<あらすじ>
石原明子(片平なぎさ)は、婚約者の黒沢春彦(神田正輝)とともに、とある有名な結婚式場を見学に訪れる。中では社長・藤原しのぶ(朝加真由美)とウエディングプランナー・池田亜矢(山下容莉枝)が打ち合わせをしており、春彦を見た瞬間、しのぶと亜矢は「黒沢くん!?」と驚きの声をあげる。なんと、3人は高校の同級生だったのだ。
しかもその結婚式場には、やはり同級生の中川久美子(高橋ひとみ)も働いており、春彦は「高校の時、この女性3人と、男性は僕のほかに2人いて、いつも6人で遊んでたんだ」と明子に説明する。そしてしのぶは、6人のうちの1人、与那忠志(大友康平)も京都におり、その日、引っ越しを予定している久美子を、与那が手伝うことになっていると告げる。
夜、春彦は与那と引っ越し祝いの花束を手に久美子の新居を訪れる。段ボール箱がいくつも積まれてはいるものの、家具備えつけの美しい室内に、春彦は「いい部屋だね」と感心する。
同じころ―。亜矢が自宅で殺害される。手には百人一首の札が握られ、背後の床の間には「かきつばた」の掛け軸が―。
犯人を見つけ出してやると義憤に燃える春彦だったが、その矢先に今度はウエディングプランナーの1人・多田梨世(濱田万葉)が自宅で殺されるという事件が起きる。衝撃を受けた春彦は、真相を究明するため、明子と独自の調査を開始。2人が調査の果てに見た意外な真犯人と悲しい真実とは一体…!?
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから……。
亜矢が式子内親王の和歌「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする」を握って死体で発見される。
この歌は「このまま生きていればいずれあの人への忍ぶ恋心を他人に知られてしまう、それくらいならこのまま死んでしまおうか」という意味の歌。
何か意味があるのではと考える明子は、「玉の緒よ」から「玉井奈緒」や「忍ぶる」から「藤原しのぶ」を疑う。
だが、京都府警の狩矢警部によれば容疑者全員にアリバイがあった。
一方、春彦は高校時代に6人の友人の1人を事故で失っており、それ以来残りの5人に絶対の信頼を置いて生きて来た為、仲間を疑おうとしない。
ひょんなことから、季節外れだった夏の掛け軸「かきつばた」に気付いた明子は、そこに「折り句」というメッセージを見出す。
「折り句」は句の頭に隠された言葉のこと。
明子は「玉の緒よ〜〜〜」の句から「たたなしよ」という語句を見出す。
早速、多田梨世宅を訪ねたところ亜矢と同じく梨世も毒殺されていた!!
二度も続けて薬物が使われた為、薬剤師だった久美子を疑う明子を怒鳴りつける春彦。
それでも気にかかった明子は亜矢殺害時の久美子のアリバイを確認する。
当日、久美子は春彦たちと共に醍醐にある久美子の新居(ライオネルマンション)に居た。
その場所から嵯峨野の現場まではどうしても2時間かかる。
こうして久美子への疑いを捨てた明子と春彦は和解。
その際、春彦の口から「久美子が30分ほど席を外していた」ことを聞く明子だが30分では犯行は不可能と胸を撫で下ろす。
春彦が以前語った高校時代に亡くした親友・河合俊介の母のもとを訪ねることに。
俊介の母から俊介の遺品として胡蝶蘭のイヤリングを受け取った春彦。
明子にはそれに見覚えがあった。
亜矢の所持品にも同じものがあったのだ。
当時、俊介は久美子と交際していたが実は亜矢とも交際していたのだろうか?
