2010年10月02日

土曜ワイド劇場「西村京太郎トラベルミステリー 伊豆の海に消えた女(西村京太郎スペシャル 伊豆の海に消えた女特急踊り子160分間の殺意!遺書と指紋の罠十津川警部vs謎の5人の美女)」(10月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「西村京太郎トラベルミステリー 伊豆の海に消えた女(西村京太郎スペシャル 伊豆の海に消えた女 特急踊り子160分間の殺意!遺書と指紋の罠十津川警部vs謎の5人の美女)」(10月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

十津川警部


レストランチェーンの社長・高原雅之(比留間由哲)が高級マンションの自室で刺殺された。捜査をはじめた十津川警部(高橋英樹)と亀井刑事(愛川欽也)は、事件前日、被害者のオフィスに片山と名乗る女性から電話があり、「結婚しないなら殺してやる」という物騒な伝言を残していたことを聞く。
調べてみると、高原は4人の女性と交際していたことが判明。4人のうち、片山みゆきというイベントコンパニオンの行方がわからなくなっていた。

その頃、東京駅から発車した『踊り子105号』の車内では、サングラスをかけた謎の美女(井上和香)が、隣席の若い商社マン・酒井修(渋江譲二)に声をかけていた。女は、自分はモデルの“生田くみ子”だと自己紹介。会社をサボってひとり伊豆の下田温泉に向かっていた酒井に、魅惑的な笑みを向ける…。
一方、みゆきの住むマンションの大家の情報から、彼女が静岡・下田の出身と知った十津川らは、故郷に向かっている可能性が高いと考え、静岡県警に写真を送って手配を要請。すると、みゆきは熱海駅で若い男と一緒のところを駅員に目撃されていたことがわかった。
その男女こそサングラスの女と酒井で、2人は熱海駅で踊り子号から各駅停車の展望車『リゾート21』に乗り換えていた。静岡県警の小山警部(今井雅之)らは終点の下田駅で到着を待ち構える。ところが、なぜか2人は下田に姿を見せなかった。
実は、女と酒井は、下田のひとつ手前の蓮台寺駅で降りて宿泊していたのだ。みゆきを追うため下田にやって来た十津川たちは宿に急行するが、2人はすでにタクシーに乗り込み、“爪木崎”という断崖に向かっていた。そして、十津川らが駆けつけたときには崖の上には女の姿はなく、“高原さんを殺したのは私です。死んでおわびをします。片山みゆき”という書き置きだけが残されていた! 
駐車場でタクシー運転手と共に彼女を待っていた酒井によると、女は突然「ひとりにしてほしい」と言い出し、崖に残ったのだという。酒井は、彼女が昨日からずっとサングラスをかけたまま何かにおびえた様子だったこと、タクシー運転手から下田では昨日東京で起きた殺人事件に関する警察の検問が行われていることを聞くと、ひどく動揺していたことなどを証言する。
それを聞いた十津川は、みゆきの自殺は警察の追跡をかわすための偽装で、“自殺へと追い詰められていく犯人像”を印象付けるために酒井を利用したのではないかと怪しむ。だが、翌朝、岩礁からみゆきの水死体が見つかり、事件は被疑者死亡で解決したかのように思えた。
しかし、十津川の直感どおり、事件はまだ終わっていなかった…。2週間後、同じ爪木崎で、高原の交際相手のひとり、銀行員の秋山圭子(松永京子)が絞殺体となって発見されたのだ!
最初の事件の被害者である高原に続き、その交際相手の4人の女のうち、2人が死んだ…。この一連の事件の真犯人とその目的とは、はたして…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

秋山圭子に引き続き、探偵の野崎が殺害される。
高原の妹夫婦に疑惑が向かう中、妹夫婦が何者かから呼び出されたことを知る十津川。
何でも、高原死亡後に「お前たちが犯人だ!!」と告発する手紙が届き対応に苦慮していた所に「助けてやるからここへ来い」と場所を指定した手紙が届いたと言う。

妹夫婦を告発した手紙が秋山圭子の手によるものと判明。
圭子は犯人を知っていたわけではなく、疑わしいと思われる人物全員に告発状を送っていた。
すべては犯人を炙り出す為だったのだ。
しかも、探偵の野崎が圭子に雇われてボディーガードをしていたことも明らかに。

ここで、圭子が告発状で犯人を特定し脅迫する際にボディーガードとして野崎を連れて行ったが、野崎は仕事をせず圭子殺害をネタに真犯人を脅迫して殺害されたと推理する。
そして、高原の妹たちは犯人の隠れ蓑に利用されているに過ぎないと断定。

そんな中、殺された高原と津田明江が五年前に北海道で強盗殺人事件を起こしていたことが判明。
だが検証してみた結果、現場の遺留指紋が適合せず高原はともかく現在の津田明江は犯人ではないことが分かる。
強盗事件の犯人は二人組、ひとりは高原としてもうひとりは誰なのだろうか?

