2010年09月16日

「殺意取扱説明書(毒笑小説より)」(東野圭吾著、集英社刊)

「殺意取扱説明書(毒笑小説より)」(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

毒笑小説


誘拐してでも孫に会いたい!暇をもて余す爺さん仲間が思いついたスゴイ計画とは?「誘拐天国」。身の毛もよだつおかしさと恐ろしさ。ブラックな笑いを極めた会心の作品が1ダース!(対談・京極夏彦)
(集英社公式HPより)


<感想>
東野圭吾先生のブラックユーモアが炸裂した短編集「毒笑小説」。
他に「怪笑小説」、「黒笑小説」がある。

「怪笑小説」と「毒笑小説」はレベルが高く面白いが、「黒笑小説」はちょっと息切れ気味かも。
個人的なベストは電車の中で「誰もが正直になってしまう本音ガス」が洩れ出してしまう話。
あの余韻のある終わり方は印象的、現実に起こるのは絶対に勘弁……だが。

で、肝心の「殺意取扱説明書」。
電子精密機器を利用しようとすると誰もがぶつかる壁「マニュアル」を「殺意」というテーマでバッサリ切って捨てている。
この作品はどことなく清水義範先生のパスティーシュを彷彿とさせるのがイイ。
そういえば清水先生の作品でもマニュアルを揶揄した作品があったなぁ。
あれはなんという作品だったか……面白かった記憶はあるのだが。

◆清水義範先生関連過去記事はこちら。
スペシャルドラマ「名古屋やっとかめ探偵団」はフジテレビ系にて6月20日16:05より放送予定!!

この「殺意取扱説明書」、2010年10月4日放送の「世にも奇妙な物語」でドラマ化が決定。
ドラマ版は主人公を玉木宏さんが演じる。
原作は女性主人公だが、何故か主人公の性別が変更されているのが謎だ……。
ちなみにドラマ版あらすじは次の通り。

<ドラマ版あらすじ>

押しが弱く仕事も恋もいつも割を食ってばかりのサラリーマン・木谷晋吾(玉木宏)はある日、会社の倉庫で見慣れない本を目にする。背表紙には『殺意取扱説明書』の文字。殺意の取り扱い方などという本に不信感を抱きつつも次第にのめり込んでいく木谷。思えば、仕事の手柄も彼女もすべて一人の男に横取りされた。同期の川島実(塚本高史)だ。あいつが憎い…。ついに殺害の意志を固めた木谷だったが、ややこしい”取扱説明書”の文言に振り回されて…
(フジテレビ公式HPより)


木谷晋吾役玉木宏さんがこんなインタビューに答えています。

ソースの「asahi.com」さんによれば―――

2006年秋の連続ドラマから今春上映の映画まで。大ヒットした「のだめカンタービレ」で演じた千秋先輩をみてきた視聴者は、俳優玉木宏の20代後半の成長の目撃者といえる。最後の映画では、指揮棒を振る姿そのものに感涙を誘う迫力があった。

「4年にわたる役で、いつも撮影は久しぶりなんですけど、原作のように成長した姿をみせなくてはいけない。すごいプレッシャーでした」

今年1月、「早くなりたかった」30歳に。その理由もまた、重圧を糧にできる強さと向上心を示している。「30代は本質的なモノを自分に課して、形にしていかないといけない。そういうところに早く自分を追い込みたかった。怖くはあるんですけど」

10月4日午後9時からフジ系で放送される名物長寿ドラマ「世にも奇妙な物語」では、東野圭吾原作の「殺意取扱説明書」で主演。同僚の出世をうらやんで殺意を募らせるさえないサラリーマン役。10月からはフジ系の連続ドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」で初の刑事役に挑む。幅広い役がやれることを「すごくありがたい」と喜ぶ。

「役は会話のキャッチボール。個人が目立つのではなく、ちゃんと混ざり合わないといけない。そこを意識して現場に身を任せれば、ちゃんと違う自分がそこに存在していると思うんです」

目標も明快。「40歳までの10年間は同年代ともっとも差が出る。一つひとつの仕事にどれだけ向き合って、形にしていけるかが勝負だと思いますね」。言葉に力を感じた。(文・丸山玄則、写真・伊ケ崎忍)
(asahi.comさんより)


ドラマ版「殺意取扱説明書」に期待!!

<ネタバレあらすじ>

親友だと思っていた女性に裏切られた主人公(女性)。
彼氏を盗られてしまったのだ!!

殺意を募らせた主人公は古本屋で見かけた「殺意取扱説明書」を購入。
親友を殺すべく方策を練ることに。

だが、「殺意」とはいえ「取扱説明書」は「取扱説明書」。
読み進めること自体に苦痛を感じる主人公。
それでも“憎いあん畜生”を殺す為に殺意をじょじょにコントロールしていく。

やがて、殺意を固定化することに成功。
親友を毒殺すべく訪ねることに。
だが、殺す気満々の主人公の前に現れたのはしおらしい彼女。
泣きながら謝る彼女の姿にほだされた主人公は殺害計画を取りやめる。

後日、彼女から「彼氏と結婚しました」との通知が届く。
あのとき、殺しておけばと後悔する主人公。
殺意のコントロールに失敗した主人公は「取扱説明書」を物置に放り込む。
「取扱説明書」はそのまま埃をかぶっていくのだった―――エンド。

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・30代、自分を追い込んで 「世にも奇妙な物語」玉木宏(asahi.comさん)
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201009100351.html

◆関連過去記事
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【東野圭吾先生原作ドラマ関連】
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