2010年09月24日

コミック版「十三人の刺客」(森秀樹画、池宮彰一郎原作、小学館刊)ネタバレ批評(レビュー)

コミック版「十三人の刺客」(森秀樹画、池宮彰一郎原作、小学館刊)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

詳しい設定等はほぼ「映画ノベライズ版 十三人の刺客」(過去記事)に同じなのでそちらを参考下さい。

時は幕末。

明石藩江戸家老である間宮が、老中土井大炊頭の門前で切腹自害を果たした。
明石藩主・松平斉韶は生来の残虐な性格で罪なき民衆に殺戮を繰り返す稀代の暴君。
間宮は死して、藩主・松平斉韶を諌めるよう幕府に訴えたのだ!!

しかし、斉韶は十一代将軍・徳川家斉の弟。
しかも、翌年には老中への就任が決まっていた。迂闊には手を出せない。
このままでは幕府の存亡に関わると判断した土井大炊頭はここに斉韶暗殺を決意する。
間宮の死に関してはお咎めなしとした上で、刺客を選び出すことに。

暴君・松平斉韶を討つべく老中・土井大炊頭に集められた島田新左衛門たち12人の刺客たち。
対するは松平斉韶に仕える側用人・鬼頭半兵衛と明石藩士たち。

新左衛門の策により迂回を余儀なくされた斉韶一行は落合宿へと向かう。
そこは新左衛門らの手により要塞化されていた。
落合宿にて、庄屋の娘と恋仲であり庄屋に二人の仲を認めさせるために活躍の場が欲しい小弥太を郎党に加え意気上がる新左衛門一行。

ついに激突の時がやってきた!!
落合宿に突入する斉韶一行53人。
迎え討つ刺客13人。

激闘が開始し、小弥太を含め刺客側に5人の死者が出る。

乱戦の最中、斉韶を見失った半兵衛。
樽に隠れていた斉韶は新左衛門に見つかり首をとられた。
主君を討たれた半兵衛は激昂。
新左衛門に対決を挑む!!

新左衛門VS半兵衛、正々堂々の一騎打ち。
決着はあっさりとついた……半兵衛は斬られ、新左衛門が生き残る。

新左衛門は戦いの終結を宣言。
刺客側は8人が生き残った。
彼らは敵味方なく戦死した者たちを弔うべく凱歌をあげる―――エンド。

<感想>

映画ノベライズ版と小説版を足して2で割ったような漫画版。
全三回と掲載回数自体が少なかったことからもの凄い駆け足に終わった。
特に最終回である三回目はダイジェスト的な扱い。
あまりのことに拍子抜けするだろう……もちろん、悪い意味で。

漫画版は島田新左衛門と鬼頭半兵衛の顔がほぼ同じなのも問題点だと思う。
ラストシーンで混乱した。
それと、本作の重要なポイントをぶち壊したオリジナルのラストにも問題あり。

コミック版オリジナル要素は次の2点。

@十三人の刺客の生き残りが多い。過半数以上が生き残ったのは漫画版だけ。
A新左衛門が松平斉韶と半兵衛を斬り、しかも生き残った。

オリジナリティを持たせる為だろうが、蛇足っぽい。
無常観や現実の非情さがスポイルされてしまった。明らかな改悪だろう。
これでは、単なる島田新左衛門のヒーロー譚であり一代記だ。
原作の意味が無くなる。

さらにキャラクターが薄っぺらくなり過ぎた。
原作を知らないと誰が誰やら分からない。
この点は漫画版が全三回と短過ぎたのが原因だと思われる。
もう少し長ければキャラクターも定着し、新左衛門と半兵衛の差も明確になったと思う。
劇画テイストの絵は活劇にマッチしていただけに残念。

森秀樹先生はコミック版「墨攻」でその実力を存じ上げているだけにこのコミック版は大いに不満。
もっと上手くまとめられた筈だと思うけどなぁ。

◆「十三人の刺客」関連過去記事

・オリジナル版「十三人の刺客」を小説化。
「十三人の刺客」(谺雄一郎著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)

・リメイク版をノベライズ化。
「映画ノベライズ版 十三人の刺客」(大石直紀著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)

・映画版情報。
映画「十三人の刺客」大躍進!!ロンドン映画祭出品など3つのニュースが!!

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