片山みゆきがイベントに出ずっぱりで管理人に渡したお土産が買えなかったことが判明。
代わりにお土産を買った人物がいると考えた十津川は“ナオミ・セキグチ(関口奈緒美)”という女性を調べるよう指示する。
結果、片山みゆきを名乗り死亡した人物が“ナオミ・セキグチ”という日系アメリカ人だと判明。

本物の片山みゆきが生きていると察した十津川は津田明江にその情報を洩らす。
早速、車で動き出す明江。
直後、明江は事故に遭ってしまう。

事故後、意識を回復した明江に詰め寄る十津川。
現在の明江がB型はB型でもRHプラスとRHマイナスとで過去の明江と血液型が違うことを指摘し、現在の明江こそが本物の片山みゆきであると追及する。

本物の片山みゆきは事件の3ヶ月前から津田明江と入替り生活する一方、ナオミを騙し自分の役を演じさせ高原を殺害、警察の容疑を片山みゆきに集中させた。
当初の計画ではここでナオミを国外逃亡させる予定だったが、ナオミが豹変しみゆきを脅迫したため勢い余って殺害してしまった。
その直後、今度は秋山に脅迫されることになり、これも殺害。
その次に探偵の野崎に脅迫され、これも殺害したのだった。

すべての発端は、みゆきが高原への想いから明江に詰め寄ろうとしたことだった。
みゆきが訪ねた際に明江は倒れ込んでおり、そのまま息を引き取った。
病死だった。
なし崩し的にそのまま明江になり変わったみゆきは、高原から明江あてに半年ごとに大金が渡されていることを知る。
実は本物の明江と高原こそが五年前の強盗事件の犯人。
高原は真相を知る明江に怯え、大金を渡し関係を維持していた。

事情がよく呑み込めないものの高原に秘密があると察したみゆきは高原に明江の代わりに自分を愛する様迫るが、拒否された為に殺害したのだった。

こうして事件は解決。
「明江がすべてを見越して高原を道連れに死ぬべくみゆきを利用したのでは」と感じる十津川。
頷く亀井―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は同名の「伊豆の海に消えた女 」(光文社刊)。
1991年12月に文庫版が発売されている。

文庫版のあらすじはこちら。

東京南青山の高級マンションで、プレイボーイの青年実業家高原雅之が刺殺された。十津川警部と亀井刑事の捜査で、五人の女の名前が浮かんだ。その一人、モデルの片山みゆきは、伊豆下田に向かったまま行方不明、石廊崎から身を投げたか、水死体で発見。さらに一人が天城峠で殺され…。伊豆を舞台に次々起こる殺人。十津川警部の推理が冴えるトラベル・ミステリー。
(アマゾンドットコムさんより)


で、肝心のドラマ版感想。

急展開に次ぐ急展開。
相変わらず溜めがないなぁ……犯人像も薄っぺらいし。
誰が犯人だったとしても驚かないし、面白くない。
右に進んで左に進んで新情報で下に進んで間違って後ろに戻ってタレこみで前に進んで都合よく証拠が出て来て、罠張ってまかれて追いついて決着。
何だろうなぁ……コレ、様式美といえばそうなんだろうけど。

同じ十津川ものでも金曜プレステージ「肖像シリーズ」の方が面白い。
きちんと伏線らしきもの(割と融通が利くので伏線とはいいきれないが……)も張っているし。

正直、視ていて辛かった……ラスト付近で多少良くなったのが唯一の救いか……。
そういえば、今回の話には特急踊り子ほとんど関係ねぇ!!

ちなみに十津川警部といえば、2010年10月15日にはフジテレビ系列「金曜プレステージ」にて「十津川刑事の肖像3 危険な判決」が放送予定(過去記事にて前作ネタバレ批評あります)。
高島政伸さん演じる若かりし日の十津川にまた会えます。
こちらも楽しみです。

◆関連過去記事

【シリーズ前作はこちら】
土曜ワイド劇場「西村京太郎スペシャル 山形新幹線・つばさ111号の殺人!謎の駅に途中下車のトリック十津川警部vs黒い帽子の女…」(2月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【原作者・西村京太郎先生関連記事】
・関連するドラマはこちら。
金曜プレステージ 西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像2「都民1300万人を誘拐した…都知事への脅迫電話で始まる連続殺人事件…死体に隠された秘密とは?愛と憎しみの復讐劇」(6月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 西村京太郎スペシャル警部補・佐々木丈太郎「告白〜狙われた小学校…次々殺される育児放棄の親達!容疑者は女教師、生徒が目撃者崩壊した教室で何が」(8月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

・関連するその他の事柄はこちら。
西村京太郎先生が選ぶ自身のベスト3作品とは?

「湯河原文学賞」作品募集!!(審査員をされてます)

「第二回麻雀トライアスロン 雀豪決定戦」に綾辻行人先生&西村京太郎先生が参加!!

<キャスト>

十津川警部:高橋英樹
亀井刑事:愛川欽也
謎の女:井上和香
津田明江:宮本真希
宮本真理:映美くらら
西本刑事:森本レオ
北条刑事:山村紅葉
清水刑事:井川晃一
久保田刑事:伴 杏里
小山警部:今井雅之 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


ドラマ原作「伊豆の海に消えた女 (光文社文庫)」です!!
伊豆の海に消えた女 (光文社文庫)





西村京太郎先生で伊豆を舞台にした作品にはこんなものも。
「伊豆海岸殺人ルート (光文社文庫)」です!!
伊豆海岸殺人ルート (光文社文庫)



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