家の女性が殺害された。
現場は外部から物が投げ込まれ硝子窓が割られていた。
つまり、犯人は物を投げ込むことが出来る人物。
この条件で少女が容疑者から外される。
だが、当の少女は不思議そうな顔で周囲の大人たちを眺めている。
まるで「気付かないの?他にも不可能な人がいるじゃない!!」とでも言いたげな顔だ。
現に口を開こうとしたその瞬間、そのまま倒れ込んでしまった!!
少女を休憩させるお嬢様刑事・宝生麗子。
その隣では執事の影山の目が光っていた……。
推理を組み立てた影山に尋ねる麗子。
影山によれば、少女はとある男性に恋しており彼が犯人だと思ったからこそ倒れることになったと云う。
その恋の相手は元ピッチャー。
周囲が「肩が壊れたので投げられない」と言っていたのを少女は耳にしており、それを額面通りに理解した少女は「もし、投げ込む事が出来れば彼は犯人では無くなる」という浅慮から腕の力ではなく上の階から下へと物を落とすことで窓を割ったのだ。
だが、彼は「元の球威が投げられない」のであり「物が投げられない」わけではない。
こうして、不可思議な事態に発展したのだった。
だがしかし、その彼も犯人ではないと影山は云う。
こうして犯人を誘き出す罠が仕掛けられ、そこへノコノコと現われた犯人と影山は対決することに。
咄嗟の機転を利かせた影山により、犯人は無事逮捕され麗子と影山は夜のラーメン屋に消えるのだった―――エンド。
◆関連過去記事
・2011年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・【快挙】東川篤哉先生「謎解きはディナーのあとで」がついにオリコン首位獲得!!
・【祝】「謎解きはディナーのあとで」が漫画化!!
・「本屋大賞2011」受賞作決定!!栄冠は「謎解きはディナーのあとで」、映像化の話題も浮上!?
・知人が「謎解きはディナーのあとで」でミステリにハマった!!では、次に奨めるべきミステリは?
・『日経おとなのOFF 2011年9月号』にて「おとなのミステリ特集」が掲載!!
・【ドラマ化決定!!】東川篤哉先生『謎解きはディナーのあとで』(小学館刊)が遂に実写に!!
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◆「東川篤哉」先生のその他の作品はこちら。
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