春彦から俊介の死について聞き出す明子。
春彦によれば、仲間とコテージへ遊びに行った際、春彦不在の間に崖から転落死したとのことだった。
春彦自身も詳しく知らないと言う。
事情を知るしのぶに話を聞く明子たち。
久美子が山菜を採りに山へ入ったまま行方不明になり、捜しに出かけたメンバーたち。
やがて、俊介が転落死したことを亜矢が伝えに来たらしい。
遺品整理は与那忠志が行ったことも聞かされる。
ハッと気付く明子。
「たたなしよ」のアナグラムは「よなたたし」だった。
与那忠志に事情を確認しに向かうが与那の歯切れは悪い。
その帰り道、「亜矢が俊介に告白し胡蝶蘭のイヤリングをプレゼントしたが拒否されたので崖から突き落としたのでは」と想像する明子。
気分転換に醍醐にあるライオネルマンションの展示場に赴く明子たち。
そこで全く同じつくりの部屋が嵯峨野にも存在することを知る。
春彦は本当に醍醐にある久美子の新居に居たのか?
お寺の鐘の音を聞いたと言う春彦。
春彦の記憶を頼りに確認した結果、醍醐ではなく嵯峨野のマンションに居たと断言。
そこから亜矢の家までは30分とかからなかった―――。
久美子たちを呼び出す明子、そこで真相が解明される。
醍醐の新居と偽り嵯峨野に春彦たちを招いた久美子はコンビニに出かけるふりをして亜矢宅を訪ね毒殺。
何食わぬ顔で戻ったのだった。
あくまで否定する久美子だったが、そこへ狩矢も登場。
嵯峨野のマンションから明子がプレゼントした醍醐にある筈のカサブランカの花粉が検出されたと言う。
しかも、明子によれば久美子にプレゼントしたのは“カサブランカ”だったがその後に久美子宅で見かけた花は“テッポウユリ”だった。
久美子はカサブランカを醍醐に置き忘れ慌てて買い直したがテッポウユリと間違えたのだ。
しかも春彦が聞いたお寺の鐘の音は嵯峨野で酔っ払いが誤って突いた突発的な出来事だった。
証拠が揃い言い逃れも出来なくなった久美子は罪を認める。
ある晩、俊介の母からイヤリングについて聞いた久美子は亜矢に確認する。
そこで亜矢は「ずっと昔から恨んでいた」と久美子に告白。
高校時代の俊介の事故も久美子への対抗心から俊介に告白した亜矢が振られた為に起こった殺人だったことを知る。
胡蝶蘭のイヤリングはその際に俊介の所持品に紛れ込んだのだ。
事実を知った久美子は亜矢を殺害。
亜矢殺害を脅迫してきた梨世も殺害した。
実は久美子の殺意を事前に汲みとっていた与那。
式子内親王の句は与那が亜矢にプレッシャーをかけ自分に容疑がかかるよう工作したものだった。
互いに庇い合う久美子と与那。
そんな二人に俊介の母の言葉を伝える明子と春彦。
俊介の母は自分の存在が二人を過去に縛り付けているのではないかと危惧していたと言う。
そこから解き放たれてほしいとの言葉に泣き崩れる久美子。
春彦は友人の知らなかった一面に一抹の寂しさを覚える。
「みんな消えても私が居る!!」そう語る明子。
「ありがとう」呟く春彦―――エンド。
<感想>
ドラマ原作は1995年4月に文庫版が発売された「レンタル家族殺人事件」(文藝春秋社刊)収録の短編「ポールポジション」。
本来は看護婦(現在は看護師)戸田鮎子と恋人の新聞記者田原陽一が活躍するシリーズものでした。
カップルという基本設定を借りてドラマ化されたわけですね。
原作「レンタル家族殺人事件」のあらすじはこちら。
ガンで入院中の老女を見舞う息子と嫁、可愛い孫。一見あたたかな家族の光景のようだが、実は彼らは赤の他人だった―現代風俗を見事にとらえた表題作のほか、被害者が書き残した百人一首が謎を解く鍵となる「ポールポジション」など看護婦戸田鮎子と恋人の新聞記者田原陽一が活躍する傑作ミステリー四篇。
(アマゾンドットコムさんより)
では、肝心のドラマ版感想を。
内容的に無理があり過ぎる……。
コレ、アイデアありきで無理矢理名前つけてるよね。
それと命の危険を覚えた人間がわざわざ百人一首の句にダイイングメッセージを託すって……無いわ!!
