2010年09月24日

金曜プレステージ 浅見光彦シリーズ38最新作・十三の冥府「呪われた津軽王朝〜古代史の謎を追う者は殺される!?20年前の産婦人科で何が起きた?連続殺人事件のカギは子守歌」(9月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 浅見光彦シリーズ38最新作・十三の冥府「呪われた津軽王朝〜古代史の謎を追う者は殺される!?20年前の産婦人科で何が起きた?連続殺人事件のカギは子守歌」(9月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

浅見光彦


ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は、大和朝廷とは別に荒覇吐王国が存在したという「都賀留三郡史」について調べるため、青森に向かった。取材の前に、女性のお遍路さんの死体が見つかった新郷村の大石神ピラミッドに立ち寄ると、女子大生の神尾容子(西原亜希)と出会う。不審人物だと間違われた二人は五戸警察署に連れて行かれ聴取されるが、浅見が警察庁刑事局長の浅見陽一郎(榎木孝明)の弟とわかると、刑事たちの態度が変わる。被害者の女性遍路は伊藤由衣(黒田福美)で、死因は頸部圧迫による窒息死だったという。
浅見は「都賀留三郡史」が発見された八荒神社を訪ねる。宮司の湊博之(森次晃嗣)や禰宜の池田睦子(久世星佳)によると、去年の改修工事を請け負った大工の棟梁の谷内洋蔵(井上捷一)が蔵の天井裏から「都賀留三郡史」全六百巻を発見したという。浅見が谷内工務店を訪ねると、谷内の息子の洋昭(横山敬)が対応し、父親の洋蔵は去年のねぶた祭の日に建築用木材が倒れ、頭部を直撃し、亡くなったという。洋蔵は青森中央大学の本間教授(西田健)からしつこく取材を受けていたという話だ。
浅見が青森中央大学の本間教授の研究室を訪ねると、本間は留守だった。助教授の北口(斉藤陽一郎)によると、本間は「都賀留三郡史」は偽書だと唱えているという。
浅見は容子が弓道部に所属していると聞き、射場を訪ね、容子に本間教授を紹介してほしいと依頼する。本間教授は浅見に「第三の邪馬台国だの荒覇吐王国だのは虚妄の産物」と否定する。本間は浅見に明日の文化セミナーで研究論文を発表するので来るように言う。
だが、文化セミナー当日、本間教授は別荘で急性心不全で急死する。本間の書斎からは論文や資料が盗まれていた。浅見は本間教授の急死について疑問を抱く。そして、自分の出生について疑問を持った容子は母の和子(烏丸せつこ)に疑問をぶつける。
浅見は八荒神社を訪れた伊藤由衣とは別の女性のお遍路の存在を知る。その女性は八荒神社の元みこさんで、今は十三湊に住んでいる東谷正子(李麗仙)だ。浅見は東谷に会いに北津軽の十三湊に向かう。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……。

実は八荒神社の元巫女だった伊藤由衣と東谷。

浅見たちは東谷から由衣の真実について聞くことに。
東谷によれば由衣には子供が居たらしい。
その子供は宮司の湊との間に生まれたが、当の湊の手により生まれてすぐ引き離されてしまっていた。
以降、由衣の子供についての消息はぷつりと途絶えていた。

神尾容子は由衣の子守唄に聞き覚えがあり自らの出生に疑問を抱く。
もしや、消えた由衣の子供とは容子のことでは―――?

「由衣が引き離された子供の消息を掴む為にお遍路を続けていたのなら南郷にある福一幡虚空像菩薩にも寄ったのでは?」と推測した浅見は手掛かりを求め調査を開始。

その頃、本間教授の死因・急性心不全がスタンガンによるものと判明。
警察は本格的に捜査に乗り出す。

一方、出生の秘密にまつわる容子の悩みは日に日に深まるばかり。
見かねた浅見は和子に直接事情を問い質す。

和子によれば容子は確かに和子の実子だと言う。
由衣と和子は出産時隣同士だった。
由衣の子供は不注意により出産後死亡しており、錯乱した由衣は容子を連れ去ってしまった。
当初、子供が死んだと信じ込んでいた和子だったが腕の黒子の在否から子供がすり替えられたと気付く。
そこで、由衣を探し求めた。

実は湊家の分家に匿われていた由衣と容子。
突き止めた和子は湊の提案で容子を返す代わりに連れ去りを有耶無耶にする約束を呑むことに。
こうして和子は容子を取り戻したのだった。
東谷の語った「湊が由衣から子供を取り上げた」とはこのことを指すらしい。

