2010年10月02日

サラ・パレツキーさんインタビューがasahi.comさんに掲載されました

アメリカの著名ミステリ作家サラ・パレツキー女史のインタビューが「asahi.com」さんに掲載されました。

ソースの「asahi.com」さんによれば―――

シカゴの女性探偵V・I・ウォーショースキーのシリーズで人気の米国作家サラ・パレツキーさんが、国際ペン東京大会のために来日した。「9・11以降、国家の安全という名のもとに市民的自由が犠牲にされている」と警告を発し、新作『ミッドナイト・ララバイ』や自伝的エッセー『沈黙の時代に書くということ』(いずれも早川書房、山本やよい訳)でも「社会的不正義には、沈黙ではなく発言を」との思いを込めている。

サラ・パレツキー女史
「来日されたサラ・パレツキー女史」


1966年夏、シカゴ。19歳のパレツキーさんは、教会のボランティア活動に参加するため、白人家族の家に宿泊していた。公民権運動の指導者キング牧師の率いる抗議デモを白人たちが妨害し、暴動騒ぎが繰り返される中で、パレツキーさんはキング牧師とともに行進した。

「当時の私は若く希望に燃えていたので一面的にしかものをみることができず、なぜ白人社会が黒人に対し憎悪するのかわからなかった。その憎悪は今も許せないが、私が宿泊した白人家庭は貧しく、公的な援助もなく、努力しても得るものは少ない厳しい生活に、声をあげずに耐えていた。彼らのような声なき人々について書こうと思った」

新作『ミッドナイト・ララバイ』では近年発覚したシカゴ警察での黒人への拷問事件を題材にした。66年の暴動の頃から90年代まで続いていたという。

同年のデモ行進中に殺された黒人女性。「犯人」とされた黒人男性はシカゴ警察で拷問を受けていた。真相を探るV・Iは様々な妨害に遭いながら、黒人男性を逮捕したのは警察官だったV・Iの父親トニーだったことを知る。父親が拷問に関与した可能性を知り、彼女は傷つく。

■理想追うだけでなく

「V・Iは、自分がどうなろうと正しいことをやり通す人物で、私の理想の女性でもある。しかし、勇気を持って発言するか沈黙するかは、ほとんどの人にとって、その時に何を望み、何を恐れるかによる。私はトニーに拷問を止める役割を与えることも考えたが、彼は家族を養わなければならず、職を失うことはできなかった。私は、理想だけを追う座り心地のいい小説を書くつもりはない」

トニーの苦悩とそれをV・Iが理解するまでの過程が小説に深みを与えている。

V・Iは目の前の不正義を見逃さず発言しつづけてきた。作者の姿にも重なってみえるが、「私はむしろ傍観者タイプの人間」だという。そんなパレツキーさんが今、強く訴えているのが、9・11テロ事件の直後に米国で成立した「愛国法」の危険性だ。同法のもとでは捜査当局は令状なく盗聴でき、図書館は利用記録の提出を拒めない。

「人々は支配的なメディアによって、何か悪いことが起こるのではないかという恐怖心を常にあおられている。疑心暗鬼になり理性的に立ち向かうことができないので、無思慮に行動してしまうか沈黙するしかない状況にある」

■批判的に向き合う

パレツキーさんの「発言する分身」でもあるV・Iに、愛国法反対を訴えてもらうのはどうだろうか。

「政治的状況をそのまま小説に使うことはない。だが『監視社会』に批判的に向き合うことで、今起きていることにノーと思っているのは自分一人ではないということを感じてもらうことはできる」

シリーズの進展にしたがって年齢を重ねてきたV・Iも50代になる。『沈黙の時代に書くということ』のなかに「わたしは疲れている。V・Iも疲れている」とあった。

ファンが心配しているようですが……。

即座に「ウィ シャル オーバーカム(私たちは打ち勝つ)」と返ってきた。(都築和人)
(asahi.comさんより)


読者は今後もV・Iの活躍を読む事が出来そうです。

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「9・11後、自由が犠牲に」作家サラ・パレツキーさん(asahi.comさん)
http://book.asahi.com/clip/TKY201009300293.html

◆関連過去記事
国際ペン大会開幕!!

サラ・パレツキーさん来日記念イベント続々開催!!

「国際ペン大会」今年は東京で開催、ミステリ作家のサラ・パレツキーも参加!!

2010年国民読書年宣言集会!!

講演会「本と読書、その歴史と未来」は9月7日午後2時より開催

サラ・パレツキー女史のエッセイ「沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択」です!!
沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択





こちらはV・I・ウォーショースキーシリーズ「ミッドナイト・ララバイ ((ハヤカワ・ミステリ文庫))」です!!
ミッドナイト・ララバイ ((ハヤカワ・ミステリ文庫))





同じく「サマータイム・ブルース〔新版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)」です!!
サマータイム・ブルース〔新版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)





◆サラ・パレツキーさんのその他の作品はこちら。




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posted by 俺 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 作家さん情報!! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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