事前に誰かに伝言残すか別の方法を採るだろう。
少なくともこの方法はまどろっこし過ぎて絶対無理!!
原作の場合、「書き残した」とあるから更にハードル上がりそうだな……。
なんだか東野圭吾先生の「名探偵の掟」思いだした。
だが、片平なぎささんと神田さんは頑張ってたと思う。
そこは良かった。
ちなみに今回の撮影はかなりハードだった様子。
こんな記事を見つけました。
ソースの「MSN産経ニュース」さんによれば―――
大人気シリーズ、待望の最新作が登場!!
10月1日午後9時から放送の金曜プレステージは、「山村美紗サスペンス 赤い霊柩(れいきゅう)車26 黒い同窓会」をお届けします。片平なぎさ演じる京都の葬儀社社長・石原明子と、婚約者である大学病院医師で、神田正輝扮(ふん)する黒沢春彦が遭遇した事件を推理し、真相解明に乗り出すストーリー。収録が行われたのは2カ月ほど前でしたが、連日、最高気温35度以上を計測する記録的な猛暑の中とあって、片平も神田も異口同音に「とにかく暑かった!」と声をそろえた。
「暑さでスタッフの携帯電話は2回も壊れてしまったし、ロケバスのエンジンがかからないこともあったの。その間、自分の車で待っていたのですが、そこもサウナ以上。こんな経験は初めてでした。しかも、カメラの前では涼しげな顔を保っていなければならないので、それがとにかく本当に大変でしたね。特に長袖の喪服を着てのシーンは地獄でした」と片平が裏話をこっそり話してくれました。
神田も「大きい汗は我慢できるんですよ。でも、霧のように吹き出してくる細かい、じわっとした汗はどうしようもなかったですね」。しかし、モニターで2人の様子を見ると、暑さを我慢しながら撮影しているなどとはみじんも感じさせないほど余裕の表情。その秘訣(ひけつ)は…。
神田は「とにかく気合です」、そして片平は「脳をだます(笑)」とのことでした。画面からはうかがい知れない、そんな苦労もあったんだなと思いながら番組を見るのも、秋の夜長の一興かも!?(フジテレビ広報部 正岡高子/SANKEI EXPRESS)
(MSN産経ニュースさんより)
大変そう……言われてみれば確かにそんな気もする……。
<キャスト>
石原明子:片平なぎさ
黒沢春彦:神田正輝
狩矢警部:若林 豪
秋山隆男:大村 崑
内田良恵:山村紅葉
中川久美子:高橋ひとみ
与那忠志:大友康平
藤原しのぶ:朝加真由美
橋口警部補:松永博史
池田亜矢:山下容莉枝
多田梨世:濱田万葉
玉井奈緒:加賀美早紀
藤原幸男:黒田アーサー
河合治子:島かおり ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・【お台場メール】猛暑の撮影 「気合」「脳をだます」(MSN産経ニュースさん)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100930/tnr1009301219005-n1.htm
◆「山村美紗先生」関連過去記事
【ドラマ】
・月曜ゴールデン 山村美紗サスペンス「狩矢警部シリーズ8京都西大路通り殺人事件〜京の椿四姉妹連続殺人!椿の幽霊と密室アリバイトリックに狩矢と娘和美が挑む!」(5月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「山村美紗サスペンス 京都・美人女優連続殺人事件〜主役は2度殺される!?ガラス張りの密室殺人トリックを“股のぞき”が暴く」(4月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【イベント】
・「ミステリーの女王・山村美紗の世界」展、ふたたび!!
(2010年11月28日まで開催)
・娘・紅葉さんプロデュース!!「ミステリーの女王・山村美紗の世界」展4月24日土曜より開催!!(すでに終了)
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