事実を知った容子は事実を隠していた和子にわだかまりを覚える。

スタンガンの購入者が30代の短髪男性だとの証言を得た浅見。
面通しの結果、権禰宜の新也が購入したと分かる。
問い詰めたところ、池田睦子の依頼で購入したと判明。
浅見は湊がすべての事件に関わっていると推理する。

再び、東谷のもとを訪れた浅見たち。
湊は池田睦子とも古くから男女の仲になっており、由衣と湊の仲は険悪だったらしい。
その分、由衣は奪われた子供に救いを求めたのだと語る東谷。

東谷の言葉を受け、浅見は谷内、由衣、本間3件の殺人がすべて湊たちの犯行であると結論付ける。
湊と池田睦子を問い詰める浅見。
「本間教授をスタンガンで殺害したのはあなたたち二人だ」と告発する。

その直後、当の湊と池田睦子がアコニチン系毒物で死亡してしまう。
途方に暮れる捜査本部は心中だと結論づけるが、浅見は疑問に思う。
そのとき、浅見の脳裏を過ったのは東谷の顔だった!!

東谷を待ち構える浅見たち。
「真実が知りたいだけだ!!」と語る浅見の熱意にほだされた東谷はすべてを打ち明ける。

由衣が殺される数日前、東谷を訪ねた由衣は涙ながらに子供との再会を訴えた。
湊に所在を問い詰めると決めた由衣。
そんな由衣に不安を覚えた東谷は後を追い、たまたま本間教授と揉めていた湊の口から谷内洋蔵殺害の真相を知ってしまう。

「都賀留三郡史」は湊の偽作だったのだ。
その手伝いをさせられた谷内を口封じの為に殺した湊。

東谷は由衣に子供と会えるよう湊への取引材料としてこの事実を教える。
ところが、由衣に容子の居場所を伝えた湊は事情を知る由衣に危機感を抱く。
結果、先回りして殺害してしまったのだ。
同じく事情を知る本間教授もまたスタンガンで殺害された。

罪の無い人間が3人も殺されたと知った東谷は湊と池田睦子の殺害を決意。
実行に移したのだった。

「人を殺してしまった自分は許されない」として、そのまま死出の旅に出る東谷。
もう二度と故郷の地を踏む事の無い一方通行の旅だ。
それをじっと見送る浅見たち。

そこへ和子が現われる。
「昔、容子さんのお母さんは命がけであなたを守ったんですよ」
浅見の言葉に涙する容子。
それを見て、ひとり納得する浅見―――エンド。

<感想>

キャストは豪華だったけど、ストーリーが無理やり過ぎたかなぁ。
事件を絡め過ぎだと思う。
郷土史ものとしてもミステリとしても中途半端なような……。
正直、キャストに比して面白さのコストパフォーマンスは良くない。

それと、いつも通り弟だと分かった途端の手の平返しが不満。
VIPの親戚だと言うだけで容疑圏外というのは“職務怠慢”、何より光彦の憎む“悪の温床”だと思うけどなぁ……。
ましてやVIPの子供でも無く、弟相手にだもんなぁ。
これが子供なら土下座でもするのだろうか?と考えてしまうほど。
どうも、この一連の流れが好きじゃない。
でも、ずっと続いている所をみると、この流れが好きな人って多いのかなぁ……。

まぁ、それを抜きにしても不満点が多いです。

ここから本作について愚痴をこぼします。
不快な気分になるかもしれません、注意!!
なんか怒りすら覚えてますので、本当に注意!!


「浅見シリーズ」でなければ許せる。
だが、これが「浅見シリーズ」なのは許せない。
これは地上波で放送して良かったのだろうか?

はっきり言うと、30分で終わる話を2時間に膨らました感じ。
繰り返し同じような話が出て来てクドイ。
そのクドさは上記のあらすじを見てもらえれば分かるかと。
同じようなことの繰り返しばかりで、面白くない。

あまりの繰り返しぶりに、子守唄の効果もあってか途中で何度か眠りこけてしまった……。
睡眠薬代わりには最適でしょう。

「真実が知りたい」って言われてもなぁ……その一言であんなに頑なだった東谷が、あんなにあっさりすべてを自供してしまうのか?
コントっぽかった。
正直、もうちょっと犯人の自供部分をお膳立てしてくれないと雰囲気にも酔えない。
随所でストーリーをぶつ切りにされているようで全く話にのめり込めなかった。

もう断言しちゃおう。
これが「浅見シリーズ」だと誤解されてもシリーズファンは困るから、シリーズのファン以外は視る価値が無い……いや視ない方がいい話だと思う。
これがシリーズの普段のレベルだと誤解されては「浅見シリーズ」ファンを公言することすら憚られる。
無かったことにして欲しい……。

結論:キャストは頑張ってた、すべてストーリーが悪い。
次回の「赤い霊柩車」シリーズ最新作に期待か。

気を取り直して、浅見光彦役を演じる中村俊介さん。
「十三の冥府」での記者懇談会の様子を見つけました。

ソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――

あす9月24日午後9時から放送の浅見光彦シリーズ第38弾「十三の冥府」の記者懇親会を先日、主演の中村俊介を招いてフジテレビで行った。

 今回の舞台は青森。ルポライターの浅見光彦(中村)は、大和朝廷とは別に荒覇吐(あらはばき)王国が存在したという「都賀留三郡史(つがるさんぐんし)」について調べるため青森に。女性のお遍路さんの死体が見つかった新郷村の大石神ピラミッドに立ち寄ると、女子大生の神尾容子(西原亜希)と出会う。「都賀留三郡史」が発見された八荒神社の改修工事を請け負った大工の棟梁は不審な死を遂げ、さらには…。

 浅見光彦を演じる中村は「都賀留三郡史と十三詣(じゅうさんまい)りの唄がからんだ殺人事件が起こり、浅見の怒濤(どとう)の推理がさえます。二転三転するストーリーで、これで終わりかと思うとまだ続きがあるお話です」と見どころを語る。ロケ地のひとつが良質なシジミの産地で有名な北津軽の十三湖であったことにちなみ、参加した記者と一緒に「シジミラーメン」を食べながら和やかな雰囲気。青森ロケで食べ損ねた「シジミラーメン」を初めて食べた中村は「あっさりしていて、しじみの風味がきいていて、おいしいです」と満足の様子だった。

観測史上、最高の暑さだった今年の夏。中村は「これまでは外食が多かったのですが、なるべく家で、麦ご飯を炊いて、自炊しました。お茶も自分で作った麦茶を飲み、食生活から改善しました。夜は28度ぐらいに温度を設定して、クーラーをつけっぱなしでした」と今年の猛暑を振り返った。(フジテレビ広報部 小出和人/SANKEI EXPRESS)
(MSN産経ニュースさんより)


ちなみにドラマ原作「十三の冥府(上下巻)」(内田康夫著、文藝春秋社刊)はこちら。

<あらすじ>

十三の冥府


浅見光彦が活躍する長篇旅情ミステリの傑作

八戸のお遍路が絞殺される。相前後して古文書「都賀留三郡史」にまつわる不可解な死が……。謎めいた伝説と信仰の背後に潜む悪意

上巻:「都賀留三郡史」なる書物の真偽を確かめるため、青森に赴いた浅見光彦。発見した神社の宮司は、史実であると譲らない。一方、偽書だとする人々の死。「アラハバキ神」の祟りなのか。そして、またお遍路の女性が殺された。神をも嘲笑うような人間の底なしの業に翻弄される光彦……。 長篇旅情ミステリーの傑作、待望の文庫化です。著者による書き下ろし自作解説もつきます。(HK)

下巻:アラハバキ神の祟りを思わせる死と相前後して、一人のお遍路の女性が殺されていたが、そのお遍路さんと八荒神社の巫女に接点があったことがわかる。そこに隠された真実を探り当てたとき光彦は、神をも嘲笑うような人間の底なしの業(ごう)に翻弄される……。長編旅情ミステリーの傑作、待望の文庫化。著者による書下ろし自作解説つき。
(文藝春秋社公式HPより)


興味のある方はアマゾンドットコムさんのリンクよりどうぞ!!

<キャスト>
中村俊介
西原亜希
烏丸せつこ
黒田福美
李 麗仙
渡辺 哲
森次晃嗣
久世星佳
西田 健
菅原大吉
小倉久寛
榎木孝明
野際陽子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・【お台場メール】怒濤の推理さえる浅見光彦シリーズ(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100923/tnr1009231138005-n1.htm

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【浅見光彦シリーズ】
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【内田康夫先生著作関連記事】
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【その他関連過去記事】
2010年6月12日、世田谷部文学館にて内田康夫先生講演会開催!!

・5月30日まで開催されていました「ミステリーウォーク2010『記憶の中の公園』」についての記事です。
浅見光彦の住む町で推理に挑戦!?

ドラマ原作「十三の冥府〈上〉 (文春文庫)」です!!
十三の冥府〈上〉 (文春文庫)





同じく「十三の冥府〈下〉 (文春文庫)」です!!
十三の冥府〈下〉 (文春文庫)





◆浅見光彦関連書籍はこちら。


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